お疲れ様です。てんさいチンパンジーです。
■運命のきずなと共に歩む(後編)
この記事は、ラヴニカの献身~灯争大戦環境までを私自身と《運命のきずな》視点で振り返ります。
後編は灯争大戦環境編になります。
それぞれで完結していますが、前編から読んで頂けると1.5倍は楽めると思いますので、そちらから読んで頂けると幸いです。
〇運命のきずなと共に歩む(前編)
https://tocage.jp/blog/6580/1561038709.html
時系列は前回(ラヴニカの献身環境)の続きになります。
[1] Simic Nexus
MTGAでは現実よりも1週間ほど早く灯争大戦がリリースされました。
環境が一新され、シミックネクサス視点でも《爆発域》《ボーラスの占い師》《伝承の収集者、タミヨウ》といった可能性を感じるカードが多々ありました。
リリース後、早速試してみる事に。
◆サンプルリスト:ティムールネクサス(MTGA先行リリース)
土地26枚
6《島》
3《森》
4《天才の記念像》
3《踏み鳴らされる地》
4《繁殖池》
4《内陸の湾港》
2《爆発域》
生物4枚
4《ボーラスの占い師》
その他30枚
4《選択》
4《根の罠》
4《成長のらせん》
3《アズカンタの探索》
4《荒野の再生》
4《薬術師の眼識》
4《運命のきずな》
3《発展+発破》
前環境末期から使用していた《発展+発破》型のティムールネクサスからスタートしました。
旧環境からの一番の大きな変更点は《ボーラスの占い師》です。
これにより、序盤の地上をガッチリガード。単色アグロに強いという事で、《楽園の贈り物》と差し替えてみました。
対単色アグロに見た目通りの活躍で、対コントロールでも序盤のアクションを担保+《選択》等にアクセスできてマリガンに強くなり、安定感の向上につながりました。
しかし、《爆発域》で増加したメインの土地やコンボのキーとなる《アズカンタの探索》や《荒野の再生》など、手札に加わらないカードがある程度の枚数が採用されているため3枚ルック程度では手札にカードが加わらない事も多く、プレインズウォーカーが追加されるサイド後にはさらに弱くなるのが難点です。
アグロに対して強い《生体性軟泥》をインする際に、アグロに強いこのカードを抜く必要があったりと、若干チグハグな印象を受けました。
取り敢えずは使ってみたものの、これ以上によいものが見つかればすぐに解雇するレベルだなという結論に。
この時、既に「《伝承の収集者、タミヨウ》を採用したシミックネクサスが凄い!」と話題になっていましたが、当初の私はこれに懐疑的であり、すぐに試そうとはしませんでした。
理由は以下の通り。
①《ドミナリアの英雄、テフェリー》というプレインズウォーカーを廃したのに、今更またプレインズウォーカーを使うのか?
プレインズウォーカーを廃した事はシミックネクサスの功績です。
プレインズウォーカーを守るために《根の罠》を使う事は、本来の使い道ではありません。
また、《ドミナリアの英雄、テフェリー》無き後、再びプレインズウォーカーを採用するチグハグさに疑問を覚えました。
《ヴラスカの侮辱》や《魔性》といった、本来は腐るであろうカードに当たるのもイマイチに感じ、「《ウルザの後継、カーン》は使わないのにコレは使うのか?」「新弾のカードを使いたいだけでは?」という思いが拭えませんでした。
②そもそも強いと思えない
プラス能力は未確定で《ウルザの後継、カーン》の劣化、-3は4マナで出してからの起動では遅すぎる、常在型能力はゲーム感に合わないインクの染み。
…要するに、このテキスト群が一切強いと思えなかったのです。
が、喰わず嫌いもよくないと思い、一度試してみる事にしました。
>①《ドミナリアの英雄、テフェリー》というプレインズウォーカーを廃したのに、今更またプレインズウォーカーを使うのか?
《ドミナリアの英雄、テフェリー》は自らを守るに《根の罠》という別のカードを使うのが弱かったですが、《伝承の収集者、タミヨウ》はそれを自分で拾えるため実質自衛。
プラス能力から入った場合は《ウルザの後継、カーン》と同じの忠誠度6のため、クリーチャー二体でも倒すのが困難なレベルです。
《成長のらせん》経由で3ターン目にプレイした返しにはほぼ落ちないため、《根の罠》を使って守らなくてもよい場面も多いです。
>②そもそも強いと思えない
プラス能力で外しても《アズカンタの探索》が一瞬で反転し、《薬術師の眼識》が落ちればアドバンテージが取れています。
マイナス能力は適切なタイミングであればコンボデッキとしてはこれ以上ない強さなのは言わずもがなで、勝利手段を拾える事から自身も勝利手段として数えられるため、わざわざ《発展+発破》のようなフィニッシャーを使わずとも、《無神経な放逐》のような時間稼ぎ向けのカードや《総動員地区》のような土地カウントのクリーチャーでも勝てるようになり、デッキから無駄がなくなります。
そして、常在型能力はクリーチャーを介さない+ハンデスやエディクトを使う黒いデッキ…つまり、エスパー系やグリクシス系などのコントロールに滅法強く、特にエディクト無効は《最古再誕》などから自身を守る役割もあり、戦闘以外には滅法強い能力です。
…自分の目が節穴という事がよく理解できました。
こうやって少しずつ成長していくんだなと実感しました(言い訳ですが。。)
ただし、《荒野の再生》と《薬術師の眼識》で4マナ域は既にパンパン。
ソーサリーアクションの増加で対コントロールやミラーのサイド後が難しくなりそうなのもあり、最初は3枚に抑えるのがよいと判断しました。
それ以外の新カードにも少し触れます。
《爆発域》はカウンターのされない除去として非常に優秀です。
正直、このカードが無ければ《時を解す者、テフェリー》だけで負けていたでしょうし、この環境でのシミックネクサスは存在意義を失っていたと思います。
ちなみに最初は土地としてもスペルとしてもカウントできる超強力なカードとして4枚からスタート(!!)しましたが、土地26枚では当然色は出なかったですし、土地28枚にしたら当然フラッドしました。
すぐに2枚が適性という事で落ち着く結果に。こういう当たり前の事にすぐに気付けない(イメージする力が足りてない)のが欠点だと痛感しました。。
《覆いを割く者、ナーセット》は対ミラー、対コントロールを制する対策カードとして非常に優秀です。
常在型能力だけでなくマイナス能力も超強力。《水没都市、アズカンタ》の二回分が僅か3マナというお得感。
ただし、返しに即戦闘で落とされると2マナ相当の強さなので、どちらかというとサイド後に適切なマッチアップで力を発揮するカードだと思いました。
以上の雑感を踏まえてたリストが以下の通り。
◆サンプルリスト:シミックネクサス(環境初陣戦)
土地26枚
6《島》
6《森》
4《天才の記念像》
4《繁殖池》
4《内陸の湾港》
1《爆発域》
1《総動員地区》
生物1枚
1《樹上の草食獣》
その他33枚
4《選択》
4《根の罠》
4《成長のらせん》
3《アズカンタの探索》
1《一瞬》
2《悪意ある妨害》
1《覆いを割く者、ナーセット》
4《荒野の再生》
4《薬術師の眼識》
3《伝承の収集者、タミヨウ》
4《運命のきずな》
サイド15枚
1《樹上の草食獣》
2《成長室の守護者》
2《覆いを割く者、ナーセット》
4《否認》
1《殺戮の暴君》
2《不快な冷気》
1《ナーセットの逆転》
発売日翌日の環境初陣戦で使用"予定"だったリストです。当日は寝坊して参加できず…
ただ、リストをシェアした友人はTOP8に入っており、リストの方向性自体は大きくズレてはないと思いました。
が、すぐにこの構築のボロが出てきました。
それは"あまりにもサイドボードが貧弱"です。
シミックネクサスは前の環境にその大部分が形成されており、デッキの完成度・強度の高さお墨付きです。
それ故に雑多なデッキに対しては圧倒的なメイン勝率の高さを誇っており、デッキの一貫性・安定性も相まって、相手がサイド後のどちらかで事故るようものなら多少の不利マッチでも取れる地力の高さを持ちます。
そのため、サイドボードは対コントロール向けに《根の罠》と差し替える用、対アグロ向けに《アズカンタの探索》や《薬術師の眼識》などを差し替える用の最低限のカードさえ用意されていれば、そこそこの勝率が担保されてしまいます。
そのせいでサイドの欠点にすぐには気付けませんでした。
この問題に気付いたのは何かがキッカケというよりも、単に試行回数を重ねていく過程で気付きました。
有効と思われるカードをサイドインする事で、メインよりデッキが弱くなっている印象を受けたのです。
その原因を掘り下げると、「サイド後のゲームを想定しきれていない」ように感じました。
特に顕著に感じたのが《成長室の守護者》です。
《成長室の守護者》は《時を解す者、テフェリー》や《覆いを割く者、ナーセット》などの強力な常在型能力を持つプレインズウォーカーに対するプレッシャーとして採用しています。
サイド後、除去が減った後の展開では単体のマナレシオとリソース面で心強いと思っていました。
しかし、相手がサイド後のゲームを想定しない訳もなく、こちらがある程度のクリーチャープランを取る事は把握しています。
そうなると、相手も除去を多少なり残してきます。
少し話が逸れますが、サイドボード後のゲームには段階があります。
Lv0: サイドを使わない
Lv1: メインに対して強くする(Lv0に強くする)
Lv2: サイド後に対して強くする(Lv1に強くする)
Lv3: サイド後を見越してイン/アウトしてきた後に対して強くする(Lv2に強くする)
Lv3以降はLv3同士のイタチごっこ(対策の対策の次は対策の対策の対策…)となり、本質は変わってないので、Lv3が最大と考えています。
《成長室の守護者》の例で言うと、こちらは「相手はサイド後に除去を抜く」前提の下、《成長室の守護者》の活躍に期待して採用しています。
これは「サイド後には除去が減る」というLv2(相手のサイド後のデッキに対して強くする)の考え方です。
しかし、相手がLv3(相手がサイド後のゲームを見越してサイドイン/アウトしてきたデッキに対して強くする)の場合、このプランは瓦解します。
《成長室の守護者》に限らず、ネクサスデッキのサイド後は単体で勝てるクリーチャープランがメジャーで、特に《生体性軟泥》は採用実績も豊富で、このマッチでもinしてくる可能性は高いです。
そのため、《生体性軟泥》を考慮して除去を多少なり残すため、こちらのLv2の想定が外されています。
また、相手からしても同じようにクリーチャープランを取ってくる可能性がありますが、ネクサス側はこれに対処する方法が有りません。
※厳密には無い訳ではなく、有効ではないという意味です。
※ネクサスのクリーチャー対策は《根の罠》であり、これはコンボ完遂の時間稼ぎである事から、サイド後のクリーチャー対策としては運用できません。
つまり、この部分に関してはこちらはLv1(《根の罠》を抜く=相手のメインに対して強くする)であり、相手はLv2(除去のない相手に強力なクリーチャーをサイドインする=サイド後に対して強くする)です。
実際に《成長室の守護者》を出しても《喪心》や《屈辱》で除去され、そうでなくとも《永遠神ケフネト》を越えられず、《戦慄衆の侵略》でビタ止まりする等、活躍するゲームはかなり限られていました。
逆に相手の《軍勢の戦親分》や前述の《永遠神ケフネト》を除去する方法はこちらになく、相手のプランの方が上手になるケースも多いです。
…とはいっても、問題だったのは《成長室の守護者》のような裏目の存在するクリーチャーのみ。
《殺戮の暴君》は《伝承の収集者、タミヨウ》の常在型能力との相性の良さも相俟って、前環境以上に強力なカードになったなという印象を受けました。
なので、これを活かす形にシフトしていきました。
[2] Bant Midrange
シミックネクサスのデッキ強度はお墨付きで、環境最初期からしてトッププロの何人かも高い評価を出していました。
そんな中、バントミッドレンジというデッキが対抗馬として話題に上がり始めました。
このデッキはシミックネクサスには圧倒的に強く、攻略のためにもバントミッドレンジを回してみる事にしました。
実際に使ってみた感じ、勝つまでに大きく分けて3つのルートが存在すると思いました。
①《野獣の擁護者、ビビアン》や《時を解す者、テフェリー》、《エリマキ神秘家》によるフラッシュ戦略
②《ラノワールのエルフ》や《培養ドルイド》を経由して《ハイドロイド混成体》に繋げるビッグマナ(ランプ)戦略
③《成長室の守護者》《永遠神オケチラ》等のマナレシオに優れたクリーチャーによるミッドレンジ戦略
この内、シミックネクサスに強いのは①の動きで、②③については大した圧力はありません。
確かにフラッシュタイミングでの《エリマキ神秘家》や《秋の騎士》、《拘留代理人》は強力ですが、色拘束の問題からかなりの頻度でマナトラブルを起こしました。
それをサポートするマナクリーチャーが大量に入っていますが、今度はそれらと《エリマキ神秘家》といった、能動的に動けない手札になる事もしばしばありました。
結局のところ、先にプレインズウォーカーを配置して、そこから構えたクリーチャーを展開するか、
プレインズウォーカーを連打する動きしか強くない、結局のところプレインズウォーカー依存。
《培養ドルイド》や《エリマキ神秘家》など、後手であったり押されている展開で弱いカードも多く、
マナ域が全体的に3マナ以降に寄っているため、なかなか1ターンに2アクションが取れない事から先手/後手の差が露骨かつ引きムラも凄いです。
(先手のマナクリだけでプレッシャーが掛けられない、後手で3マナ域が被り過ぎて後引きマナクリを許容できないのでマリガンなど)
結論として、シミックネクサス視点からは「当たった場合は割り切る」事としました。
不安定な要素だらけのデッキで、いずれ(というかすぐに)消えるデッキだろうという事で無視を決め込みました。
…ちなみに、この目論見(?)は大外れで、後のMPL(weekly2)では最多勢力にまで伸びました。自分の先見の目のなさたるや。。
最終的にはバントミッドレンジは一度環境から姿を消すものの、バントランプへと姿を変えて復活する事になりますが、それはまた別の話。
[3] Esper Midrange
バントミッドレンジの隆盛と同時期、エスパーミッドレンジも同じく隆盛していました。
エスパーミッドレンジ自体は前環境から存在したデッキでしたが、灯争大戦を経て脇を固めるカードが出揃い、本格的に金ピカデッキになったため《第1管区の勇士》が強力なプレッシャーに進化しました。
《第1管区の勇士》《正気泥棒》のクリーチャーによるプレッシャーや、《灯の儘滅》《屈辱》《時を解す者、テフェリー》《ドミナリアの英雄、テフェリー》といったパーマネントに触るカードがメインから多く採用され、それらはシミックネクサスにとって全てがクリティカル。
自然に陰湿デッキに強い構造でありながらサイドにも追加の《強迫》や《ドビンの拒否権》が用意されており、その隙の無さから対戦してても環境の王者デッキだと感じた。
バントミッドレンジ同様に自分でテストしてみましたが、エスパーミッドレンジ同様に欠点はあるように思えました。
①受け身な手札をキープしづらい
クリーチャーで言えば《第1管区の勇士》も《正気泥棒》がそうですし、プレインズウォーカーも《時を解す者、テフェリー》はそれにあたります。
先に出しておくことで脅威となるカードが多く、《灯の儘滅》や《屈辱》といった受け身なカードだけではキープしづらいです。
エスパーコントロールのように土地と《ドミナリアの英雄、テフェリー》と除去でキープしようものなら、後から引いてくるカードたちがなかなか有効に使えません。
②押されると弱い
①に通ずる所はありますが、一度押されると逆転するのが難しいです。
細かいカードの積み重ねでアドバンテージを稼ぐので(そし《第1管区の勇士》と《正気泥棒》がまさにそう)、即対処が求められるような脅威を1ターン放置してしまうと、途端に取り返しがつかない事になります。
押しているゲームは強く、押されているゲームで弱いカードが多いのです。
当初、イメージしていた完璧さとは裏腹に、「ハマると強いが、ハマらない事も多い」という印象に変化していきました。
シミックネクサスで勝てないのであれば乗り換えるのも視野でしたが、そうでない事がわかれば話は別。
その弱点を突く形にサイドプランを修正していきました。
◆サンプルリスト:シミックネクサス(環境中期)
土地27枚
5《島》
6《森》
4《天才の記念像》
4《繁殖池》
4《内陸の湾港》
3《爆発域》
1《シミックのギルド門》
生物1枚
1《樹上の草食獣》
その他32枚
4《選択》
1《根の罠》
4《成長のらせん》
3《アズカンタの探索》
1《無神経な放逐》
4《不快な冷気》
4《荒野の再生》
4《薬術師の眼識》
3《伝承の収集者、タミヨウ》
4《運命のきずな》
サイド15枚
1《樹上の草食獣》
1《覆いを割く者、ナーセット》
4《否認》
2《殺戮の暴君》
4《生体性軟泥》
2《世界を揺るがす者、ニッサ》
この頃からメインは《時を解す者、テフェリー》に弱いカウンターを全て廃してコンボにオールインしています。
サイド後は脅威の連打を意識し、かなりの枚数をアグレッシブサイドボード用に取っています。
実際、このタイプにしてからエスパーミッドレンジへの相性・勝率は格段に改善され、想定されるプランの1つ上を行けたと思います。
これで当分は安泰…と思いましたが、そうはいかないのが今期のスタンダード。
とにかくメタゲームの変化と新しいデッキが生まれるスピードが段違いです。
シミックネクサスの追われる(追う?)日々は続きます。
[4] Azorius Friends / Jeskai Friends / 4-color Dreadhoard
丁度MCQシーズンに入った辺りで、今度はプレインズウォーカーコントロールが頭角を現し始めました。
どのタイミングからかは正確には不明ですが、国内で認知され始めたのはIchikawa YukiさんがMCQで使用したアゾリウス型を公開したタイミングからという認識です。
その後、《主無き者、サルカン》を加えたジェスカイ型や、同型に強い《古呪》や《戦慄衆の指揮》を擁した4C型やエスパー型に派生したと思われます。
エスパー型やジェスカイ型は当然ながら《時を解す者、テフェリー》と《覆いを割く者、ナーセット》が4枚フル投入されており、シミックネクサスからしたら当然地獄です。
《戦慄衆の指揮》を使った4C型こそ《時を解す者、テフェリー》が絡まないゲームは弱いスゥルタイミッドレンジなので有利ですが、メインから《呪文貫き》まで採用されたジェスカイ型には勝てる要素が見当たりません。
このタイミングから流石にシミックネクサスは勝たないと判断し、またアリーナMCQへの参加権利を有していた事から、それに向けた新たなデッキを模索する事に。
バントアグロ、ジェスカイフェザー、バントミッドレンジ、4cプレインズウォーカー、シミックマニピュレーション、シミックネクサス(カニスター型)、赤単…
どれもコレ!といった感じはなく、気付けばアリーナMCQ当日に。
後がない中、結局は使い慣れたシミックネクサスで行こうと決意しました。
直近一週間、他のデッキを使った知見を詰め込んだリストで2試合だけ回して、感触はまあまあ。
もう考える時間もないしこれで行こう!とやっつけで以下のリストと共にレジスト。
◆サンプルリスト:シミックネクサス(アリーナMCQ予選)
土地26枚
5《島》
7《森》
4《天才の記念像》
4《繁殖池》
4《内陸の湾港》
2《爆発域》
生物4枚
4《ラノワールのエルフ》
その他30枚
4《成長のらせん》
3《アズカンタの探索》
2《一瞬》
1《根の罠》
4《不快な冷気》
1《覆いを割く者、ナーセット》
4《荒野の再生》
4《薬術師の眼識》
3《伝承の収集者、タミヨウ》
4《運命のきずな》
サイド15枚
4《否認》
2《殺戮の暴君》
4《生体性軟泥》
4《繁茂の絆》
1《世界を揺るがす者、ニッサ》
《ラノワールのエルフ》型。意味不明です。
いま見直すと突っ込み所が多すぎてとんでもないですが、それくらいその日は焦っていた事を覚えています。
それに至る経緯は割愛しますが、現環境は「《ラノワールのエルフ》を適切なターン(というか1ターン目)に出せるデッキが強い」という仮説(結論)を持っていました。
どのアーキタイプであれ《ラノワールのエルフ》からスタートしたゲームは別次元の強さで、アリーナMCQのような一発勝負の上振れ期待なら間違ってないとも思いました。
ちなみに当初は《翡翠光のレインジャー》まで入っていましたが、《ラノワールのエルフ》→《翡翠光のレインジャー》でニヤニヤしてたら《轟音のクラリオン》で流され、テンポ面もリソース面でも差をつけられた時に冷静になりました。
まさかシミックネクサスで《轟音のクラリオン》に泣く日がくるとは。。
また、長らくメイン・サイドに取っていた《樹上の草食獣》もこの時点でリストラしました。
元々、このカードはシミックネクサスに必要かどうかは懐疑的でした。
ドロソが無い手札でこれがあっても仕方ない(途中で土地が止まってランパンの価値が下がっている)事が多く、赤単相手に0/3のスタッツがまあまあよいかな程度。
この頃から《正気泥棒》を廃したタイプのエスパーミッドレンジ(エスパーヒーロー)が流行り始めたり、グルールアグロの《ボーラスの壊乱者、ドムリ》の前に何もできず落ちたりと、壁にとしての役割も薄れてきたと感じました。
Day1 の結果は以下の通り。
R1 4Cプレインズウォーカー 〇〇
R2 ジェスカイプレインズウォーカー 〇〇
R3 赤単アグロ 〇〇
R4 エスパーミッドレンジ 〇〇
R5 イゼットフェニックス 〇〇
R6 赤単アグロ 〇×〇
R7 スゥルタイミッドレンジ ××
R8 エスパープレインズウォーカー ×〇〇
7-1と好調な出だし。22位でフィニッシュ。
とにかく2ターン目に《成長のらせん》を撃てたゲームが多く、怒涛のストレート勝ち連打で勢いがありました。
赤単やエスパー系、プレインズウォーカー系のデッキに全て勝っている所から、練習の成果も出たと思います。
逆に普通のスゥルタイミッドレンジに負けたのが謎ですが。。
リストは《覆いを割く者、ナーセット》だけはあまり納得がいっておらず、実際に殆どのゲームでサイドアウトしていたため、4枚目の《伝承の収集者、タミヨウ》に変更してDay2に臨みました。
※Day1からDay2へのデッキ変更は認められています
Day2 の結果は以下の通り。
R1 グルールアグロ(Takahashi Yutaさん) ×〇〇
R2 グリクシスコントロール 〇××
R3 グリクシスコントロール 〇×〇
R4 赤単アグロ ×〇〇
R5 イゼットフェニックス ××
R6 エスパーミッドレンジ(Martin Mullerさん) ×〇〇
R7 ジェスカイプレインズウォーカー ××
4-3とボロボロ。。1本目の勝率が低い事からも察して欲しいのですが、とにかく事故りまくりました。
本当に全ゲーム事故ったのではと思うくらい土地は止まり、《荒野の再生》は引かず、《運命のきずな》のチェインは途切れました。。
とは言え、愚痴だけでは強くなれません。反省なくして前には進めず。
翌日、冷静になって考えてみると、事故以外にもメインを落とす理由はあったように思いました。
①リストが公開性
お互いのリストが公開されているので、対ネクサスにおいて「除去ハンドでキープしない!」みたいな指針が相手からも明確になる以上、普段よりも勝率が落ちるのは必然です。
2敗するまでに負けた2試合もグリクシスコントロールとイゼットフェニックスと、普段なら絶対に落とさないレベルのマッチアップなので、公開性のメリット(こっちからしたらデメリットだが)がよく出たと思いました。
②慣れない形式
今回のMTGA MCQは私に取って初の経験でした。
Discordを使ったり言葉の通じない相手との対戦だったりで必要以上に緊張していました。
R1こそ日本人で日本語が通じて安心しましたが(その時は気付きませんでしたが、後にTakahashi Yutaさんという事が発覚…)、R2は相手とのコミュニケーションエラーで、一気にメンタルがイカれました。
(対戦は相手を指名したフレンド対戦ですが、ここで対戦形式の不一致が続き、相手側から抗議が出ました。ちなみに相手が間違えていました…)
相手側からの抗議文も当然英語で、運営サイドかからの"15分以内に反応が無ければ失格にします"という一言も英語。
なんとか読めるレベルでしたが、何を言い返せばよいかが分からず頭がパーに。。
結局、カタコト英語で返信し、なんとか事なきを得ましたが、これだけで試合が30分の遅延。
その結果、試合に集中できずにミスが頻発。心の弱さが出ました。。
リスト面でもかなり反省点が多いです。
《ラノワールのエルフ》は《ボーラスの壊乱者、ドムリ》の格闘で落とされ、《溶岩コイル》や《喪心》に当たり、《ゴブリンの鎖回し》に巻き込まれと散々でした。
勿論、想定通りプレインズウォーカー系のデッキには活躍しましたが、流石にマッチアップによるブレ幅が大きすぎてメインからは解雇する運びに。
流石にメインで使うなら《楽園のドルイド》の方がよかったなという至極当たり前の結論を出して終了しました。
…もう1日あったら、これくらいは気付けた気もしますが。これもまた、焦りが生んだ結果だと思います。
[5] Gruul Aggro
5月度の月末ラダーも引き続きシミックネクサスを使い込みました。
効率の悪さは承知の上ですが、MCQの反省も含めてこれが一番回したかったのです。
しかしというか結局というか、終盤は赤単と白単の単色アグロラッシュにズタズタにされ終了。
次なるイベントはFinals予選。それに向けての調整が始まります。
月末ラダーで抱いた感想としては以下の通り。
①勝てない相手には勝てない
②勝てる相手には勝てる
…これだけですと意味が分からないので、少し掘り下げます。
> ①勝てない相手には勝てない
主にエスパーヒーロー、ジェスカイプレインズウォーカー、、白単タッチ青アグロなど《時を解す者、テフェリー》を擁する+クロックの存在するデッキです。
これらはこちらがどんなにブンまわっても勝てない(《成長のらせん》→《荒野の再生》と繋いでも、《時を解す者、テフェリー》が着地しただけでバウンスされた置き物の再設置+《時を解す者、テフェリー》の対処が必要で、最低でもコンボ始動が2ターン遅れる)ので、相手が渋い動きをすることを期待するしかありません。こちらの動きはあまり関係ありません。
これらのデッキに勝てない理由はメインプランの完遂が困難である事から、少しでも勝率を稼ぐためには軸をずらした戦い方をするしかありません。
《生体性軟泥》や《殺戮の暴君》は相変わらずクリティカルなので使うとして、これらをキャストする前にある程度制圧されていると意味がありません。
つまり、いつか出せればよい、ではなく、逆転の芽が残っている程度の差でないといけません。
そのためのアプローチは2つ。
1. 相手とのリソースのやりとりを行う(相手を減速させる)
2. その脅威をより早く叩き付ける(自分を加速させる)
1.は除去などで時間を稼ぎつつ、5~6マナに到達する事で脅威をぶつける作戦です。
シミックという不器用なカラーな以上、この方法は実は難しく、《一瞬》のように効果の薄いカードか、《川の叱責》や《幻惑の旋律》といった大振りのカードしかありません。
2.は直接マナ加速等で5~6マナに到達するターンを早めて脅威をぶつける作戦です。
この方法は緑のお手芸です。
幸い(?)ネクサスの都合上、単体除去がサイド後のゲームで減る可能性というのは高く、それを逆手に取ったマナクリ戦略は前環境からその有用性はお墨付きです。
しかし、前環境でよく使われた《培養ドルイド》は《時を解す者、テフェリー》のせいでその価値を大きく落としています。
この代わりとなるマナクリとして何種か試してみた結果が、《ラノワールのエルフ》がよいと感じました。
《楽園のドルイド》も悪くはないですが、複数枚ドローした際のバリューが低く、弱い土地としての運用になりがちだった。
これについては前の環境でテストした《僧帽地帯のドルイド》の有用性についての判断が役に立ちました。
その点、《ラノワールのエルフ》はほぼ土地としてキャスト可能であるため、除去が薄い前提であれば2マナ以上のマナクリとは大きく離れています。
> ②勝てる相手には勝てる
これは相性の良いデッキに限らず、対策をすれば勝てるレベルも含みます。
具体的なターゲットは赤単アグロです。
対赤単は苦手だと言われながらも、対策すれば勝てるレベルだと思っていました。
前環境の赤単、青単、白単の各単色アグロが全てキツい中で、青単だけは《クロールの銛撃ち》のようなクリティカルなカードが存在するため勝率を担保できたイメージに近いです。
現環境の場合、青単は死滅、白単は《生体性軟泥》以外で勝つのは無理(《生体性軟泥》があってもまあまあ無理)という事で、赤単だけが勝率の稼げる相手です。
メインから採用可能で赤単への勝率を担保できるカードとして白羽の矢が立ったのが、アリーナMCQ時点でもサイドに採用していた《繁茂の絆》です。
ライフゲインしつつゲームを決めるために必要なパーマネント(《荒野の再生》《アズカンタの探索》《伝承の収集者、タミヨウ》)を探す事が出来るため、スピード勝負になる赤単では特に重宝します。
これをメインにフル投入する事で赤単との相性改善を図りました。
こうして修正を加えたリストが以下の通り。
◆サンプルリスト:シミックネクサス(晴れる屋 finals予選)
土地26枚
5《島》
7《森》
4《天才の記念像》
4《繁殖池》
4《内陸の湾港》
2《爆発域》
その他34枚
4《成長のらせん》
3《アズカンタの探索》
2《一瞬》
3《根の罠》
4《繁茂の絆》
1《不快な冷気》
4《荒野の再生》
4《薬術師の眼識》
4《伝承の収集者、タミヨウ》
1《世界を揺るがす者、ニッサ》
4《運命のきずな》
サイド15枚
4《生体性軟泥》
4《ラノワールのエルフ》
2《殺戮の暴君》
3《中略》
1《不快な冷気》
1《否認》
ここまでの内容が反映されたリストになっています。
《中略》はジェスカイプレインズウォーカーやグリクシスコントロールなど、サイドから《軍勢の戦親分》を追加するようなマッチアップで使う想定です。
2マナ以下で《時を解す者、テフェリー》と《軍勢の戦親分》の二択を気にせず弾けるのはこれと《火消し》しか有りません。
《中略》の場合、通したいカードのバックアップとしては使えない(相手のカウンターより絶対に多くのマナを支払うため)ですが、《ドビンの拒否権》が存在する以上、バックアップ込みで《伝承の収集者、タミヨウ》や《荒野の再生》を通しに行く展開はほぼ有り得ないので、単純なカウンターとして起用しています。
カウンターは合計で4枚取っていますが、1枚だけ《否認》なのは《伝承の収集者、タミヨウ》で拾う際にこちらの方が優れている場面も考えられるためです。
デッキのカード全てに触れる性質上、1枚でも入っている事の意味は大きいです。
この頃のメタゲームはグルールアグロがもの凄い勢いで隆盛していました。
後に話題にもなった「グルールが同系を意識して弱くなっていく」というのもこのタイミングだったと思います。
この流れはシミックネクサス的には追い風で、《ラノワールのエルフ》→《軍勢の戦親分》→《ボーラスの壊乱者、ドムリ》のようなブンまわりが減り、《生ける竜巻》や《切り裂き顎の猛竜》に変化していくのは大歓迎です。
そしてFinals予選当日。結果は以下の通り。
R1 ジャンドアグロ 〇〇
R2 グルールアグロ 〇〇
R3 グルールアグロ 〇×〇
R4 赤単アグロ ×〇〇
R5 エスパーミッドレンジ ××
R6 グルールアグロ 〇×〇
R7 青単テンポ 〇××
R8 グルールアグロ 〇〇
6-2でポン。なんの成果も上げられませんでした。。
グルールとは実に4回(ベースはグルールだったジャンドを含めると5回)ものマッチアップで一度も落としませんでした。
対赤単アグロも含め、想定していた相手にはきっちり勝利しています。
反面、エスパーミッドレンジはメインは《時を解す者、テフェリー》だけでボコボコにされ、サイド後は重めのハンドをキープするも土地が伸びきらず負けと散々な結果に。
対青単は3本通して《プテラマンダー》→《執着的探訪》と動かれ、その内1本目と3本目はこちらの最初のアクションを呪文貫き/潜水するというむちゃくちゃな動きだったので流石に試合にならず。
とはいえ、《爆発域》1枚でイーブンまで持って行けた部分もあり、青単はさすがにデッキじゃないなと悟った。負け惜しみである。
ここがズレていれば7-1や6-1-1になったのかなとも思いつつもまた1つ勝てないプレミアイベントが終了。
[6] Simic Ramp / Bant Ramp
次なるイベントはMCQ。
この頃から環境がシミックネクサスにとってよい方向に変化しており(同型を意識したグルールアグロ、エスパープレインズウォーカーへの変化、グリクシスコントロールの増加)、それであれば現状のリストから大きく変えなくてもよいと判断していました。
ちょうどポジションがよくなって来たという事もあり、GP台北に行く友人がシミックネクサスを使いたいという事で、Finals予選で使用したリストとサイドボードガイドを渡した所、なんとTOP8に!
◆サンプルリスト:シミックネクサス(GP台北 TOP8)
土地26枚
4《天才の記念像》
5《島》
7《森》
4《内陸の湾口》
4《繁殖池》
2《爆発域》
生物2枚
4《樹上の草食獣》
その他32枚
2《一瞬》
3《アズカンタの探索》
4《一瞬》
3《根の罠》
2《繁茂の絆》
4《成長のらせん》
1《不快な冷気》
4《薬術師の眼識》
4《荒野の再生》
4《伝承の収集者、タミヨウ》
1《世界を揺るがす者、ニッサ》
4《運命のきずな》
サイドボード15枚
1《呪文貫き》
2《否認》
1《根の罠》
2《繁茂の絆》
1《不快な冷気》
3《生体性軟泥》
3《殺戮の暴君》
1《爆発域》
この報を受けた時は「リストが正しかった!」と息巻いていましたが、実際に使用していたリストは渡した時から10枚ほど変更が加えられており、サイドボードは実に半数近くが差し替えられていました。
当然、サイドが違えばボーディングも違います。異なるリストとサイドボーディングで、つまり完全に別デッキという事…
結局、その人の腕と環境読み、そしてチューニング力の結果であり、私の功績はほぼゼロでした。。
とは言え、お礼に(?)フィードバックを頂けたので、それを踏まえて微調整を加える事にしました。
まずはサイドの《生体性軟泥》の有用性。
これについては理解していながらも目を背けていた部分だったので、改めて指摘されて考え直すきっかけになった。
というものこのカード、あまりにもプランがバレすぎていて効果が見込めなくなってきたのです。
具体的には、対エスパーミッドレンジなどでは《ケイヤの怒り》を残すだけでなく、サイドに取っている場合は追加でインされるレベルになっています。
バレてるアグレッシブサイドボードは弱いというのは通例で、当然、これも例に漏れず。
また、これに付随して《ラノワールのエルフ》の意義も薄れています。
《ラノワールのエルフ》の力を借りて最速で《生体性軟泥》や《殺戮の暴君》をプレイしても、《ケイヤの怒り》で流されては意味がありません。
とはいえ、《ラノワールのエルフ》はミラーやランプにも強いカードなため、プランを変更するのみでサイドから落とす事はありませんでした。
こうなるとメインプランのまま戦った方がよいレベルです。
変に軸をずらした結果、相手がそれに適合していて勝率が上がらないのなら、いっそ何も変えない方がよいです。
これによって、相手の《ケイヤの怒り》を無力化できます。
先に述べたサイドの考えたの通り、相手の想定の上を行くのがサイドボーディングの真価です。
他にも「《樹上の草食獣》は最低でもサイドには必要」という指摘を受けましたが、これについては懐疑的(一度、不要と結論付けている)であり、再びの採用には至りませんでした。
対アグロの後手時、先手に追いつくために必要という事ですが、それであれば追加の《根の罠》か《不快な冷気》を取った方がよいという判断です。
以上を踏まえて修正したリストがこちら。
◆サンプルリスト:シミックネクサス(晴れる屋 MCQ)
土地27枚
5《島》
7《森》
4《天才の記念像》
4《繁殖池》
4《内陸の湾港》
3《爆発域》
その他33枚
4《成長のらせん》
3《アズカンタの探索》
2《一瞬》
3《根の罠》
2《繁茂の絆》
2《不快な冷気》
4《荒野の再生》
4《薬術師の眼識》
4《伝承の収集者、タミヨウ》
1《世界を揺るがす者、ニッサ》
4《運命のきずな》
サイド15枚
4《ラノワールのエルフ》
4《殺戮の暴君》
1《不快な冷気》
4《否認》
2《繁茂の絆》
コンボ用のカード、攻撃から守るカード、潤滑油、サブプラン。役割をハッキリさせています。
メインから土地を27枚とし、サイド後の暴君プランも意識しています。
《殺戮の暴君》は《生体性軟泥》と同じで結局《ケイヤの怒り》は貰うものの、《屈辱》や《灯の燼滅》には当たらないのがポイントです。
メタゲームはGP台北の結果を受けてかボロスフェザー、エスパープレインズウォーカー、バントランプが増え、それらに強いグリクシスコントロールが増えてきたという印象です。
赤単アグロやグルールアグロが数を減らし、イゼットフェニックスは一切見なくなったレベルで、従来のシミックネクサスも多少戻ってきて、改めてメタゲームは生き物だと実感しました。
息巻いてはいたものの、実際のMCQは0-2ポン。
エスパーミッドレンジに負け、ナヤフェザーに負けと完敗。
詳細は割愛しますが、勝ち方も負け方もここまでの話とはあまり関係なく、珍しく(?)どう反省していいか分からず。。
「除去のないデッキを使ったから」という結論が妥当かもしれません。シミックネクサスが悪かった…
[7] Sulti Midrange(Dreadhord)
基本セット2020のプレビュー公開が始まり、環境終了が近づいて来た頃です。
そしてこの週を以って今期のMCQも全て終了しました。
最後の最後で優勝を飾ったのはIchikawa Yukiさん。圧巻の一言。
その時に使用したスゥルタイミッドレンジ(スゥルタイ《戦慄集の指揮》)が話題となり、noteで自身のリストを公開・解説した事もあり、シェアを急激に伸ばしました。
が、これはネクサス視点では非常に嬉しい事で、対スゥルタイ《戦慄集の指揮》はかなり得意なマッチアップです。
大規模なイベントではないですが、晴れる屋主催の緑パーカー争奪予選があったので参加する事に。
その際に使用したリストが以下の通りです。
◆サンプルリスト:シミックネクサス(緑パーカー争奪予選)
土地26枚
5《島》
7《森》
4《天才の記念像》
4《繁殖池》
4《内陸の湾港》
2《爆発域》
その他34枚
1《選択》
4《成長のらせん》
3《アズカンタの探索》
2《一瞬》
2《根の罠》
2《繁茂の絆》
4《不快な冷気》
4《荒野の再生》
4《薬術師の眼識》
3《伝承の収集者、タミヨウ》
1《世界を揺るがす者、ニッサ》
4《運命のきずな》
サイド15枚
4《ラノワールのエルフ》
4《殺戮の暴君》
3《否認》
2《根の罠》
1《爆発域》
1《ニッサの勝利》
スゥルタイ《戦慄集の指揮》以外は環境も大きく動かないだろうという事で、大枠はMCQから殆ど変えていません。
《不快な冷気》《根の罠》の配分と4枚目の《伝承の収集者、タミヨウ》を《選択》に変更したりの微調整のみです。
結果は以下の通り。
R1 赤単 〇×〇
R2 スゥルタイ《戦慄集の指揮》 〇×△
R3 スゥルタイコントロール 〇〇
R4 バントランプ 〇〇
R5 バントランプ 〇×〇
R6 赤黒アグロ 〇〇
R7 ID
SE ジェスカイコントロール ×〇×
5-0-2 からの最後に負けて緑パーカー争奪ならず。。
エスパー系と一切当たらず、ポジションの良さを感じました。
最後のジェスカイコントロール戦はメインでマリガンからアズカンタキープするも土地が停止し、しかもデッキの濃霧系+アズカンタを全部ドローするとんでもないドローでハンドが凄い事に。
サイド後の二本目こそ取るも、三本目は2ターン目の《アダントの先兵》が完走して敗北。。
このイベントではエスパー系と一切当たりませんでしたが、MTGAで調整をしている間に思ったのは《殺戮の暴君》はあまり有効ではないように感じました。
《生体性軟泥》が不要と説いた辺りから《殺戮の暴君》にも懐疑的でしたが、合っても無くても結局勝つのは《運命のきずな》を絡めた無限ターン。
となると、この枠すらも不要ではと思うように。
また、バントランプには二回とも勝利しているものの、そこまで有利に感じませんでした。
メインこそ妨害が殆ど無いので《時を解す者、テフェリー》+《世界を揺るがす者、ニッサ》とならない限りは殆ど勝てますが、サイド後は適切なキープ+妨害が増えるためかなり厳しい戦いになると思ってます。
実際に当たった相手も厳しすぎるマリガンの海に飲まれて死んだり、逆にキープが緩すぎたり(初動《翡翠光のレインジャー》でキープ)、どちらも相手の自爆で取れたようなもの。
何かしらの対策を多少は取った方がよいなと思いました。
[8] Nexus of Fate
既に基本セット2020のフルスポイラーが公開される中、環境の集大成である最後のプレミアイベントである環境名人戦が近づいてきました。
6月度のMTGAランキング戦(正式名称が分かりません…)でもシミックネクサスを使いつつ、環境に合わせたチューニングを施します。
この時期はMCラスベガスが開催され、シミックネクサスが優勝したのが記憶に新しいです。
◆サンプルリスト:シミックネクサス(MCラスベガス 優勝)
土地26枚
5《島》
5《森》
4《繁殖池》
4《内陸の湾港》
3《天才の記念像》
3《爆発域》
1《総動員地区》
1《シミックのギルド門》
その他34枚
4《選択》
1《一瞬》
1《無神経な放逐》
4《成長のらせん》
4《根の罠》
3《アズカンタの探索》
2《覆いを割く者、ナーセット》
3《伝承の収集者、タミヨウ》
3《薬術師の眼識》
4《荒野の再生》
1《世界を揺るがす者、ニッサ》
4《運命のきずな》
サイド15枚
2《繁茂の絆》
3《否認》
4《楽園のドルイド》
2《押し潰す梢》
3《生体性軟泥》
1《世界を揺るがす者、ニッサ》
私も決勝以外はリアルタイムで観戦していました。
優勝したマティアスさんは《成長のらせん》を減らすという、あまり一般的ではないサイドボーディングを一貫しており、これが1000万を掛けたやり込みなのかと感服しました。
解説のトークも面白かった(そして試合中の解説は的確だった)ので、もし観ていないという方は是非日本語放送を観てみて下さい。
他には白単がタッチ青からタッチ赤に変化していったり、細かい変化が見られました。
また、ジェスカイプレインズウォーカーや4Cプレインズウォーカーは完全に姿を消していきました。
そして環境の集大成である環境名人戦。
以下のリストで臨みました。
◆サンプルリスト:シミックネクサス(灯争大戦環境名人戦)
土地26枚
5《島》
6《森》
3《天才の記念像》
4《繁殖池》
4《内陸の湾港》
3《爆発域》
1《進化する未開地》
その他34枚
1《選択》
4《成長のらせん》
3《アズカンタの探索》
3《一瞬》
3《根の罠》
2《繁茂の絆》
3《不快な冷気》
4《荒野の再生》
3《薬術師の眼識》
3《伝承の収集者、タミヨウ》
1《世界を揺るがす者、ニッサ》
4《運命のきずな》
サイド15枚
4《殺戮の暴君》
4《ラノワールのエルフ》
4《否認》
1《根の罠》
1《一瞬》
1《管区の案内人》
シェアした友人が回した結果をフィードバックしてもらい、マナベースを修正しました。
他にも《薬術師の眼識》を減らしたりと軽い構成を意識しています。
結局、バントランプに有効なサイドカードは見つかりませんでした。
マナクリに触る《幻惑の旋律》は《時を解す者、テフェリー》で取り戻されるのが最悪で、《生体性軟泥》は《世界を揺るがす者、ニッサ》の前に無力です。
《時を解す者、テフェリー》に戻されず、《世界を揺るがす者、ニッサ》のトークンの攻撃にリスクを与える《眩惑する水底種》が現実的な範囲で初見殺しが出来るのではと考えるも、採用実績があまりにも無さすぎるのでテストせず。
これについてはかなり勿体なかったと思ってます。自分なりにテストして結論を出せなかった事がずっとモヤモヤとして残りました。。
最終的には速度勝負で《ラノワールのエルフ》が有効なため、これでサイドを担保する事にしました。
エスパー系とは異なり、《ケイヤの怒り》のような全体除去が取られている事は稀で(《時の一掃》が絶対に無いとは言い切れませんが…)、そうであれば十分有効なカードです。
また、《殺戮の暴君》以上にエスパー系デッキに有効なカードは見つからなかったため、結局続投しています。
サイドの《管区の案内人》は追加の土地です。
主に《殺戮の暴君》のサポート用ですが、ランプ以外の《ドミナリアの英雄、テフェリー》や《覆いを割く者、ナーセット》を使うデッキにもサイドインします。
テスト回数は少ないですがプレイできたゲームの感触は非常によく、このまま持ち込む事を決めました。
結果は以下の通り。
R1 エスパーヒーロー 〇〇
R2 グルールアグロ 〇〇
R3 グリクシスコントロール 〇〇
※ドラフトラウンドは割愛
R7 グルールアグロ 〇〇
R8 グリクシスコントロール 〇〇
R9 スゥルタイ《戦慄衆の指揮》(Ichikawa Yukiさん) 〇××
有利マッチが多く、引きも乗っていたので思った以上に勝てました。
R8の対グリクシスコントロールはメインをダブルマリガンした後に《思考消去》→《思考消去》→《破滅の龍、ニコル・ボーラス》→《龍神、ニコル・ボーラス》とめちゃくちゃブン回られるも、そこから《伝承の収集者、タミヨウ》を絡めたゲームメイクが上手くいく、最終的に捲ったゲームが一番印象に残っています。
R9はバブルマッチで、これに勝てばTOP8という所で本記事内でも何度も取り上げているIchikawa Yukiさん本人。。
メインボードこそ圧倒的有利さを見せつけてボコボコにするも、サイド後は見せ所もなくボコボコにされて終了。
実力相応の結果となりました。
件の《管区の案内人》は二度の対グリクシスコントロールで《覆いを割く者、ナーセット》を落とし、《軍勢の戦親分》の動きを止め、《龍神、ニコル・ボーラス》の除去を吸ったりと大活躍でした。
想定以上に活躍しすぎていたので、恐らくただ噛み合っただけだとは思いますが、これが本当にそうなのかどうかは十分にテストが出来てないので判断できていません。
この辺りの判断がイマイチな時点でこのデッキに対する理解度もまだまだなんだろうなと思いました。
そして今に至ります。
■終わりに
前編、後編と続けて《運命のきずな》と私視点で二環境分を振り返りました。
備忘録ではありましたが、本記事を読んで頂いた方のMTGライフに少しでも影響が与えられたのであれば幸いです。
以上です。お疲れ様でした。
登録タグ: MTG
テーマ:MTG | 投稿日時:2019/07/01 02:53 | |
TCGカテゴリ: Magic: The Gathering | ||
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