※8/7 質問事項に回答、一部誤字修正
◆目次
①はじめに
②サンプルリスト
③カード解説
④マッチアップ&サイドボーディングガイド
⑤おわりに
⑥追記予定
◆はじめに
お疲れ様です。てんさいチンパンジーです。
2021年は毎月記事を書こう企画(仮)ということで勝手に色々やってます。
今月は存在を忘れて投稿が遅れてしまいました。やる気あんのか。
7月は【ジェスカイ変容】のアップデートガイドになります。
先月、晴れる屋に寄稿した内容の続きになるので、そちらを先に参照して頂くことをお勧めします。
2.5倍は理解が深まると思います。当社比。
・ジェスカイ変容デッキガイド
https://article.hareruyamtg.com/article/52094/
あと、私事ですがTwitterが復活しました。この記事へ辿り着いてる方の9割超はTwitter経由だと思うので、あまり関係ないかもしれませんが。
クソリプと挑発に弱く、やられるとマジでキレて暴れ散らかす可能性があるので(そして再びの凍結)、可能な限り静観でお願いします。
◆サンプルリスト:
土地22枚
2《山/Mountain(M21)》
4《島/Island(M21)》
4《河川滑りの小道/Riverglide Pathway(ZNR)》
4《溶岩滑りの小道/Lavaglide Pathway(ZNR)》
4《連門の小道/Hengegate Pathway(KHM)》
4《ラウグリンのトライオーム/Raugrin Triome(IKO)》
生物12枚
4《雷の頂点、ヴァドロック/Vadrok, Apex of Thunder(IKO)》
4《伝承のドラッキス/Lore Drakkis(IKO)》
4《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon(KHM)》
その他24枚
4《棘平原の危険/Spikefield Hazard(ZNR)》
3《火の予言/Fire Prophecy(IKO)》
4《表現の反復/Expressive Iteration(STX)》
4《非実体化/Unsubstantiate(M21)》
1《セジーリの防護/Sejiri Shelter(ZNR)》
1《否認/Negate(ZNR)》
1《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke(KHM)》
3《プリズマリの命令/Prismari Command(STX)》
3《戦利品奪取/Seize the Spoils(KHM)》
2《神秘の論争/Mystical Dispute(ELD)》
サイド15枚
1《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke(KHM)》
1《神秘の論争/Mystical Dispute(ELD)》
2《燃えがら地獄/Cinderclasm(ZNR)》
2《レッドキャップの乱闘/Redcap Melee(ELD)》
2《バーニング・ハンズ/Burning Hands(AFR)》
3《精神迷わせの秘本/Mazemind Tome(M21)》
2《灰のフェニックス/Phoenix of Ash(THB)》
2《赦免のアルコン/Archon of Absolution(ELD)》
◆カード解説
STXCS時点からのカード採択や評価に変化のあったものを一部取り上げて解説します。
・《棘平原の危険》
STXCX時点では3枚でしたが、現在では4枚必須と考えています。
土地カウント、火力、《黄金架のドラゴン》に撃ち込むことで《炎の儀式》になる等々、デッキと非常に噛み合っています。
何故これが4枚じゃなかったのか。当時の自分を殴りたいです。
・《火の予言》
【スゥルタイ根本原理】【イゼットドラゴン】の減少、【ナヤウィノータ】【グルールアドベンチャー】【緑単アグロ】の流行に合わせて枚数を調整しました。
この枠は特に流動的なので、環境の推移に合わせて細かく調整するのがよいです。
・《バーニング・ハンズ》
『フォーゴトン・レルム探訪』からの新戦力です。
《長老ガーガロス》や《星界の大蛇、コーマ》、《鎖を解かれしもの、ポルクラノス》といった大型クリーチャーを2マナで対処できるのが注目されがちですが、一番大きな変化は後手の場合でも先手3ターン目の《恋煩いの野獣》に対処できるようになったことです。
今までは1/1トークンを焼いて《恋煩いの野獣》本体が動かないことを祈るしかできなかったですが、これによって本体を対処できるようになったので、追加の1/1や《グレートヘンジ》に怯えなくて済むようになりました。
・《戦利品奪取》
長らく4枚でしたが、【ナヤウィノータ】や【緑単アグロ】、【グルールアドベンチャー】の躍進と共に減量しました。
【スゥルタイ根本原理】が隆盛していた時は先手/後手でも3ターン目に唱えやすかったですが(唱えるターンが初動の《狼柳の安息所》or《耕作》の返しになりやすく、リスクが小さい)、事情が変わってきました。
対アグロでは唱えるターンが無く、手札で余りがちになるため、4枚では多いと感じました。
・《灰のフェニックス》
かつては【ディミーアローグ】を対策するだけ無駄(=構造上、対策しても絶対に勝てない)と思っていましたが、試合数を重ねていくと意外と勝率が出ていることに気付きました。
最終的にはサイドを取って改善できるレベルの相手だなと思ったため、《灰のフェニックス》を採用することにしました。
詳細は後述しますが、【ディミーアローグ】はデッキパワーがとんでもなく低いということを当時は理解していなかっただけという結論です。
・《精神迷わせの秘本》
【スゥルタイ根本原理】【イゼットドラゴン】に対するベストカードです。
対コントロールは《精神迷わせの秘本》を巡るゲームという理解が足りてなかったばかりに、STXCS時点では【イゼットドラゴン】に不利だと思っていました。
増量の結果、相性は大きく改善され、勝率も大幅に上がりました。
・《燃えがら地獄》
【ナヤウィノータ】の増加に合わせて追加しました。
《軍団のまとめ役、ウィノータ》の誘発タネになるゴミを一掃するのが主な役割です。
最近のトレンドである《エシカの戦車》に対して有効なのも◎です。
・《引き裂き》
元々は《乱動する渦》と付き合う想定でしたが、最終的に不要という結論になり解雇しました。
《乱動する渦》を置かれた場合は割ってコンボを狙うのではなく、《雷の頂点、ヴァドロック》を直接プレイして《黄金架のドラゴン》を合わせてビートダウンを狙うプランにしました。
メタカードに対峙した際、それを無視したプランが取れるのはそれだけでアドバンテージになります。
《引き裂き》は最低でも除去だし悪くないのでは?と思うかもしれないですが、序盤を捌くための除去として扱おうとすると2ターン目の白カウントが非常に重く、使いづらいです。
【ジェスカイ変容】はデッキの9割以上はイゼットカラーで構成されており、一切白マナを置かないゲームもあるくらいです。
序盤の白マナは《表現の反復》や《伝承のドラッキス》を変容で唱える際に邪魔になり、動きを阻害してしまうことからも、《引き裂き》だけのために土地の置き方が変わってしまうことにストレスを感じていたのも不採用の要因です。
◆マッチアップ&サイドボーディング
マッチアップ毎に簡易ガイドとサイドボーディングを解説します。
・対【ナヤウィノータ】
in
1《軽蔑的な一撃》
2《燃えがら地獄》
2《レッドキャップの乱闘》
out
2《神秘の論争》
1《否認》
2《火の予言》
[メイン戦]:微有利
《棘平原の危険》や《プリズマリの命令》等で相手のクリーチャーに干渉しやすく、逆にこちらの《黄金架のドラゴン》は妨害されづらいです。
《雷の頂点、ヴァドロック》のポン出しも肯定されやすく、コンボに固執せずに除去コントロールに徹するのもゴールになります。
ただし、構造上は有利とはいえ時には祈らなければならない場面もあるため(それが【ナヤウィノータ】の強みでもありますが)、総合すると微有利程度に収まる印象です。
[サイド後]:微有利
このマッチアップで重要になるのが《軽蔑的な一撃》です。
《水蓮のコブラ》or《裕福な亭主》→《エシカの戦車》or《軍団のまとめ役、ウィノータ》を後手で対処できる点は勿論のこと、サイド後は除去に寄った構成になるため、除去に耐性のある《エシカの戦車》や《帰還した王、ケンリス》がメイン戦以上に強く使えるようになります。
それらに対しては除去よりも《軽蔑的な一撃》が有効に働くため、その重要度がメイン戦よりも上がります。
・対【緑単アグロ】
in
2《バーニング・ハンズ》
out
2《神秘の論争》
[メイン戦]:不利
絶望する程ではないですが、典型的な不利なマッチアップです。
《戦利品奪取》の返しに《水晶壊し》に当たってしまうため、《黄金架のドラゴン》に寄せたコンボ/クロックパーミッションの両プランは成就しにくいです。
かといって《雷の頂点、ヴァドロック》ポン出しからのコントロールプランも、余りがちな格闘呪文で簡単に咎められてしまいます。
[サイド後]:不利
《バーニング・ハンズ》の追加で多少はマシになるものの、【緑単アグロ】側からも《巻き添え》が追加されるため、相性に大きな変化はありません。
取れるサイドカードは除去くらいですが、あまり除去に寄せすぎると今度は《レンジャー・クラス》にハメられてしまいます。
ある程度は自分都合で動く必要がありますが、その上で相手の攻勢を捌きながら…となるとやはり要求が高く、厳しい戦いになります。
・対【グルールアドベンチャー】
in
2《バーニング・ハンズ》
2《燃えがら地獄》
1《軽蔑的な一撃》
out
2《神秘の論争》
1《否認》
2《火の予言》//先手の場合
1《戦利品奪取》後手の場合
1《非実体化》//後手の場合
[メイン戦]:微有利
《黄金架のドラゴン》を絡めたコンボだけでなく、《雷の頂点、ヴァドロック》+《伝承のドラッキス》のプランも妨害されづらく、適当に除去や《非実体化》を使いまわしているだけで有利になっていきます。
【ナヤウィノータ】同様、《棘平原の危険》や《プリズマリの命令》が除去として機能するマッチアップは比較的有利な傾向があります。
[サイド後]:五分
お互いにお互いのデッキの核となる部分に対するクリティカルなカードが追加されるため、メイン戦よりも長いゲームが想定されます。
ロングゲームになると《運命の神、クローティス》や《レンジャー・クラス》が重くのしかかってくるため、【グルールアドベンチャー】側に分があります。
特に《運命の神、クローティス》は一切触れない上にクロックも早く、墓地にも干渉してくるため最悪です。
・対【スゥルタイ根本原理】
in
1《軽蔑的な一撃》
1《神秘の論争》
3《精神迷わせの秘本》
out
3《火の予言》
2《プリズマリの命令》
[メイン戦]:五分
STXCS時点ではこのマッチの相性は誤認していました。
このマッチにおける有利な要素は相手視点での理解度であり、必ずしも構造によるものではありません。
【ジェスカイ変容】側のプランを理解していれば、コントロールデッキの側面を持つ【スゥルタイ根本原理】ならば十分戦えます。
メイン戦は《絶滅の契機》や《影の評決》といった不要牌の枚数に左右されます。
それらが多く取られている場合は有利ですが、《神秘の論争》や《エルズペスの悪夢》の枠を譲っている場合はむしろ不利なレベルです。
[サイド後]:五分
《強迫》《神秘の論争》が追加され、脅威の通りが段違いになります。
【スゥルタイ根本原理】側の脅威はどれもインパクトが強く、《鎖を解かれしもの、ポルクラノス》のような比較的軽い攻めですら致命傷になり得ます。
それらを軽いバックアップで通されやすくなるため、メイン戦とは比べものにならないくらい厳しい戦いになります。
とはいえ、実際は80枚デッキかつ除去&ランプ攻勢を取っている【スゥルタイ根本原理】が安定して土地を並べながら脅威とバックアップを早いターンに揃える…というのは案外難しい話です。
理論上は【ジェスカイ変容】側が不利になってもおかしくないですが、実情はよくて五分という認識です。
・対【イゼットドラゴン】
in
2《レッドキャップの乱闘》
1《軽蔑的な一撃》
1《神秘の論争》
3《精神迷わせの秘本》
1《灰のフェニックス》
out
3《火の予言》
2《非実体化》
3《戦利品奪取》
[メイン戦]:微不利
このゲームの焦点は《精神迷わせの秘本》のみです。
リソースを貯め込まれてしまうと敗色濃厚になるため、置かれた場合は待つのではなく常に動き続けることで、ドローで起動させないことを意識します。
打ち消しに怯えず、積極的に《戦利品奪取》や《黄金架のドラゴン》を投げ続けていきましょう。
相手も必ずしも対処手段を持っている訳ではなく、いざ《黄金架のドラゴン》が通ってしまうと対処が難しいのでそのまま押し切りやすいです。
とはいっても対処手段をしっかり持たれていた場合はあっさり負けてしまいますが、それについては仕方ないと割り切りましょう。
本番はサイド後です。
[サイド後]:微有利
《精神迷わせの秘本》の増量によるプランの確立でアップデートされています。
《精神迷わせの秘本》を巡る戦いは《プリズマリの命令》分だけ【ジェスカイ変容】側が有利で、逆にそれ以外の部分は大きな差がない(お互いに《黄金架のドラゴン》+必殺技という構成を取っている)ため、総合すると微有利レベルに上がっている印象です。
そもそもの大前提として【イゼットドラゴン】のデッキパワーはかなり低く、デッキの強さの大部分が《精神迷わせの秘本》の通りの良さに依存したものです。
STXCS時点ではそれに気付けなかったことが悔やまれますが…
・対【ジェスカイサイクリング】
in
1《神秘の論争》
out
1《軽蔑的な一撃》
[メイン戦]:有利
【ジェスカイサイクリング】の軸となる《繁栄の狐》《型破りな協力》《アイレンクラッグの紅蓮術師》《天頂の閃光》といったカードのほとんどを無視できる・比較的簡単に対処できます。
そのため、メイン戦についてはのびのびとプレイできます。特筆すべきこともないです。
[サイド後]:五分
このマッチもまた相性を誤認しており、STXCS時点とは考え方が変わっています。
サイド後に《レッドキャップの乱闘》《軽蔑的な一撃》《神秘の論争》等の妨害が大量追加されますが、それらのカードは【ジェスカイサイクリング】が望む動きに貢献しないので、そこまで不利にはならないと思っていました。
しかし、適当なクロック+前述の妨害の組み合わせ自体は比較的簡単に揃いますし、適当なクロックがいずれもそれなりに早いことから、こちらの対応が間に合わないことも多く、意外と再現性が高い負け方をするな…という印象を受けました。
大きく後れを取るということはないですが、少なくともSTXCS時点で抱いたような「当たればbyeみたいなもの」といったレベルの相性差はありません。
また、【ジェスカイサイクリング】側のサイドボーディングが流動的で、相手のプランに合わせるするのが難しいです。
なので、あまり相手に合わせるといったことは考えず(=大きくサイドボーディングは行わず)、自分の動きを優先した方がよいです。
・対【ディミーアローグ】
in
2《精神迷わせの秘本》
2《灰のフェニックス》
1《神秘の論争》
1《軽蔑的な一撃》
out
3《戦利品奪取》
1《プリズマリの命令》
2《非実体化》
[メイン戦]:微不利
STXCS時点では【ディミーアローグ】というデッキを高く評価しすぎていました。
ハッキリ言って、【ディミーアローグ】は大して強いデッキではないです。
構造が《物語への没入》に強く依存しており、それを唱えるために墓地を肥やす手段が十分に足りていません。
ポジションの良さと使用者の卓越した腕があって初めて使用に耐えうるレベルで、そうでなければとてもじゃないですが実践級のデッキとは言えません。
テスト段階では殆どのゲームを落としていたので絶望という評価を下していましたが、冷静に考えると殆どが偏った展開が多く、正確なプラン立てができていなかっただけでした。
実際にそこまで上手くまわることは少なく、回数を重ねるとどんどん【ジェスカイ変容】側の勝率が上がっていきました。
とはいえ、メイン戦は《戦利品奪取》や《非実体化》のような一体何がしたいのか分からないカードが山のように入っているため、流石に不利という認識です。
対【イゼットドラゴン】同様、不利なマッチこそ自分の動きを強く押し通してワンチャンスを掴む動きを意識しましょう。
[サイド後]:五分
サイド後は【ディミーアローグ】側からの墓地対策や打ち消し、除去が増えることを考えるとコンボ路線は捨てた方が無難です。
《火の予言》《神秘の論争》で相手のカードと交換していき、《物語への没入》を《軽蔑的な一撃》で狙い打ちます。
カード交換の先に《表現の反復》《精神迷わせの秘本》《伝承のドラッキス》《雷の頂点、ヴァドロック》といったリソースに繋がるカードを通せば勝利は目前です。
といった具合に、具体的なプランさえ確立していればさして驚異的なデッキではありません。
この誤認はひとえに練習不足からくるものだったなと反省しています。
・対【赤単アグロ】
in
2《レッドキャップの乱闘》
2《燃えがら地獄》
out
2《神秘の論争》
1《否認》
1《軽蔑的な一撃》
[メイン戦]:有利
このマッチアップも相性を誤認していました。
STXCS時点では五分の認識でしたが、今となっては最も対戦したい相手です。相性はカンストしています。
【赤単アグロ】側の必殺技である《朱地洞の族長、トーブラン》と《エンバレスの宝剣》は頭数を前提としているため、細かく除去されると大した力を発揮できません。
【ジェスカイ変容】がメインから採用している除去のすべてが綺麗に当たるため、適当に交換してから《表現の反復》が通るだけで勝てるレベルです。
[サイド後]:有利
《レッドキャップの乱闘》の追加によって、若干触りづらかった《朱地洞の族長、トーブラン》にも触れるようになり、いよいよ隙も無くなります。
【赤単アグロ】には《レンジャー・クラス》のような長期戦に強いカードもなく、徹底的に除去するだけで良いのも楽なポイントです。
メイン戦同様、除去で交換した後に《表現の反復》か《雷の頂点、ヴァドロック》+《伝承のドラッキス》の変容コンビでリソースを補充できれば概ね勝ちです。
・対【白単アグロ】
in
2《赦免のアルコン》
2《バーニング・ハンズ》
out
2《神秘の論争》
1《否認》
1《軽蔑的な一撃》
[メイン戦]:微不利
STXCS時点からほぼ変化はないです。
対処のしづらい《歴戦の神聖刃》を中心に、高速マウントの《光輝王の野心家》やクロック&妨害の《精鋭呪文縛り》を《無私の救助犬》や《命の恵みのアルセイド》でバックアップされる展開は相変わらず厳しいです。
むしろコンボ部分(《高貴なる行いの書》と《栄光の探索》)は通りが悪い&効率も最悪なので、これらを引かれる分だけ有利になります。
[サイド後]:微有利
《赦免のアルコン》のようなキラーカードが入ってようやく五分以上に戦えるレベルです。
【白単アグロ】は現スタンダードでもトップクラスに難しいデッキで、使用者の腕に大きく左右されます。
「ラダーでは勝ってたから…」と甘く見ていると、いざ巧者の【白単アグロ】と対峙した時に痛い目を見ます。
理屈で考えれば有利とは言い難いので、勝ちたいのならしっかりと《赦免のアルコン》は取るべきです。
しかし、【白単アグロ】がいま現在活躍しているかと言われると微妙なところで、【白単アグロ】を切って《赦免のアルコン》を不採用とするのはよいと思います。
これは【白単アグロ】自体をどう捉えているかなので、この辺りの採択は思想次第です。
・【ティムールアドベンチャー】
in
2《バーニング・ハンズ》
out
1《軽蔑的な一撃》
1《火の予言》
[メイン戦]:有利
《銅纏いののけ者、ルーカ》《星界の大蛇、コーマ》のような隙の大きなアクションは《非実体化》で簡単に対処できます。
逆にこちらの《黄金架のドラゴン》は通りがよく、お互いが並みの動きでぶつかり合った時には負けようがありません。
[サイド後]:有利
基本的にはメインの形のままで十分ですので、サイドボーディングは殆ど行いません。
《バーニング・ハンズ》の追加で《星界の大蛇、コーマ》や《恋煩いの野獣》のような厄介なクリーチャーをへの対処方法が増え、より戦いやすくなります。
それを見越して《星界の大蛇、コーマ》を《黄金架のドラゴン》に差し替えてくるパターンもあるので、その場合は《レッドキャップの乱闘》の追加も視野に入れます。
◆質問回答
頂いた質問について回答します。
・【ジェスカイ変容】を扱う上でのアドバイス
> 変容での相手の場面によるゲームプラン(受けるか先に落とすかの判断や分岐点)の考え方
ゲームプランとはつまり自分と相手、双方のデッキへの理解の上で成り立ちます。
まずはそれについて掘り下げていきます。
大前提として、【ジェスカイ変容】が守ってるだけで勝てるゲームは殆どありません(【ジェスカイ変容】に限った話ではないですが)
現在のスタンダードは《エッジウォールの亭主》《レンジャー・クラス》《バグベアの居住地》等、クリーチャーデッキでも殆ど息切れしません。
こちらの除去の枚数より相手の脅威の枚数の方が多いことが殆どなので、捌き切って勝つのは非現実的です。
質問に対する答えを一言で表すなら"逆算できるようになる"ことだと思います。
ゴールという引き出すを持ち、それを逆算して導けるようになることです。
例えば、
戦場:《黄金架のドラゴン》 宝物×2つ
手札:《雷の頂点、ヴァドロック》《伝承のドラッキス》
墓地:《プリズマリの命令》《非実体化》
上記が揃ってればループになることを知っていれば、現在の状況から引き算してどのパーツが足りないのかが分かります。
《黄金架のドラゴン》に既に《雷の頂点、ヴァドロック》や《伝承のドラッキス》が変容されているなら、それもコンボパーツに数えられます。
自分側のゴール・勝ちパターンを把握しているか? 『勝ちパターン マイナス 現在の状況』で戦況を測れているか?
逆算にはこの二点を正確に把握する必要があります。
改めて、ゴール(勝ちパターン)について紹介します。主な勝ちパターンは3つ存在します。
①《黄金架のドラゴン》に《雷の頂点、ヴァドロック》《伝承のドラッキス》を重ねて《プリズマリの命令》をループさせる
②《黄金架のドラゴン》で殴りきる
③《雷の頂点、ヴァドロック》《伝承のドラッキス》でコントロールする
基本的には①を狙います。極論、①しか無いとも言えます。
②で殴っている時も、《雷の頂点、ヴァドロック》が加入して①の無限ループが成立することもあります。
③でコントロールしている時でも、《雷の頂点、ヴァドロック》が7回殴って勝つことは殆どなく、途中で《黄金架のドラゴン》を引いて《非実体化》で《雷の頂点、ヴァドロック》《伝承のドラッキス》の変容タワーを戻して①のコンボに入ることもあります。
【ジェスカイ変容】は多彩な展開(100ある勝ち筋…)と言われていますが、実際には①に帰結するのが殆どです。
それぞれがどういった条件で成立するのかを把握して、現在の状況からそれらを逆算して判断します。
> 特に息切れしないミッドレンジ(ナヤクラリオンやレンジャークラス入りの緑単)によく負ける
考えられる理由は2つあります。それぞれについて考えます。
①サイド指針
冒頭でも述べた通り、耐えているだけで勝てるということは殆どありません。
恐らく、それをゲームプランに組み込んだサイドボーディングを行ってること原因かもしれません。
サイドに除去や打ち消しをオーバー気味に取っている・それらをオーバー気味にサイドインしている等々。
特に《戦利品奪取》を多めに減らすと、いざ《雷の頂点、ヴァドロック》に変容できたとしてもコンボに入りづらく、だらだらしたゲーム展開になりやすいです。
【ジェスカイ変容】の本質はコンボデッキです。
コンボデッキは基本的にメインでのバランスがベストであり、過剰なサイドボーディングはバランスが崩壊し、かえってデッキを弱くしてしまいます。
耐えるのはあくまで手段であって目的ではないです。
除去を増やすのはコンボまでの時間稼ぎです。
②プレイ指針
サイド指針では耐えることはゴールではないと述べましたが、プランはあくまでプランです。
それを実践に移しているかどうかは別の問題です。
《表現の反復》や《戦利品奪取》で除去ばかりを優先して加える/撃って、手札がスカスカになってないでしょうか。
何度も述べていますが、除去はあくまで時間稼ぎの手段です。
序盤に出てきたクリーチャーは大量のダメージを稼ぐため、それを捌くために追加しているだけです。
《エシカの戦車》に殴られる時、反射的に《プリズマリの命令》を2点ダメージ+アーティファクト破壊を選ぼうとしていないでしょうか。
それで1ターン稼いでも、相手には猫トークンが残っていて結果的に不利になっています。
このターンにダメージを甘んじて受け入れ、返しのコンボを狙ってルーティング+宝物生成を選んだ方がよい場面もあります。
《軍団のまとめ役、ウィノータ》が出てきた時、反射的に宝物を砕いて《非実体化》を撃ってないでしょうか。
それで1ターン稼いでも、次のターンにはまた同じ状況が待ち受けています。
《軍団のまとめ役、ウィノータ》の誘発を受け入れて(致死量のアタリが出ないことを祈って)、宝物を温存する・戦場の《雷の頂点、ヴァドロック》/《伝承のドラッキス》を戻すために《非実体化》を使った方が勝算が高い場合もあります。
2つの例を挙げましたが、必ずしも戦場を無視しろ!ということが言いたい訳ではないです。
目の前の脅威への対処に必死になっていないか?という話です。
除去や打ち消しに本気になって、勝利から遠のいてるケースは往々にしてあります。
【ジェスカイ変容】に限らず話ではないですが、ゲームに負けないことはゲームに勝つことと同義ではないです。
結局はこれも勝利からの"逆算"です。
・【ジェスカイ変容】は難しいデッキなのか
【ジェスカイ変容】はハッキリ言って難しいデッキではないです。
もし【ジェスカイ変容】を「難しいから…」という理由で避けている方は、まずはその考えを捨てて一度手に取って欲しいです。
もし【ジェスカイ変容】を使っていて「難しい」と感じたのなら、それは【ジェスカイ変容】由来のものではなく、相手のデッキへの理解など他の要因であると思います。
何故なら、【ジェスカイ変容】はパターン行動の塊だからです。
採用されているカードは「コンボパーツ」「ドローソース」「リソース交換」の3種しかありません。
これらをどう組み合わせているかでしかなく、クリーチャー同士のコンバットも殆どないため、一直線な展開になりやすいです。
なので、ある程度のプレイ指針が理解できれば、悩む場面というのは殆どありません。
プレイ指針については配信で【ジェスカイ変容】をプレイしている(していた)プロの方がいるので、それが参考になります。
オススメは以下の二名です。どちらも【ジェスカイ変容】狂人であり、私もよく勉強させてもらってます。
アーカイブに残ってるので、是非とも確認してみてください。
・triosk ※1
https://www.twitch.tv/triosk
・moyashi04951 ※2
https://www.twitch.tv/moyashi04951
※1… 市川ユウキ氏。エムテージーナンバーワンストリーマー。最近、何かと増田を挑発してくるが、実力は世界トップクラス。
※2… もや氏。Team UNITE所属。普段から増田を挑発してくるが、実力はMRL級。
・【ジェスカイ変容】の練習方法
誰かにプレイを観てもらうのが一番の近道だと思います。
自力で誤りに気付けるのなら、【ジェスカイ変容】はそこまで難しいデッキとは感じないはずです。
逆に誤りに気付けないと、一生気付けないままで先に進めません。
オススメの方法は試合の録画を観てもらうことです。
直接、ラダーを後ろから観ながらあーだこーだと言ってると、時間制限に追われて思考を整理できません。
まずは自分で考えてプレイしてみて、それを後から指摘してもらって振り返る方が効率がよいです。
録画なら早送りもできて時間効率も◎です。
◆おわりに
【ジェスカイ変容】のアップデートガイドは以上になります。
また次の記事でお会いしましょう。
以上です。お疲れ様でした。
登録タグ: MTG
テーマ:MTG | 投稿日時:2021/07/31 14:20 | |
TCGカテゴリ: Magic: The Gathering | ||
表示範囲:全体 | ||
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