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Magic: the Gathering、Force Of Will TCGを中心に国内外いろんなTCG、DCGを嗜んでます。

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ジーククローネ1周年記念祭の話(前編)/1年間続くということ

今日は8月3日に行われたジーククローネ1周年記念祭のレポの話ですが、非常に書くことが増えましたので前編と後編に分けます。前編はジーククローネとGREEの話であり、ゲームの話というよりカードゲームそのものの話となります。なお、大会の話は後編で書きますのでよろしくお願いいたします。

【まえがき、王冠の胎動】
1年前、六本木ヒルズで一つのソーシャルゲーム会社が動いた。当時はソーシャルゲーム業界がネイティブアプリ型の「ゲームらしいゲーム」に押されて減益に次ぐ減益に悩んでいた(参考;http://matome.naver.jp/odai/2134952904312067501)。そんな中、「カードゲームを始めます」という声を上げた会社があった、GREEである。カードゲームの名前は『ジーククローネ(SiegKrone:ドイツ語で勝利の栄冠の意)』。


【異業種からの出発、そして最初の失敗】
ソーシャルゲームには2枚のカードを合体させる『進化』や1枚のカードのレベルを上げて変化させる『覚醒』というミームがよく用いられる(このへんのミームはパズドラや艦これなどにも受け継がれている)のだが、前者は既にポケモンカード黎明期から存在するギミックであり、カードゲーム史全体からしてみれば然程真新しいものではない。しかし、ソーシャルゲーム、特に『探検ドリランド』や『聖戦ケルベロス(以下聖戦)』のようなカードバトル物を生業とするGREEが自社初のカードゲームにソーシャルゲームのミームを組み込んだというのが重要な話であり、他分野への技術の応用を行ったという点に意義がある。とはいえ、カードバトルとカードゲームは別物であり、カードゲームのノウハウがない状態で始めても失敗事業例行きである。実際、自社タイトルかつ最初のエキスパンションとなった聖戦ケルベロスは封入率、カードパワー、性能全てにおいて壊滅的であり、かの駿河屋でも未だに1パック80円程度で売られている始末である。

カードは強すぎず、弱すぎず、難しいバランス調整が問われる

【女性層の存在、IT企業の底力】
しかし、GREEはそこで折れなかった。エキスパンション2弾に進撃の巨人(以下進撃)を選んだのである。主題歌が紅白歌合戦で歌われたのも記録に新しい、講談社が世界に誇るモンスタータイトルである。同作品の人気は活劇を望む少年少女だけでは飽きたらず圧倒的なキャラクターパワーで多くの腐女子層の心を掴み、更には日本を飛び出してヨーロッパで多くの熱狂的なファンとコスプレイヤーを生み出した。近年のキャラ物TCGは男性向け作品を参戦させることが多い(中にはアイドルマスターのように男女双方に通用するように変質した特殊例もあるが)のだが、そこで女性層に高い評価を受けている進撃の巨人を選んだのはある意味異質な選択であったといえよう。カードショップに一度言ってみたら分かると思われるが、日本のカードプレイヤーはほぼ男性、コンテンツ消費型のライトなオタク層かカードゲームそのものを楽しむ熱心なカードプレイヤーのどちらかである。かつて女性向けゲームやアニメを多く取り入れたアリスクロスというキャラ物TCGがあったのだが、時流に乗れず3年ほどで撤退してしまった。それほどまでにカードゲームにとって女性層を取り入れるというのは難しい。

そこで、GREEが取ったのは『環境づくり』であった。時流が変わったのは2014年3月、今まで行っていた体験会イベント『ティーチングキャラバン』を『SiegKroneコネクトパーティ』という名前に変え、イベントの方向性を「ただジーククローネを教えるだけではなく、ジーククローネを今後とも続けてくれるためにもカードゲームとして面白さを公式とユーザーが共有し合う場」に転換した時である。私自身、コネクトパーティに参加しなかったらジーククローネをやっていなかったであろう。ユーザー交流型の体験会イベントは既にコロッサス・オーダーで行われていたグラスルーツ・ツアーという良例があるのだが、伝える手段がなければ折角の良いイベントも無駄弾撃ちになってしまう悲しい事実は多くのカードゲームが経験してきた。

だがGREEは違った。SNSの一つ、twitterを活用したのである。3月当初、突如ユーザー名にジーククローネ、もしくはジークロの名が入った多くのアカウント群にフォローされたという報告がTCGプレイヤーに広まった(かくなる私もその一人である)。怪訝に思った方もいられるでしょうが、私自身は3年前までIT方面の業界でお仕事をしており、広報にtwitterを活用し、自身もまた業務連絡やコンテンツ宣伝にtwitterを利用していた経験があったので違和感なく受け入れていた。その頃はメインでやっているTCGに動きがなく、カードゲームに飢えていた状態だったので『無料で、懇切丁寧に、交流できる』場という宣伝にノーモーションで飛びついてしまい、気が付いたら今までの自分であれば遠すぎて滅多に行かない新宿の某カードショップでジーククローネを教わっていた(何が凄まじいかってその時教わったGREEの柴田さんやエレンコスの増本さんとは今でも公式イベントで会うと顔覚えられていて普通に挨拶しているという公式サイドとユーザーの距離の短さである)。SNSにはtwitter以外にもFacebookやLINEなど、多くの選択肢があるがユーザー数が多く、Facebookとは異なり実名という枷に縛られることなく、LINEのように既読の枷に囚われること無くファジーに開発者とユーザーが繋がれる選択肢は現状twitterしかない。GREEやDeNAなどはそれぞれ自社のソーシャルゲームプラットフォーム内にSNS的要素(アバター機能やチャット機能などを有する)ものを既に構築しているが、ジーククローネの展開において自社ネットワークサービス内に囲い込むこと無く、既にユーザーが使っているプラットフォームをそのままコミュニケーションツールとして機能させたのは今考えるとすごい話である。まさにIT企業の底力と発想の転換、ここにありである。


【1周年を迎えるまでの試練、乗り越えてから今】
カードが揃い、ユーザーが増え、ジーククローネを新しく、または再び受け入れたカードショップが増えた後、次に上がってくるのはユーザー層間の意識の相違である。言ってしまえば「多様性を受け入れられるか否か」という話である。最初に現れた問題は2014年4月に行われた第3回ジークロ大交流祭、ガンスリンガーイベントでの進撃構築限定や公式大会における同一アーキタイプデッキ過多による「新規ユーザー優遇と既存ユーザー保護のバランス取り」であった。私自身は始めて間もない頃だったので手元にも進撃のデッキしか無く、ルール把握も若干怪しい所があったので動きのわかりやすさに定評のある進撃絆デッキ(スターター『人類の絆』2個と『巨人駆逐』1個で容易かつ安価に構築可能な高火力・低コストデッキ)を使用したのだが、公式大会・ガンスリンガー双方が進撃絆デッキだらけになってしまうという事態となってしまった。これにより、進撃以前よりジーククローネを触ってきた聖戦使いの方や進撃以後に出た絶対防衛レヴィアタン(以下レヴィアタン)使いの方々がガンスリンガー大会に出られず、「公式大会に出るほどガチではないが進撃以外も使いたいユーザー」の行き場がなくなってしまい、公式大会自体も単一タイトルが参加者の過半数を占めるというあまり健全ではない環境となってしまった。しかし、進撃絆デッキはジーククローネを始めたばかり、更にはカードゲームを初めて触る人たちの敷居を大きく下げたという功績もあるという意見を自分は持っている。ジーククローネ(勝利の栄冠)というように、勝つことが名前に入っている製品で勝つための敷居を下げるということが出来たのはある意味目標達成ともいえるのだから。それでも勝てなくなったら別のデッキを、好きなキャラクターで戦えるデッキを模索するか、もしくは経験者に智慧を授かりに行けばいいのだから。ジーククローネにはそれが出来る環境が整っている。

次に現れたのは、プレイヤー間の居住位置に由来する資産格差である。カードゲームはどこにでも売っている商品ではなく、また何が入っているか分からないランダム性の高い商品でもあるため、自然とカードゲームを続けていくにはシングルカードと呼ばれる中古製品に手を出す必要がある。ここで中古製品という表現を用いたのは、シングルカードは『パックを剥いて売るユーザー』か『売り物のパックを剥いて売りに出すカードショップ』のどちらかが存在し得ないと成り立たない商売であり、店舗はパックを売り物として出す分とシングルカード用に分解して出す分の双方を在庫として確保することとなり、結果的に量販店以上にパックを仕入れることとなってしまう。更に、そこにジーククローネ以外の他社製品の取扱分まで入ってくるので、そうなってくると何を仕入れて何を仕入れないという取捨選択が発生し、ジーククローネに強い店と弱い店と無い店の地域格差が生まれてしまう。同じ東京でも秋葉原と多摩はジーククローネに強い店が1店舗ずつあるが、他地域はそうでもなく、全国レベルでは更に顕著となる。実際、進撃でリヴァイ単を使っているとある女性プレイヤーから進撃のシングル、特に最初のブースターのシングルがネットオークションでも手に入らなくてリヴァイ枯渇状態が続いているという話をつい先々月聞いたばかりである。流石に公式側もそれではユーザーに良くないと思ったのか、一石を投じたのが1周年記念祭での物販で一定額以上の商品を買った人にURレベルのカードを多く含んだ特典であった。良い特典が付くというのはソーシャルゲームをやっている人であれば『回復アイテム+一定数以上のガチャチケット』なので見覚えがあるかもしれないだろうか、今まで大量にパックを買った多額投資の既存ユーザーの反感を買い、終いには謝罪文が公式サイトに掲載される始末となった。とはいえ、この一件で『どうやって強力なカードを仕入れるか』『強力なカードを買い続けること無くデッキを組むにはどうすればいいか(パチンコ的状況からの脱却)』という議論が活発となったことは大きな収穫だと思っている。特に後者はカードゲームが携帯ゲームにボロ負けした理由にも繋がってくるので解決の兆しにも成り得る。


今現在の試練としては、ユーザーが増えたことによるユーザーモラルの部分である。今日の公式大会中に、普段は温厚なウェッジホールディングスの斉藤さん(ヘッドジャッジ)から「昨日のトリオ大会で手札を机下で摩り替えるイカサマ事案がありました」という怒りを露わにしたアナウンスが入り、会場がざわめくという一幕があった。カードゲームと不正行為との戦いはまさにカードゲーム史全体における共通の課題であり、競技性の高さで知られるMagicでは警告レベル以上の違反行為が確認された場合、DCI懲罰データベースに名前が記録されるという非常に厳しい体制が取られている。日本においてもヴァンガードでは最大10年の出場停止という処分が下された例があるので、遂にジーククローネも来るべき時に入ったという思いである。これからどうなるか、ジーククローネがどのような道を辿るのか、ジーククローネを愛する一プレイヤーとしては今後も続いて欲しいと思っているし、何よりこんなに面白いカードゲームがあるのだからどんどん広めていきたい、という所存である。でも今叫ぶべきは、

ジーククローネ、1歳のお誕生日おめでとう!

(後編に続く)


登録タグ: ジーククローネ  考察 

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テーマ:レポート投稿日時:2014/08/03 23:17
TCGカテゴリ: ジーククローネ  
表示範囲:全体
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