私自身複数タイトルを掛け持ちする兼任プレイヤーであり、最も長く遊んできたタイトルはMtGではあるがその中にはHearthStoneやShadowverseといったデジタルTCG(俗に言うDTCG)も含まれている。DTCG歴はHearthStoneから数えると2年と少しなのだが、アナログとデジタル双方を触って見えてきたのが「アナログTCGはあまりにも本気の構築をするには非効率極まりない」っていうどうしようもない現実だった。
MtGを例としてみよう。このゲームは現行のTCGでは最も多くのOfficialフォーマットとUnofficialなカジュアルフォーマットが存在し、フォーマットごとに様々なプレイヤーが偏在している。しかし、現物のカードは有限でありプレイヤーすべてに強力なカードを行き渡らせるのは到底無理な話である。すべてのスタンダードプレイヤーが《反逆の先導者、チャンドラ》を持っている訳でもなく、モダンプレイヤーが《虚空の杯》を持っている訳でもない。絶版になっていない前者はともかく、既に絶版かつまともな再録もされていない後者に至ってはシングル価格が1万円を超える状況であり、中古商品である以上数に限りがあるため握り締めた1万円が《虚空の杯》引換券になるとは限らないわけで。
コモンフォーマットとしてのPauperも有限の呪いからは逃れられるわけもなく、いくらコモンカードとはいえ15年以上前の旧枠のカードを探すのは骨が折れる話だったりする。頑張ればスタンダードの有用レアくらいの金額で《金切るときの声》くらいは手に入るものの、一体何処に行けば晴れる屋にも置いてない《Oubliette》が手に入るんだって頭を抱えたくなる。尚この辺の話はMTGGoldfishで「おいィ最近のPauper全然Pauperじゃないぞ」くらいのニュアンスで記事(https://www.mtggoldfish.com/articles/intro-to-paup...になってるので気になる方は是非。Tier1のデッキともなると60~120tix(6000~12000円程度)掛かるので最早おまえのようなコモン限定構築がいるかってレベルである。
それに対して、DTCGではどうだろうか。HearthStone以後、不要なカードを欲しいカードに変換する機能が実装され、事実上の「自宅の肥やし」は無くなった。MtGでは《さまようもの》だけで作られた400枚のバベルデッキを持っていても《反逆の先導者、チャンドラ》や《虚空の杯》に変えてくれる場所はないがシングルカード相場のないDTCGでは可能である。そのため、環境デッキを組むための最短距離はアナログTCGと比べると圧倒的に短い、「乗り換え」がシステムとして組み込まれているのだから。
DTCGの欠点として、ジョニー(デッキで自己表現を解き放つArtisticなプレイヤー)の居場所がないという指摘が一時期出ていたが、変なデッキならトンチキ効果のカードが割と多いHearthStoneでも組めるし表現の場をSNSに広げるという手もある。前述の通り面白いカードも有限である以上、探して手に入れるまでの手間がかかるためアナログTCGとの比較はイーブンであろう。自己表現の場所を探すのが難しいか、自己表現の手段を探すのが難しいかの違いにすぎないだけに。
とはいえやっぱり顔合わせてTCGするのは楽しいし延々と戦いだけが続くDTCGはずっとやってると顔つきがチベットスナギツネめいた表情になってくるのでアナログTCGのカード揃えるのしんどいと文句言いながらも続けるのである。掛け持ちしたTCGの数だけ出会いもあるだけに。
テーマ: | 投稿日時:2018/02/08 21:26 | |
TCGカテゴリ: Magic: The Gathering | ||
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