お疲れ様です。あんずはピポサルです。
■はじめに
本記事はバントネクサスの解説になります。
バントネクサスは"ターボネクサス"や"ターボフォグ"とも呼ばれますが、個人的には"色+キーカード"の呼び方が自然に感じるので、本記事では"バントネクサス"で統一します。
先日、静岡で開催された日本選手権2018で私が使用したデッキで、これといって目立った成績が残せた訳ではなかったものの、使用感は非常によく、折角なので記事に残そうと思った次第です。
内容はデッキレシピとカード選択の紹介、簡単なマッチアップ&サイドボードのガイド、そして今後の展望になります。
■バントネクサスとは?
《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》+《運命のきずな/Nexus of Fate》によってターンを稼ぎ、最終的に《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》の奥義によって得られる紋章で相手のリソースを根こそぎ奪うコンボデッキです。
最速で実質5ターンキルが可能で、その動きは以下の通りです。
1ターン目:
なし
2ターン目:
なし
3ターン目:
《楽園の贈り物/Gift of Paradise》をプレイ
4ターン目:
《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》をプレイ
返しのターンを《濃霧/Fog》で防ぎ、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》を守る
5ターン目:
《運命のきずな/Nexus of Fate》をプレイ
以降、通常ドローか《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》の+1能力で《運命のきずな/Nexus of Fate》を引き続ければ、相手の妨害も関係なく-8能力の奥義まで到達します。
実際には《運命のきずな/Nexus of Fate》を引き続ける事はほぼ有り得ないため、どこかで相手にターンを返す事になります。
しかし、その過程で《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》や《アズカンタの探索/Search for Azcanta》がアドバンテージを稼ぎ、次なる《濃霧/Fog》や《運命のきずな/Nexus of Fate》に繋げてくれるため、見た目以上に早く・確実に決まります。
■デッキレシピ
メインボード(60)
<土地(27)>
5《島/Island》
4《森/Forest》
4《まばらな木立ち/Scattered Groves》
4《灌漑農地/Irrigated Farmland》
4《内陸の湾港/Hinterland Harbor》
2《氷河の城砦/Glacial Fortress》
2《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove》
1《植物の聖域/Botanical Sanctum》
1《敵意ある砂漠/Hostile Desert》
<呪文(33)>
4《根の罠/Root Snare》
4《花粉のもや/Haze of Pollen》
4《航路の作成/Chart a Course》
4《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
4《楽園の贈り物/Gift of Paradise》
3《至高の意志/Supreme Will》
2《不快な冷気/Uncomfortable Chill》
4《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》
4《運命のきずな/Nexus of Fate》
サイドボード(15)
3《歩行バリスタ/Walking Ballista》
4《ジェイスの敗北/Jace's Defeat》
3《否認/Negate》
3《一瞬/Blink of an Eye》
1《造反者の解放/Dissenter's Deliverance》
1《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》
■特徴
・マリガンしにくい / 事故が少ない
《アズカンタの探索/Search for Azcanta》や《航路の作成/Chart a Course》といったキープの基準となる要素が多く、[1]極端に土地が少ない [2]《運命のきずな/Nexus of Fate》が被る 以外の手札はほぼキープできます。
他にも各種サイクリングや《不快な冷気/Uncomfortable Chill》のキャントリップ、《至高の意志/Supreme Will》のサーチなど、コンボパーツ以外は潤滑油のみで構成されていて、事故らしい事故が起きづらいです。
・プレイが楽
バントネクサスはコンボデッキですが、デッキの性質上、試合の内訳の殆どが一人回しです。良くも悪くも、相手との対話が無い一方的な動きになりがちです。
既に述べた通り、《運命のきずな/Nexus of Fate》のループはそれなりの頻度に途中停止しますが、その過程でリソースを消費しないどころかどんどんアドバンテージを稼ぐため、ループが途中停止しても相手とのリソース差は大きく開きます。
そのため、コンボデッキにありがちな「見切り発射で取り敢えず動いてみたら失敗した」といった裏目が無く、それが原因で負ける展開は一切ありません。
取り敢えずで動き始めてみて、そのままループまでいければよし。失敗しても何かを失っている訳ではないので、余計なケア等で悩む事はない=プレイが楽です。
■カード選択 : メインボード
・《敵意ある砂漠/Hostile Desert》
ミラー用。
ミラーでは《運命のきずな/Nexus of Fate》自身が山札に戻り続けるため、仮に《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》の奥義による紋章を得て相手のパーマネントを根こそぎ取り除いたとしても、お互いにライブラリーアウトによる勝利が望めません。
そのため、ライブラリーアウト以外の勝ち筋(ダメージによる勝利)が必要になります。
通常、この枠には《自然に仕える者、ニッサ/Nissa, Steward of Elements》や《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza》が採用されますが、私は《敵意ある砂漠/Hostile Desert》を推します。
《自然に仕える者、ニッサ/Nissa, Steward of Elements》や《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza》は結局の所、《濃霧/Fog》系の呪文とセットでないと戦場に出せず、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》の劣化になりがちです。
勿論、フィニッシャーの役割としての採用なのでその点には目を瞑ってもよいですが、途中で引いて無駄になるカードは勝率を下げる要因になっていると感じました。
その点、《敵意ある砂漠/Hostile Desert》は土地としての運用が可能で、大量の土地を並べるバントネクサスにとっては27枚目の土地でも無駄になりません。
しかし、タフネス4を越える呪禁持ちクリーチャーが場に残ると《敵意ある砂漠/Hostile Desert》が攻撃に参加できず、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》の紋章でも退けられないため、ゲームに勝利できません。。
また、相手のライフが極端に多いとデッキ内の土地が足りず、途中で《敵意ある砂漠/Hostile Desert》がクリーチャー化できなくなる可能性も考えられます。
しかし、いずれも現行スタンダードでは殆ど発生しないレアケースなので、考慮しなくてよいと判断しました。
・《根の罠/Root Snare》/《花粉のもや/Haze of Pollen》
《濃霧/Fog》枠。
《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》との小学生コンボを狙います。
対ビートダウンのメインボードでは無類の強さを発揮し、直接《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》に触る手段を持たないデッキに対しては追加ターンに等しいです。
後述する《不快な冷気/Uncomfortable Chill》の使い勝手が良かった事、また《根の罠/Root Snare》の方はサイド後に減らすマッチアップも多く、合計7枚とする事も検討しました。
しかし、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》を引いても《濃霧/Fog》を引いていないと出せないといった状況はかなり寒く、結局はフル投入に至りました。
・《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
潤滑油兼フィニッシャー枠。
バントネクサスにおいては単なるアドバンテージ源以上の活躍を見せ、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》と並んで重要な一枚です。
《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》が不在の状況でも、《水没遺跡、アズカンタ/Azcanta, the Sunken Ruin》+《濃霧/Fog》や《運命のきずな/Nexus of Fate》で十分な時間を稼げるため、いずれは《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》に辿り着ける算段です。
また、バントネクサスは手札の枚数よりも質を重視するので(多くのコンボデッキがそうかもしれませんが)、擬似占術も嬉しい能力です。
1枚目の《アズカンタの探索/Search for Azcanta》が反転後も、すぐに2枚目を貼りたいくらいです。
伝説のエンチャントなので被った時のリスクはあるものの、2ターン目に貼れた時のリターン、2枚目までなら喜んで引きたい事なども考慮し、リスクよりリターンを取ってフル投入としました。
・《航路の作成/Chart a Course》
潤滑油枠。
現行スタンダードの手札交換系カードの中でも特に軽く、最大で2枚のカードが入れ替わるのが強みです。
入れ替わる枚数で《予期/Anticipate》や《巧みな軍略/Strategic Planning》よりも優れ、手札を増やす目的もない事から《天才の片鱗/Glimmer of Genius》よりも軽さで勝ります。
マッチアップ、またはそもそもの展開など、どの状況でも常に必要・不要なカードが存在するデッキなため、そういった意味でも可能な限り投入したい意図を込めてのフル投入です。
・《楽園の贈り物/Gift of Paradise》
潤滑油枠。
純粋に土地を伸ばすよりも、1枚の土地から2マナ出る方が《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》との相性がよいため、《開拓+精神/Spring+Mind》や《砂の下から/Beneath the Sands》よりも優先されます。
また、ライフを詰めてくるデッキに対しては3点ゲインも無視できない能力で、これを複数枚貼れると1ターン分のダメージ量と相殺=1枚分の《濃霧/Fog》温存にも繋がります。
今回は《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》との相性を考えて4枚採用していますが必須という事はなく、サイド後にもかなりのマッチアップでサイドアウトされる事から、環境次第では不採用も視野です。
・《至高の意志/Supreme Will》
潤滑油枠。
ほぼ《予期/Anticipate》としての運用が目的ですが、対コントロールでは相手の《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》を咎める役割もあります。
逆にこれがない場合、ただ《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》の+1能力を起動されているだけで詰みかねません。
しかし、サーチとしてもカウンターとしても若干性能が悪く、特に対ビートダウンではどちらのモードも腐りがちなため、頻繁にサイドアウトされるカードでもあります。
サイド枠の節約の意図もありますが、あまりこのカード単体を高く評価している訳ではないため、フル投入ではなく3枚としてます。
・《不快な冷気/Uncomfortable Chill》
実質《濃霧/Fog》枠。
この枠には《残骸の漂着/Settle the Wreckage》が採用されるパターンも多いですが、バントネクサスのマナベースは青緑に寄っており、白は《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》用に5ターン目に1つ用意できればよい事を想定しているため、白のダブルシンボルは意外と出ません。
逆に4ターン目に白のダブルシンボルを出せるようなマナベースにすると、ただでさえサイクリング8枚体制でタップインしやすい事に加えて、チェックランド祭りによるタップイン祭りも考えられます。
コンボデッキにおいてその遅れは致命的なので、可能な限りマナベースには負担を掛けない方がよいです。
また、《不快な冷気/Uncomfortable Chill》の方にも利点があります。
それはキャントリップである事。これが対コントロールで大きな差になります。
お互いに無駄札を抱えあうメイン戦において、《花粉のもや/Haze of Pollen》と共に実質サイクリング可能なこのカードは土地を伸ばし続ける重要な役割を持ちます。
そもそもバントネクサスは相手のクリーチャーを除去する必要がない(コンボをスタートする上で相手のパーマネントがいくらあろうが関係ない)ため、《残骸の漂着/Settle the Wreckage》だろうと《不快な冷気/Uncomfortable Chill》と大差ありません。
サイド後の《嘲笑+負傷/Insult+Injury》対策という意味でも、それを採用するデッキの3マナ以下のクリーチャーは全てパワーが3以下なので、《不快な冷気/Uncomfortable Chill》で十分抑えられます。
以上から、《不快な冷気/Uncomfortable Chill》は《残骸の漂着/Settle the Wreckage》の上位互換として採用しています。
しかし、《濃霧/Fog》のように《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》のアンタップから即構えられない点は《残骸の漂着/Settle the Wreckage》だろうが《不快な冷気/Uncomfortable Chill》だろうが同じため(《楽園の贈り物/Gift of Paradise》があれば別ですが、これを引き合いに出すとマナベース云々の話も…)、過信はせず、追加の《濃霧/Fog》という扱いからは抜け出さない範囲での採用になります。
・《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》
フィニッシャー枠。
《運命のきずな/Nexus of Fate》が無ければバントネクサスは生まれませんでしたが、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》が無ければバントネクサスは成立しませんでした。
それくらい圧倒的な影響力を持つ、デッキの中核です。
サイド後は《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》で真っ先に指定されるため、サイドには対策カードを多めに取っています。
これを引かなければゲームにならない事、途中で雑に出しても強く、これ自身が《濃霧/Fog》としての役割を持つ事もあるため、当然のフル投入です。
・《運命のきずな/Nexus of Fate》
フィニッシャー枠。
カウンターされようが《強迫/Duress》で抜かれようが何度でも山札に戻るため、コンボパーツ(フィニッシャー)を全て消されて負け、といった状況になりにくいのがこのカードの強みです。
インスタントタイミングで仕掛けられるので、相手のエンドに《運命のきずな/Nexus of Fate》→自分のターンに《至高の意志/Supreme Will》を構えながら《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》を通す、といったコンボデッキらしからぬコントロールデッキ殺しの動きも可能です。
ただ、序盤に引き込むと展開を阻害するので非常に邪魔です。。
《航路の作成/Chart a Course》や《アズカンタの探索/Search for Azcanta》で落としても山札に戻ってしまう=また引いてくる可能性があるため、序盤の貴重なドローを潰してしまう恐れもあります。
それでも、7マナを越えてからは毎ターン引きたいフィニッシャーなので、思い切ってフル投入です。
■カード選択 : サイドボード
・《否認/Negate》/《ジェイスの敗北/Jace's Defeat》
カウンター枠。
《ジェイスの敗北/Jace's Defeat》の方が《否認/Negate》よりも多い枚数を取っていますが、これはサイド後に《濃霧/Fog》系のカードを減らすようなマッチアップで、《練達飛行機械職人、サイ/Sai, Master Thopterist》や《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》、《スカラベの神/The Scarab God》といったクリーチャー戦略がメイン戦と異なりキツくなるためです。
また、《否認/Negate》でカウンターしたい脅威は《ジェイスの敗北/Jace's Defeat》でもカウンターできるものが多いのも要因の1つです。
しかし、《ベナリア史/History of Benalia》のような例外もあるため、合計で7枚とかなり多めに取っています。
・《歩行バリスタ/Walking Ballista》
対《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner》枠。
《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner》は通してしまうと一瞬で負けてしまうため、仕方なくの採用です。。
《ボーマットの急使/Bomat Courier》対策として赤系のデッキにサイドインするような事はありません。
確かに《ボーマットの急使/Bomat Courier》は厳しいですが、バントネクサスはあくまでコンボデッキです。
対策の対策ばかりを入れて、コンボまでのターン数が掛かってしまい、結果的に殴り切られるような展開は本末転倒です。
しかし、《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner》はそれでも対処しなければならないレベルの脅威、という事です。。
・《一瞬/Blink of an Eye》
《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》対策枠。
《帰化/Naturalize》や《俗物の放棄/Forsake the Worldly》や《神聖の発動/Invoke the Divine》に《断片化/Fragmentize》、《真っ二つ/Slice in Twain》に《再利用の賢者/Reclamation Sage》や《刻み角/Manglehorn》など…このカラーでの置き物対策は選択肢が多いです。
そんな中でこれが選ばれる理由は、非常に撃ちやすいという事。
キャントリップ付きなので単なる時間稼ぎとしても優秀で、《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》対策としても最終的に戦場に無ければよいので破壊する必要はなく、一時的に退けるだけで十分です。
また、《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》や《最古再誕/The Eldest Reborn》から《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》を守るのにも役立ちます。
《否認/Negate》で守った場合、戦場に十分なクロックがある場合は追加で《濃霧/Fog》が必要になりますが、一時的に手札に戻す事でそれを防げます。
加えて、《キランの真意号/Heart of Kiran》のような機体が絡んだ攻めに対してはクロックを大幅に下げられるため、《濃霧/Fog》のようにも使えます。
通常、バントネクサスには採用されないカードではありますが、対策の対策として運用しつつ、状況次第では前述の通り《否認/Negate》や《濃霧/Fog》のようにも使え、キャントリップ付きで以降の行動も阻害しない等、デッキに非常に噛み合っています。
・《造反者の解放/Dissenter's Deliverance》
《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》対策枠。
エンチャントを対象に取れませんが、狙いはあくまで《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》のみなので、そこは割り切っています。
《一瞬/Blink of an Eye》はキッカーで撃つ事を前提としており、被った時に動きがもっさりしてしまう事を懸念し、被った際に軽いコストでサイクリングできる《造反者の解放/Dissenter's Deliverance》と散らしています。
・《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》
対コントロール枠。
が、サイド後は《大災厄/Doomfall》や《最古再誕/The Eldest Reborn》といった布告系の除去がバンバン飛んでくるので、過信は禁物です。
とは言え、それらがないゲームに関しては一瞬で勝つため、1枚と0枚とでは大きな差になります。
■簡易マッチアップガイド&サイドボードガイド
・対赤黒アグロ
in
3《一瞬/Blink of an Eye》
1《造反者の解放/Dissenter's Deliverance》
out
1《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
3《至高の意志/Supreme Will》
メイン戦は殆ど妨害がないため、余程の事が無い限りは落とす事はありません。
サイド後はどれくらい対策を取られているか、またそれらを引かれるか次第になります。
早い段階で《強迫/Duress》や《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》を絡めながらクロックを展開して手札を使いきられ、《ボーマットの急使/Bomat Courier》で補充されてさらにハンデスを…と繋がれると流石に厳しいです。
が、それでも"厳しい"であって"無理"ではありません。それくらい有利な相手です。
サイド後の入れ替えは基本的にメインの勝ち筋をそのまま意識します。
《一瞬/Blink of an Eye》と《造反者の解放/Dissenter's Deliverance》は主に《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》対策で、2本目以降は殆どのマッチアップで入れます。
前者はキャントリップ、後者はサイクリングなのでコンボの邪魔になりづらいです。
・対ケルドレッド
in
3《一瞬/Blink of an Eye》
1《造反者の解放/Dissenter's Deliverance》
out
1《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
3《至高の意志/Supreme Will》
メイン戦は先手・後手で大きく変わります。
先手はほぼ落としませんが、後手だと1ターン間に合わず…といった展開もしばしばあります。
バントネクサス側が後攻でも勝てる可能性がある分、若干有利な認識です。
サイド後の入れ替えは対赤黒アグロと同様に最低限に抑えます。
早い相手なので《歩行バリスタ/Walking Ballista》を入れたくなる気持ちは分かりますが、それでターンを伸ばしても最終的には《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》+《運命のきずな/Nexus of Fate》に繋げなければ勝てないため、下手な妨害よりもメインの勝ち筋を意識した方がよいです。
負け筋は《嘲笑+負傷/Insult+Injury》で《濃霧/Fog》を突破される事なので、このタイミングに合わせて《不快な冷気/Uncomfortable Chill》や《一瞬/Blink of an Eye》でかわせると概ね勝ちです。
・対緑単アグロ
in
3《一瞬/Blink of an Eye》
1《造反者の解放/Dissenter's Deliverance》
out
1《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
1《至高の意志/Supreme Will》
2《不快な冷気/Uncomfortable Chill》
メイン戦は《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》に触られず、《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion》や《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable》だろうと《濃霧/Fog》は突破出来ません。負ける要素が無いです。
サイド後も多少妨害が入る程度で、相性は殆ど変わりません。
しかし、《蔦草牝馬/Vine Mare》が複数体並ぶと《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》の紋章でも勝てなくなるため、注意が必要です。
サイド後の入れ替えは《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》対策の差し替えのみに抑えます。
《不快な冷気/Uncomfortable Chill》はパワーが高すぎるため《濃霧/Fog》としての活躍は見込めないので抜きます。
・対エスパーコントロール
in
1《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》
3《一瞬/Blink of an Eye》
3《否認/Negate》
4《ジェイスの敗北/Jace's Defeat》
3《歩行バリスタ/Walking Ballista》
out
4《根の罠/Root Snare》
4《花粉のもや/Haze of Pollen》
2《不快な冷気/Uncomfortable Chill》
4《楽園の贈り物/Gift of Paradise》
メイン戦はお互いに対クリーチャー用のカード(こちらは《濃霧/Fog》系、相手は除去全般)が腐りますが、《花粉のもや/Haze of Pollen》や《不快な冷気/Uncomfortable Chill》にはサイクリング(…)が付いているので、有効札自体はバントネクサス側の方が多いです。
また、《航路の作成/Chart a Course》や《楽園の贈り物/Gift of Paradise》で土地も伸ばしやすく、中盤以降の行動回数にも差が出てきます。
加えて、《運命のきずな/Nexus of Fate》で不用意なフルタップを咎められるので、相手は迂闊に《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》を唱える事も出来ません。
とは言え、カウンターの枚数はエスパーコントロール側の方が多く、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》を通される可能性も高く、有利とは言い難いです。
一応、《至高の意志/Supreme Will》でカウンターできるものの、枚数は少なめなのでノーケアから5ターン目にオールインされてあっさり負ける事もしばしばあります。
なので、その辺りの有効札をどれだけ引かれるか・引けるかの勝負になります。
サイド後は殆どのカードを投入するため、相性は劇的に改善されます。
《歩行バリスタ/Walking Ballista》は《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner》専用対策カードなので、このマッチアップではサイド後は必ず入れます。
基本的には《水没遺跡、アズカンタ/Azcanta, the Sunken Ruin》でカウンター集めながら土地を伸ばしていき、手札が充実した所で相手のエンドに《運命のきずな/Nexus of Fate》から仕掛け、自分のターンに《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》を通す事を狙います。
・対青黒ミッドレンジ
in
1《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》
3《一瞬/Blink of an Eye》
2《否認/Negate》
4《ジェイスの敗北/Jace's Defeat》
3《歩行バリスタ/Walking Ballista》
out
4《根の罠/Root Snare》
4《花粉のもや/Haze of Pollen》
4《楽園の贈り物/Gift of Paradise》
1《運命のきずな/Nexus of Fate》
メインから《至高の意志/Supreme Will》、《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》、《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner》といったキツいカードが目白押し。
ただし、《致命的な一押し/Fatal Push》や《喪心/Cast Down》、《本質の散乱/Essence Scatter》といった無駄なカードもかなり多いため、なんだかんだでメイン戦は取れる事が多いです。
サイド後はメインの不要な除去が《否認/Negate》や《強迫/Duress》といったキラーカードに差し替わるので、地獄のような戦いになります。。
かといって下手なクリーチャープランは《スカラベの神/The Scarab God》に好き放題されるため、勝ち筋自体はメインと同じ無限ターンを狙います。
《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》は《大災厄/Doomfall》や《最古再誕/The Eldest Reborn》で狙われやすく、《才気ある霊基体/Gifted Aetherborn》が居ると全く意味が無いので、それに頼った戦い方はイマイチです。
青黒ミッドレンジのサイド後はほぼコントロールのような構成になるので、それと同じような戦い方を意識します。
・対青単ストーム
in
3《一瞬/Blink of an Eye》
3《否認/Negate》
4《ジェイスの敗北/Jace's Defeat》
1《造反者の解放/Dissenter's Deliverance》
out
4《根の罠/Root Snare》
2《花粉のもや/Haze of Pollen》
4《楽園の贈り物/Gift of Paradise》
1《運命のきずな/Nexus of Fate》
メイン戦はほぼ無理です。
カウンターが無い事を祈り、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》を叩きつけるしかありません。
逆にカウンターが無く、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria(DOM)》が通ればあっさりとループまで入れます。
なので、5ターン目の《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria(DOM)》が通れば続行、カウンターされたら投了でもよいです。
サイド後は大量のカウンターでドローソースを弾きながら無限ターンを目指します。
《霊気貯蔵器/Aetherflux Reservoir》や《遵法長、バラル/Baral, Chief of Compliance》、場合によっては《鼓舞する彫像/Inspiring Statuary》も通してよいです。
こちらから仕掛けなければ、相手も仕掛けるためのドローソースを引かない限りはカウンターの撃ち所がないため、ゲームが長引きます。
その間に《航路の作成/Chart a Course》や《アズカンタの探索/Search for Azcanta》で土地を集められれば、いずれはこちらが先に《運命のきずな/Nexus of Fate》から仕掛けられるようになります。
ただし、ゲーム全体を通じて《練達飛行機械職人、サイ/Sai, Master Thopterist》が鬼門になるので、これだけは絶対に通さないように注意します。
《ジェイスの敗北/Jace's Defeat》でしかカウンター出来ず、一度戦場に出てしまうと《一瞬/Blink of an Eye》や《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》で退けても飛行機械トークンが数体残っているため、それらに殴りきられて負けます。。
・対王神系
in
3《一瞬/Blink of an Eye》
1《造反者の解放/Dissenter's Deliverance》
2《否認/Negate》
out
4《楽園の贈り物/Gift of Paradise》
2《不快な冷気/Uncomfortable Chill》
メイン戦は《王神の贈り物/God-Pharaoh's Gift》を通しても勝てるレベルで有利です。
サイド後もカウンターが追加される以外はメインと同じため、別の勝つ筋も不要です。
《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》、《賞罰の天使/Angel of Sanctions》、《イクサランの束縛/Ixalan's Binding》辺りにだけ注意して、《一瞬/Blink of an Eye》を無駄撃ちしないように気を付けていれば問題ありません。
《楽園の贈り物/Gift of Paradise》は《否認/Negate》との入れ替えが基本です。
構えたい相手に対しては、盤面に影響の無いソーサリータイミングの3マナは隙が大きすぎます。
また、《不快な冷気/Uncomfortable Chill》では《王神の贈り物/God-Pharaoh's Gift》で釣られたクリーチャーを抑えるのは難しいので抜きます。
・対青単アグロ
in
4《ジェイスの敗北/Jace's Defeat》
3《一瞬/Blink of an Eye》
out
1《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
3《至高の意志/Supreme Will》
2《根の罠/Root Snare》
1《運命のきずな/Nexus of Fate》
残念ながら何をやっても無理です。諦めて下さい。
クリーチャーを引かれないか、《航路の作成/Chart a Course》や《執着的探訪/Curious Obsession》といったアドバンテージ源を引かれないといった偏ったドローに期待するしかありません。。
・対バントネクサス
in
3《一瞬/Blink of an Eye》
3《否認/Negate》
4《ジェイスの敗北/Jace's Defeat》
out
4《根の罠/Root Snare》
4《花粉のもや/Haze of Pollen》
2《不快な冷気/Uncomfortable Chill》
メイン・サイド戦ともにプレイ指針は同じです。
[1]《アズカンタの探索/Search for Azcanta》を貼る
[2] 土地を伸ばす / カウンターを集める
[3] 《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》か《運命のきずな/Nexus of Fate》を通す
上記の要素でしかゲームが決まりません。
かといって、相手のエンドに《運命のきずな/Nexus of Fate》から仕掛けると、逆に《運命のきずな/Nexus of Fate》を通されて負けるため、お互いに動けません。。
結局の所、先に《アズカンタの探索/Search for Azcanta》を反転させた方が勝つゲームです。
なので、自分の方が先に《水没遺跡、アズカンタ/Azcanta, the Sunken Ruin》に出せない展開の時は、なんとしてでも《否認/Negate》や《ジェイスの敗北/Jace's Defeat》で弾き、無理やり通されたら《一瞬/Blink of an Eye》や《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》で戻します。
■TIPS
・《運命のきずな/Nexus of Fate》のタイミング
《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》が居る場合、その後のドローで《運命のきずな/Nexus of Fate》を引き込む確率を少しでも上げるためアップキープに撃つのが望ましいです。
《アズカンタの探索/Search for Azcanta》の誘発にスタックして撃つと、より引き込む確率が上がります。
ただし、メインに行動したい場合…例えば、《航路の作成/Chart a Course》や《アズカンタの探索/Search for Azcanta》をプレイしたい場合は、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》の+1能力のエンド時誘発後に撃ちます。
《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》が居ない場合、相手のエンドに撃つのが望ましいです。
自分のターンに撃って追加ターンを得ても、そこで7マナを使ってしまっては追加の土地を置いて終わり…となり、それでは追加ターンを得た意味がありません。
・《アズカンタの探索/Search for Azcanta》の反転
墓地が6枚のタイミングで《運命のきずな/Nexus of Fate》が捲れると、どうやっても反転させられません。
その状況でどうしても反転させたい場合(2枚目の《アズカンタの探索/Search for Azcanta》を持っている場合など)、アップキープの誘発にスタックして適当にサイクリングか《不快な冷気/Uncomfortable Chill》や《一瞬/Blink of an Eye》をプレイすると確実に裏に出来ます。
・《濃霧/Fog》のタイミング
基本的には相手の攻撃クリーチャー指定後(攻撃対象指定後)で問題ありません。
攻撃対象次第では《濃霧/Fog》を温存する場合もあるので、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》が居る時には必ず攻撃対象を聞くようにします。
(ライフが十分にある時に本体に攻撃してきた時や、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》が被っている時に《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》に攻撃してきた時…等)
例外として、《提督の命令/Admiral's Order》が採用されているデッキに対しては攻撃クリーチャー指定前に撃ちます。
また、カウンターの入ってそうなデッキに対して、前のターンにカウンターが無い事が分かっているのであれば、確実に通せるアップキープの間に撃つのも手です。
ただ、青緑マーフォークのように、カウンターが入っている+《オラーズカの暴君、クメーナ/Kumena, Tyrant of Orazca》で攻撃に参加しなかったクリーチャーを利用できるようなデッキの場合は、攻撃クリーチャー指定後に撃ちます。
・《楽園の贈り物/Gift of Paradise》の対象
基本土地に貼るのがベストです。特殊土地に貼ってしまうと、《廃墟の地/Field of Ruin》で割られるリスクが生まれてしまいます。
とは言え、赤黒アグロのように《廃墟の地/Field of Ruin》が入っていないことが予想される相手の場合は、その限りではありません。
・《敵意ある砂漠/Hostile Desert》の使い道
メイン戦に関しては最終的に詰める以外のタイミングでクリーチャー化する事はほぼありません。
稀にフルタップの相手に対して、《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》の忠誠度を削るために攻撃しに行くくらいです。
サイド後は相手の除去がごっそり減るため、ブロッカーとしてクリーチャー化するタイミングが増えます。
また、《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》や《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》を《大災厄/Doomfall》や《最古再誕/The Eldest Reborn》から守るためにも使えます。
生け贄に捧げる用のため、これ自身はタップしていても問題ない事から意外と警戒されづらいです。
■今後の展望
『ラヴニカのギルド』発売後のローテーションによって失うものの大部分は代用が効きます。
そのため、バントネクサスというアーキタイプそのものは次の環境でも生き残ると思われます。
しかし、サイクリング関連や潤滑油兼サイド枠の節約として重要な役割と担っていた《至高の意志/Supreme Will》は代用が効かないため、弱体化は免れられません。
《まばらな木立ち/Scattered Groves》、《灌漑農地/Irrigated Farmland》、《植物の聖域/Botanical Sanctum》
→各種ギルドランド、チェックランド(コアランド)
《敵意ある砂漠/Hostile Desert》
→別の勝ち筋であればなんでもよい。ミシュラランド、もしくはクリーチャーを生成できる土地(《ウェストヴェイルの修道院/Westvale Abbey》など)であればベスト
《花粉のもや/Haze of Pollen》
→《不快な冷気/Uncomfortable Chill》の増量
《至高の意志/Supreme Will》
→完全に同じものは現時点では存在しない。ただし、この枠自体は潤滑油なので必須ではない。
《造反者の解放/Dissenter's Deliverance》
→《一瞬/Blink of an Eye》の増量、もしくは別の置き物破壊に差し替え
《ジェイスの敗北/Jace's Defeat》
→《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》や《スカラベの神/The Scarab God》、《遵法長、バラル/Baral, Chief of Compliance》はローテーション落ち。《練達飛行機械職人、サイ/Sai, Master Thopterist》もカラデシュブロックが無ければ当分は使われる見込みはなさそうなため、環境に合わせた枠に変更
《歩行バリスタ/Walking Ballista》
→《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner》もローテーション落ちするため、環境に合わせた枠に変更
■おわりに
今回はバントネクサスについて解説をさせて頂きました。
本記事を以ってバントネクサスに少しでも興味を持つ方が増えたら幸いです。
以上です。お疲れ様でした。
登録タグ: MTG バントネクサス ターボフォグ ターボネクサス 解説
テーマ:MTG | 投稿日時:2018/09/15 00:49 | |
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