「カードゲームはどこで売っているか」と言うと、「カードゲームショップ」とか、「デパート」とか、「おもちゃ屋さん」とか、「コンビニ」とか、そういういう場所が思いつくと思います。
じゃあ「カードゲームはどこでやるか」という質問ではどうでしょう。同じく「カードゲームショップ」とか、「近くの公園」とか、「友達の家」とか、「イベント会場」とか、そういう答えがあるでしょう。
商売をしていくうえで、「顧客満足」という言葉がある通り、お客さんのことを第一に考える必要があります。それは、「客が何を求めているか」ということを考えるに他なりません。
お店は商品を売ることが仕事ですが、ただ商品を置いているだけでは売れません。例えば宣伝をしたり、売れるものの情報を集めたり、ポイントや値引きのサービスをしたり、そういったことをやらなければいけません。
お店の種類によっても性質が変わってきます。例えばデパートであれば、様々なジャンルの商品を置いているでしょうし、専門店では他のお店では置いていないような物も扱っているでしょう。コンビニだと、高かったり品ぞろえはそれほどではなくても、24時間営業というもので客のニーズに応えます。
このように、お店は品ぞろえやサービス、値段などをいろいろと他店と差別しながら、物を売ろうと努力しています。
カードゲームの世界でも、お店によっていろんな工夫をしています。同じ専門店でも、ポイントがあったり、シングル価格が安かったり、扱っているサプライが豊富だったり、さまざまな特徴があります(三宮の某所では、同じフロアに何件もカードショップが並んでいますが、それぞれ扱うジャンルが違ったり、シングルやサプライの扱いが違ったりしています)。
私はおもちゃ屋さんに勤めていますが、実は「おもちゃ屋さん」というのは、カードゲームを扱いにくい場所だったりします。
例えばカードゲームショップでは、もともとカードゲームをやっている人しか来ませんから、新商品の在庫を豊富にそろえたり、いろんなサプライを扱うことができます。デパートやコンビニだと、他の物を買いに来た「ついで」に買うことがあるので、適当に新製品だけ置いていても売れるでしょう。
ところが、「おもちゃ屋さん」にやってくるお客さんの目的は大体「おもちゃ」です。目的のおもちゃがあるから「おもちゃ屋さん」に行くのであって、ついでにカードゲームを買う人はあまりいないと思います。ましてやカードゲームをやる人は、近くに専門店があるならそちらに行くでしょう。
ですから、定価で販売しているお店は、近くに専門店やカードゲームを安く扱う量販店ができると、かなり打撃を受けることになります。
実際、私の勤めるおもちゃ屋さんの近く(といっても少し距離がありますが)にはカードのシングルを扱っており、拡張パックの価格も少し安いお店がありました(今はなくなっています)。現在でも、距離はありますがシングルを扱っているし価格も安いお店はあります。
一方のこちらは、シングルカードを扱っているわけでもなく、カードゲーム自体が安いわけでもありません。でも、現在はかなりのお客さんは私のお店でカードゲームを買ってくれるようになりました。
それは、何故でしょう。
要因はいろいろありますが、一番大きいのは「カードゲームができる場所があること」でしょう。以前近くにあったお店もデュエルテーブルがあったのですが、そこが無くなってからは遊ぶ場所が無くなってしまいました。
私のお店も、私が来る前はデュエルテーブルなんて置いてませんでしたが、非公認ながら大会をするようになってからは、毎日のように来てくれるお客さんができるようになりました。
何でもそうですが、どんなものでも使える環境がなければ役に立ちません。お金だって、「他の物と交換できる」という価値があるからみんな欲しがるわけです。カードゲームも、それを使って遊ぶから価値があるのです。
最初にデュエル・マスターズの非公認大会では、500円という参加費にも拘わらず、30人を超える参加者がいて、大盛況でした。
しかし、店長はそれに味を占めたのか、次の大会も同じように参加費を取り、その分参加賞や商品に回して稼ごうとしていました。結果は予想できる通り、どんどん参加者は減り、最終的には大会ができる人数ではなくなってしまいました。現在は公認大会を行えるようになり、当然参加費なんて取っていませんので毎回それなりの参加者が集まります。
店長によく言っているのですが、「大会の参加者は参加賞や賞品が欲しいんじゃなくて、遊ぶ場所が欲しい」のです。遊ぶ環境、遊ぶ場所がなければ、持っていても意味がありませんから。
現に、こちらで遊ぶ環境が整っていないカードゲーム――ポケモンカードなどはまったく売れなくなりました(ファントムゲートに至っては発売して以来1パックも売れてない)。ポケモンカード自体は面白いですし、またやってみたいと思うものですが、結局対戦者が兄弟姉妹や両親くらいになってしまい、やめてしまう人が多くなったのでしょう。
デュエル・マスターズは公認大会がありますし、遊戯王はもともと競技人口が多く、お店でもユーザーが主催で大会を行っています。ただ、他のカードゲーム――例えばヴァンガードなどは(遊戯王と並行してやっている人は結構いますが)こちらではやっている人が少なく、大会を開いているところもありません(追い打ちを掛けるように店長がヴァンガードの扱いを辞めようと言い出す始末……)。バディファイトも、最初はかなり動いていたものの、今はほとんど動かなくなりました。
遊ぶ環境があるか否か、それだけで、随分と商品の動きが違うものです。現在、せっかく頑張って集めたWIXOSSプレイヤーのために、WIXOSSパーティーをやりたいとも考えています。
もう一つ、「カードゲームに詳しいスタッフがいること」というのもかなり大きいと思います。
実際、カードゲームを買いに行く場合、ただ安いだけのお店だと買ったら終わり、となると思います。しかし、カードゲームショップでは店員とお話したり、近くの人と対戦したりして、滞在時間が長くなると思います。
たとえ定価でもそのお店に行く理由としては、これは結構大きいものです。カードゲームに詳しい人がいるというのは、単に話が出来るというだけでなく、買う時の安心感もあります。
カードゲームを扱っているお店がすべて、こういう意識を持っているとは限りません。チェーン店なんかは、「ただ一つの商品として見ている」だけでしょう。
ただ、そういうことを知っている、そういうことを意識するだけで、「ユーザーは何を求めているか」がわかるのではないかと思います。
カードゲームだけでなく、たくさんの種類を扱っていると難しいかもしれませんが、他の商品にも言えることです。お店ができることというのは、実は想像以上にたくさんあるのです。
登録タグ: カードゲームコラム
テーマ:カードゲームコラム | 投稿日時:2014/11/12 03:10 | |
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ヴァルハラ さん | [2014/11/12 10:11] |
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初めましてこんにちは 文章が長くて何が言いたいのかわかりにくいのですが、要するにフィーカスさんが求めているのはショップなどのTCGをやる場所があるかどうかという事ですか? そうだと信じてコメントします。 今はネット通販が盛のためTCGショップは大変だと思います。 つまりお店を保たせるために努力しなければならないのは我々買う側だと思います。 なるべく自分の地域でカード買い、お店を残す努力が必要だと思います。 |
フィーカス さん | [2014/11/12 12:07] |
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コメントありがとうございます。 今はネットショップがありますし、コンビニでも売ってます。カードゲームを「買うだけ」ならそういうところを利用すればいいのでしょうが、ユーザーが求めているのはそれだけじゃないと思うのです。 他のおもちゃなら一人で遊ぶこともできますが、カードゲームは対戦することがメインですから、相手がいないとできないわけです。そういった対戦相手ができる場所、遊べる場所、あるいはカードゲームについて話せる相手っていうのが求められるのではないかと思います。 文中にもある通り、「シングルは扱ってない、商品は定価、ほかに安い店はある、でもうちで買ってくれる人がたくさんいる」っていうのは、「そう言う場所だから」っていうのがあるわけです。 カードゲームで遊べる場所って、実際あんまりありません。ですから、そう言う場所は貴重なのです。 お店側からすると、そういう場所を提供したり、話せる相手を作ったりすることで、自然とユーザーが「大切なお店」と認識するようになり、お店を(売り上げに貢献したりイベントのサポートをしてくれたりして)守ってくれるようになるのではないか、と思うのです。 |