タイトルとか考えてなかった

ChaosTCGについてあれこれ考えていました。今はMTGです。

カレンダー
<<2019年
11月
>>
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最近のブログ
最新のコメント
お気に入りブログ
ユーザー情報
あんずはピポサル
非公開/男性
3日以上
ブログテーマ
TCGカテゴリ
このブログの読者
【MTG】シミックネクサス解説【パイオニア】

※2019/11/27追記
画像を追加しました
一部の誤字・脱字を修正しました
「◆TIPS」にシミックネクサス対策について追記しました


◆目次
①はじめに
②スタンダード時代との相違点
③サンプルリスト
④採用カード解説
⑤プレイガイド
⑥サイドボーディング
⑦TIPS
⑧終わりに

◆はじめに
お疲れ様です。てんさいチンパンジーです。

本記事は2019年11月時点のパイオニア環境における【シミックネクサス】の解説記事になります。
先日、晴れる屋トーナメントセンターで開催された国内初のパイオニアフォーマットにおける大型プレミアイベントであるパイオニア神挑戦者決定戦にて望外のTOP8に入る事が出来ました。
折角なので、熱のある内に(?)知見を共有したいと思い、本記事を執筆するに至りました。

※一部、過去の記事からの引用も御座います。ご了承下さい


◆スタンダード時代との相違点
スタンダード時代との相違点について解説します。

・フィニッシャーに無駄がない

スタンダード時代は《世界を揺るがす者、ニッサ》や《無神経な放逐》など、フィニッシュ手段専門のカードをメインに採用していました。
しかし、パイオニア環境では《ガイアー岬の療養所》《伐採地の滝》といった土地にフィニッシャーが存在するため、メインに無駄なカードを採用する必要がありません。

・《濃霧》が使える

このデッキが【ターボフォグ】とも呼ばれる所以となった一枚である《濃霧》が使えます。
《アズカンタの探索》《時を越えた探索》で探しながらプレイしたり、《伝承の収集者、タミヨウ》と同時に構える時にその軽さを実感します。
《アズカンタの探索》の反転用や《時を越えた探索》の探査コスト用など、適当に墓地に落としておく際にもその軽さが沁みます。

・《時を越えた探索》が使える

このカードが無ければパイオニアにおける【シミックネクサス】は成立しませんでした。
それくらいこのカード単体のカードパワーはすさまじいです。
《巧みな軍略》や《伝承の収集者、タミヨウ》といったコンボを支えるカード達が《時を越えた探索》と相性が良く、フェッチランドが禁止されているパイオニア環境においては【シミックネクサス】が《時を越えた探索》を最も使いこなせるアーキタイプという事になります。


◆サンプルリスト
土地25枚
7《島》
2《森》
4《内陸の湾港》
4《繁殖池》
4《寓話の小道》
2《爆発域》
1《ヴァントレス城》
1《伐採地の滝》

その他35枚
4《濃霧》
4《選択》
4《成長のらせん》
3《巧みな軍略》
1《サイクロンの裂け目》
1《アズカンタの探索》
4《荒野の再生》
4《ヒエログリフの輝き》
2《伝承の収集者、タミヨウ》
4《運命のきずな》
4《時を越えた探索》

サイド15枚
3《否認》
3《神秘の論争》
2《威圧の誇示》
2《不屈の追跡者》
1《自然への回帰》
4 ※自由枠


◆採用カード解説:メインボード
スタンダード時代から変化のあった新規・既存カードについて解説します。

マナベース
見た目以上に青カウントを取っています。
これは序盤に《森》や《爆発域》を置いてしまうと、《選択》や《ヒエログリフの輝き》を連続でサイクリングしたい際に支障が出たり、《時を越えた探索》で持ってきた《アズカンタの探索》が置けない場合があります。

また、緑絡みのアクションを連続で取る事は稀で、唯一あるのが《伝承の収集者、タミヨウ》+《濃霧》のパターンのみです。
《夏の帳》が健在だった頃は《不屈の追跡者》+《夏の帳》というのも有り得えましたが、今となってはそれもありません。
なので、青17:緑11(+《寓話の小道》)という偏った配分になっています。

《濃霧》

既に紹介した通り、1マナになった《根の罠》です。
純粋なクリーチャーデッキに対してはこれ自体も《時間のねじれ》とほぼ同等の効果です。
ただし、本来であれば《濃霧》の有効な緑系デッキである【緑単信心】【硬化した鱗】のいずれも《アーク弓のレインジャー、ビビアン》が採用されており、サイドから《探索する獣》を引っ張られるので過信は禁物です。

《選択》 / 《巧みな軍略》 / 《ヒエログリフの輝き》

異なるマナ域・効果ではありますが、【シミックネクサス】における役割は近いので一括りにしています。
本リストはこれらの軽いスペルを多用し、《時を越えた探索》を強く運用する事を意識しています。

《アズカンタの探索》

スタンダード時代は2ターン目に設置したい置物でしたが、パイオニアでは《時を越えた探索》の探査コストによって墓地が肥えづらく、このカードの価値も落としています。
勿論、《荒野の再生》との組み合わせによるエンジンは相変わらずこのデッキのフィニッシュ手段ではありますが、あくまで最終的に強いカードです。
なので、最低枚数の1枚に留めています。

《サイクロンの裂け目》

スタンダード時代はこの枠が《一瞬》でしたが、《荒野の再生》がある状態では余裕で超過コストを支払えるため、【緑単信心】や【硬化した鱗】デッキなどの盤面オールイン系に対してはより強力な必殺の一枚になります。
影響力が大きく違うため、特別な理由がない限りは《サイクロンの裂け目》を優先した方が良いです。

《時を越えた探索》

既に紹介済みですが、コンボデッキに求められる最強のドローソースです。
【シミックネクサス】はこのカードに支えられており、このカードが禁止になった場合は【シミックネクサス】も同時に消滅します。
《荒野の再生》状態だと余ったマナを無駄なく注ぎ込めるので、サイド後に墓地対策をされても撃てる点で他のデッキより強く使えます。

《神秘の論争》

《夏の帳》が禁止となり、ソフトカウンターを持った【アゾリウスフラッシュ(スピリット)】【シミックエルドラージ】【イゼットエンソウル】への相性が格段に悪くなりました。
そのため、《夏の帳》同様の活躍が見込める《神秘の論争》に白羽の矢が立ちました。
《神秘の論争》の場合、《呪文捕らえ》や《霊気の疾風》といった《夏の帳》では交わせなかった対策カードを交わせるパターンもあるので、一概に下位互換とは言えませんが、《ドビンの拒否権》を突破するようなインチキも無くなったので、それについては一長一短です。

《威圧の誇示》

《時を解す者、テフェリー》対策です。
微妙な《夏の帳》モードは今のところ一度も使った事が無いです。

《不屈の追跡者》

リソース源かつクロックという事で、サイドに求められる能力が詰まっています。
《成長のらせん》や《荒野の再生》とも相性がよく、他のアーキタイプ以上に強く使えるのもポイントです。

自由枠
その時のメタゲームに合わせて下さい。候補を挙げておきます。

〇対アグロ
《ヴァントレスのガーゴイル》(神挑戦者決定戦時はこれを使いましたが、サイドイン回数は0回でした)
《氷の中の存在》
《クルフィックスの狩猟者》

〇対コンボ
《厚かましい借り手》
《自然への回帰》
《否認》

〇対クロックパーミッション
《神秘の論争》

〇対《時を解す者、テフェリー》
《変容するケラトプス》
《探索する獣》
《威圧の誇示》
《爆発域》


◆プレイガイド:マリガン基準
【シミックネクサス】のキープ/マリガン基準について解説します。

【シミックネクサス】は一定のキープ基準とマリガン基準と設け、それに従ってマリガンを判断します。
サイド後にはプランによって若干変化するので、ここではメインでのマリガンを想定します。

〇単体でキープ可能
《成長のらせん》《巧みな軍略》《荒野の再生》《アズカンタの探索》

これらはほぼ単体でキープ可能です。
《巧みな軍略》は《荒野の再生》を探すだけでなく1枚で3枚分の墓地が肥えるため、後引きした《時を越えた探索》をすぐにプレイできるようになります。

〇組み合わせ次第でキープ可能
《時を越えた探索》《選択》《ヒエログリフの輝き》《伝承の収集者、タミヨウ》《寓話の小道》

単体ではキープには至らないものの、複数のカードとの組み合わせであればキープ候補になります。
上記ら4種は《時を越えた探索》をプレイするために必要な墓地肥やしを行うカードなので、《時を越えた探索》+キャントリップ/フェッチランドが組み合わさる場合はキープとなります。
《時を越えた探索》が4ターン目に探査4でプレイできる(3ターン以内に墓地が4枚肥える)かどうかか判断基準になります。
初期手札で3枚以上肥える算段が立っているのが理想です。
(《寓話の小道》+《選択》+《ヒエログリフの輝き》など)

〇マリガン候補
《濃霧》《サイクロンの裂け目》《運命のきずな》

《濃霧》《サイクロンの裂け目》は単なる守り用のカードなので、重なれば重なるほどコンボが遠のくためマリガン候補になります。
《伝承の収集者、タミヨウ》や《アズカンタの探索》といった、ターン数の経過に意味があるカードとの組み合わせ場合のみ、キープ候補になります。
それ以外の場合はマリガンを検討します。

《運命のきずな》は最終的な勝利には必要なものの、《荒野の再生》が絡まない場合は確実に死に札になるため、2枚以上被ってる場合はマリガンします。
《荒野の再生》がある場合のみマリガン候補から外れます。


◆サイドボーディング:サイド指針
サイドボーディングの方針について解説します。
メジャーなアーキタイプについては後述のマッチアップガイドにて具体的なイン・アウトを解説しますが、それ以外のアーキタイプに対しては本項で解説する方針に従ってイン・アウトを決定します。

[1]《濃霧》が効くかどうか
《濃霧》が効かない相手=コントロールかコンボです。
効かない《濃霧》と構え合いに弱い《巧みな軍略》を減らし、《否認》などのカウンター、《不屈の追跡者》などのリソース源を追加します。

[2] コンボを妨害してくるか
《濃霧》は効くものの、コンボを妨害してくる…つまり、クロックパーミッション系のデッキがここに分類されます。
そのような相手には差し合いに強い《神秘の論争》を追加し、《巧みな軍略》を減らします。

[3] 勝ち手段を消されるか
《運命のきずな》を何らかの方法で追放できる(《漂流自我》や《失われた遺産》など)が入ってくると予想できる場合、勝ち手段として《不屈の追跡者》を追加します。

[4] よく分からない
困ったら入れ替えない方が良いです。
【シミックネクサス】はコンボデッキ故にメインデッキのままの勝率が最も高いです。
変に対策の対策を入れて相手と付き合うより、相手の動きが鈍い時にキッチリとコンボを決められる構成の方が勝率を担保できます。


◆サイドボーディング:簡易マッチアップガイド
メジャーなアーキタイプに対するサイドイン・アウトと簡単なマッチアップガイドについて解説します。

・対【黒単アグロ】
in/out
なし

有利なマッチアップです。
アグロが苦手と思われがちですが、《濃霧》+《伝承の収集者、タミヨウ》の組み合わせは愚直なビートダウンに対しては最強の戦略です。
幸い、【黒単アグロ】には【赤単アグロ】のような飛び道具は殆ど無いため、戦闘によるダメージさえ防げれば即死は殆どありません。
また、クロックも意外と低く、【シミックエルドラージ】程のスピードもないので《濃霧》を撃ち始めるターンが遅く、これも【シミックネクサス】が有利なポイントです。

サイド後は《強迫》《集団的蛮行》が入る程度であり、こちらもコンボプランを継続するので変更はしません。
2本目に相手が《失われた遺産》を取っている事を確認できた場合のみ、3本目から《不屈の追跡者》を追加します。


・対【緑単信心】【硬化した鱗】
in/out
なし

五分なマッチアップです。先後で決まる事が多いです。
一般的に《濃霧》がクリーンヒットする相手は有利と思われがちですが、パイオニア環境の緑系デッキの場合、《アーク弓のレインジャー、ビビアン》からの《探索する獣》でむしろメインから落としうるマッチアップです。
とは言え、それが絡まない限りは有利なマッチアップです。

メイン戦もサイド後もあまり変わりません。
どちらが早く自分のやりたい事をやるかというゲームになります。


・対【シミックエルドラージ】
in
3《神秘の論争》

out
3《巧みな軍略》

不利なマッチアップです。
《キランの真意号》《不屈の神ロナス》《恋煩いの野獣》などのマナレシオに優れたクリーチャー、《頑固な否認》《難題の予見者》などの妨害、《探索する獣》の《濃霧》貫通…
どれも【シミックネクサス】にとってクリティカルで、特に妨害部分が二種以上絡むとどうやっても勝てません。

サイド後はさらに妨害が増えるため、より一層厳しい戦いになります。
妨害を乗り越えるために《神秘の論争》を追加するようにしていますが、この程度では無理と判断するならいっそ入れ替えない方がマシかもしれません。


・対【アゾリウスコントロール】
in
3《否認》
3《神秘の論争》
2《不屈の追跡者》
2《威圧の誇示》

out
4《濃霧》
3《巧みな軍略》
1《運命のきずな》
1《荒野の再生》
1《成長のらせん》

有利なマッチアップです。
メイン戦はお互いに不要なカードが多くなかなかゲームが進みませんが、こちらだけ《運命のきずな》という無限にプレイできるフィニッシャーを持っています。
相手のエンドに《運命のきずな》→カウンターされて土地が寝るか、通されてマナが二倍使える状態になってから《荒野の再生》を通しに行きます。

サイド後は妨害が増えるため、メインとは異なり無限ターンは殆ど狙わずに【シミックコントロール】のように振る舞います。
《水没遺跡、アズカンタ》や《伝承の収集者、タミヨウ》、《不屈の追跡者》などのアドバンテージ源を《否認》や《神秘の論争》で守ってゲームを掌握します。
《荒野の再生》は貼っただけでは勝ちにならない事も多く、カード同士をトレードしやすいサイド後では手札がスカスカになる要因にもなり得るので減らします。


・対【グリクシスコントロール】
in
3《否認》
3《神秘の論争》
2《不屈の追跡者》

out
4《濃霧》
2《巧みな軍略》
1《運命のきずな》
1《荒野の再生》

【アゾリウスコントロール】と異なり、《時を解す者、テフェリー》が不在なので《威圧の誇示》は入れません。
《束縛なきテレパス、ジェイス》は破壊できますが、反転後にすぐ《思考囲い》を撃ってくるようなプレインズウォーカー相手に必要なのは除去ではなくドローソースです。


・対【イゼットエンソウル】【アゾリウスフラッシュ】
in
3《神秘の論争》

out
3《巧みな軍略》

不利なマッチアップです。
メイン戦は妨害が薄いので拾える可能性が最も高いです。
ただし、戦闘でライフを削られてからの《爆片破》や《呪文貫き》での《濃霧》を突破される可能性があるので、ライフ水準は高めを意識して早めに《濃霧》を掃いた方が良いです。

サイド後は《呪文貫き》や《神秘の論争》といったソフトカウンターに付き合うためにこちらも《神秘の論争》を追加します。
不利ではあるものの、《荒野の再生》さえ通ればこちらの方からプレッシャーを掛けられる展開になるので、《荒野の再生》+《神秘の論争》の仕掛けを意識します。


・対【イゼットフェニックス】
in
3《神秘の論争》

out
3《巧みな軍略》

有利なマッチアップです。
メイン戦は《イゼットの魔除け》にさえ引っ掛からないように立ち回れば、後は何をやっても勝てます。
サイド後も同様で、追加されるであろう打ち消しにさえ注意していれば問題ありません。


・対【赤単アグロ】【ボロスバーン】
in/out
なし

不利なマッチアップです。
あまりにもメインボードがコンボ特化になっているせいで、サイドのカードを引いても本末転倒な事が多く(ターン数を伸ばすだけで結局はゲームに勝てない)、対策しても無駄…という認識です。
《成長のらせん》→《荒野の再生》とぶん回った時にちゃんと速度勝ちできるので、それに期待した方が良いです。

《濃霧》を無効化する《頭蓋割り》には注意が必要です。
どうしようもない時もありますが、《濃霧》は気持ち早めに掃いておくのが良いです。


・対【スゥルタイミッドレンジ】
in
3《神秘の論争》
2《不屈の追跡者》

out
3《巧みな軍略》
2《選択》

有利なマッチアップです。
クロックが低く、妨害も除去が中心なのでメイン戦はほぼ負けません。

サイド後は《漂流自我》を考慮して《不屈の追跡者》を追加します。
手札破壊や打ち消し、置き物破壊が追加されてキツいように思えますが、相手側もクロックも大した事がなく、結果的にゲームが長引くので、どこかで《時を越えた探索》を通してリカバリー出来ればすぐに逆転できます。


・対【シミックネクサス】
in
3《否認》
3《神秘の論争》
2《不屈の追跡者》
1《自然への回帰》

out
3《巧みな軍略》
4《濃霧》
1《運命のきずな》
1《荒野の再生》

五分のマッチアップです。
メイン戦は運ゲーです。《成長のらせん》を引き、先に《荒野の再生》か《伝承の収集者、タミヨウ》が着地した方の勝利です。

サイド後はお互いの不要牌が全てカウンターやリソース源になり、【シミックコントロール】のように振る舞うゲームになります。
ゲームの焦点になるのが《荒野の再生》の着地ですが、安く仕掛けると《否認》→返しに相手の方が安全に《荒野の再生》着地となるとなるため、なかなか動けません。
出せるマナの数、手札のカウンター、仕掛けるためのカードを総合して「どういう状況になれば仕掛けられるのか」をイメージしながらプレイします。


◆TIPS
【シミックネクサス】全般に纏わるTIPSについて解説します。

・《時を越えた探索》の使い方
「何を探すのか」をイメージした状態でプレイし、それに合わせてプレイするタイミングや探査コストを考えます。
(余裕がある場合は《選択》などの受け入れも考えて余裕を持って探査コストを払いますが、ややこしくなるので墓地がギリギリの場合を想定します)

例えば、《伝承の収集者、タミヨウ》や《荒野の再生》を探すためなら、メインでプレイする場合は4マナ以上浮くように探査コストを払い、そうでなければ相手のエンド時にフルタップ+不足分を探査コストで払います。
《濃霧》を探すためであれば相手のアタッククリーチャー指定後に1マナだけ残してプレイすればよいです。
ループ中に《運命のきずな》を探すためならメインフェイズにプレイする必要はなく、《荒野の再生》解決後に7マナ以上を浮かせて探査コストを払います。
適当に探査コストを払っていると次の《時を越えた探索》がプレイできなくなったり、重要なカード(《伐採地の滝》や《サイクロンの裂け目》)を探査コストに当ててしまい、最終的に無限ターンにはなったがゲームには勝てない…という状況に陥る可能性があります。

・キーカードを失った場合の勝ち方
山札が十分に薄くなり、《水没遺跡、アズカンタ》や《伝承の収集者、タミヨウ》によって毎ターン《運命のきずな》が手に入るようになり、相手のパーマネントを《爆発域》や《サイクロンの裂け目》で退かし、《伐採地の滝》で無限アタック…となるのが基本ですが、実際には特定のカードが除外されたり、どうしても序盤の《時を越えた探索》の探査コストに当てなければならなかったりといったケースが考えられます。
そのような特定のカードを失った状況での勝ち方について纏めます。

[1]《伐採地の滝》を失った場合
デッキ唯一のフィニッシャーですが、これを失った場合の勝ち手段は"相手のライブラリーアウト"です。
《運命のきずな》によって無限ターンを得た後は《伝承の収集者、タミヨウ》の忠誠値が無限になるため、墓地のカードを全て回収できます。
そこから《爆発域》と《濃霧》を構え、追加の《伝承の収集者、タミヨウ》を持った状態でターンを返し続け、相手の山札が無くなるまでこれを繰り返します。
今回のリストには無いですが、《至高の意志》や《検閲》が入っていると、より強固な状態で返せます。

[2]《サイクロンの裂け目》を失った場合
フィニッシャーである《伐採地の滝》自体は残っているのであれば、《爆発域》で相手のパーマネントを破壊して攻撃を通せます。
しかし、それでも退かない生物(《ヴィトゥ・ガジーの目覚め》《ウェストヴェイルの修道院》など)が立っている場合は [1]と同じ方法でライブラリーアウトを目指します。

[3]《運命のきずな》を失った場合
無限ターンにならなくなりますので、前述の《伝承の収集者、タミヨウ》ループの筋も失われます。
ある限りのリソースだけで戦う事になるので、相当厳しい戦いにはなりますが、それでも確定で負けという訳ではありません。
《爆発域》《サイクロンの裂け目》で妨害しつつ、それらを《伝承の収集者、タミヨウ》で使いまわし、《伐採地の滝》でビートダウンを完遂できる可能性は残っています。

【グリクシスコントロール】相手にメインから《願いのフェイ》→《漂流自我》で《運命のきずな》を全て抜かれたものの、前述の方法で《伐採地の滝》が完走した経験もあるため(各種ギルドランドや《思考囲い》のペイライフで意外とアタック回数が少なかった事も要因の一つですが)、これだけで負け!とはならない事を覚えておいて下さい。

・シミックネクサス対策
「【シミックネクサス】には何が効くのか(効かないか)」と質問を受けたので、それについても纏めます。

<効果的なカード>
《僧院の導師》

単体が生み出す打点が非常に高いので、少ないバックアップでゲームを決められます。
ただし、《選択》のような軽量ドローとの組み合わせでないと大した威力にならないため、採用する際にはメインとの兼ね合いも考慮する必要があります。

【シミックネクサス】がコントロール系のデッキに強いのは、ゲームが長引いた時に《運命のきずな》に対応しきれないからです。
結局、手札破壊や打ち消し等で付き合ってしまうと長期戦になってしまうため、ゲームを能動的に進められる・仕掛けられるカードが求められます。

《光袖会の収集者》

単体のクロックはさほどでもないですが、追加の妨害を供給するリソース源としての活躍が見込めます。
《アルゲールの断血》などと違い、自身が打点を持っている点でゲームを進められるため、掛けられるプレッシャーも段違いです。
ただし、エネルギーの供給手段がないと2ターンに一度しかドロー出来ないため、これもまた構築段階から意識する必要があります。

《呪文捕らえ》

それ単体で勝つには若干遠いですが、妨害&クロックとしては最適なクリーチャーです。
サイドイン率の高い《否認》をかわしながら《荒野の再生》を捕らえられるのが良いです。
この《呪文捕らえ》のように、単なる妨害で終わるのではなく、ゲームを進められるカードが理想です。

《探索する獣》

高打点かつ《濃霧》を無効化する能力を持っています。
殴るデッキにとっては対【シミックネクサス】のベストカードです。

クリーチャーで殴って20点を削る事で勝利条件を満たそうとしているデッキにとって、戦闘ダメージを無効化する《濃霧》は天敵と言えます。
そういったデッキは軸をずらすのではなく、それを突破するカードを追加するのが良いです。

《乱撃斬》《砕骨の巨人》

これもまた《濃霧》を無効化する能力を持っています。
《乱撃斬》は獰猛しなければならないため、獰猛が満たせないかつ《濃霧》に弱いようであれば、《砕骨の巨人》がよいです。
ただ、この色で【シミックネクサス】(《濃霧》)に弱い、という事は考えにくいので、あまり気にしなくてよいかもしれません。

《燃えがら蔦》《打ち壊すブロントドン》

単純な置き物破壊に留まらず、ダメージ源としても優秀です。
既に何度か述べていますが、ゲームが進むか否かは対【シミックネクサス】にとって大きな違いです。


<効果的ではないカード>
《漂流自我》《失われた遺産》《殺戮遊戯》

これらを採用するようなデッキに対しては《不屈の追跡者》をサイドインするため、その状態で《運命のきずな》を抜くかれてもそこまで効果的ではありません。
むしろソーサリータイミングで3~4マナを寝かす行為は、返しの《荒野の再生》や《不屈の追跡者》を安全に着地させてしまうリスクがあります。

《安らかなる眠り》《虚空の力線》

墓地を参照するカードは《アズカンタの探索》《時を越えた探索》、次点で《伝承の収集者、タミヨウ》です。
既に何度も述べている通り、これらの対策置物を設置するよりもクロック(ゲームの進められるカード)を置いた方がプレッシャーが掛かります。
特に【シミックネクサス】に弱いコントロール系のデッキは、ちゃんとゲームが進むカードを対策として採用するべきです。

《神髄の針》《魔術遠眼鏡》

これらはゲームが進まない+先置きが必要という事で、"対策している側の方が不利"なカードです。
【シミックネクサス】対策という意味では採用しない方がよいです。

《覆いを割く者、ナーセット》

スタンダードとの大きな違いがこのカードです。
スタンダードの時はメインのドローソースが《薬術師の眼識》だったため、このプレインズウォーカーが定着しているとなかなか動けませんでした。
しかし、パイオニアの場合はメインのドローロースが《時を越えた探索》のため、ドロー制限を全く苦になりません。
むしろミラーでこのカードを対策として出そうものなら、タップアウトの返しに《不屈の追跡者》や《荒野の再生》から仕掛けられてしまうリスクがあります。

《自然への回帰》

置物破壊は【シミックネクサス】に強いと思われがちですが、パイオニアの場合は一概にそうとは言えません。
《時を越えた探索》によるリカバリーは凄まじく、1:1交換を繰り返す程度では全く苦になりません。
同じ置物破壊であればゲームを進められる《再利用の賢者》《秋の騎士》の方がずっと良いですし、マナベースが許すなら(ダブルシンボルが許容できるなら)《荒野の再生》の設置に睨みを効かせられる《打ち壊すブロントドン》が一番良いです。

《ファイレクシアの破棄者》

自身がクリーチャーなのでゲームを進められるで良いのでは?と思うかもしれませんが、肝心の"《神髄の針》効果"が《水没遺跡、アズカンタ》を止められません。
《伝承の収集者、タミヨウ》だけのために使うのはイマイチです。


◆終わりに
パイオニア環境における【シミックネクサス】のガイドは以上になります。
来年には国内でパイオニアのマジックフェストも開催予定のため、そこで【シミックネクサス】を使おうと考えている方に本記事を読んで頂ける(または紹介して頂ける)のなら、時間を費やして執筆した意味もあったなと思います。
そんな方々のMTGライフに少しでも影響が与えられたのなら幸いです。
また、本記事を執筆するに際し、デッキリストや指針について多くのアドバイスを頂いたヒラヤマレイ氏には感謝の意を表します。有難う御座います。

本記事に関する意見・質問等はどのような方法でも構いませんのでコンタクトを取って頂ければ、可能な限り回答させて頂きます。
(Twitter:@manohito_masuda)


以上です。お疲れ様でした。

登録タグ: MTG 

あなたはこのブログの 4378 番目の読者です。


テーマ:MTG投稿日時:2019/11/26 02:31
TCGカテゴリ: Magic: The Gathering  
表示範囲:全体
前のブログへ 2019年11月のブログ一覧へ
ブログ一覧へ
次のブログへ
現在コメントはありません。