黎明期以降も沢山のTCGが生まれました。それらは「コストシステム」と「コンタクトルール」で差別化しました。それは今でも変わらないのですが、そのふたつをタイヤの両輪のように連結される開発競争が進んでいます。
「コストシステム」と「コンタクトルール」の連結とは……ターン経過によるコスト増加とコンタクトの拡大化、並列するインフレがゲームをドラマにします。この連動システムはゲームの砂時計の完成で「起承転結」や「序論・本論・結論」のアニメシナリオをゲームにも再現できる革新的アイディアです。
しかし、2つは別次元だから両輪を連結させる仕組みが必要です。それが「カード効果以外でにおこる誘発効果」です。誘発効果でドミノのように連鎖するのです。機械仕掛けなら水車のように設置して終わりなのですが、TCGは誘発処理を人が解決します。それはMTの車で「止まれ」交差点を何回も横断する多重化したシステムになりました。そのシステムの役者にあるカードですが……TCGの基本原則「カードテキストと基本ルールが矛盾した場合、カードが優先される」があります。つまり、多重システムはカードのあらゆる干渉に脆弱なのです。だからカードデザインは極小の能力しかできないのです。しかし、それだとデッキ枚数とカード種類の肥大化に陥ります。そこで、1枚のカードに限定効果を多数組み込んだマルチカードで減量しました。
ついに、その連結システムはアニメのようにスクリーンに映し出しました。ところが、それはモノクロの動画だったのです。「誘発の多重化」や「マルチカード化」は苦慮なかの光るアイディアです。しかし、ゲームの色彩を遮断したのです。色彩とは「驚き」や「期待」や「感動」です。先週の続きである、「運要素」それが色を与える「絵の具」なのです。
新作TCGの「運要素」は損失がない「くじ」に進化しました。デュエル中に沢山の「くじ」を用意して退屈させないゲームになります。そして、「勝てないからやらない」と敬遠するプレイヤーの回答です。対する「くじシステム」のない先発TCGはカードプールの広さと基本ルールの土台の強さ(更地ともいう)で応戦します。新作TCG側はその強みを自陣側に引き込めないのです。「くじシステム」はその弱点のぼかす絵の具だからです。メーカーは「スタイリッシュ」さを宣伝しますが、「くじシステム」の私の本音は……町人が勘違いした気の毒な「偽勇者」です。でも「偽勇者」は普通の人間だから、その弱い部分がわかる、そして許せるのです。
登録タグ: 水曜日の斜め上TCG論
テーマ: | 投稿日時:2013/07/03 21:00 | |
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