とある掲示板で、「幼稚な趣味をやめてほしくてカードゲームを捨てたら婚約破棄された」というような話がありました。
確かに、やってない人から見ると、何の価値があるかわからないし、「カードゲームは子供が遊ぶもの」と認識している人もいるでしょう。そういう価値観の違いから、たとえ他の人が大事にしているものであっても、興味がなければ「ゴミだ」と思ってしまうものです。
物というものは、人が価値をつけ、認めることによってはじめてそのものの価値が産まれます。例えばお金だって、「その価格分のものと引き換える価値があるもの」という認識がなければ単なる紙になります。お金がお金として使えるのは、全員がその「価値」を認めているからです。
カードゲームも同じように、もともとは加工したり絵や文字が書いてあったりするただの紙です。しかし、そこに書かれている情報や絵、あるいは流通量や状態をもとに、カードゲームプレイヤーやお店は「価値」を付けていきます。たくさん手に入るものやあまり強くないもの、状態がよくないカードは安い値段になり、強いカードやなかなか手に入らないカードは高い値段になります。そうやって、価値が付いているからこそ、カードを大事にしたり、欲しがったりするわけです。
また、カードの価値は時間経過によって変わっていきます。例えば最初は手に入りにくかった強力なカードも、再販されれば価格は安くなるでしょう。また、今までは見向きもされなかったカードでも、新しいカードによって居場所ができるようになれば、価値がぐんと上がることもあります。
しかしながら、興味がある人にとっては非常に貴重なものでも、興味のない人にとってはガラクタやゴミ同然の価値としか思われないものです。フィギュアや骨董品なんかはある程度理解されても、「カードゲーム」となると、あまりピンと来ないことが多いでしょう。
特にあまりカードゲームを触れる機会がない親なんかは典型的な例でしょう。今でこそ親子でプレイしている人も多いでしょうが、数年前はカードゲームに理解を示す親は少なかったのではないかと思います。
ゲーム機やゲームソフトだと、ある程度値段が固定されているため、「大事にしなさい」とか「高いからダメ」とか言いやすいのですが、カードは1枚1枚価値が違ってくるので、そこらへんも理解してもらうための弊害になるのではないかと思います。
カードゲームに対する理解はどうすれば得られるのか。考えられるのは、「その人の趣味に当てはめてみること」でしょうか。同じコレクターであれば理解はされやすいのですが、特にそういった趣味を持っていない人には難しいものです。
もう一つ、カードゲームには対戦者が必要です。カードゲームを捨てたりやめたりするということは、そのつながりを絶つということにもつながりかねません。
カードゲームは案外簡単に人とつながることができ、それがきっかけで仲良くなることが多いものです。デッキ一つあれば、知らない人とでもすぐ対戦が申し込めますから。
ただ、つながりがカードゲームだけだと、カードゲームをやめるときにそのつながりも切れやすくなります。共通の話題、というのは、人と人をつなぐうえで大切なものです。
最近はカードゲーム専門店が増え、種類もメディア露出も増えてきましたが、やはりまだ興味を持っていない人へ理解させるのは難しいものです。まあそうは言っても、人のものを勝手に捨てるというのはいただけませんけどね。
カードゲームをやっているお子さんを持っている方は、カードゲームがどういうものなのかということを、どうにかわかってほしいものです。勝手に捨てるのは時には札束を捨てるのと同じことになりますからね。
テーマ:カードゲームコラム | 投稿日時:2014/11/03 02:18 | |
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