こんにちは。米原です。
昨日は書けなかったので、今日は書くぞと思いつつ……。
はて、何を書こう。
依頼を受けているもの。
・陽菜(18禁) : tocageに上げられないので、却下。(米原のSSサイトのみ掲載予定)
・ラヴィ(18禁) : tocageに上げられないので、却下。(米原のSSサイトのみ掲載予定)
・菜月 : チッ、チッ、チッ、チーン!大まかな内容は浮かぶものの、ラストシーンが浮かばず、後回し。
・リース : チッ、チッ、チッ、チーン!苦難の末浮かんだので、採用!
てなわけで、リースです。
Here we go!
夜明け前より瑠璃色な リースリット・ノエル SS 二人の使命
ざあぁぁぁ……
今日も満弦ヶ崎は雨だった。
天気予報は、今期の梅雨、最後の大雨だとい言う。
もう三日三晩降り続いているこの雨。
いい加減、そろそろやんで欲しいものである。
「明日にはやむって天気予報で言っていたけど、本当かなぁ」
「うーん、こればっかりはねぇ」
「洗濯物が乾かなくって、困っちゃうよ……」
「ま、こればっかりはしょうがないよ」
「そうだね。早くやむことを祈るだけだ」
「さて、麻衣。俺はそろそろ寝るよ」
「うん、おやすみ。お兄ちゃん。私も、ふぁ~あ……寝ます」
「おやすみ~」
自室に戻り、寝る準備をする。
コツ……
「ん?」
何か音がしたような……。
コツ……
窓から音がする。
カーテンをちょこっとだけ開け、恐る恐る窓の外を覗く。
「達哉……」
「リ……いや、フィアッカさん?」
「リースが風邪ひいて、もたなくなってしまった。私も疲れ果てた。後は頼む……」
「え、フィ、フィアッカさん?」
そのまま倒れこんでしまった。
リースを部屋の中に入れる。
冷たい体。
そして、雨でびしょびしょだ。
「おい、リース。しっかりしろ!」
「……」
返事が無い。
「とりあえず、体を拭こう」
バスタオルを取り出して、リースの髪を拭く。
腕……。
脚……。
「……」
残ったのは同体の部分。
服を脱がさなくては、拭けない。
「……」
それよりも何よりも、濡れた服のまでは、体に良くない。
「麻衣か姉さんに……」
そう思って、部屋を飛び出そうとする。
「タツヤ……タスケテ……」
うなされているのか、意識が戻ったのか。
一刻も早く、体を温めてやらないと、まずい。
「……くそっ!」
決して下心があってリースを脱がせるわけではないと自分に言い聞かせる。
そして、リースの服を全部脱がして、体を拭いた。
「……ふう」
とりあえず、リースには適当に服を着させた。
今、リースは俺のベッドで寝ている。
服は洗濯物干しにかけ、除湿機のそばに置く。
なかなか厚手の服ではあるが、何とか朝までに乾くだろう。
「ん……」
毛布が暖かく、気持ちが良いのか、リースの表情は穏やかになっていった。
「疲れちゃったんだな」
俺はリースの頭をなでてあげた。
電気を消し、ベッドに横たわる。
まだ冷たいリースの体を温めるべく、リースを背中から抱きしめるような格好をとる。
「暖かいか、リース?」
「すぅ……」
「苦しかったら言えよ」
「すぅ……」
「お帰り、リース」
「すぅ……」
寝ているリースに何をささやいても返事があるわけないのだが、思わず話しかけてしまう。
俺が愛する唯一の人。
普段一緒にいられないのだから、こういうときだけは、一秒でも長く、少しでも近くにいたい。
「リース、お休みな」
「ん……」
俺は眠りに落ちた。
ピリリリリッ!ピリリリリッ!
普段よりも少し早く、目覚ましがなる。
リースの服を、麻衣や姉さんが気がつく前に回収したかったからだ。
目覚ましを止め、ベッドから出る!
「くしゅんっ!」
リースがくしゃみをする。
「……ん?」
目覚めたようだ。
「おはよう、リース」
「……タツヤ?」
リースは、自分がなぜここにいるのかが、わかっていないようだった。
「昨晩、リースはずぶ濡れになりながら、家に着たんだ」
「……助けてくれたの?」
「あぁ。と言っても、体を拭いて、服を変えてあげただけだけど」
「……ありがと」
リースは少し恥ずかしいのか、毛布で少しだけ顔を隠す。
「でもタツヤ、私の裸見た」
「ごめんごめん、服を脱がさないわけにはいかなくて」
「……悪くない」
リースはそのまま、毛布にもぐりこんでしまった。
俺は、干しっぱなしのリースの服をとりにいくことにした。
Another view リースリット・ノエル
「……」
毛布の中で思う。
「またタツヤに、裸見られた……」
今回、不可抗力なのはわかっている。
そうでもしなければ、命すら危なかったかもしれない。
でも、恥ずかしさは残る。
「タツヤに……抱っこされた……」
もっと恥ずかしいのは、達哉に頼りきりになった自分自身。
ここまで来た記憶は無い。
でも、意識を失う直前、達哉なら何とかしてくる、達哉に会いたいと、ずっと思っていた。
きっと、その執念が、自分の体をここまで運んだんだろう。
しかも、願いが叶っただけでなく、達哉に甘えさせてもらった。
以前も、座っている達哉の上に座り、抱かれながら寝てしまったのを思い出す。
結構ああいう風にされるのは……、好きだ。
「タツヤのニオイ……」
達哉は、毎日ここで寝ているのだから、達哉のニオイがするのは当然。
服も、達哉のが着せられている。
「達哉を……感じる……」
今自分は、幸せだと感じた。
「お待たせ、リース」
達哉が、戻ってきた。
Another view リースリット・ノエル End
「服、乾いていたみたいだから、着替える?」
「うん」
そういうと、リースはベッドから出てきた。
「じゃぁ、服はここにおいてお……」
リースはすでに、裸になっていた。
「リ、リース?」
「すでに何度も見られてる」
「そ、そういう問題ではなくて……」
「タツヤ、昨晩も見てる」
「だ、だから……」
「ワタシは、タツヤならかまわない……」
リースはそれだけ言うと、服を着た。
リースの大胆な行動にずいぶんと困ってしまったが、服を着てくれた以上、気にする必要は無くなった。
「朝食だけ食べていく?」
「うん……」
「じゃ、麻衣に頼んでおくよ」
「お願い」
「じゃ、行こうか」
リースをつれて、リビングへと降りていく。
そろそろ、みんな起きてくるころだろう。
リビングに着く頃には、二階から音が聞こえて来るようになった。
「おはよう、お兄ちゃん……ってリースちゃん?」
「ん~、達哉君、麻衣ちゃん、おはよう……あら、リースちゃん?」
いつもはお茶を飲まないと目覚めない姉さんが、シャキッとなった。
「あらあら、どうしたのリースちゃん?」
ご機嫌な姉さん。
「雨が続いていたから、雨宿りに来た」
「あら~。いらっしゃい、リースちゃん。ここはあなたのお家だから、いつでも来ていいのよ~。なでなで~」
いつもは嫌がるリースだが、今日はおとなしい。
「……おなかすいた」
「あ、すぐ作るから、待っててね」
麻衣は、超特急で朝食の支度をした。
「いただきます」
「いただきます」
「いただきます」
「……いただきます」
フィーナとミアがいなくなって以降、ずっと三人だったこの食卓。
やっぱり、ご飯はみんなで食べるのがおいしく感じられる。
「リースちゃん。おいしい?」
「普通」
「あ、あはははは……。やっぱり」
どうやら、リースには『普通』と『悪くない』と『まずい』しかないようだ。
「ごちそうさま」
一番に食べ終わるリース。
「サラダ、もう少しあるけど、リースちゃん食べる?」
「……いただく」
よっぽどおなかがすいていたのだろうか。
今まで見たことの無い食べっぷりだった。
「ごちそうさま」
「お粗末さまでした」
「帰る」
「え、もう少しゆっくりしていったら?」
麻衣の提案に、リースは首を振る。
「ワタシにはやらなくてはならないことがある。身が滅ぶまで、ずっと。ここに長居は出来ない」
「そう……でも、いつでも帰って来ていいのよ、リースちゃん。ここは、あなたの居場所なのだから」
「……ありがとう」
リースは背を向けていたので、良く見えなかったが、なんとなく、顔が赤かったように見えた。
リースを見送りに、玄関まで行く。
「また来いよ、リース」
「あまり人に頼ってはいけない」
「そういう硬いことは抜きに、な」
「……悪くない夜だった。ありがとう、タツヤ」
そういうと、リースは外へと出て行った。
リースが開けたドアから、日の光が玄関に差し込む。
4日ぶりに見た、太陽。
朝の日差しのまぶしさに目がくらんだ瞬間、リースは、消えてしまった。
ロストテクノロジーを使ったのだろう。
「また……な」
見えないリースに、声をかける。
「行っちゃったの?」
麻衣が顔を出す。
「あぁ」
「また来てくれるかな?」
「さぁ」
気まぐれなリース。
次来るという保証は無い。
でも俺は、いつリースが来ても良いように。
また、いつリースが頼ってきても良いように。
この家で、リースを待ち続ける。
太陽のように、リースを見守れなくても。
太陽のように、リースを照らせなくても。
俺は、リースの支えになる。
そんな使命感を、俺は感じた。
「さ、学校に行こう、麻衣」
「うん!」
次の使命が果たせるその日まで。
俺は待ち続ける。
愛する人のために。
夜明け前より瑠璃色な リースリット・ノエル SS 二人の使命 End
いかがだったでしょうか。
リースは扱いが難しいなぁ。
どうしても、こういうシナリオになってしまう……。
リースが裸になると言う表現は、あまりよろしくないかもしれないけど、いやらし1さを抑えて書いたので、問題ないでしょう。
絵もないし、18禁にゃ、ならんだろ。
あっ、絵は脳内補完してくださいね。
それか、自分で描きやがれ!←え?
リースも人間。
たまには、人に甘えたくなるかと思います。
そういうときに、頼れる人がいるって良いなぁ。
俺も欲しい……。
とりあえず、リースファン!感想求む!!
米原
登録タグ: オーガスト 夜明け前より瑠璃色な リースリット・ノエル tocageにSSシリーズ お楽しみあれ 今回、萌えは無し! たまにはシリアス路線で リースらしさのあるシナリオ 果たして、受け入れられるか コメ、求む!
テーマ:日記 | 投稿日時:2012/07/06 16:52 | |
TCGカテゴリ: | ||
表示範囲:全体 | ||
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Wreath さん | [2012/07/06 18:43] |
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こんにちはWreathです。
友達申請ありがとうございます。 Chaosはまだまだ未熟ですが、 同じオーガストファンとしてこれからもよろしくお願いします。 ssですが、今回はリースですね(嬉)。 まず真面目に感想です。 米原さんの言うとおり、リースのシナリオはどうも切ない感じなものになってしまいますね。しかし、だからこそ達哉君とリースの再会のシーンは読んでいて温かい気持ちになります。あとはリースと朝霧家の絡みもとてもよかったです。 正直、リースのssということで一人でテンション上がりっ放しでしたw リースは一番好きなキャラなので。 ただあまりにも好きすぎていつの間にか崇める感じになっていますがw もちろん、ごきげんリースはちゃんとオークションで中新品を入手済みですw 次のssも楽しみにしています。 |
米原 伊吹 さん | [2012/07/06 21:04] |
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Wreathさん
コメントいただきまして、ありがとうございます。 米原のSSは原作重視! ギャグや拡大解釈は御法度です。 コミケやドリパで配布される冊子や、ゲーム内のおまけと、同等のクオリティを目指して、書いています。 ハッピーエンドの多いオーガストですが、リース、シンシア、ティアあたりは、切ないストーリーになっています。 今回も、その事を念頭に置きつつ、原作で起こり得そうな設定にまとめました。 多少、リースが達哉君に甘え過ぎな気がしますが、許容範囲であると、信じています。(汗) まぁ、リースファンも、たまには、達哉君に甘えるリースも見たいんじゃないかと思って書きました。 多分…受け入れられるはず! 米原もご機嫌リースを持っています。 2010年のドリパ購入です。 結構空気を読むヤツで、イタイ事をした時に頭を撫でると「イタイ」 良い事をした時に「悪くない」と必ず言います。 本当に可愛いヤツです。 ココはオーガスト系カードを語る場所なので、SSはあまり書きたくないと思いつつも、カードゲームをやるオーガストファンに公表なので、18禁以外の作品はあげていきたいと思います。 今後とも、よろしくお願いします。 米原 |
Wreath さん | [2012/07/06 21:34] |
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米原さん
>>甘えてくるリース 大丈夫です。十分受け入れられました。 普段は ぶっきらぼうだけど(といってもリース√前半までですが)、たまに甘えてくるリース。 猫みたいで可愛いです。守ってあげたくなりますね。 >>切ないストーリー 何故か そのリース、ティア、シンシアこの3人が自分のマイベストキャラになっています。多分、切ない話が好きなんだろうな俺。 もちろんハッピーも好きですよ。 |
米原 伊吹 さん | [2012/07/06 22:08] |
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Wreathさん
甘えるリースも受け入れられるようで、安心しました。 オーガストスタッフも、「リースは猫のようだ」と、ファンブックでコメントしています。 猫派の米原も、リースはかわいい存在。 守ってあげたくなりますね。 オーガストの切ないストーリーの特徴は、ただ単に切ないだけでなく、『かっこよさ』があります。 リースは、達哉と一緒にいながらロストテクノロジーを管理しても良いわけです。 シンシアは、何百年も誰も来ないターミナルで眠る必要は無いわけです。 ティアも、自らを犠牲にする必要は無かったわけです。 にもかかわらず、自らが決めた苦しい道を『潔く』選ぶヒロインたち。 そして、その道を、自ら進むという『覚悟』が感動を誘い、良いストーリーへとなっていっています。 この点はオーガストのすばらしさの一つであり、バイナリから続く伝統でもあります。 (父を捨てる優希、故郷を捨てるレティ、好きな人と別れるちひろ、など) ここに惚れるファンは多く、企画の良さが見て取れます。 米原もオーガストのよさを生かしつつ、ファンに愛されるSSを、今後も製作していきます。 米原 |
Wreath さん | [2012/07/06 23:45] |
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米原さん
なるほど、単に切ないだけでなく『かっこよさ』もあるのですか。 興味深いお話をありがとうございます。 プレイ時には場面に のめり込んで気が付きませんでしたが、確かにそのような気持ち・感情を覚えたことがある気もします。すごく納得できました。 バイナリィポットですか。自分は明け瑠璃以降のゲームしかプレイしたことがないので、プリホリ,はにはに 含めお金と機会があればやってみたいです。 あと ファンBOXも。 米原さんのssで更にオーガストが好きになりました。 過去のssも楽しく読ませていただきます。 これからも応援しています。 |
米原 伊吹 さん | [2012/07/07 10:02] |
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Wreathさん
プレイ中はどうしても夢中になってしまい、なかなか感じられない事もあります。 冷静な時に回想をすると、作品の良さを再認識出来ますよ。 自分がプレイしたゲームを、一言で表すと、どの様に表現出来るのか。 知らない人に説明するとしたら、何と言えば理解をしてもらえるか。 これを心がけると、ゲームをより深く理解し、楽しめるようになります。 バイナリ、プリホリ、はにはには、古い作品であるため、荒さも若干見えます。 しかし、どの作品も、当時としては最高レベルで、特にバイナリのクオリティの高さは素晴らしいものがあります。 プレイする事を、強くオススメします。 米原はファンの為にSSを書いているので、過去のSSを楽しんでいただきたく思います。 米原 |