/(^゜ω゜)\<フィーカスの徒然日記は君が投げて捨てちゃったじゃないかww

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【小説】私立ToCaGe学園4

第4話:きれい好きなお嬢様

私立ToCaGe学園はそんなに古い歴史があるわけでもなく、校舎も多くの建物も、つい5年ほど前建てられたものばかりだ。
そのため、建物も周囲の施設も、とてもきれいなものばかりだ。
しかし、ただ新しいだけでここまで美しい環境を維持できるわけではない。そこには、その環境を維持するための組織が存在するのだ。

「ふぅ、今日もゴミが多くて大変ですわね」
購買部のゴミ箱周辺を片付けているのは、富豪の家育ちのお嬢様、美々原とりすだ。とりあえず僕は「お嬢」と呼んでいる。
美化委員である彼女は、いつも校内の清掃活動を欠かさない。
特に購買部のゴミ箱周辺は、いくつもゴミ箱があるのに開けたカードゲームの空き袋が散乱している。それを毎日片付けているのである。他の生徒も是非とも見習ってもらいたいところだ。
購買部周辺が終わると、今度は校舎の壁の落書きを消し歩いていた。夏の暑い日だというのに、大変なことだ。落書きした人間には、是非とも焼き土下座にて謝罪してもらいたい。
こんなきれい好きなお嬢だが、このようになってしまったのはわけがある。
前述の通り、彼女は富豪の家のお嬢様なのだが、とあることがきっかけで親と喧嘩してしまったのだ。
そのときの一言が、
「この学校を隅々まできれいにして、塵一つ残さない美しい学校にしてみせますわ」
というものだ。一体どんな喧嘩だったのだろうか。
その喧嘩をきっかけに、美化委員として現在に至るまで、仕事を全うしているわけだ。時に授業を抜けることがあるのはどうかと思うのだが。
当然、この環境保持を乱すものに対しては、生徒はもちろん、先生にも容赦がない。
この前、某先生がうっかりタバコの灰をグラウンドに落としたのを目撃し、30分ほど説教をしたという話を聞いたことがある。こんなに恐ろしい存在があるのに、ゴミの散乱や落書きは後を立たない。不思議なものだ。

そして事件は起こった。ある生徒が購買部でカードのパックを購入し、開封を行っていたところ、
「こんなカードいらねーよ」
などといってカードをゴミ箱に捨てていたのを、お嬢が発見した。
「あら、せっかく当たったカードをゴミにするなんて、エコのかけらもないですわ」
そういってお嬢は捨てたカードを生徒に引き取るように言ったが、
「んな弱いかーどなんていらねーよ!」
と反論した。
「それはあなたがこのカードを使いこなせないからでして?弱い者ほどカードのせいにしますことよ」
お嬢の言葉が癪に障ったのか、生徒は持っていたカードをお嬢の前に突きつける。
「上等じゃねぇか。弱いかどうか、勝負だ!」
「あら、では私はあなたが捨てたこのカードをデッキに組み込みますわよ」
そういうと、ゴミ箱に捨ててあったカードをまとめ、自分の持っているカードと組み合わせてすばやくデッキを作ってしまった。
捨てるほど弱いというカードなのだから、よほど使いこなせなければ使うのは難しいということなのだろうが、果たして……

「俺のターン、【黄昏の大賢者 シリー・ライス】登場!ターン終了だ!」
そういえば長いことこの話を書いていなかったので、この物語で使われているカードゲームのことを知らない読者も多いだろう。一応、解説しておこう。
この世界では「リザード・ソサイエティ」というカードゲームが、普段の生活にも使われるほど浸透している。この「リザード・ソサイエティ」は、僕らが住んでいる世界とは別の世界の住人が戦っている、という設定である。詳しいルールについては、是非とも当校、ToCaGe学園で学んで欲しい。
「では私のターン、【変質的粘着質 ヤマ・イーモ】登場!」
おや、あれは確か今戦っている生徒がゴミ箱に捨てたカードですか。早速登場させてきたか。
「そんな雑魚カード、俺のカードが粉砕してやるぜ!俺のターン、【プレイヤーな店員 タマヒラー】登場!さあ、次のターン一斉攻撃だ!」
「あらあら、やはり弱いプレイヤーは弱いカードを捨てるだけじゃなく、自分のカードを大切にしないですわね」
よくよく見ると、先ほど登場させた【シリー・ライス】も、【タマヒラー】も、かなり傷が多い。しかしながら、何度も使い込んでいるという感じではない。
「私のターン、【相対変態物質 ヤマ・イーモ】を2体登場!」
「何、同名キャラクターを3枚も場に登場させるだと!?」
リザード・ソサイエティでは、同名キャラクターは基本的に場に1枚しか登場させることが出来ない。が、【ヤマ・イーモ】のように、場に何枚も出せるカードも存在する。
「場に【ヤマ・イーモ】のカードが2枚以上あるので、それぞれパワーが上昇しますわね。ではバトルで【シリー・ライス】と【タマヒラー】を退場させますわ」
「くっ……俺の場のカードが……」
このリザード・ソサイエティは、ただカードに書かれているテキストだけで強さが決まるわけではない。使用者のステータスや財力、感情、あるいは戦っている場所などでもステータスが変わってくるのだ。つまり、戦う場所を選んだり、自身を強くしなければ戦いに勝つことはできない。
「私のターンは終了ですわ」
「ふん、たまたま雑魚カードを場に並べられたからって……俺のターン、プレイスカード【本気猫の聖域】を場に!そして再び【プレイヤーな店員 タマヒラー】、そして【アーケードプレイヤー コウ】を登場!」
「プレイスカード」とは、場に出すことで自分の戦況を有利にする効果を持たせるカードだ。言ってみればフィールドカードのようなものか。
そのようなカードは、大体がカード世界の住人の住処となる場所である。
「これで俺のキャラは退場させられなくなったぜ!」
「あら、そうですの。では私のターン。私もプレイスカードを使いますわ。【グリーン・エレクターの包囲】を場に!」
お嬢も、キャラクターに合わせたプレイスカードを場に出してきた。当然ながら、プレイスカードに適したキャラクターを中心にデッキを組んだほうが有利だ。つまりは種族デッキといったところか。
「さらに【ロリコンハンター ロドロン】と【強運の引き手 ハオウ】を登場させますわ。【ハオウ】の効果で4枚ドロー!」
「えぇ、何でそんなにドローできるんだよ!」
「あら、場にはグリーン・エレクター所属のカードが4枚並んでいるのが分からないかしら?」
基本的にキャラクターカードを並べにくいリザード・ソサイエティでは、このように場のキャラクター依存のドローソースは使いにくい。しかし、今回はキャラクターの能力をうまく組み合わせているようだ。
「……で、さらにパワーが上がった【ヤマ・イーモ】たちで攻撃ですわ。あら、あなたの精神力、大丈夫かしら?」
「くぅ……まだだ!俺のターン、【トッププレイヤー ペケロッパー】登場!」
おっと、これは【本気猫の聖域】でパワーアップしないカードだ。見た目で強そうなカードを突っ込んだ結果だろうか。何故か場の【ヤマ・イーモ】たちを倒せない状況になっている。
「あら、それで終わりかしら。では、さらに【コンボの魔術師 サクラ】を場に登場させて、一斉攻撃で終了ですわね」
「な……負けた……」
気が付けば、最初はステータスが激弱だった【ヤマ・イーモ】たちが、一撃必殺級のパワーを持っていた。そうだな……某カードゲームで言うと攻撃力9500、某カードゲームで言うとソウル16、某カードゲームで言うとワールド・ブレイカー、某カードゲームで言うとクリティカル7……といったところか。

「せっかく当たったカードですもの、大事に扱いなさい」
激しいバトルの後、デッキに加えたカードを、お嬢は元の持ち主に返した。やれやれ、次からゴミ箱にカードを捨てるということが無いようになることを祈るばかりだ。
「それと……」
立ち去ろうとしたお嬢が、急に振り返って生徒に向かって言った。まだ何かあるのだろうか?
「私に負けた罰として、購買部のゴミ箱のゴミを捨てておきなさい」
そういうと、お嬢は自分の教室に戻っていった。
物を大切にし、環境をきっちり整えてくれる。
お嬢は実に頼もしい存在だ。


今回出したカード。

【変質的粘着質 ヤマ・イーモ】
性別:男
所属:グリーン・エレクターLv1
ステータス:デュエリストLv-2
能力:
・「ヤマ・イーモ」と名がつくキャラクターは1ターンに何枚でも登場できる。
・場にある所属"グリーン・エレクター"のキャラクターの枚数により、このカードのステータスは上昇する。
・このキャラクターよりステータスが弱いキャラクターが場に存在するとき、このカードのステータスは上昇する。

【相対変態物質 ヤマ・イーモ】
性別:男
所属:グリーン・エレクターLv1
ステータス:デュエリストLv-3
能力:
・「ヤマ・イーモ」と名が付くキャラクターは1ターンに何枚でも登場できる。
・このキャラクターが登場できるターンは、場にあるキャラクターの枚数、所属に依存する。
・このキャラクターのステータスは、場にある所属"グリーン・エレクター"のキャラクターのステータス、枚数に依存する。

【黄昏の大賢者 シリー・ライス】
性別:男
所属:本気猫
ステータス:ゲーマーLv3
能力:
・このキャラクターは4回に1回、バトルでは退場しない。
・プレイスカードが場にあるとき、このキャラクターのステータスは上昇する。

【プレイヤーな店員 タマヒラー】
性別:男
所属:本気猫
ステータス:店員Lv4、デュエリストLv3
能力:
・このキャラクターが登場したとき、場に「本気猫の聖域」がある場合、所属"本気猫"のキャラクターを1枚手札から登場させても良い。
・自分の場にあるキャラクターが全て所属"本気猫"であれば、このキャラクターのステータスは上昇する。

【アーケードゲーマー コウ】
性別:男
所属:本気猫
ステータス:ゲーマーLv4
能力:
・バトルしている場所がゲームセンターであれば、このカードのステータスは上昇する。
・そのゲームセンター内に、特定のゲーム機があるなら、このカードのステータスはさらに上昇する。

【ロリコンハンター ロドロン】
性別:男
所属:グリーン・エレクター
ステータス:ロリコンLv2
能力:
・対戦相手の年齢が12歳以下の女性であれば、このキャラクターのステータスは上昇する。
・周囲に年齢が12歳以下の女性がいるならば、このキャラクターのステータスはその人数、年齢に応じてさらに上昇する。

【強運の引き手 ハオウ】
性別:男
所属:グリーン・エレクター
ステータス:デュエリストLv5、ゲーマーLv1
能力:
・このキャラクターが登場したとき、場にある他の所属"グリーン・エレクター"のキャラクター1枚につき、カードを1枚引く。
・プレイヤーの今日の運勢により、このキャラクターの効果で引くことが出来るカードは変動する。

【コンボの魔術師 サクラ】
性別:男
所属:グリーン・エレクター
ステータス:デュエリストLv3、ゲーマーLv2
能力:
・場にあるキャラクターに応じて、デッキから特定のカードを手札に加えることが出来る場合がある。
・バトルしている場所がカードショップである場合、このキャラクターのステータスは上昇する。

【トッププレイヤー ペケロッパー】
性別:男性
所属:(不明)
ステータス:デュエリストLv10
能力:
・プレイヤーの能力によっては、このカードをデッキに入れることが出来ない。
・バトルしている場所がカードゲーム大会の会場である場合、このキャラクターのステータスは上昇する。

【本気猫の聖域】(プレイスカード)
・自分の場にある所属"本気猫"のキャラクターのステータスは上昇する。
・バトルしている場所がカードショップの場合、所属"本気猫"のキャラクターのステータスはさらに上昇する。

【グリーン・エレクターの包囲】(プレイスカード)
・自分の場にある所属"グリーン・エレクター"のキャラクターのステータスは上昇する。
・バトルしている場所に家電製品が多くあるなら、所属"グリーン・エレクター"のキャラクターのステータスはさらに上昇する。

登録タグ: 小説  私立ToCaGe学園  美々原とりす 

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テーマ:小説投稿日時:2011/07/03 20:28
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