相変わらずTCG論文的長文を書くときはここに書く。
日本語ってのは「単語が明示的に分割されていない(「ここではきものを脱ぐ」問題)」をはじめとする曖昧さの多い言語で、空気を読むことを前提として会話が成される。まあ普段の会話をしている分にはそれでもいいんだけど、どちらかというと形式言語(プログラム言語的な言語)側に位置するカードテキストとはあまり相性がよろしくない。
で、こんなツイートをした。
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実はTCGのテキストを自然言語に近い形にしようというのはマジックが当初からやってるんだけど、それは英語故だったりする。日本語には「『~ている』問題」「形容詞かかり関係問題」「対象要件問題」等、曖昧さを原因とするテキストに向かない表現がいくつもあるのです。
https://twitter.com/logicwolf/status/9167162832105...
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これだけだと分からない人もいるだろうから、いちいち例を挙げてみる。あらかじめ断っておくけど、自分は言語学を正式に履修したことはない。あくまで経験則なのでその辺はご了承を。
● 「~ている」問題
日本語は「現在発生した状態になっている事象」と「過去において発生した事実がある事象」をどちらも「~ている」で表記することができる。具体的に言うと、「ダメージを受けているモンスター」と表記したときに、これは「過去に受けたダメージを現在負っているモンスター」とも読めるし「過去においてダメージを受けたことがある(現在はダメージを負っていない)モンスター」とも読める。ルール的にはまったく異なる事象である。
● 形容詞かかり関係問題
例えば「魔法のキャラかアイテム1つ」と表記した場合に「魔法のキャラ1つ、または魔法のアイテム1つ」なのか「魔法のキャラ1つ、または(魔法であるかないかを問わない)アイテム1つ」なのかが明確ではない。一部のカードテキストではこれを回避するために「魔法の、キャラかアイテム1つ」と表記するが、これは自然言語的ではない。かといっていちいち「魔法のキャラか魔法のアイテム1つ」と書くと今度はテキストが長すぎる問題が発生する。
● 対象要件問題
上の話とも関わる件。よくあるカードゲームでは特定の条件を持つものを対象とするが、どこまでがその条件なのかが明確でない。例えば「対象のプレイヤー1人のモンスター1体」と書いた場合、対象要件は「プレイヤー1人」なのか「プレイヤー1人のモンスター1体」なのかが明確でない。これは例えば、そのプレイヤーなりモンスターなりが「対象に選ばれない」なんていう効果を持っている場合に問題が出てくる。
ルール屋さんは日々こういう些末な問題に悩みながら総合ルール書いてんですよ :|
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テーマ: | 投稿日時:2017/10/08 12:21 | |
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