<b><i>Vol.0 プロローグ</i></b>
午前零時を回った。
あたりは蒼黒の闇。だが、周囲はそれを許さず、その闇は光の刃によってかき消される。
人間は闇を嫌う。見えないものであるゆえに。
しかし、変わり者の中には闇を好むものもいる。自分の姿を隠せるがゆえに。
不成仏霊。彼らはこの世に未練を残し、自らの存在意義を求め、この世をさまよっている。
幽霊や魂などと言うが、それらはすべて、何らかのエネルギーに過ぎない。
生き物も、何らかの動力で動いているエネルギーの塊としてみることができる。ならば、彼らもそう捉えて問題ないだろう。
蒼黒の闇をかき消す光。それに照らされ、今日も彼女は<ruby><rb>人間</rb><rp>(</rp><rt>ガルダー</rt><rp>)</rp></ruby>のそばにいた。
<ruby><rb>人間</rb><rp>(</rp><rt>ガルダー</rt><rp>)</rp></ruby>を守護対象とする不成仏霊、それが<ruby><rb>守護霊</rb><rp>(</rp><rt>ガーディニアス
</rt><rp>)</rp></ruby>である。
彼女らの使命、それは守護対象である<ruby><rb>人間</rb><rp>(</rp><rt>ガルダー</rt><rp>)</rp></ruby>を守護すること。
その方法は多種に渡るが、基本的には"生命エネルギー"の調整である。
すべての生物には生命エネルギーが存在する。
その種によってエネルギーの残存数が異なるが、種によって固定されている。
いわゆる、「寿命」と呼ばれているものである。
現在の平均寿命は70歳から80歳程度といわれているが、実際には200歳以上生きることができる生命エネルギーを保持している。
ではなぜ寿命と100歳以上もの差があるのだろうか?
不成仏霊は生物の生命エネルギーを少しずつ得て存在している。
そのため、実際生きれる年数と寿命が大きく異なるのである。
また、そのために固定された寿命があっても、不成仏霊が得る生命エネルギーの量により、寿命が異なってくるのである。
澄み切った空に、少し欠けた月が見える。
風が冷たい。
いや、<ruby><rb>守護霊</rb><rp>(</rp><rt>ガーディニアス</rt><rp>)</rp></ruby>にそういった感覚は無いはずだが、風の音がそう感じさせる。
しかし、それだけではない感じがした。
見えない不成仏霊。
その気配が、彼女に悪寒を感じさせていた。
<ruby><rb>守護対象</rb><rp>(</rp><rt>ガルダー</rt><rp>)</rp></ruby>は今夜もよく眠っている。
彼女の苦労も知らずに。
ススキの葉がゆれる音は、まるでそこに幽霊がいるかのごとく。自分が"幽霊"そのものであるにもかかわらず、見えない存在に時に驚くことがある。
すべての不安を払拭する、"本当の光"が差し込み、蒼黒の闇は消し去られる。
今日もまた、彼女は自分自身の守りたいもののそばにいる。
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テーマ:落書き | 投稿日時:2006/11/08 16:41 | |
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