更新日 | TCGタイトル | デッキ名 |
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2014/11/16 | Force of Will | Star-backs Coffin |
仕事帰り、ふと思うことがある。
「今日の○○の公認大会どう考えても時間的に明日の仕事に響くだろうなぁ」
「やろうと思えば出られるけど定期区間外まで行って参加者自分だけだったら悲しいし止めとくか」
と悲嘆に暮れる社会人カードゲーマーは自分だけではないだろう、と。社会人向けの時間を想定したMagic:the Gatheringのカジュアル向け大会であるフライデーナイトマジックは18:00~19:00開催が多く(一部20:00開催もあるが)、上司による定時5分前の残業チェイスが入り慟哭した方も少なくはないであろう。自分の場合は東京からちょっと遠い場所勤務なので距離的理由で参加出来ない大会が多いという辛さもある。
参加締め切り1分後にレジに辿り着いたときの顔
しかし、絶望に暮れるだけではスキルアップも期待できないので『東京からちょっと遠い場所からでも余裕を持って参加出来て』『しかも店員さんが強く一人でも戦える』店舗を探していたところ、ファイヤーボール秋葉原店のForce of Will公認大会なら20時開催でしかも店員さんが強い神話マン※1だという情報をtwitterで知り週一回、仕事刈りに花金ならぬFoW金するようになったのが今回の経緯です。
【大会の結果】
参加者:4名
使用デッキ:闇タッチ光風パンドラ「Star-backs coffin」
戦果:1勝1分
1st:対グリム(風タッチ光水闇)○○
1戦目は盤面のリゾネイターを《灰被りのシンデレラ》と《シンデレラの靴》で捌きつつ、《エルフの僧侶》を出しながら順当に5ターン目ジャッジメントで全手札破壊を発動させ物量で圧倒し最後は《かぼちゃの魔女》からの全体迅速+飛翔付与による総攻撃で勝利。
2戦目は相手のみサイドチェンジ、流石に2戦連続で吸血鬼の隆盛は許してもらえなく相手の《魔祓いのエルフ》に《血の語り部 ローラ》が破壊されるものの2枚目以降の魔祓いを引けなかったらしくジャッジメント後に《静寂の理》を撃ちトップデッキを封じて勝利。
2nd:対アルカード(闇タッチ光風)○●△
1戦目は僧侶によるブーストもあり早期にジャッジメントし何とか勝利。シンデレラと吸血鬼リゾネイターを立てた状態で「防御したら吸血衝動をチェイスして相打ち、防御しなくても吸血衝動+シンデレラの全体除去で破壊」というどちらに転んでも相手が不利になる盤面を何度か作り出せたのも大きい。
2戦目は《疾風の追跡者 クリスティ/ 吸血鬼ハンター ヘルシング》にルーラーを変え対吸血鬼仕様へ、相手も《匣のパンドラ》にルーラーを変更。4ターン目でジャッジメントし相手の《吸血鬼の女王 カーミラ》を倒しつつ善戦したものの最後は相手の《吸血蝙蝠》に同量回復付き1400点クロックを2ターン連続で受けて敗北。改めて除去の大切さを味わった一戦でした。
【デッキの説明】
■ルーラー
今回メインルーラーに採用した《匣の少女 パンドラ》はForce of Will史上初の「表が同じだが裏が違うカード」となっており、ジャッジメントするまで相手はどっちのパンドラが出てくるか全く分からない怖さを持っています。逆に言えば、パンドラを使う自分はゲームスタート時点で相手に「光なのか闇なのか」というプレッシャーを与えることが出来ます。Force of Willは近年のカードゲームとしては珍しい2本先取のマッチ制を採用しているため、同じ相手と最大3回戦う可能性があります。そのため、1戦目で出来るだけ相手にプレッシャーを与え2戦目以降に響かせるルーラーとして最適なパンドラをメインに据えました。本来であればジャッジメント後に全てのリゾネイターを破壊する《光のパンドラ》もサイドボードに採用したかったのですが生憎持っていないため、ジャッジメント後に相手の手札を全て捨てさせる《闇のパンドラ》のみを採用いたしました。《闇のパンドラ》は手札を増やす手段の少ないこのゲームにおいては一度ジャッジメントして全手札破壊に成功すればハンドアドバンテージ的に極めて優位に立つことが出来ます。まさしく「匣の中に潜む絶望」といえるでしょう。
■リゾネイター
[闇属性]
多属性構成のため、限られた枚数の中でパッケージとしてのいくつかのリゾネイターを1セットとして採用しています。
・《灰被りのシンデレラ》+《死体王子》全体除去と特定カードサーチ
シンデレラは除去もハンド確保もこなすグリムクラスタ屈指のアドバンテージの塊であり、サーチ対象の死体王子も強力で《天雷》などで焼かれたリゾネイターを回収したり自身も500/500のそれなりのステータスのため攻撃要員としても最適。
・《血の語り部 ローラ》+《吸血鬼の参謀》+《吸血鬼の参謀 カーミラ》:ローラを起点とした吸血鬼サーチによる安定化とカーミラによる除去
現状闇属性最大ステータスはカーミラなので即採用。ただしたくさん手札に来ると腐るので3枚。参謀はデッキ2枚目確認※2とライフドレインが強力なのと、シンデレラ本人以外でシンデレラの靴を履くことが出来る貴重なリゾネイターなので2枚採用。
・《かぼちゃの魔女》:終盤の詰めとして
全体に迅速と飛翔を付与する参戦効果は膠着した盤面を打開するには十分過ぎる一打となります。シンデレラのサボタージュ能力発動も狙えるので一石二鳥です。
[風属性]
・《エルフの僧侶》:ウィルブースト要員
光闇どちらのパンドラもジャッジメントコストに5ウィル要するため、セオリー通りに全手札破壊を成功させるためには6ターン掛かります(魔石をコールしたターンにはジャッジメント出来ないため)。とてもせっかちな《黒い森の猟師》や《真月のルー・ガルー》は6ターンも待つことなく貴方を死に至らしめるでしょう。そこでウィルブーストの出番です。グリムクラスタのウィルブースト要員は僧侶以外にも参戦効果で魔石デッキの一番上を公開し、風の魔石であれば出せる《グレーテル》もあるのですが、風の魔石が4枚しか入っていない(黒静の魔石は風の魔石としても扱うので)ため、外した時を想定した場合安定性に欠けるということで採用しませんでした。
○光属性
《裸の王様》:アディション(リゾネイター)対策
グリムクラスタのアディション(リゾネイター)は《銀の杭》や《シンデレラの靴》など、状況を選ばない強力かつ汎用性の高いカードが揃っておりますので、対策として1枚だけ加えました。
・アディション
《シンデレラの靴》:軽い除去+シンデレラおよび参謀の強化として
除去に強化にとにかく小回りの効くカードなので4枚採用。
《蓬莱の玉の枝》:速攻性とサイズを兼ね備えた炎属性リゾネイター対策として
ブロッカーに対する擬似除去としても使えるが相手の属性に左右されるので2枚。
・スペル
《絶望の螺旋》:序盤の手札破壊および終盤の詰めとして
このカードはルーラーによって効果が左右され、パンドラの場合だと手札2枚を無作為に捨てさせる事が出来ます。ドローが少ないグリムクラスタではただ捨てさせるだけでも強いのに無作為により捨てたくないカードまで落とすことが出来るのでとても強力です。2ターン目に何としても使いたいカードですので4枚。
《物語への回帰》:汎用性の高いピン除去として
グリムクラスタのリゾネイターは大半が童話と悪夢のどちらかをサブタイプに持っており、2コストかつインスタントタイミングで飛ばせる確定除去として優秀なので4枚採用。特に炎系デッキ相手の2ターン目に出て来る《七人の小人》や3ターン目に出て来るルー・ガルー、グリム相手の3ターン目にウィルブーストor《童話語り》経由で出て来る《ハーメルン》といったに対しては明確な回答となります。
《吸血衝動》:汎用除去+ライフ回復として
回帰は優秀なピン除去なのですが、エルフや吸血鬼、兎人に対して全くの無力です。そこで、吸血鬼さえいればどんなリゾネイターに対しても火力を飛ばせるこのカードの出番です。とはいえ、吸血鬼が必ず自分の場に出ているとは限らないため3枚。
《静寂の理》:行動制限+終盤の詰めとして
このゲームは*2でも示したようにドローフェイズの次にリカバリーフェイズが来るため、ドローフェイズにチェイスを挟むと「魔石がリカバリーする前の隙」を突くことが出来ます。ドローフェイズに理をチェイスすることで、カウンターに必要なウィルが出せない状態で1ターンの間、場にカードを出すことが出来なくなります。ジャッジメントにより1枚でも多くの手札破壊を成し遂げたいこのデッキにおいては手札が溜まっていたほうが好都合です。また、ジャッジメントして手札破壊を行った後の終盤に使うことで、相手のトップデッキ頼りを封じ込めることも出来ます。とはいえ風シンボル2は拘束が強いため2枚。
・魔石
全体的に闇属性のカードを多く採用しているため、《破天の魔石》(光+闇)と《黒静の魔石》(風+闇)を4枚ずつ、闇の魔石を2枚とする光4風4闇10の構成といたしました。
・サイドボード
ジュリエットの夢*3
(相手が炎属性か闇属性のリゾネイターを採用していない場合、蓬莱の玉の枝*2および絶望の螺旋*1と交換)
闇貴族 アルカード/魔人 ドラキュラ (相手ルーラーが赤ずきん、白雪姫、光のパンドラ、闇のパンドラの場合)
疾風の追跡者 クリスティ/ 吸血鬼ハンター ヘルシング (相手ルーラーがアルカードの場合)
吸血衝動*1 (アルカードチェンジ後、絶望の螺旋*1と交換)
吸血鬼の女王 カーミラ*1 (アルカード時、裸の王様と交換)
エルフの弓使い*3 (クリスティチェンジ後、絶望の螺旋*3と交換)
魔祓いのエルフ*3 (クリスティチェンジ後、絶望の螺旋*1および物語への回帰*2と交換)
銀の奏者 フィーナ*2 (クリスティチェンジ後、物語への回帰*2と交換)
このゲームはサイドボードにルーラーを最大3枚まで採用することが出来るため、サイドボード後を見据えたデッキ構築を行えばデッキそのものの方向性を変えるアグレッシブサイドボードがとてもやりやすくなっております。アルカードはデッキ自体が吸血鬼が多いのと、Jルーラー自体が飛翔持ち1000/1000と高性能かつジャッジメント条件が緩く、ローラor参謀と靴or吸血衝動が手札にあれば3ターン目にはジャッジメントしていることもあるくらいでとても強力なルーラーです。また、不滅により倒されてもルーラーに戻れるため長期戦にも強いです。クリスティは逆に、相手がアルカードだった場合の対吸血鬼要員です。ジャッジメント時の参戦効果はJルーラーも参照可能です。ルーラー以外のサイドボードの交換理由は一例です。相手によって抜くカードを見極めましょう(一部マルナゲ)
【おわりに】
とても長い記事となってしましましたが、Force of Willというゲームの奥深さと仕事明け金曜夜に大会参加出来る社会人カードゲーマーの心の叫びが少しでも伝われば幸いです。大会参加神話マン、スタッフ神話マン、そしてこの記事を読んでいただいた神話マンおよび今後神話マンの熱気に中てられて新たなる神話マンに覚醒するかもしれない貴方に感謝を。
※1:Force of Willプレイヤーの通称。"神話マン"で一単語なので男でも女でも神話マン。プレインズウォーカーでも決闘者でもヴァンガードファイターでもなく神話マン。なおForce of Willが盛んなイタリアなど海外では通じない可能性があるので注意。
※2:Force of Willではアンリミテッドヴァーサスと同様にドローフェイズ→リカバリーフェイズの順番にゲームが進むため、リカバリーフェイズに自動効果が発動する吸血鬼の参謀においては「デッキの一番上のカードを引いてから、次のカードを表にする」という挙動を示す。忘れがちなので注意。
#グリムクラスタの吸血鬼はほとんどアメリカンテイストなのに参謀だけペロペロしたくなるチョイスなのは卑怯だと思います
登録タグ: Force of Will デッキの話
テーマ:大会 | 投稿日時:2014/11/16 03:18 | |
TCGカテゴリ: Force of Will | ||
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