当時(MTGコラムが記載されたとき)「新世界秩序」を読んでも何が変わるのかわかりませんでした。「バニラ」クリーチャーや定番スペルの定番化、神話レアの登場、そのくらいの変化しかなかったのです。斜め上ですが、今でははっきりとわかります。それは「カードデザインのダウンサイジング」です。「ダウンサイジング」とは小型化です。つまり、1ブロックのカード枚数の減少です。しかし、それは質の低下に見られて、現実的に不可能だった。それなら、特定数のカードに集中して必要のないところは簡素化(バニラや定番カード)を「ダウンサイジング」の手法にしたのです。
彼らのすごいところは「カードデザイン」の「ダウンサイジング」の効果をプレイヤーに還元したことです。私たちがカードを手に入れるまで、「カードデザイン」→「テストプレイ」→「イラスト」との製造ラインがあります。デザインが収縮したことによって力関係が「デザイン」&「テストプレイ」&「イラスト」(並列化)となったのです。「静岡グランプリ」のクールなイラストのレアカードが飛び交う、メタゲームと呼ばれる戦略ゲームは三位一体による開発の成果なのです。
彼らの肥大化するカードデザインの限界を認識したのは2006年の「時のらせんブロック」と「ローウィン=シャドウムーア・ブロック」は100人を満足させるために100種類のカードのデザインでしたが、100人が笑うゲームにならなかった。それを反省して、糧にしたのが次の「アラーラの断片ブロック」です。「ダウンサイジング」のテストから導かれた方向性を確信し公表したのが「新世界秩序」コラムなのです。プロジェクトの起動が動き出した跡に発表する日本人では支持を得られないやり方です。
登録タグ: 水曜日の斜め上TCG論
テーマ: | 投稿日時:2014/01/08 23:02 | |
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