こんにちは。米原です。
大図書館の羊飼いが2013年1月25日(金)に発売されました。
26日の17時にはクリアしたのですが、やはり感想を書くには少し時間が必要。
やっと出来上がったので、ここで語らさせていただきたい。
・白崎 つぐみ
彼女の悩みというのは、『積極的な自分になれない』と言う事である。
おそらく、ではあるが、彼女の目標は真帆会長であり、コミック『大図書館の羊飼い the Little Lutra lutra』の冒頭の夢だろう。
大概の人はこれを望むだけで努力もしないのだろうが、つぐみは違った。
無茶苦茶な方法であるが、自分を変えていくためにどうしたいのかを考えたのである。
この時点で考えなくてはならないのは、これは完全に『自分で起こした行動』である。
羊飼いの力でもなく、筧や玉藻の力でもなく、自分で行動した。
この小さな小さな行動――まだ結果がどう出るかも良く分からない状態ではあるが、まずここに到達すること。
それが第一歩であり、大事なこと、さらに言えば、『まずはスタート地点に行け』というオーガスト様からのメッセージである。
つぐみはおしとやかな女の子だから、『羊飼いのおかげで図書部が成り立ったんだね』などとゲーム内で言っていたが、違う。
発展の過程で羊飼いが絡んだかもしれないが、行動を起こし、図書部の活動を始めたのはつぐみである。
このように、『自分を変えたければ、まず行動しろ!』という、明確なメッセージをオーガスト様は盛り込んでいる。
この部分だけでも、我々に大きな教訓を与えてくれている。
さて、この部は筧、玉藻、千莉、佳奈、一景の協力により、大きな発展を遂げる。
始めはごみ拾いだったが、そこでラブレターの落し物があり、そのカップルの恋を実らせる。
その後、体を張ったコスプレビラ配りを経て小さな依頼が少しずつ舞い込むようになり、物語は中盤へと移る。
『ミナフェス』の登場だ。
きっかけは、学園祭のステージに出られない弱小部の救援を求められたから。
この世は弱肉強食であるため、やはり人気のある部にステージを割り振られる。
本当に才能のある人間というのは、努力をすることによってどんどんと上に上がっていくのだろうが、『みんなで楽しく』のような部や、マイナーなジャンルの部というのは、そもそも発表の機械すら与えられず、腐りやすい。
それならばと始まったのが『ミナフェスの企画』である。
ここで少し考えてもらいたい。
『ミナフェス』の大変さだ。
生徒会主催の学園祭に匹敵する、とまでは言えないが、マイナージャンルの寄せ集めでは人気が出るとは思えない。
さらに、企画にひつようなもの――場所、初期予算、日程決め、など、どう考えても図書部の力を超えていた。
しかし、図書部結成時からありえないくらいの働きをしている玉藻の努力があり、この企画は大成功する。
その過程を話すのは簡単だが、ぜひ自身の目で見て欲しい。
さらに、『自分は同じことが出来るか』と言う事も考えて欲しい。
これはゲームである以上、どんなウルトラCも可能だ。
また、玉藻のようなスーパーウーマンを出すことにより、すぐに企画をまとめたことにする描写も可能である。
だが、実際は違う。
ただただ、『すごいなぁ』ではなく、『自分も同じようにやる!』という強い意志を持って欲しい。
知れこそが、オーガスト様からのメッセージであろう。
そして、最後の大きな活動が『花いっぱい活動』である。
都会的過ぎて自然の少ない汐美学園に花をたくさん植えて新入生を歓迎しようという考えである。
もともとは花が好きなつぐみの妹、さよりのためであり、学校見学に来た皇太子からの贈り物である花の種の処理方法であった。
学校中を巻き込んだ大規模な企画であるが、もう図書部はごみ拾いをしていたころとは違った。
助けた部活のメンバーが総出で図書部に協力をしてくれ、困難を乗り越えることが出来た。
まさに、つぐみの行動が花開いた瞬間だった。
このゲームはすごく長い。
だが、図書部の成立→確立→成功という3ステップが構成されており、どのステップにおいても無駄の無い描写がされている。
余りに長すぎるのはユーザーを疲れさせてしまうのだが、これだけ綺麗なつくりであるゲームであれば、それだけの価値があると思う。
つぐみの説明だけで原稿用紙4枚を必要としている。
先が長くなりそうだ。
・望月 真帆
玉藻のレビューを書こうと思ったら、なんだか引っかかるので考えてみた。
そうだ、真帆会長を書いていないからだ。
というわけで、真帆会長を書かせていただく。
オーガストのヒロインには、『完璧超人』が多い。
今回の玉藻の図書部における処理能力のように、ちょっと常人とはかけ離れた能力を発揮しているキャラクターがいる。
古くははにはにの保奈美、フィーナ、瑛里華ときて、前作の穢翼のユースティアでは、珍しく主人公のカイムかもしれない。
そんな伝統あるキャラクターに抜擢されたのは、真帆会長であろう。
支持率から見える圧倒的な能力だけでなく、自身の学園祭でのステージ演奏の説得方法、さらには紗弓実ルートの早押しクイズでの活躍からしても、本当に能力が高い。
京太郎とどちらの能力が高いのだろうか。
おそらく、運動などのトータル面で考えても真帆会長だろう。
彼女にかなう人など、いないのではないかとまで思う。
だが、そんな彼女にも弱点があった。
いや、弱点というより、光があれば影が出来るように、物理的に解決が不可能なレベルまで到達しているのかもしれない。
それは、『圧倒的能力があるがゆえ、どんなに頼られてもこなしてしまう。そして頼った人はその楽さを覚え、行動をしなくなる』という面だ。
つぐみルートで真帆会長が話していたように、生徒会に反対する人がいなくなっている。
ちょっと提案して受け入れられなければすぐにあきらめてしまう。
会長の能力が高すぎるがゆえ、大した問題が起こらずにそのまま。
何も変わらずに任期が終わってしまう。
それの繰り返しが汐美学園の現状である。
そんな状況で迎える真帆会長ルート。
分岐は、京太郎が皇太子の学校見学を判断する際に、つぐみ案を差し置いて真帆会長案に肩入れしたからである。
そこから真帆会長の機嫌は最高潮になり、さらには真帆会長の働きぶりを見た京太郎が彼女を支えたいと思ったからだ。
しかし、私は違う面があると思う。
最初は真帆会長がつぐみをバカにしていた、と言うと語弊があると思うが、『なぜ私ではなくつぐみを選ぶのか』と思っていたのは事実だと思う。
だが、図書部の成功を目の当たりにすることで、自分のダメな部分――いや、決してダメではないのだろうが、足りなかった部分を認めたからだろう。
『二院制』という言葉が本人から出てきたように、独裁を悪いとは思いつつも、能力のないものを切り捨てて、対当する組織の成立機会を与えなかった事実があるように思える。
下から這い上がってきた図書部を見て、本当にみんなの為とはなんなのかを反省した。
だからこそ、京太郎は真帆会長を認め、好きになったのだと思う。
以上から、完璧超人でありながらも、不可抗力な弱点を克服した真帆会長のルートは、我々にも思い上がりがないかという警告をオーガスト様は発してくれているのだ。
誰にでもある部分だと思う。
恥ずかしがらず、自分自身に問いかけ、受け入れてほしい。
私が個人的に大好きな真帆会長。
彼女自身にあこがれているのもその理由だ。
私も、学園祭ステージ演奏の説得時のCGのように、堂々とした大人になりたい。
以上、原稿用紙3枚程度での感想文。
個人的に好きなキャラでもあるせいか、ちょっと多く語りすぎたかもしれない。
そういえばHシーンのことを書いていないことを思い出した。
ここについては18禁にあたるので、後程全ヒロインをまとめて書きたいと思う。
・桜庭 玉藻
玉藻のキャラクターは、真帆会長が指摘していた通り、つぐみとは正反対である。
しっかりした考えを持ち、能力も高い。
そんな玉藻であるが、当然悩みがあった。
つぐみを愛することを通じて、自分に欠けているところを補う。
さらに言うと、頑張っている自分に酔い、すごいすごいと言ってもらわないと生きていけない。
今までは一番だったのに、京太郎や真帆会長と比べるとどうしても劣ってしまう。
上には上がいるのを目の当たりにしても挫けないのは凄いところだが、歯止めが利かなくなってしまう。
そんなちょっと意固地なところ、我々にもないだろうか。
玉藻ルートで玉藻の悩みが明らかになるにつれ、我々にオーガスト様が諭して下さっているような気がして仕方ない。
もちろん、このルートだけでなく、すべてのルートにおいて。
『自分を殺して人の為に』という行為は素晴らしいが、どんなことでもやりすぎれば害が出る。
にもかかわらず、さらに言えば分っているにもかかわらず止められないなんて言うのは、もはや病的である。
でも、この状態というのは誰にでも起こり得ることなのだ。
一生懸命さも大事であるが、限度は考えるべき。
当たり前だが出来ないのが人間である。
さて、そんな玉藻のエンドは、画家になることである。
もちろん、本人は誰もが知るような有名画家になるつもりは無いのだろう。
あくまで趣味の範囲で、という程度だと思う。
しかし、その才能はすばらしいようで、メキメキと伸ばしていると思う。
この先の未来はどうなるのか、非常に楽しみである。
こうなったのは『自分の人生を納得したい』という考えからだろう。
やれるだけやってみる――そんなカッコ良い人生を、我々は歩めなくなってきている。
世間には余裕が無く、失敗したら終わり。
『ゲームの中だから』と言われればそうかもしれないが、少しでも理想に近づけるようになりたいと思うのが人間だ。
そのきっかけを与えるのがゲームであっても、私は良いと思う。
少しでも玉藻のような生き方をすることが、我々ユーザーがオーガスト様にお返しできることの一つではないだろうか。
しかし、玉藻の能力はすごい。
図書部での活動はまさしくMVP級である。
玉藻、そして京太郎までいなくなってしまった図書部は、ガタガタだった。
つぐみの魅力を使って、手伝ってくれる人を探すことも出来たのかもしれない。
でも、そういうアイディアが図書部に浮かばなかったと言うことは、玉藻のいない図書部は、所詮そのレベルであったということだ。
それだけ、玉藻は必要とされているのである。
そういえば、一景の立ち位置が玉藻のお目付け役であったということは驚きだった。
お寺さんでも逆らえない(!?)のか、玉藻は相当両家の生まれであるのだろう。
……というより、玉藻は一景と会ったことは無いのだろうか。
まったく覚えていないようなので……。
少し設定的に問題があるようにも思えるが、まぁそのあたりは目をつぶろうとしよう。
そういえば、玉藻ほどの能力があっても1000番以内がやっとだという。
26クラスに650人で16,900人。
そのうちの1000番以内は上位約6%。
十分である。
ちなみに目標の500番は上位約3%以内。
すごい順位である。
その頂点が京太郎なのだが、ここまで主人公がすごすぎると、なんだか我々と違いすぎるがゆえ、次元の違う話のような気がしてきてしまう。
直樹はバカだったのに、達哉から利口になり、孝平君は生徒会に。
正確には、達哉は将来、月と地球の架け橋になる人材で、孝平は転校が難しいという修智館学園へ転入している。
次の主人公はどこまで天才になるのだろう。
最後に一つ。
おまけの鍋奉行のところだったと記憶しているが、玉藻は自然の中で育ったため、蛙や虫などが平気のようである。
なんだか中の人もそんな気がしてならなかった。
教訓 : 設定に迷ったら、中の人と同じにしてしまうのもアリ!
……嘘です。
さて、次は米原の絶対的な嫁、千莉ちゃん!だ
・御園 千莉
私は千莉が大好きである。
『ショートヘアーの女性が好きだから』という外見の面はかなりある。
だが、ゲームをやってもっともっと彼女を好きになった。
まず一つ、彼女は頭が良い。
そして、実は真面目である。
学校はサボっていても、自分で練習している。
基礎練習をみっちり行い、ジャズバーで練習、湖のほとりでの体力トレーニング。
水結もそうだが、口だけ、才能だけではないところが彼女の魅力の一つだ。
そして、『先生に教えることがない』といわれるまでの力。
玉藻がスーパーウーマン、真帆会長が完璧超人であるとすれば、千莉はやはり世界の歌姫だろう。
何も才能のない人間にとって、持って生まれた才能をフルに生かしているというのは、本当にうらやましい。
憧れ、そして恋心――
そんなものを千莉には持ってしまった。
そんな千莉のギャップがまた素晴らしい。
いたずら好きで、甘えんぼ。
『可愛い悪女』というべきなのか、はたまた『いたずら好きの天使』というべきなのか。
とにかく私のココロをくすぐってくるのである。
こんなプロットにしてくれたオーガスト様には、感謝してもしきれない。
そんな千莉のルートでは『歌が楽しめない』という千莉の悩みを解決することになる。
圧倒的すぎる力のせいで生まれる生徒の妬みと嫉妬、それと先生方の期待。
これらは、いくら世界の歌姫と言えど、まだまだ学生の身分からすれば耐え難いものである。
私が考えていたような千莉を商売道具とする醜い設定はなかったが、近いようなものは見られた。
しかし、京太郎を信頼し、悩みを打ち明けることで得られた答えは、この小さな歌姫を大きく成長させるのに最高の治療薬だったと思う。
このルートでは、千莉の悩みがただのワガママから来ているのではないところがまた素晴らしい。
水結との関係だ。
ただただ歌うのが好きだった少女時代、友達を蹴落としてまで勝ち残りたくないと思っていた優しい少女は、彼女なりの気遣いをした。
手を抜き、歌う。
それでも、圧倒的な歌唱力であったという。
手を抜かれた千莉にも負けた水結。
そして、音楽教室から姿を消した。
ただただ友達と楽しく歌いたかった千莉には耐えがたい事実だった。
本当は、音楽教室に通うのはお金がかかるため、プロになれないようでは通う必要がないと、水結自身が判断したからである。
水結がプロになりたかったのかは分からないが、上へ上へと登りたかった水結と、ただただ歌を楽しみたい千莉。
その結果が逆になってしまっただけである。
『才能のおかげ』と一言で片づけてしまうのはたやすい。
だが、その一言の力により、彼女が苦しんでいるのもまた事実である。
これはあくまで天才の話。
我々凡人には関係ないと思うかもしれない。
しかし、それこそが天才と凡人の差を生み出してしまう原因である。
なぜビジネス雑誌では成功談が書かれ、ゴシップ雑誌ではスキャンダルが書かれているのか。
もしこの答えがわからぬようであれば、あなたは所詮、そんなものなのである。
さて、こんな背景のもと、彼女は図書部にいた。
楽しんで歌いたい、昔のように――
その実現に力を貸したのが京太郎である。
出来るだけ千莉と一緒にいてあげ、悩みを聞く。
そこで出た仮説が、彼女にもわかっていなかった『歌うことにより、誰かと繋がること』
歌にとって友達の水結とつながっていたのだから、その時を取り戻したいのが彼女の望みである。
だが、それは図書部としての京太郎が動いていただけであり、京太郎自身が望んでやっているわけでないと彼女は思ってします。
それにより、さらに落ち込んでしまうのだ。
しかし、図書部の仲間、そして水結のおかげでこの誤解が解決され、ハッピーエンドとなった。
以上のように、このルートは千莉の悩み→手助け→落胆→解決という、文章政策の基本に中術であるとともに、悩み→手助けの主人公が京太郎、落胆→解決の主人公が水結となり、一粒で二度おいしいのである。
もちろん、美少女ゲームである以上、おいしいところは
さて、このルートでは千莉のエンディングソングをゲーム内で千莉が歌うことになる。
これを聞いたときはあまりにも上手だったので、Ceuiさんか誰かが歌っているのだと思った。
しかし、きちっと御園千莉(CV 丸井ことの)となっていた。
丸井さん本人が歌っていたことに、私は驚愕した。
いったいどのような人なのだろうか。
ぜひお会いしたいものである。
大図書館の羊飼いは、どのルートも私自身に当てはまる悩みや教えがあったと思う。
だが、このルートはそれだけではなく、憧れまで与えてくれた。
多少、自分の中で美化してしまっているのもあるのだろうが、本当に良いルートだったと思う。
ということで、千莉ちゃんは俺の嫁である! 異論など、あるわけなかろうが!!
俺は絶対に千莉ちゃんを幸せにする!!!!
おっと、気合を入れすぎて原稿用紙5枚分となってしまった。
やはり、千莉は素晴らしい。
そして、千莉のライバル水結。
このルートも良かった。
・芹沢 水結
つぐみのライバルが真帆会長ならば、千莉のライバルは水結であろう。
サクサクと終るこのルートは、あっさりしながらもファンとしてうれしくなっちゃう要素がたんまりだった。
声優との禁断の恋――この分野に身をおいた人間なら誰しも体験したいと思う出来事。
そんなストーリが、ここでは堪能できる。
今回は告白シーンも多く、なぜ京太郎はヒロインに惚れたか、なぜヒロインは京太郎に惚れたのかというのが比較的分かりやすい。
だが水結ルートではそれが見られなかった。
当然、京太郎が優しくしてくれたからそれに惚れた、というのが理由なのだが、ほかのルートと少し違うアプローチであったと感じた。
ただ、大図書館の羊飼いすべてにおいて『告白シーン』が明確にあり、見ているこっちまで恥ずかしくなってくる。
特に水結ルートではそれが顕著だ。
少し考えて欲しい。
もし、自分の好きな娘が学校の放送室をのっとって告白してきたら。
恥ずかしさ全開なのは間違いないが、そんな状態にあこがれるのではないか。
一生忘れられない告白。
以前、某日本人の女性フィギュアスケーターがペアの大会で滑り終えた瞬間告白されたことがあった。
私もそのシーンをテレビを通して視聴して、『いいなぁ』と本気で思った。
そんなカッコイイ男になるにはどうしたら良いのか。
あるいは、京太郎のように甘酸っぱい恋ができるのにはどうしたらよいか。
これは男性の永遠のテーマかもしれない。
その答えが、少しではあるがこのルートには隠されている。
やさしくすることも当然、相手を理解して思いやるも当然。
一番はガッつかないことかも知れない。
正確な答えは人それぞれ、十人十色なのだろうが、参考にしてカッコイイ男になりたい。
『所詮はゲームの世界』『声優さんとの恋なんてありえない』
そう思うのは簡単だろうが、それでは始める前にあきらめてしまうカッコワルイ男だ。
まずはトライをしてみることが大事だと思う。
もちろん、京太郎のような、しっかりと下地を持った男になってから、の話だが。
……ちなみに、であるが、別に私は声優さんとの恋だからあこがれているというわけではないのであしからず。
一応言っておかないと、なんだか問題が起きそうなので。
さて、今回の教訓に入る。
ほかのルートでも見られていたように、『努力』というのは欠かせないものである。
グダグダ不満を並べる前に、とにかくやる!
これが大事なのではないだろうか。
歌唱力で言えば水結より千莉の方が圧倒的に上だ。
だが、演技力やトークに関しては、水結の方が上なのだろう。
何を基準にするかによって、同じ『声』の仕事でも変わってくる。
きちっと狙いを定め努力をする。
これが成功の秘訣かもしれない。
仮に本当に才能が無くても、これだけで人間、ある程度のところまでいけると思う。
手前味噌であるが、私ももともと文章が下手だった。
作文も上手く書けなかった。
でも、オーガスト様のように少しでも情報を発信できるようになりたいと思って、日々書いてきた。
いまだに誤字脱字も多く、言い回しが変だったり、言葉の使い方が間違っていたりする。
それでも、とにかくやり続け、そして模範となるものを見続ける。
さすれば、そこから何かが得られるはずだ。
そして、元気娘の佳奈。
つぐみと玉藻が反対なら、千莉との反対はこっち。
・鈴木 佳奈
『元気な女の子』というのも、オーガストの伝統の一つであろうか。
初代元気娘のさっちゃん。
二代目はおてんばなレティか。
三代目は間違いなく茉莉。
四代目は翠
五代目は瑛里華?かなで?
無理矢理六代目を考えると、リシアだろう。
さて、ここから見えてくるのは、翠とかなでを除いて金髪だということ。
あと、ツインテールが多い。
『金髪ツインテ』というのは萌え属性の一つであり、人気なジャンルでもある。
今回はツインテールではないが、金髪の女の子。
まさしく、『オーガストに不可欠なキャラクター』の一人だろう。
この手の女の子はたいてい内面に何かを抱えているパターンが多い。
一番最近では ―Moonlight Cradle― に登場した翠。
元気で明るく、悩みなんかなさそうだが、クラリネットの演奏において暗い過去があった。
今回の佳奈も、同じように過去の暗い面からの解放がテーマになっている。
大図書館の羊飼いのプレイヤーの大半は男性である。
だから『あぁ、女性のいじめって陰湿だよね』なんて簡単に言えたもんじゃない。
あれは体感して初めてわかるものである。
だが、そういう世界があるのは知っているし、佳奈の過去を見て助けてやりたいと思っただろう。
そこがまさに狙いである。
今回の狙いは、我々も少なからず持っている、自らの暗い過去の解決はもちろんのこと、京太郎のように助ける側にも回ってほしいということだ。
京太郎だって決して順風満帆な人生だとは言えない。
親の顔色をうかがい、自分を出さない。
本という非現実の世界にハマり、そこへ逃げる。
そんな人間でも、佳奈を幸せにできた。
マイナスとマイナスがプラスになったのかどうか、そんなことはどうだっていい。
とにかく、どんな人でも人を救う力があるという照明が、このルートだ。
暗い過去の解決というのはほかのルートでも見られる。
各ヒロインには悩みがあって、それを京太郎と解決して幸せになるというのが、このゲームの大まかな内容である。
だが、このルートでは他と違い、『京太郎が佳奈を救った』というのがはっきり見える。
自分の個性を伸ばして学園を幸せにしたつぐみ。
絵画を通して自分を見つめなおした玉藻。
圧倒的な歌唱力を武器に成長した千莉。
佳奈ももちろん『文章能力』という分野において長所を発揮したが、他の三人はあくまで京太郎が『下から押して手伝った』のに対し、佳奈はどちらかというと『上から引っ張ってもらった』という言い方が出来る。
隠れた才能を引き出したのは、ほかならぬ京太郎である。
もちろん、本を沢山読むし、学年トップの成績を収める京太郎だからこんなことが出来たという考えもあるだろう。
でも、そう考えるのは逃げである。
確かに、佳奈と一緒に推古を重ねて台本を作るには相当の能力がいる。
でも、出来上がり品は一級品ではない。
つぐみのように、誰もがびっくりする改革なわけでもない。
玉藻のように、展覧会で賞を取るようなものでもない。
千莉のように、世界活躍できるようなものでもない。
演劇部の台本レベルにも達していないような代物であろう。
でも、皆が喜んでくれるものが出来上がったのは事実である。
こんなレベルでも、何かを達成した人は大きく成長するのである。
さっきから佳奈に対して失礼なことを書いているが、もう一度考えてほしい。
いつもカッコ良いことばかり考えていて、しかもそれが超理想論過ぎて、結局無理だとあきらめてやらずじまいになってしまっていないだろうか。
あるいは、保守的になりすぎて、トライもせずにあきらめていないだろうか。
高いレベルが実現出来なくても良い。
無理矢理プロを目指さなくても良い。
本当に低いレベルでよいからやってみてはいかがだろうか。
その積み重ねが、きっと我々を強くするだろう。
人間は考える葦である――
有名な言葉であるが、葦である我々は決して『弱く』ない。
どんなに風が吹いても折れることなく柔軟に受け流し、風が吹けば元通りになる。
そういう人間になってみないかというオーガスト様からのメッセージ。
佳奈ルートでそれを感じるだけでも、我々はまた成長するだろう。
さて、初回で攻略できる最後のヒロインに移ろう。
・嬉野 紗弓実
このルートはちょっとしたおまけととらえるのが面白いかもしれない。
ラブラブアタックをしてくれる真帆会長に、イチャラブ全開の水結。
さすればこのルートは、友達からの恋だろうか。
水結の時も書いたように、どうもサブヒロインの恋の理由はあまり明確でない。
そのなかでも、一番明確でないのは紗弓実だろう。
ゲームのトレーニングをしているうちに恋に落ちる???
なんだかよくわからない展開だ。
サブヒロイン三人の中で、紗弓実は特に何も考えず、純粋に楽しむのが一番だろう。
ギャグ満載のルートというのも、一つぐらいあっても良いと思う。
Hシーンだってお互いを挑発しながらの流れだし、恋仲になっても仲良し友達のような関係が続いているように見える。
自然なままの二人を見ているとなんだか和む。
それに、バレンタインはどうしろだ、誕生日はどうしろだ、クリスマスはどうしろだという、めんどくさそうな部分が一切見えなさそうなのも良い。
こういうちょっと不思議な女の子と一緒にいるのも悪くないだろう。
ベタベタじゃなく、仲良し夫婦。
これからの男女のスタンダードだったりして。
話は変わるが、私が心配するのは、八月信者のロリ票が一気にこちらに流れ、人気ナンバーワンになることだけ!
スタンダード票も割れるだろうし、麻衣の時に猛威を振るった妹票もない。
2位となったフィオネの抱き枕がいまだに出ないことを考えると、人気投票トップの超優遇はゆるぎないだろう。
ぜひぜひ千莉ちゃんがトップであってほしいが、無理だろうなぁ。
オーガストファンの中で、バトルゲームが好きな人はどれぐらいいるのだろうか。
そして、そんな女の子と仲良くなりたいのはどれぐらいなのだろうか。
多いにせよ少ないにせよ、こういう、自分たちに近い女の子と仲良くないたいという欲望はあるだろう。
そんな夢をちょっとでも見せてくれた紗弓実ルートに、乾杯!
ここからはTrueルートの紹介。
最後にしようと思ったけど、先にしよう。
・小太刀 凪
穢翼のユースティアという作品は、オーガストのファンには衝撃的だったと聞く。
オーガストと言えば明るい学園モノ!というイメージが強いせいだろう。
だが、私は穢翼のユースティアのような作品こそがオーガストの作品だと思っている。
これらを踏まえたうえで大図書館の羊飼いを見てほしい。
今回も明るい学園モノであるが、人間に潜む闇の部分が書かれている。
特に、京太郎と凪は人間に失望をしている。
これは、穢翼のユースティアと同じである。
人はなぜ不条理の世界で生きるのか――
答えのない答えを求めたのが穢翼のユースティアであれば、救いの立場から考えたのが大図書館の羊飼い、凪ルートである。
小さなきっかけが幸せを呼び、その人の能力が花開くという。
そういう存在にあこがれる……のだったらよかったのだが、凪は違った。
腐った人間になりたくないが故、こちらの道を求めた。
『人間が嫌だから人間にならずに羊飼いになる』
こんな理由で羊飼いになることを求めた凪。
だが、羊飼いになるにはすべてを捨て、人を救うことを淡々と続ける存在である。
嫌だとかなんだとかの感情ではなく、求められることをひたすら続ける。
そこを消しきれなかった凪は、人間を続けるしかなかった。
『羊飼い』についてだけでここまで深く考えられるのが今回のゲームの特徴である。
誰だって人間不信になったことぐらいあるだろう。
そして人を救うような人間になりたいと思うことがあっただろう。
だが、人を救うというのは自分の為ではなく、『人の為』である。
一切の無報酬、そして、感謝もされず。
それが羊飼いであり、もしかすると神なのかもしれない。
日本のことわざで『情けは人の為ならず』という言葉がある。
情けは巡り巡って自分の為になる、だから情けをかけるという意味だ。
しかし、ここではそれすらも否定しなくてはならない。
情けは人の為であり、自分に返ってこなくても書けるべきだ、と。
これが真実かどうかは分からない。
そもそも、人が情けをかける理由とはなんなのか。
この答えのない質問について考えるのも、良いかもしれない。
さて、仮に羊飼い=救いの神であったとしよう。
あるいは、神に近い存在だったとしよう。
でも、凪も京太郎も、神にはならなかった。
正確に言うと、凪は神になる資格を失い、京太郎は自らの意志でならず、両社とも人間として生きることになった。
そして、幸せになった。
『人間でいることの幸せ』これが凪ルート二つ目の疑問だろう。
穢翼のユースティアが不幸を書いたならば、大図書館の羊飼いは幸福を書いている。
好きな人といる幸せ、そして仲間といる幸せ。
今までが不幸だった分、小さな幸せがとてつもなく大きなものに感じる。
そんな体験を通し、凪は人間であることを決めた。
きっと、嫌なことも感じるだろう。
やっぱり羊飼いになれば良かったと後悔することもあるだろう。
でも、凪はきっと、この道を選んだのが正しいと思うだろう。
仮にどんな不幸がこの先あろうとも。
このルートは、おそらくオーガスト様が一番訴えたかったことだろう。
人は救うという立場に立ちたいと思う。
それは不純な動機であり、なるべきではない、と。
そして、人間でいることの幸せ、楽しみ、そして嫌な面を感じながら生きなさい、と。
いつ突然不幸になるかもわからない。
本当に、世界が穢翼のユースティアのようになるかもしれない。
それでも生き続けるのが我々の使命である。
暗さ、つらさ、その中でも生きようとする世界を描いた穢翼のユースティア。
明るさ、楽しさ、その中での生きる世界を描いた大図書館の羊飼い。
この両極端の作品は、実はコンセプトは同じかもしれない。
果たしてこの理解を何人のプレイヤーがしただろうか。
このレビューを見て、オーガスト様の考えをしっかりできる人が増えれば、幸いである。
穢翼のユースティアのように、つらさの中で幸せを感じられ。
大図書館の羊飼いのように、楽しさの中でも不幸を感じる。
人間というのは贅沢なものである。
でも、それらを克服して幸せをつかむのが、人間である。
そうなれるように、一緒に頑張ろうではないか。
さて、レビューラストは凪を除くヒロインのTrueルートである。
・Trueルート
このルートでは、つぐみ、玉藻、千莉、佳奈の4ルートが用意されている。
それぞれのゴールは違っても、ストーリーは似たようなものである。
学園を良くするためにはならず者を排除しようという副会長の考えが間違っているとは思えない。
だが、何の機会も与えず、あるいは救おうともせずに排除するのはどうなのだろうか。
特に、運動や芸術はケガをしたら終わりとなる場合も多い。
それを覚悟の上でやるのが普通だという意見もあるだろう。
だが、それを支えるのも、情けの一つではないだろうか。
一景を救うべく、生徒会長を目指す、つぐみたち率いる図書部。
学園祭の人気投票で敗北するものの、そのインパクトは大きかった。
次第に強みを増していく図書部。
しかし、副会長から邪魔が入り、気を落とす。
それでも、会長の陰の助けもあり、さらには羊飼い見習いの凪の力も使って復帰する。
こうなった勢いは止まらず、ついに選挙戦に勝利する。
Trueルートの前半部だけで見ても非常に興味深いシナリオだ。
能力のない人を切るというのは、弱肉強食の社会で誤っているとは言えない。
だが、その考えだけでは世の中通用しない。
これも答えが出ない疑問だが、考えることによって我々は成長するだろう。
つぐみの考え、そして葵の考え。
両者の考えを比較して、両者とも理解することが出来れば、我々は成長する。
答えなど、その時々によって違う。
だからこそ我々は学ぶのだ!
その最適な教科書は、このゲーム、いや、オーガスト作品だと私は思っている。
さて、その後の京太郎は少し変わってくる。
ナナイという羊飼いを、自分の父親かもしれないと感づくからだ。
少しずつ、羊飼いの魅力にはまっていく京太郎。
人を救うべく、そちらの道に歩もうとする。
だが、そんな道から引き戻してくれるのが、それぞれのヒロインである。
このゲームの世界では、人は羊飼いになれる。
もちろんそれには一定の条件が必要だが。
そして、羊飼い=救いの神だとする。
さすれば、人は神になれる。
だが、このゲーム内ではだれも神にならなかった。
一番近い存在だと言われた京太郎ですら。
理由は明白である。
『人間は人間であるべき』というライターの思いが込められているからだ。
私は、京太郎が羊飼いになるルートを見てみたい。
それも一つの勉強になるからだ。
自分を殺し、真に人の為になる事をするとどうなるのか。
すごく気になる。
しかし、このゲームではそれがなかった。
そう、オーガストはそれを良しと思っていないからだ。
今が幸せなのにもかかわらず、それを本当に捨てるべきか。
そして、ナナイのように、すべてを捨ててまで神になるべきなのか。
残された者の思いを考えたことがあるのか――
そんな理由から、ルートを作らなかったのだろう。
『幸せとは何か』というのが凪を含むTrueルートの問だと私は思う。
そんな答えのないものに挑む。
今回もオーガストは我々に一つの生き方を見せてくれた。
そんなオーガストに、感謝!!
最後にHシーンとまとめを書いて、終了とする!
・Hシーン
今回は、つぐみ4回、玉藻4回、千莉4.5回、佳奈4.5回、凪3回、真帆1回、水結1回、紗弓実1回と、合計23回のHシーンが楽しめる。
(千莉&佳奈の3Pがあるので、各ヒロインに0.5を追加した)
どのシーンもいつも通り過激的でクラクラしてしまう。
今回興奮したのは、局部の拡大と、挿入から射精までの音だ。
本当にHをしているような感覚に陥ってしまう。
ただ、フェラで出した後に挿入までなら許せるが、それ以上の回数のHは非現実的なのでちょっと勘弁してほしい。
最初の射精でむちゃくちゃ出てしまい、2回目はあまり出ないのが普通。
3回以上なんて、厳しすぎますわ。
え、そんなな発言は年寄りだって?
う る さ い !
今回はどのキャラもかわいく、みんなストライクゾーン。
それゆえ、ものすごく興奮したのに、それに音が加わる。
そしてHの体型が素晴らしすぎる。
大好きな千莉のHシーンを除いたとすると、興奮したのは玉藻の手首を縛りつけてのHと、真帆会長とのH。
向かい合って愛を語り合えるのは非常に興奮する。
水結も良かったし、つぐみも、凪も、佳奈も、紗弓実も、みんなよかった!
あと、玉藻の水着姿は興奮だ。
きれいな黒髪をほどいた姿は、刺激的すぎ!
エロもシリアスも両方含め、我々ユーザーを感激してくれるオーガスト。
これからもついていきたい。
今までの中で最高のゲーム。
次回はどのように進化するのか、本当に楽しみである!
・まとめ
今回のテーマを一言で表すと、『心の闇の解放』だろうか。
各自、毎日を楽しく生きているにもかかわらず、心に闇を持っていた。
これは、我々にとっても同じだろう。
これを『こんなのは大した悩みではない。幸せボケだ!』などというのは間違いである。
幸せであるから生まれる悩みがある。
『幸せだから悩むなんて贅沢』というのはたやすい。
だが、それに悩まされている日本人がどれほど多いことか。
人間の欲望は果てしない。
だからこそ人類は発展してきた。
今の我々の生活があるのは、人間の欲望のおかげだ。
だが、その欲望は時として人間自身に襲い掛かる。
それをコントロールする為の方法の一つ。
それがこのゲームの中にあると思っている。
自分が劣っていると思ってもそれを恥じず、努力してみる。
自分が決めた道を信じて進んでみる。
自分の才能を人の為に使ってみる。
自分の感情を殺すのをやめ、時に泣いて、時に笑ってみる。
自分の周りの人間社会に絶望しても、逃げないで這い上がってみる。。
自分に能力があっても人の良さを理解し、成長する。
自分が持つ不安や悩みを相談し、時には人を頼ってみる。
自分らしく、そして堅苦しいことなしに、人と一緒に過ごしてみる。
そして。
自分の生きる理由はなんなのか、誰に支えられているのか、それを考えてみる。
オーガスト9回目の製品に込められた、9個の想い。
9通りの『心の解放』を参考にして、自らの人生を変えてほしい。
きっとオーガストが救ってくれるだろう。
いつか私もこういうことが出来るように――
今日という日を生きてみよう。
以上、オーガスト様が2013年1月25日(金)に発売された『大図書館の羊飼い』の詳細レビューでした。
仮にここまでのことを感じ取れなくても、あなたの中にちゃんと入りこんでいます。
この9つのメッセージが、いつかきっと役立つようになるその日まで。
あなたの胸に秘めていてほしいと思う。
米原 伊吹
登録タグ: オーガスト 大図書館の羊飼い レビュー 感想 詳細分析 オーガストはナンバーワン これは間違いない ここまで人を感動させられる それがオーガストの姿だ! ぜひともプレイを!
テーマ: | 投稿日時:2013/01/30 16:35 | |
TCGカテゴリ: ChaosTCG | ||
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