紙で出来た物はいつかは色褪せ、折れ、そして破れ死を迎える。「さまようもの」も「Black Lotus」もその運命からは決して逃れられない。しかし、カードスリーブは死の運命をある程度先送りすることが出来る。
前置きはさておき、DuelPortalを覗くようなカードプレイヤー諸姉諸兄はカードスリーブ、通称スリーブというものを使ったことがある人が殆どでしょう。しかし、多重スリーブとまでいくとデッキの厚さとプレイヤーの手の大きさの問題が付き纏ってくるためこの記事を読んでいる全ての人が、といえるかどうかは怪しくなります。
そもそも、スリーブを何故使うのか。大事なカードを守りたい、お気に入りのスリーブを使いたい、カットしやすくしたいect...、恐らくこの答えは決して一つではないでしょう。それだけ多くのカードプレイヤーがいるのだから。どれかを否定したら角が立つことでしょう。
しかし、スリーブをどう活かすかという話は中々聞きません(筆者の観測範囲内ですが)。スリーブを使用することの利点として、裸のカードを重ねたものよりカード両端が若干浮くためファローシャッフル(所謂「横入れ」)がやりやすくなるという点が挙げられます。人によってはスリーブが破れるため横入れを嫌がるという話も聞きますが、自分はシャッフルによる無作為化を徹底したいので自分のデッキをカットするときには毎回横入れしています。特にカード両端が浮くのはスリーブ2層目からが顕著なため、、キャラスリーブを選択する場合は二重スリーブが良いです。特例として、KMC製スリーブのトーナメント仕様のような「スリーブ自体が高強度+エンボス加工による低摩擦」で横入れしやすいものもあります。
本題の多重スリーブ話に入りますが、自分はメインデッキの三重以上の多重スリーブに関してはあまり好ましくないという意見です。理由としては、
・カットに手間がかかる(対人的理由)
・分厚くなるため持ち歩きにくい(個人的理由)
というところなのですが、逆に分厚くなることを活かした利用法はないかとぼんやり考えてました。
そこで目を向けたのはサイドデッキのあるカードゲームです。サイドデッキといっても、遊戯王やヴァンガードのような「自分だけゲーム中に確認できる(非対称的)」なものと、Force Of Willの魔石デッキのような「ゲームに中身を見ることが出来ない(非公開領域)」ものがあります。後者の場合はゲーム中に何度もシャッフルを行う必要があるのですが、メインデッキではないので枚数も少ないため、地味にカットが面倒だということに最近気付きました。
ならばデッキを厚くしてカットしやすくすればいい、ということで以下の実験を行いました。
■用意したもの:魔石デッキ用カード10枚(通常カード6枚、Foil加工4枚)
・インナースリーブ+スリーブ+オーバースリーブ
・スリーブ+オーバースリーブ
・スリーブのみ(コントロール)
※使用したスリーブ
・インナースリーブ:Wサイド・インナーハード
(販売元:イエローサブマリン、寸法:縦90mm×横64.5mm)
・スリーブ:ブシロードスリーブコレクションHG
(販売元:ブシロード、寸法:縦92mm×横67mm)
・オーバースリーブ:カドまるスリーブ「オーバー」
(販売元:R LINE、寸法:縦96mm×横70mm)
■手順
・上記3サンプルをそれぞれ同一のカード枚数および加工状態で10枚重ね、厚みがある順に整列する
・並べたサンプルを計測し、実際どれだけ厚みが変わるかを見る
■結果
・インナースリーブ+スリーブ+オーバースリーブ:16mm(写真左コントロール対比 - 2倍)
・スリーブ+オーバースリーブ:11mm(写真中央:コントロール対比 - 約1.38倍)
・スリーブのみ(写真右:コントロール):8mm
まさか一重と三重で2倍の差が出るとは思ってもいなかったので実験の甲斐がありました。カドまるスリーブを三層目にした理由はメインデッキおよびサイドボードとスリーブ形状を変えることで、メインデッキとサイドボードの間に挟んでも容易に判別可能にするためです。これだけ差が出れば大会中のカットもしやすくなり、自分にとっても相手にとっても良いこととなるでしょう。
普段使っているカードスリーブ、カットのしやすさ、他人が触ることを前提とした扱い方など、たまにはカードやスリーブを守る以外の目線で見てみても新たな発見があるかもしれません。今日はここで。
テーマ:考察 | 投稿日時:2015/06/18 23:57 | |
TCGカテゴリ: Force of Will | ||
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