「じゃんけん」の特徴は「三すくみ」です。前回、「クリーチャー」「除去カード」「除去できないカード」と分別しましたが、現実のTCGはカード数ほど「∞すくみ」があります。そのなかで、プレイヤーは少しでもじゃんけんに勝ちやすいカードを日夜捜し求めています。その要求に応えるべくカードデザインも進みました。
「クリーチャー」「除去カード」は分類しやすいカードですが、「除去できないカード」は特定のカードに鉄壁だったり、脆弱だったりします。TCGのルールでは「否定型(できない)」優先されるからです。「○○できるカード」は「○○できないカード」の駆逐されるのです。ですから、「除去できないカード」は存在はありえないはずですが、プレイヤーを悩まし続けます。あるでようでない存在、お化けのような「除去できないカード」とは何か?それはMTGから考察します
MTGはおよそテキスト枠が旧式まで「除去カード」優勢でした。ターニングポイントは「除去できないカード」の常連の「カウンタースペル」の引退です。これを追い風に「クリーチャー」は除去カードの耐性をもつ「場に出る効果」「死亡したとき」「対象にならない」能力がデザインされました。そして「除去カード」はでる杭を打つように「追放する」「生贄する」「場に出さない」を駆使して芽をつぶしまた。
その結果、パワー&タフネスを落とさなかった除去耐性のクリーチャーはレア化や高コスト化になりました。それに対して「除去カード」はアンチ除去耐性で細分化、個別化しました。そして、破壊力のある「クリーチャー」を特化した「除去カード」で潰しあう矛盾デュエルになりました。低コストである除去が決まればマナリソースの節約ができます。安定力の高い構築戦は大きなアドヴァンテージです。MTGスタンダードは「除去カード」で大きなマナ格差を引き込むリソースゲームです。そして、そこに新しい「じゃんけん」の「三すくみ」が生まれます。構築戦において、「除去カード」スロットルは限界があります。そして、相手のクリーチャーにマッチする「除去カード」があるとは限らないのです。必然的に、除去耐性を持つクリーチャーに力押しできる「カード」が注目されます。理想は駆逐能力を持つ除去耐性の「カード」ですが、それは「凶カード」です。除去耐性のみを持った同士討ちもありますが、駆逐能力のみクリーチャーの採用も候補にあがります。なぜなら、極端な例ですが……「除去カード」1枚「除去耐性のクリーチャー」1枚の相手なら「駆逐能力のクリーチャー」2枚で勝つことができるからです。それこそが、「クリーチャー」「除去カード」のいたちごっこからの終焉と「除去できないカード」の存在価値なのです。
登録タグ: 水曜日の斜め上TCG論
テーマ: | 投稿日時:2013/11/27 22:11 | |
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