◆目次
①はじめに
②シミックネクサスとは?
②シミックネクサスの変化
③サンプルリスト
④カード紹介(新規カード/既存カード)
⑤プレイガイド(キープ/マリガン基準)
⑥サイドボーディング(方針/簡易マッチアップガイド)
⑦TIPS
⑧おわりに
◆はじめに
お疲れ様です。てんさいチンパンジーです。
本記事は【シミックネクサス】の解説記事になります。
私は【シミックネクサス】(バントネクサス)というアーキタイプに魅入られて、その登場から今に至るまで延々と擦ってきました。
何度も特別な結果を残したという訳ではありませんが、プレイし続けた期間と試合数、そして理解度は人並み以上だと自負しています。
その努力を買われて、相談に乗ったりリストをシェアする機会もありました。
しかし、《運命のきずな》は次のローテーションを以ってスタンダードを去ります。
そして、それと同時に【シミックネクサス】は確定で消滅します。
非常に悲しい事ですが、折角なので最後に自分の得た知見を共有したいと思い、本記事を執筆するに至りました。
一年間、お世話になりました…
◆シミックネクサスとは?
一言で表すなら「無限ターンを得るコンボデッキ」です。
《伝承の収集者、タミヨウ》や《荒野の再生》+《水没遺跡、アズカンタ》のエンジンによって高速でライブラリーを掘り進め、最終的にライブラリーを《運命のきずな》のみにし、前述のエンジンらによって毎ターン《運命のきずな》を唱えられる状況を生み出します。
その状態ではあらゆるカードがフィニッシャーとなるため、必然的にゲームの勝利となります。
《世界を揺るがす者、ニッサ》であればデッキ全ての土地が戦場に出て、全ての土地が3/3破壊不能+警戒+速攻になりますし、《無神経な放逐》ならば相手の土地でないパーマネントを全てバウンス+∞/∞のステータスを持った動員トークンを生み出します。
そしてエンジンでもある《伝承の収集者、タミヨウ》の忠誠度は無限になるため、デッキの全ての土地を戦場に並べた上で全ての呪文を無限に唱えられます。
(《爆発域》で無限にパーマネント対処、《根の罠》で無限に戦闘ダメージ無効、《繁茂の絆》で無限ライフ等)
エンジンでありながら最終的な勝ち手段にもなる【シミックネクサス】のキーカード
【シミックネクサス】は基本的にメインでクリーチャーを一切採用しないコンボデッキのため、フェアなミッドレンジ全般に強いです。
また、キーカードの《運命のきずな》がインスタントかつ特殊な方法でない限りはデッキから消えないため、コンボデッキでありながら妨害に強く、長期戦になりがちなコントロールにも強いのが特徴です。
逆に一貫して目の前の相手を狙うような単色アグロには滅法弱く、特に追加で《時を解す者、テフェリー》のような強烈な妨害手段を持ったデッキを苦手とします。
◆シミックネクサスの変化(灯争大戦→基本セット2020環境)
基本セット2020環境(以降、"現環境"と称します)の【シミックネクサス】について解説します。
・ロンドンマリガンの導入
現環境を語る上で外せないのがロンドンマリガンの導入です。
マリガン後に最適な手札を残せるロンドンマリガンは、リソース数を苦にしないコンボデッキである【シミックネクサス】にとってほぼフリーマリガンのようなものです。
十分な土地と《荒野の再生》、そして《水没遺跡、アズカンタ》《伝承の収集者、タミヨウ》が揃えば手札が0枚からでも勝利できます。
勝てる手札を探しに積極的にマリガンができるようになった【シミックネクサス】は、現環境において最もロンドンマリガンの恩恵を受けたアーキタイプです。
・コンボプランの強化
《神秘の神殿》と《抽象からの抽出》は【シミックネクサス】に革命をもたらしました。
《神秘の神殿》は過去のスタンダードでも活躍した占術ランドサイクルで、現在でもモダン環境の【アドグレイス】【グリセルシュート】のようなコンボデッキでも採用実績のあるカードです。
当然、【シミックネクサス】においても同様の活躍が見込めます。
《抽象からの抽出》は《時を越えた探索》のリメイクで、マナコストが変化していますが効果はそのまま。
この効果で4マナは破格の性能で、【シミックネクサス】のような特定なカードが数種必要なコンボデッキにおいては"撃てれば勝ち"レベルの強さです。
・サイドボードの充実
基本セット2020で追加された色対策もまた【シミックネクサス】を1ランク上のステージへ引き上げました。
灯争大戦環境以前の【シミックネクサス】はサイド後が弱いデッキでした。
それは、サイド後に相手のデッキが最適化されるのに対して、こちらは妨害をモロに受けるコンボプランをそのまま取るか、貧弱な上に対策のされやすいクリーチャープランを取るという二択しかないためです。
メインに《荒野の再生》のようなコンボパーツが残る以上、完全なアグレッシブサイドボーディングとはならず、どうしても相手の妨害受けやすい事も問題でした。
結果、〇××のような負け方をする事が非常に多かったです。
しかし、それは過去の話です。
基本セット2020で追加された《夏の帳》はコンボプランを押し通すための"対策の対策"として最上級の効果を持ちます。
また、《変容するケラトプス》は弱点でもあった《時を解す者、テフェリー》に強く、クリーチャープランも強化されました。
どちらも分かっていても対処がしづらいカードなので、純粋に強化されたと言えます。
◆サンプルリスト
土地26枚
5《島》
5《森》
4《繁殖池》
4《内陸の湾港》
4《神秘の神殿》
2《天才の記念像》
2《爆発域》
その他34枚
2《選択》
4《成長のらせん》
3《アズカンタの探索》
2《一瞬》
1《無神経な放逐》
1《繁茂の絆》
4《根の罠》
1《覆いを割く者、ナーセット》
1《不快な冷気》
4《荒野の再生》
1《抽象からの抽出》
3《薬術師の眼識》
3《伝承の収集者、タミヨウ》
4《運命のきずな》
サイド15枚
4《変容するケラトプス》
3《夏の帳》
3《霊気の疾風》
3《否認》
1《世界を揺るがす者、ニッサ》
1《不快な冷気》
◆カード紹介:新規カード
基本セット2020からの新戦力を紹介します。
《神秘の神殿》
帰って来た占術ランド。
序盤のマナトラブルを回避しつつ、中盤以降は不要牌を弾いたり《伝承の収集者、タミヨウ》のプラス能力と噛んだりと、どのタイミングで置いても効果が得られるのでデッキ全体と相性が良いです。
デッキ全体のシンボル数の増加にも寄与しており、総じて確定タップインであるリスク以上のリターンがあります。
このカードが4枚以外である事は有り得ません。4枚がベストです。
《抽象からの抽出》
帰って来た《時を越えた探索》。
メイン戦は戦い方が一貫しているので、それを目指す上でもこのカードは強力ですが、サイド後に妨害が強化される相手に対しては4マナかつソーサリータイミングの潤滑油は使いづらいため、サイド後のバランス(あまりメインに大量に採用するとサイドアウトしきれないため)を考慮するとメインでは1~2枚の採用が適正です。
《変容するケラトプス》
帰って来たプロテクション。
テキスト通り、青系のデッキには無類の強さを発揮します。
速攻とトランプルで奇襲性能が高く、到達とプロテクションで受けに回った際にも強力です。
今まで《殺戮の暴君》だった枠にすんなりと入れ替わりました。
《夏の帳》
ぱっと見ではどのようなカードに効くかがイメージしづらいですが、対応範囲は想像以上に広く、メジャーな所では以下の妨害を弾けます。
[1] 手札破壊(《強迫》《思考消去》)
[2] 打ち消し(《否認》《ドビンの拒否権》《エリマキ神秘家》)
[3] パーマネント破壊(《暗殺者の戦利品》《灯の儘滅》《屈辱》)
これらをドロー付きで弾くというのはどう考えても狂ってます。
しかも1マナという軽さのおかげで、構えているのが分かっていても対応しづらいです。
この1枚だけでサイド後の強さが格段に跳ね上がりました。
《霊気の疾風》
《世界を揺るがす者、ニッサ》や《伝承の収集者、タミヨウ》を能動的かつそのターンには再キャストされない形で処理できるのは《一瞬》と違う大きなメリットです。
また、打ち消している訳ではないので相手の《夏の帳》を無視できるのが大きいです。
◆カード紹介:既存カード
既存カードの中でも評価に変化のあったカードを紹介します。
《天才の記念像》
ドローソースとしての役割を持った土地。
《神秘の神殿》があまりにも強すぎるため、タップインのリスクも考慮して減らしていた時期もありましたが、《覆いを割く者、ナーセット》が居ない場面では破格の性能を持った土地なので、タップインのリスクを込みでも採用としました。
《無神経な放逐》
フィニッシャー枠。
メインは《世界を揺るがす者、ニッサ》とどちらか(両方のパターンも有り得ますが、マリガン候補なのであまり重ねて採用するべきではありません)が主流ですが、《無神経な放逐》はアグロ環境で、《世界を揺るがす者、ニッサ》はミッドレンジ~コントロール環境で…と使い分けた方が良いです。
メインに採用しなかった方は出来ればサイドに用意しておき、相手に合わせ入れ替えるのが良いです。
執筆時点では【オルゾフヴァンパイア】がトップシェアのため、《無神経な放逐》の方が良いです。
《一瞬》
《神秘の神殿》や《抽象からの抽出》によってコンボパーツを揃える速度は格段に上がり、非キッカーでのアドバンテージ損もそこまで気にならなくなりました。
対クリーチャーデッキでは2マナの《殺害》のように活躍しますし、追加で2マナ払えばキャントリップも付く大満足の性能です。
既存カードの中で最も価値が変わったカードです。
《不快な冷気》
《根の罠》と同様の役割ですが、キャントリップ付きのため対コントロールでも腐りません。
あらゆる場面で活躍する【シミックネクサス】を支える影のエースです。
メタゲーム次第ではメインでの複数枚の採用も視野ですが、3マナという微妙な重さもあって重ねて引く事はそれなりにリスクなため、現在はメイン1枚サイド1枚と散らしています。
適切なマッチアップでは非常に強力なカードなため、75枚に2枚は必須です。
《覆いを割く者、ナーセット》
基本的に戦闘で処理される前提の使い切りの潤滑油ですが、《運命のきずな》や《根の罠》が絡んで忠誠度能力が二回使える事になるとマナレシオの壊れたカードになります。
前環境まではマナベースの問題もあって採用を見送っていましたが、《神秘の神殿》でシンボルを確保できるようになり、再び採用するに至りました。
◆プレイガイド:キープ/マリガン基準
【シミックネクサス】のキープ/マリガン基準について解説します。
コンボデッキは一定のキープ基準とマリガン基準と設け、それに従ってマリガンを判断します。
サイド後にはプランによって若干変化するので、ここではメインでのマリガンを想定します。
〇キープ候補群
・確定でキープ
《アズカンタの探索》《成長のらせん》《荒野の再生》《覆いを割く者、ナーセット》
・あると嬉しい
《神秘の神殿》《選択》《繁茂の絆》
・無くてもよい
《薬術師の眼識》《伝承の収集者、タミヨウ》《抽象からの抽出》《一瞬》《無神経な放逐》《天才の記念像》
〇マリガン候補群
・出来れば引きたくない
《選択》《成長のらせん》以外の2枚目以降の同名カード、5枚目の土地
・絶対に引きたくない
《運命のきずな》《世界を揺るがす者、ニッサ》《根の罠》
土地は6枚以上、1枚以下はノータイムでマリガンです。
《選択》や《神秘の神殿》のような序盤から使える潤滑油がいくらあっても関係ありません。
「確定でキープ」群は単体でキープ基準になります。異なる2枚以上ある場合がベストハンドです。
(《成長のらせん》+《荒野の再生》、《アズカンタの探索》+《覆いを割く者、ナーセット》など)
「あると嬉しい」群は単体ではキープ基準にはならず、必ず「無くてもよい」群以上のカードとセットの場合のみキープします。
「無くてもよい」群も単体ではキープ基準にはなりませんが、これが何枚重なってもキープ基準にはなりません。必ず「あると嬉しい」以上とのセットでキープします。
「絶対に引きたくない」群は引いたら2枚以上マリガンを検討します。ただし、《運命のきずな》は《荒野の再生》とセットの場合のみマリガン候補から外れます。
「出来れば引きたくない」群はこれだけではマリガンになりませんが、残りに「確定でキープ」群が無ければマリガンも視野に入れた方がいいです。
マリガン後は若干緩めに、「無くてもよい」群もキープ基準となります。
ただし、マリガン後も「出来れば引きたくない」「絶対に引きたくない」群が2枚以上ある場合はダブルマリガンをした方が良いです。
いくつか実例を挙げて解説します。
〇例1
《荒野の再生》
《アズカンタの探索》
《成長のらせん》
《天才の記念像》
《繁殖池》
《島》
《島》
キープします。
3ターン目に《荒野の再生》が置ける事が確定しているため、マリガンする理由がありません。
これがマリガン後の場合もキープします。
4枚目までの土地は絶対に置きたいのであまり戻したくはないですが、他の全てのパーツが優秀なため、4枚目の土地は上から引く事に期待して《島》を戻します。
〇例2
《運命のきずな》
《根の罠》
《世界を揺るがす者、ニッサ》
《爆発域》
《神秘の神殿》
《島》
《森》
マリガンします。
この手札で何がしたいのか分かりません。ノータイムでマリガンです。
マリガン後の場合でもダブルマリガンします。
4ターン以内に機能しないカードを2枚以上持っている上に序盤に動けるカードが一切無いので、ダブルマリガンした方が良くなる可能性が高いです。
〇例3
《アズカンタの探索》
《根の罠》
《一瞬》
《選択》
《神秘の神殿》
《繁殖池》
《森》
キープします。
《アズカンタの探索》を含んだ手札は概ねキープで考えた方が良いです。
(《アズカンタの探索》×3などの例外はいくらでもありますが…)
マリガン後の場合はキープします。戻すのは《根の罠》です。
土地は絶対に4枚まで伸ばしたいため、この手札からは土地を戻さない方が良いです。
その上で《神秘の神殿》や《選択》で見えた土地を弾くようにします。
仮に土地を戻すとすると、《アズカンタの探索》で土地が見えた場合に落とすか残すかの判断に裏目が発生する(どちらが正解かその時点では不明)ので、そういった部分でミスをしないためにも土地は4枚までは残しておいた方が良いです。
〇例4
《覆いを割く者、ナーセット》
《選択》
《天才の記念像》
《神秘の神殿》
《島》
《島》
《森》
キープします。
《選択》や《覆いを割く者、ナーセット》は《アズカンタの探索》や《荒野の再生》を探すのに役立ちます。
仮に《神秘の神殿》が別の土地だったとしてもキープはしますが、《神秘の神殿》を持っている事はよりキープ基準に貢献します。
マリガン後の場合はキープします。
マリガン後にこの内容なら大満足です。5枚目の土地の価値は低いので、戻すのは《島》です。
〇例5
《伝承の収集者、タミヨウ》
《薬術師の眼識》
《一瞬》
《繁殖池》
《内陸の湾港》
《森》
《森》
マリガンします。
ロンドンマリガン前はこれくらいの手札はキープ寄りでしたが、若干不満が残ります。
仮に先手かつ土地に《神秘の神殿》が追加であるなら《成長のらせん》《アズカンタの探索》が見つかる事に期待してのキープも検討しますが、後手の場合は概ね間に合わないのでマリガンした方が良いです。
マリガン後はキープします。
7枚であればマリガンした方が良いですが、マリガン後は若干緩めにキープします。
あまりマリガンしすぎると、コンボパーツを用意しながら土地を伸ばす事が難しくなっていきます。
戻すのは《森》です。
◆サイドボーディング:方針
サイドボーディングの方針について解説します。
メジャーなアーキタイプについては後述のマッチアップガイドにて具体的なイン・アウトを解説しますが、それ以外のアーキタイプに対しては本項で解説する方針に従ってイン・アウトを決定します。
〇サイドアウト候補
・《選択》
対アグロでサイドアウトします。
コンボデッキとしてこのカードをサイドアウトするのは疑問に思われるかもしれませんが、対アグロはゲーム自体が短く、必要なカードをマリガンで探す事から《選択》や《神秘の神殿》でコンボパーツを探す動きは悠長である事からキープ基準としません。
対アグロはの負けパターンの多くは"間に合わずに負け"となるため、まずは初動が遅い手札をキープしないように心掛けます。
・《抽象からの抽出》
対コントロール、後手時にサイドアウトします。
これらは強力なドローソースであり、メインの様にプランの一貫したゲームでは強いカードです。
しかし、ソーサリーである事から相手の妨害に掛かりやすく、サイド後にはメイン程の活躍が見込めません。
カウンターが追加される相手に対してや後手の場合は基本的にサイドアウトします。
・《覆いを割く者、ナーセット》
対アグロ、ランプでサイドアウトします。
《抽象からの抽出》と異なり、対コントロールで強く、対アグロやランプに弱いカードです。
特に対ランプでは一度効果を使っただけで《世界を揺るがす者、ニッサ》に落とされるパターンが最悪なので真っ先にサイドアウトします。
・《一瞬》
概ね《霊気の疾風》との差し替えになります。
妨害としての役割が近いため、サイド後はより効果的な方に変えます。
・《運命のきずな》
対コントロール、コンボで減らします。
ゲーム自体が長引きがちで、ループが完成する頃には山札の枚数が十分に少なくなる事が予想される対コントロールや、先に仕掛けた側が不利になる対コンボでは減らします。
最終的なゴールになるため、あまり減らしすぎたり全抜きするのは危険です。1~2枚の減量に留めます。
〇サイドイン候補
・《夏の帳》
サイド後の妨害に強いカードです。
《強迫》と《否認》はスタンダードにおける妨害の鉄板ですが、《夏の帳》はその両方に強いです。
既に述べた通り、【シミックネクサス】はサイド後の妨害に弱く、メインプランを完遂する程の力がないにも関わらず、サブプランも弱い(《生体性軟泥》や《永遠神、ケフネト》という生物そのものと、結局は《荒野の再生》や《運命のきずな》を抜ききれない=完全に妨害をかわせない)という問題を抱えていました。
それらを一気に解決したこのカードは基本セット2020で得た最大の収穫です。
・《霊気の疾風》《否認》
これらが効果的な相手はそれぞれ異なりますが、同様の妨害枠です。
かつてこの枠には《否認》しか存在せず、【シミックランプ】や【スゥルタイミッドレンジ】に対して寒いサイドインをする事も多々ありましたが、そんな時代は終わりました。
《否認》は《霊気の疾風》の範囲外をカバーする、もしくは追加する形でサイドインします。
主に【エスパーコントロール】&【エスパーミッドレンジ】、【シミックネクサス】になります。
・《変容するケラトプス》
【スケープシフト】【エスパーコントロール】&【エスパーミッドレンジ】、【シミックフラッシュ】、【青単アグロ】の専用サイドボードです。
《殺戮の暴君》の入れたいマッチアップでは同様の活躍を期待できる上に、ついでに【シミックフラッシュ】、【青単アグロ】にも強いのが嬉しいです。
◆サイドボーディング:簡易マッチアップガイド
メジャーなアーキタイプに対するサイドイン・アウトと簡単なマッチアップガイドについて解説します。
・対【スケープシフト】
in
4《変容するケラトプス》
3《夏の帳》
1《世界を揺るがす者、ニッサ》
out
1《抽象からの抽出》
1《覆いを割く者、ナーセット》
4《根の罠》
1《不快な冷気》
1《無神経な放逐》
メイン戦に関してはかなり有利です。
《時を解す者、テフェリー》が絡んだとしても、単純に《死者の原野》+土地加速だと勝つまでが悠長なので、こちらにも対処するまでのターン数に余裕があります。
十分な土地加速+《時を解す者、テフェリー》+《風景の変容》と持たれていない限りは概ね勝てます。
サイド後からは《ドビンの拒否権》《拘留代理人》などの妨害が増えます。
《時を解す者、テフェリー》さえ処理できれば《夏の帳》でいつでも仕掛けられるため、《変容するケラトプス》を用いて《時を解す者、テフェリー》にプレッシャーを掛けます。
《変容するケラトプス》はプロテクションによって《ハイドロイド混成体》や《拘留代理人》にブロックされず、《樹上の草食獣》《エルフの再生者》はトランプルで貫通するので、ゾンビトークンが並び始める前であれば余裕を持って《時を解す者、テフェリー》を倒せます。
《風景の変容》《時を解す者、テフェリー》をカウンターするために《霊気の疾風》《否認》は入れません。
これらの妨害はゲームに負けないターンを引き延ばしているだけで、自分の勝ちには近付きませんし、こちらの方がゲームに勝利する(正確には勝利するために必要なパーツを揃えるまで)のターンは早いので、余計な対抗策は必要ありません。
・対【オルゾフヴァンパイア】
in
3《夏の帳》
1《不快な冷気》
out
2《選択》
1《薬術師の眼識》
1《覆いを割く者、ナーセット》
相性は悪く、基本的に7枚でキープされたり後手のゲームはこちらの最速パターン以外では勝てません。
しかし、【オルゾフヴァンパイア】の自爆率は非常に高く、マリガン後の鈍い動きに対しては十分対抗できます。
《夏の帳》はサイド後の妨害を突破用に入れます。
《強迫》《灯の儘滅》《害悪の掌握》《マガーンの殴殺者、ヴォーナ》など、クリティカルな妨害に刺さります。
高速アグロに対しては《アズカンタの探索》や《荒野の再生》、《運命のきずな》といったコンボパーツは基本的に減らしません。
いくら妨害を増やした所でこちらも最終的にはコンボを決めなければならないので、妨害は最小限に留めて最速コンボを狙います。
これは【オルゾフヴァンパイア】に限らず、他の単色アグロ(【赤単アグロ】【白単アグロ】など)においても同様です。
・対【ティムールエレメンタル】【シミックエレメンタル】
in
3《夏の帳》
3《霊気の疾風》
out
2《一瞬》
2《選択》
1《覆いを割く者、ナーセット》
1《不快な冷気》
かなり有利なマッチアップです。
メインはどれだけ《発現する浅瀬》で引かれた所で対策カードも無いため、無視してコンボを一直線に狙います。
サイド後にはカウンターなどの妨害が増えるので、それを突破する《夏の帳》を追加します。
《霊気の疾風》は《世界を揺るがす者、ニッサ》や《乱動の座、オムナス》、《茨の騎兵》といった大振りのカードを狙い撃ちます。
《否認》は当たり所が少なく、《夏の帳》《霊気の疾風》で十分カバーできるので不要です。
・対【エスパーコントロール】
in
3《夏の帳》
4《変容するケラトプス》
2《否認》
1《世界を揺るがす者、ニッサ》
out
4《根の罠》
1《不快な冷気》
2《一瞬》
1《抽象からの抽出》
1《運命のきずな》
1《無神経な放逐》
比較的有利なマッチアップです。
メイン戦は《時を解す者、テフェリー》を中心にパーマネントに触るカードが多く存在するも、《屈辱》以外では《アズカンタの探索》を完全に処理する事が出来ないため、いずれは設置から反転まで辿り着きます。
そうなるとリソース面では気にならなくなるため、最終的には《一瞬》で《時を解す者、テフェリー》を退かし、《荒野の再生》を通し、《運命のきずな》へと繋がります。
傍目からは押されているように見えますが、こちらの方が先に勝ちへと進むという奇妙なゲーム展開になりがちです。
サイド後は《時を解す者、テフェリー》や《覆いを割く者、ナーセット》を守るカードが増え、格段に厳しくなります。
《変容するケラトプス》も《屈辱》と《灯の燼滅》に対処されやすいので過信は禁物です。
激しいリソースのトレードの後に相手のプレインズウォーカーが定着するのが一番の負け筋ですが、そのタイミングからこちらのカードも通りやすくなるので、そこで《アズカンタの探索》+《荒野の再生》のエンジンを完成させると一気に勝ちに近づきます。
・対【エスパーミッドレンジ】
in
3《夏の帳》
4《変容するケラトプス》
1《世界を揺るがす者、ニッサ》
out
4《根の罠》
1《不快な冷気》
1《抽象からの抽出》
1《無神経な放逐》
非常に不利なマッチアップです。
メイン戦ですら《第1管区の勇士》のクロック、《思考消去》《時を解す者、テフェリー》《覆いを割く者、ナーセット》などの妨害が充実しており、非常に厳しい戦いになります。
とは言え、《暴君の嘲笑》や《喪心》といった不要牌も多いため、そこまで悲観するほど勝てない訳でもありません。
サイド後は前述の不要牌が全て《強迫》や《灯の儘滅》といった妨害に差し替わり、地獄のような戦いになります。
こちらも《変容するケラトプス》で《時を解す者、テフェリー》を対処出来るようになり、《夏の帳》で妨害を弾けるようになりますが、それらを総合してもかなり不利です。
他のデッキと異なり、妨害の種類・枚数が多く、それぞれの威力も高いため、一度リードを広げられると巻き返すのが難しい相手です。
あまりリードを広げられすぎると何をやっても捲れなくなるため、逆転の芽が潰れないよう出来るだけフラットな状態になるように意識してゲームを進めます。
(《否認》を惜しまずに使う、《第1管区の勇士》を定着させないようにアドバンテージで損してでも《一瞬》で戻す、タップアウトでよいから《伝承の収集者、タミヨウ》や《荒野の再生》を連打してカウンターとトレードする等)
・対【赤単アグロ】
in
3《霊気の疾風》
1《不快な冷気》
out
1《一瞬》
2《選択》
1《根の罠》(先手) / 1《覆いを割く者、ナーセット》(後手)
五分のマッチアップです。
メイン戦・サイド後ともにスピード勝負を意識します。ダラダラしていても勝ち目はありません。
なので、妨害は最低限に留め、最短でのコンボを狙います。
相手側にこちらのコンボを妨害するカードは採用されていない事が多く、少なくとも単色では有り得ません(タッチ黒の《強迫》、タッチ緑の《燃えがら蔦》は危険ですが…)
サイド後であっても《荒野の再生》や《運命のきずな》といった主軸となるカードは一切減らしません。
むしろ先手の際には《根の罠》のような延命用のカードを減らすレベルです。
結局はコンボで勝つ相手なので、コンボパーツを減らして延命用のカードを増やしても、コンボの始動ターンが遅れてしまっては本末転倒です。
軸をずらすような戦略も、《黎明をもたらすものライラ》レベルの影響力(単体での延命&勝利が可能)であるならまだしも、《生体性軟泥》《永遠神ケフネト》《茨の副官》程度の影響力では焼け石に水です。
・対【ボロスフェザー】【ナヤフェザー】
in
1《不快な冷気》
2《霊気の疾風》
out
2《選択》
1《覆いを割く者、ナーセット》
かなり有利なマッチアップです。
クロック以外に優れている点が無い愚直なビートダウンなので、メイン戦は負ける要素が殆どありません。
サイド後は《啓蒙》を《戦慄衆の秘儀術師》で使い回されたり、《軍勢の戦親分》のような継続したクロック、《血染めの太陽》のような妨害が追加されるのでメイン戦よりはやりづらくなります。
しかし、《戦慄衆の秘儀術師》を《霊気の疾風》や《一瞬》、《爆発域》で対処しやすい事や、《一瞬》から守るための《神々の思し召し》をサイド後はフルでは残しづらいため(基本的に複数枚は役に立たないのでサイドアウト候補筆頭)、よほどの事がない限りは有利・不利は覆りません。
・対【シミックランプ】
in
3《夏の帳》
3《霊気の疾風》
out
2《選択》
2《一瞬》
1《覆いを割く者、ナーセット》
1《抽象からの抽出》
有利なマッチアップです。
妨害は《エリマキ神秘家》にさえ注意すれば問題ありません。
露骨に構えたターンは無理して動かず、相手のエンド時に《薬術師の眼識》や《運命のきずな》から仕掛けます。
サイド後は《エリマキ神秘家》《集団強制》《裏切りの工作員》の全てが《夏の帳》で弾けます。
唯一の負け筋は《打ち壊すブロントドン》で《荒野の再生》をけん制され、その間に《世界を揺るがす者、ニッサ》が定着して殴られ続ける事です。
逆にそれさえクリアできれば負ける要素は殆どありません。
このマッチアップに限りませんが、《打ち壊すブロントドン》の対処に目途が立たないようであれば、さっさと《荒野の再生》とトレードさせた方が良いです。
《荒野の再生》を温存したまま《霊気の疾風》を抱えて《世界を揺るがす者、ニッサ》には対処できるものの、《打ち壊すブロントドン》に少しずつ殴られ、気付けばライフが…という状況に陥りやすいので、そうなるくらいなら《荒野の再生》はさっさと置いた方が良いです。
・対【バントランプ】
in
3《夏の帳》
3《霊気の疾風》
out
2《選択》
2《一瞬》
1《覆いを割く者、ナーセット》
1《抽象からの抽出》
メイン戦は若干有利、サイド後は不利なマッチアップです。
メイン戦については【シミックランプ】と同様に有利ですが、《時を解す者、テフェリー》の分だけ厳しくなります。
とはいえ、《時を解す者、テフェリー》+《世界を揺るがす者、ニッサ》とならない限りは有利な点は変わりません。
サイド後は《拘留代理人》《打ち壊すブロントドン》《ドビンの拒否権》など、追加される全てのカードがキツく、一気に不利になります。
《ドビンの拒否権》については《夏の帳》で貫通できるものの、《時を解す者、テフェリー》に無力化されるので過信はできません。
《変容するケラトプス》で突破しようにも、《世界を揺るがす者、ニッサ》で生成されるエレメンタルが二体になると突破できなくなるためサイドインしません。
色を追加した分だけ【シミックランプ】よりも強力なため、相手のブン回りや妨害はある程度割り切って、メインプランを押し通した方が良いです。
・対【スゥルタイランプ】【スゥルタイミッドレンジ】
in
3《夏の帳》
3《霊気の疾風》
out
2《選択》
2《一瞬》
1《覆いを割く者、ナーセット》
1《抽象からの抽出》
メイン戦は有利、サイド後は不利なマッチアップです。
メイン戦については負ける要素がありません。
クロックが遅い、直接火力を持たない、妨害も殆どないと【シミックネクサス】の得意な部分が揃ったベストマッチアップです。
しかし、サイド後は《強迫》《否認》《暗殺者の戦利品》《打ち壊すブロントドン》などの妨害がてんこ盛り。
しかも《伝承の収集者、タミヨウ》によってそれらの妨害を使いまわせるようになるので、一気に不利になります。
かといってサイドのクリーチャープランが有効な相手でもないので、《夏の帳》でバックアップしてコンボプランを押し通します。
・対【グルールアグロ】
in
3《霊気の疾風》
1《不快な冷気》
out
2《選択》
1《一瞬》
1《抽象からの抽出》
有利なマッチアップです。
メインに関しては一切の妨害がないため、コンボに集中できます。
《根の罠》もクリティカルで、負ける要素がありません。
サイド後は妨害が増え、メインほど楽にはいきませんが依然として有利です。
とは言え、《軍勢の戦親分》や《打ち壊すブロントドン》、《ビビアン・リード》くらいなので、多少厳しくなる程度です。
執筆時点では《燃えがら蔦》が殆ど採用されていない事も追い風です。
・対【シミックフラッシュ】【スゥルタイフラッシュ】
in
4《変容するケラトプス》
3《夏の帳》
2《霊気の疾風》
out
2《選択》
1《不快な冷気》
1《覆いを割く者、ナーセット》
1《抽象からの抽出》
4《根の罠》
不利なマッチアップです。
メイン戦は相手がどれだけの不要牌を引くかの勝負になります。
《本質の散乱》《喪心》のように腐るカードも多く、それらを上手く別のカードに変換する方法が無いため、相手が思ったように動けずあっさり勝つ事もあります。
逆に完璧に動かれるような事があれば手も足も出ません。一瞬で負けます。
サイド後は相手のゲーム展開に付き合うためにソーサリーアクションをサイドアウトします。
《変容するケラトプス》《夏の帳》が劇的で、特に【シミックフラッシュ】の場合は《変容するケラトプス》さえ通れば《夜群れの伏兵》以外ではほぼ対処不能です。
《夏の帳》はデッキの構造自体を否定するかのようなカードで、これを引けるかどうかで勝率も大きく変わります。
・対【青単アグロ】
in
4《変容するケラトプス》
3《夏の帳》
2《否認》
out
4《根の罠》
1《覆いを割く者、ナーセット》
1《抽象からの抽出》
1《不快な冷気》
1《運命のきずな》
1《荒野の再生》
不利なマッチアップです。
メイン戦は相手の《執着的探訪》が絡まない事を祈ります。
ただ、メイン戦はサイド後に比べるとカウンターの枚数が少ないため、《荒野の再生》や《伝承の収集者、タミヨウ》といった重いカードを連打すればどれかは通ります。
《爆発域》がクリティカルなので、それを絡めて若干ゆっくり動くのも悪くはないです。
サイド後はソーサリーアクションを減らして《変容するケラトプス》にオールインします。
【青単アグロ】は専用のサイドカード(《魔術遠眼鏡》や《異形化するワンド》など)を取らないと《変容するケラトプス》を突破できないため、これを引けるかどうかで勝率が大きく変わります。
《夏の帳》も劇的なカードで、《伝承の収集者、タミヨウ》を通したい時などに重宝します。
・対【シミックネクサス】
in
3《夏の帳》
3《霊気の疾風》
2《否認》
1《世界を揺るがす者、ニッサ》
out
2《運命のきずな》
1《抽象からの抽出》
1《不快な冷気》
4《根の罠》
1《無神経な放逐》
ミラーは当然五分のマッチアップです。
メイン戦はかなり面白味のない戦いになります。
相手より多く《成長のらせん》を引き、先に《荒野の再生》か《伝承の収集者、タミヨウ》を着地させた方の勝ちです。
お互いに妨害も少ないため、メインはひたすらにどっちの引きの太いかの勝負です。
サイド後はお互いに構え合うゲームになるので、重いソーサリータイミングのアクションは減らします。
《覆いを割く者、ナーセット》は貴重な3マナ以下の仕掛けなので残します。
基本的に仕掛けよりもカウンターの方が軽いため、仕掛ける側はそれなりのバックアップが必要になりますが、ここでも《夏の帳》は活躍します。
《運命のきずな》は一度通ると追加ターンも込みで相手の二倍行動できるようになるため、先に7マナに到達した側が一方的に有利になりますが、序盤に見えると《薬術師の眼識》のコストや《アズカンタの探索》のトップチェックで墓地が肥えなくなり、《アズカンタの探索》の反転が遅れてしまうので基本的には引きたくないカードです。
また、土地を伸ばすためには《成長のらせん》《薬術師の眼識》が必須であり、これを引ける・引けないがこのマッチアップが"運ゲー"と言われる所以です。
当然ながら戦いの焦点は《荒野の再生》を置けるかどうかなので、これを巡る攻防を意識します。
お互いに構え始めるとどちらが先に動いてよいか分からなくなり、ダラダラと試合が伸びる傾向にあります。
出せるマナの数、手札のカウンター、仕掛けるためのカードを総合して「どういう状況になれば仕掛けられるのか」をイメージしながらプレイします。
◆TIPS
【シミックネクサス】全般に纏わるTIPSについて解説します。
・勝ち手段を抜く
一本目に勝利している状態で時間が切れても勝利になるため、二本目は"ゲームに勝利する"ではなく"ゲームに敗北しない"事がゴールに変わります。
延々と《運命のきずな》を撃って、《伝承の収集者、タミヨウ》で《爆発域》で全てのパーマネントを対処し、《繁茂の絆》で無限ライフを得て、《根の罠》を拾い続けるだけでよいのです。
なので、"ゲームに勝利する"ために使う《世界を揺るがす者、ニッサ》《無神経な放逐》は不要になります。
《世界を揺るがす者、ニッサ》《無神経な放逐》はデッキの不純物であり、初期手札にあるとマリガン基準になるので、出来れば抜きたいカードです。
もちろん、相手のプレインズウォーカーにプレッシャーを掛けるために《世界を揺るがす者、ニッサ》が有効であったり、単純なバリューとして活躍が期待できるのであればその限りではありません。
ただし、この方法はリアルでのみ有効で、MOやMTGAの場合は紙と時間制限のシステムが異なるため、この方法は有効ではありません(時間切れによる強制敗北があるため)
・《一瞬》関連
主に《濃霧》のように耐えるために使いますが、他にも多くの使い方があります。
《時を解す者、テフェリー》を退かすのは勿論の事、自分の《荒野の再生》を《打ち壊すブロントドン》《燃えがら蔦》から守ったり、相手の攻撃に合わせて《伝承の収集者、タミヨウ》や《覆いを割く者、ナーセット》を戻す事もあります。
エンド前にアンタップのマナクリーチャーや《ゴブリンの電術師》に当てて、カウンター用のマナを退かして疑似的にランデスのように使う事もあります。
・《伝承の収集者、タミヨウ》と《水没遺跡、アズカンタ》
ループ時に《伝承の収集者、タミヨウ》と《水没遺跡、アズカンタ》の両方が揃っている場合、どちらから起動してよいか悩む事があると思います。
ケースバイケースではありますが、基本的には「選択肢のある方を後回し」にすると良いです。
具体的には、《伝承の収集者、タミヨウ》の忠誠度が3以上の場合は《水没遺跡、アズカンタ》から、それ以外は《伝承の収集者、タミヨウ》から起動します。
これは《水没遺跡、アズカンタ》で目的のカードが見つからなかった場合、《伝承の収集者、タミヨウ》のマイナス能力で墓地から《根の罠》を拾うパターン(保険)を残しておく意図があります。
仮に《水没遺跡、アズカンタ》で目的のカードや保険が見つかったのであれば、《伝承の収集者、タミヨウ》はプラス能力で追加の《荒野の再生》《運命のきずな》を当てに行けば良いです。
・《成長のらせん》と《アズカンタの探索》
2ターン目に両方持っている場合にどちらをプレイするかを悩んだ場合、
"手札に置ける土地があるなら《成長のらせん》、手札に置ける土地がないなら《アズカンタの探索》"
と判断して撃つのが良いです。
《成長のらせん》の場合、トップが土地+二番目が縦置きの土地でない限りは《成長のらせん》による土地加速のメリットが殆ど有りません。
それよりは土地を伸ばす役割の他に最終的なゴールでもある《アズカンタの探索》を早めに設置しておいた方が良いです。
4ターン目に4マナを使える状態にできる確率は、《成長のらせん》→《アズカンタの探索》よりも《アズカンタの探索》→《成長のらせん》の方が高いです。
なので、あまり無理をする必要が無い場合はこの方針に従っておいた方が無難です。
・《夏の帳》関連
忘れがちですが、全パーマネントが青と黒からの呪禁を持つため、土地やプレインズウォーカーも呪禁を持ちます。
《水没遺跡、アズカンタ》《荒野の再生》《伝承の収集者、タミヨウ》を対象とした《裏切りの工作員》や《暗殺者の戦利品》、《集団強制》や《戦争の犠牲》などを弾けます。
《打ち壊すブロントドン》や《押し潰す梢》、《廃墟の地》などのパーマネント破壊や、《稲妻の一撃》などの火力呪文は弾けません。
テキスト通りではありますが、"青"と"黒"からのみの呪禁です。
・《霊気の疾風》関連
唱えられている呪文を対象とする場合、スタック上から戻すので《目覚めた猛火、チャンドラ》も弾けますし、《夏の帳》では弾かれません。
レアな使い方になりますが、疑似的に《一瞬》として使えます。
《伝承の収集者、タミヨウ》のプラス能力にスタックして自分の《伝承の収集者、タミヨウ》を対象に《霊気の疾風》を使い、宣言を《伝承の収集者、タミヨウ》にする事で《伝承の収集者、タミヨウ》を手札に戻す事が出来ます。
《霊気の疾風》で戻した後は《選択》や《薬術師の眼識》を使っても同じ事が出来ます。
無意味に見えますが、《伝承の収集者、タミヨウ》の忠誠度を戻せるので、リソースが尽きている・フラッドしている時などに有効です。
・《不快な冷気》関連
基本的には追加の《根の罠》として運用しますが、クリーチャー同士の激突時にコンバットトリックとして使う事も可能です。
《世界を揺るがす者、ニッサ》のエレメンタルトークンや《変容するケラトプス》自身など、クリーチャーが増えるサイド後には頻発します。
また、《ボーラスの解体者、ドムリ》の能力は格闘なので、これにスタックすると稀に除去を免れます。
《ドムリの待ち伏せ》のような、自身のパワーのみを参照する格闘(通称一方格闘)等についても同じです。
ちなみに、パワーは下げますが《軍勢の戦親分》の教導は止められません。
教導は自身のパワーより低いクリーチャーをターゲットに取るため、0のクリーチャーからパワー-1のクリーチャーへの教導も可能なためです。
・土地の置き方
《天才の記念像》は確定タップインかつ《神秘の神殿》と違っていつ置いても同じなため、可能な限り最優先で置きます。
勿論、色や《内陸の湾港》との兼ね合いもあるので《神秘の神殿》や《繁殖池》がある場合はその限りではありません。
《神秘の神殿》は手札との兼ね合いもありますが、可能であれば3ターン目に置けるのがベストです。
《覆いを割く者、ナーセット》《不快な冷気》のような3マナのアクションがある場合はその限りではないですが、このタイミングが最も4マナ目到達に寄与します。
基本的に土地の欲しい序盤から置き始めるのはイマイチです。土地が見える確率が一番高く、それをそのまま上に置くとなると劣化ゲインランドになってしまいます。
《爆発域》は青×2と緑×1が確保できる見込みがあるならカウンターをチャージできる3ターン目から置くと良いです。
早めに置く事で後引きのタップインランドを処理しやすくなりますし、構え合った時にマナを有効に使えます。
「このターンに置いてもチャージしないから」「あまり早く見せたくないから」といって置くのを渋ると、連続でタップインランドを引いた時に痛い目を見ます。
◆おわりに
冒頭でも述べましたが、【シミックネクサス】は次のローテーションでデッキの根幹である《運命のきずな》を失うため、必然的にスタンダードを去ります。
しかし、必要なカードが出揃い、デッキとしての強度も最大まで高まった現在の【シミックネクサス】は現環境終了までTier1
2に君臨し続けると確信しています。
その間に「日本選手権」、関東近郊であれば晴れる屋TCの「環境名人戦(基本セット2020環境)」と、スタンダードのプレミアイベントも続きます。
【シミックネクサス】を使おうと考えている方に本記事を読んで頂ける(または紹介して頂ける)のなら、時間を費やして執筆した意味もあったなと思います。
そんな方々のMTGライフに少しでも影響が与えられたのなら幸いです。
本記事に関する指摘・質問が御座いましたら、どんな方法でもコンタクトを取って頂ければと思います。
出来る限り対応させて頂きます。
(Twitter:@manohito_masuda)
以上です。有難う御座いました。
登録タグ: MTG
テーマ:MTG | 投稿日時:2019/08/19 17:04 | |
TCGカテゴリ: Magic: The Gathering | ||
表示範囲:全体 | ||
前のブログへ | 2019年08月のブログ一覧へ ブログ一覧へ |
次のブログへ |