「アレ、あなたが乗ってたんじゃなかったんですか?」
戻るなり、士は昨日の男に声をかけられた。
「ああ、アレから飛び出して来たヤツが乗ってる、人間じゃないかもしれないが」
そう言って士は黒いロボットを指差した。
海東は地面を這いつくばって何かを探している。
「有った、有ったぞ!これで使える。」
またも狂喜する海東。
その時、黒いロボットから声がした。
「乗ってみないか!」
はしゃいでいた海東も我に返る。そして眼を大きく見開いた。
「チェンジマンの世界に、ラジエッカー、ガンマジンにバイオロボ迄、どうなってるんだ…。」
「何だ海東、今頃、もしかして気が付いてなかったのか?」
「ああ…あれはバイオロボ。とびっきりのお宝だけど、この世界にはある筈がないものなんだ。」
「あんた、誰だか知らないが、コイツだけは乗せない方が良い。泥棒だからな、乗り逃げされるぞ。」
「じゃあ君は乗るのかね」
その時男が前に出た。
「乗せて下さい!」
「俺は嫌だね、そんなロクに動かないポンコツは」
士の返事にロボットが答える。
「本来5人乗りなのを、私1人で操縦しているから、性能が発揮できていないだけだ」
「だったらあんたと一緒に来た、アイツを乗せればいいだろう、2人なら多少マシにはなるだろ」
士はラジエッカーを指差した。
「戦いの最中に、そんな事が出来ると思うかね」
「出来るか出来ないかじゃなく、やるかやらないかだと思うがな」
「私は乗ります、乗せて下さい!仲間達が戦っているのに、危機に陥っているのを黙って見過ごすなんてできない」
「君は戦士ではない、恐らく操縦には耐えられないだろう。しかし、先程変身していた君達なら耐えられるだろう」
「あんた、何様のつもりだ!」
士が吼えた。
「人に物を頼むのに、顔も見せずに文句ばかり言って気に入らねぇ」
「そっ、それは…」
「この男は、仲間の力になりたがっている。ただ一緒にいるだけではない、それぞれの持ち場で全力を尽くす、そういう戦い方もあるだろう…、だが、目の前で苦しむ仲間が居て、共に戦える力がある、そんな時は、他を犠牲にしても手を貸す、それが仲間じゃないのか。今のこの男は、まさにそれをしようとしている、命懸けでな。だから俺も力を貸してやりたい。あんたはどうなんだ。共に戦えと言うなら、それだけの覚悟は有るのか、だったら見せてみろ」
バイオロボの動きが完全に停止し、黒ずくめの男が姿を表した。隣の男が叫ぶ。
「あなたはVRVマスター!」
黒ずくめの男は頷き、そして士に向かって問いかけた。
「君の名は?」
「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ。」
士が笑った。
「これで3人だな、何とかなるだろ、海東、お前も乗れ。」
「否、2人だ、君にはチェンジロボに乗ってもらいたい。」
VRVマスターは士の横の隊員の男にそう言った。
「どういう事だ」
士が問う。
「通信によれば、チェンジマンの諸君がかなりのダメージを受けていて、満足に動けないそうだ。操縦のサポートが必要だが、気心が知れていてロボについても熟知している君が適任だ。残った我々で、そのチャンスを作るしかあるまい。」
「2人でやるしかないのか、おい、海東、手を貸せ。」
「僕には関係ないね。でも、士の頼みだから、ちょっとだけ手を貸すよ…頼んだよ、僕の兵隊さん達。」
海東がディエンドライバーを放つ。
「カメンライドゥ、デンオウ・アックス、ダブルゥ・ルナトリガァ」
「僕は忙しいんだ、後は何とかしてくれ」
ディエンドライバーが呼び出した、木偶のライダーが2体残った。海東は背を向け、立ち去ろうとしている。
「やるしかないか…あんたのチャンス、俺達が作ってやるからな。」
士はディケイドに変身すると、海東の残した電王アックスフォーム、W・ルナトリガーと共に、バイオロボに乗り込んだ。
登録タグ: レンジャーズストライク カードレビュー
テーマ:悪さしたい | 投稿日時:2010/01/02 20:58 | |
TCGカテゴリ: レンジャーズストライク | ||
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