今年に入って、コロッサスオーダーとラストクロニクルという2つの独自世界観を持つTCGタイトルが産声を上げました。10月以降には同じく独自世界観を有するタイトルのアンジュ・ヴィエルジュやバディファイトも控えています。2011年以降、TCG業界はGUNDAM WARやヴァイスシュヴァルツのようなクロスオーバー型からヴァンガードやZ/Xのような独自世界観型にトレンドが遷移しています。
当然のことながら、TCGで用いられるカードには必ず何らかのカード名が付いています。では、そのカード名はどこから取っているのでしょうか。クロスオーバー型のタイトルであれば、参戦作品という「元ネタ」が存在するので問題はありません。
問題になるのは、独自世界観型のタイトルです。よく使われるモチーフは宗教関連、世界各地の神話、偉人・英傑なのですが、この辺りは「女神転生」を知っている方ならピンと来るかもしれません。
モチーフを大量に使っているタイトルとしてはヴァンガードが挙げられます。このタイトルは
・科学と魔法が混在する地球以外の惑星が舞台
・文化的背景の異なる6つの国家が存在
・各国家には複数の勢力(クラン)が存在
というSFとファンタジーを練り混ぜた世界観を有しています。
使われているモチーフは
・アーサー王伝説(ロイヤルパラディン・シャドウパラディン・ゴールドパラディン)
・日本神話+ギリシャ神話(オラクルシンクタンク・ジェネシス)
・キリスト教の天使(エンジェルフェザー)
・中国の英傑+インド神話(なるかみ)
・元素周期表(リンクジョーカー)
・地球上の海の名前(バミューダ△)
・ソロモン72柱(シャドウパラディン・ダークイレギュラーズ)
と多彩です。
例として、ロイヤルパラディンというクランにはアルフレッドというパワーカードがあるのですが、モチーフはアーサー王その人です。他にもモチーフからそのまま名前を取ってきてる例としてはシャドウパラディンのパワーカード、モルドレッド・ファントムがあります。変わった例としては、名前を少しもじってランスロット→ガンスロッドにしている例もあります。余談ですが、モルドレッドとガンスロッドは原典ではアーサー王を裏切っているので、今後Я化する候補としてかなり有力なのではないかと読んでいます。
また、モチーフの変わった使い方としてはエンジェルフェザーが挙げられます。このクランではメタトロンやサンダルフォンのような正真正銘の天使だけではなく、レミエルやサリエルのような原典で堕天使に属する存在もエンジェルという種族で一括りにしている辺りが斬新だったりします(El Shaddaiをやったことある人ならピンと来る名前もあるでしょう)。最新エキスパンションでレミエルЯが登場しましたが、原典では堕天使、それも堕天使集団グリゴリの中でもかなりのビッグネームだということを考えると納得できたりします。シェミハザのような女神転生シリーズでも出てこないようなマイナー堕天使がたくさん出てくる辺り、ヴァンガード開発陣の気合が感じられます。逆にZ/Xでは重要キャラクターとして登場する四大天使は絶禍繚乱現在、まだ使われてません。
ちなみにモチーフとして使われている神話や英傑などの元ネタに関しては新紀元社から出ているファンタジー関連の書籍が分かりやすくておすすめです。
今やってるTCGをプレイするとき、今後プレイしてみたいTCGを触った時に「このカードの原典は何だろう」と考えてみるのもいいかもしれません。
(ただしWikipediaに時間を吸われる危険はありますが)
次回はモチーフの使い分けについて書いていきたいと思っています。
#レミエルЯがZ/Xに出張できるくらい性的なのは原典で堕天使だからだと思っている
テーマ:考察 | 投稿日時:2013/09/21 22:25 | |
TCGカテゴリ: カードファイト!! ヴァンガード | ||
表示範囲:全体 | ||
前のブログへ | 2013年09月のブログ一覧へ ブログ一覧へ |
次のブログへ |