こんにちは。米原です。
今日は少し経営のお話をさせていただきます。
独断と偏見が随分と入っていますが、お酒でも飲みながら、読んでください。←ここ、結構重要だったりします。
カードゲームの中の美少女達~ChaosTCG VS ファンタズマゴリア~
~美少女ゲーム業界の現状~
「オタク業界は不況知らず」
そんな声を聴くことが多い。
確かに、そうかもしれない。
しかし、その中身は、固定ファンがお金を出し続けているに過ぎない。
「不況を知らない」のではなく、今以上にも今未満にもならない、そんな業界が、オタク業界である。
その中の「美少女ゲーム業界」というのは、より顕著である。
特に、アダルトゲーム。
若者の減少により、今後爆発的に増えることはないだろうが、今の支持基盤が失われることは、まずない。
40過ぎた、いいオッサンがいまだにガンダムを追いかけているのを見ると、そうそう、この業界のファンが逃げることはないと思われる。
さらに、アダルトゲームのプレイヤーは18歳以上。
ほとんどの人間が働いている。
(学生はバイトをしているので、労働者扱い)
給料の少ない世の中であるが、その中から毎月1~2万円くらいは出せる程度の財力がある。
そこを狙うのは、ビジネスとして当然である。
~美少女ゲーマーが求めるものとは?~
美少女ゲーマーは、一つのゲームをプレイし終わるとやるのが、それをネタにした、仲間との会話である。
あのシーンがよかっただの、このシーンが泣けたのだの、作品の批評をし合う。
しかし、それにも飽きが来る。
次のゲームが出るまでに求めるもの、それが、グッズである。
~世にも恐ろしいグッズの中身~
美少女ゲームユーザー向けのグッズは、ゲーマーズをはじめとするアニメショップで手に入る。
実はこのグッズ、量産品である割に、高い。
結構ぼれる。
もちろん、それぞれのキャラの顔が違うため、多少の手間賃はかかっているが、正直、オーガストのメダルキーホルダーも、Keyのメダルキーホルダーも、ほとんど同じである。
各メーカーの版権を買い、それらをまとめて業者に発注するため、結構量産できるくせに、高く売る。
700円とか、1000円のキーホルダーとか、誰が買うんだと思うが、買う人は買う。
ちなみに、値下げしても、買わない人は買わない。
よって、こんな値段設定になってしまう。
そんなグッズのうちの一つが、カードゲームである。
~カードゲームのメリットとは?~
カードゲームのメリットとは、「使える」点である。
正直、会社のカバンに、オーガストのメダルキーホルダーをつけるとか、さすがの米原もできない。
自社内なら何を言われても無視できるが、顧客に言われることを考えると、なかなか。
また、恥ずかしくて使えない人、もったいなくて使えない人も多い。
(一度出たグッズが再生産されることは少なく、傷ついたりしても新品を再入手できないことが多い)
だが、カードゲームは、「使える」
使うのは仲間内だけだから、恥ずかしくもない。
それに、もともと「使う」ことを目的として作られているのだから、使いやすい。
さらに、結構新品が手に入る。
(いまだに、Chaosのオーガスト1.00が売ってたりする)
よって、ファンとしても、買いやすい。
しかも、1パックが安い。
キーホルダーと比べると、半額以下である。
~カードゲームのデメリットとは?~
カードゲームのデメリットは「勝負」を行う点である。
つまり、勝てなきゃ面白くない。
上手い、下手だけであれば、まだ納得できるが、「使いたいのにカードが弱いため、使えない」では、ユーザーは納得してくれない。
だが、経営上、出たばかりのカードは強く、発売して年月の立っているカードは弱くする必要がある。
それを解決したのが、ChaosTCGのOSシステムである。
~許せる範囲でのカードの強弱を確立できたChaosTCG~
ChaosTCGでは、OSの縛りがある「ネオスタンダード」という形式がある。
「OSオーガスト」であれば、当然、オーガストしか使えない。
これにより、ある会社や、ある作品のみが好きな人でも、参加をしやすい環境を整えた。
また、ユーザーがグッズとして扱うこともできるようになったため、カードが弱くなっても、ゴミ扱いしなくなった。
(使えないカードであっても、とりあえずコレクションとして持っているようになる)
確かに、「好きなキャラが弱くて使えない」という状態を克服はできていないが、会社や作品内という、まだ許せる範囲での強弱であるため、ユーザーも納得できるレベルだろう。
また、カードに表示されている絵柄は、すべて原画である。
これも、美少女ゲームユーザーには、うまくアピール出来る材料となった。
~まさに美少女ゲーム界最強のTCGであるはずが……~
第一弾としてニトロプラスとアクアプラスを採用したChaosTCG。
両ブランドとも、美少女ゲーム業界では歴史があり、人気がある。
最初の選択としては、かなり良い選択であったと思う。
しかし、その次に採用したOSは、アニメのストライクウィッチーズと、美少女ゲームの恋姫夢想であった。
その後、美少女ゲームのオーガスト、アニメのクイーンズブレイド、美少女ゲームのNavel、アニメ(というより、漫画が原作の)一騎当千……と続いた。
ここで注目したいのが、アニメ原作のストライクウィッチーズとクイーンズブレイ」、一騎当千が採用されている点である。
これらのアニメは、視聴者が比較的年齢が高く、美少女ゲームユーザーと年齢がかぶっていたので、あまり問題とならなかったが、ChaosTCGの発売元、ブシロードの持つ「ヴァイスシュヴァルツ」との区別が、だんだんしづらくなってしまった。
特に決定打となったのは、ライトノベル原作の「生徒会の一存」の採用である。
その後、「ビジュアルアーツ」、「アージュ」、「グリザイアの果実」と、美少女ゲームが続いたが、「そらのおとしもの」が採用される。
さらに、「バカとテストと召喚獣」も採用され、現在、「ゆるゆり♪♪」が採用される予定である。
もはやChaosTCGとはなんなのか?
ヴァイスシュヴァルツとはどう違うのか。
さらに言うと、プレシャスメモリーズとはどう違うのか。
だんだんわからなくなっていった。
(「ゆるゆり♪♪」はプレメモだろ、百歩譲ってヴァイスだ)
~ChaosTCGとはなんなのか?そこに付け入ったシルバーブリッツ~
ChaosTCGはもともと、ヴァイスシュバルツの亜種であった。
(語弊は多そうだが、あえて「亜種」と言わさせてもらう)
ハルヒなどの版権を持つ会社が「アダルトゲームは入れないでほしい」と言った為に出来たのが、ChaosTCGらしい。
よって、エロ主体(湯気などにより、局部が隠れているアニメ含む)のものは、すべてChaosTCGに採用された。
まぁ、「ChaosTCG=エロ主体で、アニメ化されたブランドを採用したカードゲーム」がベースだ。
(だが、正直、そうでないものもちらほら見える)
ここでわかるのは、純粋な美少女ゲームではない点。
ここに活路を見いだせれば、ブシロードが獲得したライトユーザーに振り向いてもらえると、シルバーブリッツは考えたのだ。
~シルバーブリッツの本領発揮、だが……~
すでにLyceeを持っているシルバーブリッツは、Lyceeで獲得したコネクションを使い、美少女ゲームのみを集めたカードゲームを、再度作った。
それがファンタズマゴリアである。
採用される作品は、すべて美少女ゲーム。
しかも、発売後5年以内の作品がほとんど。
記憶に新しく、まぁまぁ売れていて、比較的人気の高い作品ばかり。
ゲームブランドとしても、お金をもらったうえでテコ入れしてもらえるとあれば、喜んで採用してもらう。
こうして、2011年11月、ファンタズマゴリアを世に送り出した。
原画を採用し、「エース」という「嫁」システムを採用。
さらに、原画家のサインも収録。
遊び方も、リーフファイトをベースにしてあるため、古参のカードゲームユーザーも参加しやすい。
また、新しく始める人にも、比較的わかりやすくなっている。
死角はないかと思われたが、一つだけ問題があった。
それは、販売方法。
4つ(Ver7.0は5つ)のゲームをひとまとめにして、パックで売る。
これは、Lyceeよりもひどい。
「好きなカードがほしければ、シングルでどうぞ」と言っているようなものだ。
また、Ver1.0では217枚ものカードを収録。
(8/31発売6.0でも168枚)
いくら何でも、多すぎる。
それに、1年でver6.0まで売るのは、早すぎる。
ChaosTCGも1年で8種類(正確には8OS)売ったが、同時発売があるため、実質はもっと少ない。
さらに言うと、ファンタズマゴリアは24種類もの作品を、すでに出している。
ChaosTCGも作品種別では多いが、当時の売り方は、あくまでOS。
Verごとに売っているにもかかわらず、アピールしたのが「作品」であるファンタズマゴリアとは違う。
Lyceeと客層がかぶるのにもかかわらず、このスピードで売り続けるのは、ユーザーにも販売店にも、負担が大きい。
相乗効果を狙ったのかもしれないが、結果として、良くなかったと思う。
ユーザーがかぶりつつも、客層としては少し違うChaosTCGとヴァイスシュバルツと違うことを、シルバーブリッツは分かっていたのだろうか。
(ChaosTCGは18禁ゲームが多く採用されているので、ユーザーは成人が多く、ヴァイスシュバルツは中学生や高校生が多い)
おかげで、美少女カードゲームのNo.1はヴァイスシュバルツであり、会社の規模の差で2位がChaosTCGだ。
(カードゲームショップが販売するスペースの差で決めました)
~姿勢は崩していないため、今がチャンス~
これだけの問題点があるファンタズマゴリアだが、実はそこまで悪い状況だとは思えない。
まずは、「美少女ゲーム」のカードという点を崩していないところ。
ChaosTCGは「エロ主体で、アニメ化されたブランドを採用したカードゲーム」であるため、最近のプレシャスメモリーズとかぶる。
(「ましろ色シンフォニー」、「恋と選挙とチョコレート」がChaosTCGにならなかったのは痛い)
反して、ファンタズマゴリアは、Lyceeで培ったコネクションがあり、取りこぼしが少ない。
(もう売りたくないと思っているはずの、オーガストの「夜明け前より瑠璃色な-Moonlight Crade-」を引っ張ってこれたのは、過去の付き合いがあるからだろう)
ここは、大きなアドバンテージだ。
Lyceeとの区別がしっかりとできれば、これからも伸びる可能性がある。
11月で、丸1年。
トライアルから含めれば、すでに1年がたっている。
もう一度、ユーザー(特にver1.0のユーザー)を引き連れてくれば、もっと伸びるだろう。
長いこと販売してきたLyceeを捨てたくはないだろうが、少しずつファンタズマゴリアに力を入れていけば、ユーザーは増えるはずだ。
まずはコレクション目当てでよいから買ってもらい、次に使ってもらう。
そういう地道な努力をしていけば、おのずとユーザーは増えていくと思う。
ライトユーザーを狙ったのは間違いではない。
ChaosTCGの全国大会と夏コミが終わった今、秋ドリパ、冬コミへ向けてうまくアピールをすれば、ユーザーが振り向いてくれるだろう。
そのためにもまず、ファンタズマゴリアを知ってもらい、買ってもらうところから始めるべき。
Verごとの作品を減らしてカードの種類も減らす。
その分、作品ごとのカードの種類を多くし、作品単を組みやすくする。
そういう努力をしていけば、まだまだ伸びるカードゲームだといえるだろう。
そうして2年目の飛躍が実現することを望む。
米原 伊吹
とまぁ、一気に書いてみました。
ただの評論。
しかも、根拠のない。
でも、当たらずとも遠からず、かな?
まぁChaosTCGへの不満とファンタズマゴリアへの不満。
それと両者のメリットデメリット。
両者に臨むことetcを書いたまでです。
どの辺が経営なのかというと、このクソ狭い「美少女ゲーム」という業界で、食い合うのはアホ。
共存することが大事というのがまず1点。
そこがうまいのはブシロード。
すでにLyceeがあったにもかかわらず、アニメを混ぜることにより、美少女ゲームのカードを扱うプレイヤーから人口を強奪、あるいは新規に開拓。
それが現在のヴァイスシュバルツ、ChaosTCGへとつながっているのだと思います。
LyceeプレイヤーからChaosTCGになり、そのままヴァンガードとかに走った米原の友人、結構多いです。
それだけ、ブシロードはビジネス上手だと思います。
でも、強みは弱みにもなりえる。
ヴァイスに参加する作品、ChaosTCGに参加する作品の定義があいまいになってきたうえ、カードプールのマンネリ化も手伝い、少し人口が減っているのではないかと思います。
ChaosTCGそのものが好きな人も比較的多いですが、ライトユーザーは自分の好きな作品以外、見向きもしない。
さらに、ChaosTCG=美少女ゲームとしてみてしまうと、まったくもって美少女ゲームじゃない「ゆるゆり♪♪」とか見せられると、どうしても「エッ」て思う。
(すでに書いた通り、本当はChaosTCG=エロ主体でアニメ化されたブランドを採用したカードゲーム)
その点、ファンタズマゴリア=美少女ゲームなので、知っている作品が多い。
これは「美少女ゲームユーザー」に確実にアピールできるポイントです。
(オタクはジャンルを兼ねている人も多いですが、あまりの広さに、絞っている人も、多いのです)
その点、軸がぶれないシルバーブリッツの方針は、経営の観点から見ても評価できます。
いくら絞っても、同ジャンルの作品は気になります。
「あの作品やったから、ちょっとカードプールでも見てみるか」と思わせたら勝ちです。
また、ファンタズマゴリアは、サインを声優ではなくて、原画にしたのも正解。
この方が、承諾をいただきやすいからです。
経営方針次第では、今後一気に伸びそうな、シルバーブリッツ。
実は、結構期待しています。
あ、決してオーガスト単が組みたいから言っているわけじゃありませんよ。
ただ、機会損失を見直せば、もっと伸びるかと思っています。
固定ファンからどれだけ、「気持ちよく」お金を払ってもらえるか。
そこに気が付けば、一気に変わると思います。
さて、今後どうなるか、見ものです。
そんな大人の話でした。(18禁美少女ゲームだけに)
米原
登録タグ: ChaosTCG ファンタズマゴリア ブシロード シルバーブリッツ オーガスト 美少女ゲームの勝負 かと思ったら、実は違う 果たして、ファンタの2年目は? 武士の戦略? 汁鰤の戦略は?
テーマ: | 投稿日時:2012/08/21 15:34 | |
TCGカテゴリ: ChaosTCG ファンタズマゴリア | ||
表示範囲:全体 | ||
前のブログへ | 2012年08月のブログ一覧へ ブログ一覧へ |
次のブログへ |