ドコのカードゲームとは言うこともないのですが
「制限、禁止カードの更新」
が行われるたび
「もう辞める」「メーカーは何を考えているか!」といった話が
SNS等を騒がしております。
ショップの立場から言わせてもらうと
痛し痒しと言う部分が大きく
さらに言わせていただけるならば
「制限、禁止によってデッキ内容が変わることへの期待」
というのもあります。
よく言われるのが
「なぜこうなることを予測できなかったのか」という話ですが
もし予測できるのならそのTCGはすごいですよ。
遊戯、MTG、DM、WS等いろんなカードゲームがありますが
不測の事態は必ずおきます。
問題は起きたときにどう対処するかが重要であり
予測できたらそんな状態はつまらないものですよ。
だって、それだと「状況が決まっている」訳だから。
「それさえあればいい」TCGが面白いのならつまり将棋や囲碁で事足ります。
いちいちお金をかけてカードを買うこと無いですよ。(書いちゃったよ
そういう方はなぜ将棋や囲碁の世界にいかないんでしょうね。
そこで思い出すのが
「勝つためには運の要素を極力減らさなければならない、そのためにはイカサマも辞さない」という論法。
さて、勝つためという気持ちはよーく分かるのですが
そのためにイカサマをされたんじゃ、広めようとする側としてはたまったもんじゃないのですよ。
基本としてカードゲームを楽しむことは人それぞれがそれぞれに持っていて
それを邪魔する必要はありませんよね。
もちろん「イカサマしてでも勝ちたい」という方はその人なりに考えた結論なので
その人がそう思うことは「思想の自由」で尊重しますが
それを公の場に持ってくるとするならば全力で排除しなければならないのがショップの立場でありメーカーの立場もおそらくそうだと思います。
だって「イカサマやっていいTCG」ってつまんないと思うのですよ。
誰しも「もっている快感の指標」がそれぞれに違っているわけだから
「私はこう思う」と宣言するのは構わないです。
しかしそれが現状において「善」であるかとしたら、そんな事はないのです。
メーカーとしたら基本として「性善説においてゲームが成立する」ということであると考えると
イカサマを見逃せるわけが無い。
と、そういう話から元にもどすと
予測不可能なところに本来ゲームの楽しさはあると考えるのですよ。
ずっと勝ち続けて「快感を得る」ためには「負ける対戦相手」が存在しなければならないのです。
ずっと勝ち続けているプレイヤーに対して、それその状況が変わらないなら
誰がその人とゲームをしたいのでしょう。
誰もが「勝ちたい」と思っているわけですから
つまり
皆が同じカードを欲しがるし同じデッキを組みたがるし同じプレイングをするようになるわけで。
そこで運の要素を減らすとなれば
「イカサマ」が選択肢に入ってくるのは明白です。
おんなじカードを皆が欲しがればそのシングルカードだけ価格が暴騰しますね。
その場合ショップとしてはどう思うのか
多くのショップはそれを歓迎するかも知れませんが
マスターズギルドの場合基本として「どうなのよ」と考えます。
そうなった場合、新しくカードゲームをしようとする方が入っていけなくなります。
もしメーカーが制限禁止を一切しなくなって、
同じカードがずっと強い状況が出来るとどうなるんでしょうか。
簡単にシミュレーションしてみましょう。
「これからカードゲームを始めたいのですが。」
「どんなカードゲームを始めたいのですか?」
「○○というゲームに興味があって」
「そのゲームでは××というデッキ一択ですね。全部のカードをそろえますと△△円ですね。」
ココからいくつかの選択肢を設けてみましょう。
その1
「この絵のカードを使いたいんですけど」
「ああ。それ入れると勝てないですよ。入れるところも無いですよ。」
その2
「他のデッキを使いたいのですけど。」
「負けたいというのなら構いませんよ。」
その3
「このカードすごく高いですねえ」
「いやあ、手に入れるために何ボックスもむかないといけませんし、買
取価格も高いんですよ。すいません」
その4
「このカードゲームはどうやって遊ぶんですか?」
「ティーチングは行いますが、プレイングは練習するしかございません。ではお相手しましょう。」
ボコボコ
てなかんじかなーと。
もちろんもっといろんなシチュエーションはあると思います。
あくまでも思いついたこと書いただけで。
ただ、どうやっても初心者や新規の参入には敷居が高くなりますし、やさしくないですよ。
つまり「負かす相手も居なくなる」だけです。
一部に「オレは強くなるぜ」という方も出てくるでしょうけど
それは「そのカードゲームがすごく売れていてメーカーが儲かっている状態」でなければなりません。
なぜなら儲からないカードゲームをメーカーは出し続ける理由が無いからです。
つまり
「オレツエー」といいながらお金を使わないユーザーが増えてしまうのは大変困るのですよ。
そのために行う施策として
「環境を変える」というのは重要な作業であるわけです。
なのでメーカーはいろんなことをします。
MTGのようにスタンダードなどのゲームフォーマットを作ったり
国産TCGの場合多くは定期的な禁止制限を作ることで環境が固まることを防いでいる。
逆に言えばそれらを行わなくなったカードゲームは
ユーザーが増えなくてもいいと考えていると私は考えてます。
つまりはゲームの終了ですね。
あれ?いくつか当てはまるゲームがあるような気がするぞ(笑
それはさておき
じゃあ、なぜ禁止制限をすることを反対したりする人が増えるのか。
「デッキが弱くなるから」
「せっかく集めたカードが無駄になる」
「シングルカードの価格が安くなる」
「高く売れなくなる」
分かりやすいですね。
それを悪いというつもりは毛頭ありません。
多くのカードゲームショップがある意味そうであると思いますので。
ただ、それは
「そのTCGが永遠に不滅である」場合に限ります。
そんなわけあるかと(笑
カードゲームはその「維持」にお金がかかるものです。
そのお金が生み出せなければTCGは簡単に死ねます。
それがあたらしいエキスパンションだったり、スポンサーが付いたゲームだったり、
いろいろありますが
まあどちらにしろ「シングルカード」だけ買っているようではメーカーは儲かりません。
もちろんシングルカードをそろえるためにパックを向いているショップが増えるのならば良いのですが
そういうエキスパンションばかりでは無いですし、つまりは不良在庫も増え続けることになるでしょう。
となれば店を畳むショップも増えるということを暗示します。
となればユーザーの近くにショップがなくなることになり、
一部のショップは生き残るけど新規プレイヤー増やす方策が一つ減るわけですから
いずれ徐々にTCGは廃れていくことになります。
廃れゆくTCGのカードを欲しがる方はどれくらいいらっしゃいますでしょうか。
例えば今のガンダムウォーネグザ、例えばレベル・ネオ。
シングルカードの価格はどうなっていきますでしょうか。
そうなったときになって
「メーカーが続けてくれないからだ」といえますか?
TCGが続くようにショップからもパックをどんどん買って頑張ればいいのですが
実際問題として「新規ユーザーを増やさなくても自分さえ儲かればいい」というショップが増えてしまえば
競争になればそれに疲弊したショップがつぶれていくことでしょう。
新規も増えない、特定のカードしか売れていかないとなれば不良在庫の山ですから。
ショップがつぶれたら仕入先の減った問屋は更に仕入れ量を減らしますよね。
いずれメーカもTCGを出さなくなってしまうでしょう。
そんな先の知れたTCGのカードを高く売りたいってそれは厳しいお話です。
市場の壊れたところに「このカードが高かった」と言っても
一点ものでも無い限り価格はそんなに上がりません。
まずは「市場を作り上げ、それを維持する」ことが重要で
それを壊すことはメーカーとしてもショップとしても排除するのが
「商売として」健全と思います。
別にそのほかを云々言うつもりも無いですよ。
つまるところ
制限とか禁止とか
メーカーだって本来は出したくないんだから。
そこに不健全な何かが起きるから制限や禁止が起きるということを
もう一つ踏み込んで考えないといけないんじゃないかと。
登録タグ: 雑記
テーマ:日記 | 投稿日時:2016/09/14 20:52 | |
TCGカテゴリ: その他のカード | ||
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