多重構造世界 ~TCG~

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モンコレのRPG作るよ!

モンコレのカードを題材にした掌編を書き溜めていたのですが
その一つのシリーズが100を越えました
 
塵も積もればなんとやらで、
結構な文量になりましたし、折角なのでゲームを作ってみることにします 
 
 
TCGはプログラム組めないのでRPGです
先日ツクールシリーズが最新作でしましたのでそれを使用します 
内容をちょろっと書くと 
 
エンカウントは無く戦闘はすべてイベント戦闘です
(ただ歩いてるだけで、襲ってくる化け物がうじゃうじゃいる世界とかおかしいと思います
 
レベルアップによるステータス変更はありません
(経験積むのは解りますが、初期HPが二桁とかの癖にラストは四桁とか、
 最初の頃のモンスターの攻撃に「1」しかダメージ受けなくなるとか、おかしいと思います

そのほか、そこ気にしたらRPGとしての面白さどこいくのさ
という仕様満載です。モンスターはお金落としません・・・人間は落とします
 
   

では、ゲーム中のイベントをダイジェストで

『ステルス・スナイパー』
「あの男が標的か」
「ええ、ちゃちゃっと焼いちゃってちょうだいな」
 屋上から見下ろす二人の視線の先には、ロビン副学長が歩いていて・・・
「先輩まずいです。さす」
 制止の声もかき消して、ハーピィの火筒が轟音をあげた
 

『日輪の紋章』
「すると、誤射だったと言うんだね?」
 ロビン副学長が、身代わりに焼けて砕けた太陽を指で弄りながら先輩に問います
「ええ、まったく遺憾です。でも、副学長がご無事でなにより」
「召喚学部は毎日危険が危なくてね」
 引き攣った笑みのロビン先生。怒ってます。そりゃそうだ
 
 
『大海原』
 青い空、輝く海原、そして
「…ぁう、き、気持ち悪」
 船酔いの先輩♪
「いやあ、意外な弱点ですね。船、駄目だったんですねぇ」 
 視界の端では軍船と大怪魚が死闘を繰り広げているけれど、一向に気にならない素敵な船上での午後
  
 
『グリーン・スライム』
 私が召喚したオーガの一撃をものともせず、それどころか逆に、軟体生物はオーガを飲み込んでしまう
「これ、衝撃吸収剤とか、枕とかに使えないかしら」
 溶かされていくオーガを見ながらの先輩の一言。そんな場合じゃないっての 


『ゴブリン路上誘拐団』
 来訪者探索で訪れた港街。下船した私たちが出会ったのは、街中で白昼堂々とゴブリンにより行われる誘拐劇だった
「まぁ、連中、道でしか誘拐できないし」
 難儀な技能集団ですね。って
「ほっとくんですか?」
「え?何かするの?」
 えっと、そう言われると・・・




『エビライダー』
「まてぃ!」
 ゴブリン達が太ったおじさんを袋詰めにして、馬車に放り込んだその時、辺りに響いた制止の声
「悪党ども。それ以上の悪逆無道はこの私が許さンっ!!」
 爆音を伴う乗り物に跨った人物が、「何処からともなく」飛び降りて来て言い放つ
「「え、エビ!?」」  
 

『エビバンピー』
「さらばっ」
 瞬く間にゴブリンを打ち倒し、エビの「着ぐるみ」の人物は去っていった
「何あれ」
「彼は正義の漢『エビライダー』さ!」 
 思わず呟いた言葉に返答され、驚いて振り向くとそこにもエビの着ぐるみを着た人物が
 は、流行ってるのかしら? 
  

『機械竜グラシア』
「じゃ、間違いなくあれは君の世界の生物なのね」
「ああ、『白の大陸』の兵器『グラシア』だ」 
 遠目に見る金色の体は、大半が機械で出来ていたけれど
「なんだか綺麗」
 厳かと言ってもいいその佇まいに、そんな場違いな台詞を呟いてしまう
 

『プラズマ・インパクト』
 私たちに向かって迫る機械竜 
「ああもうっ、いいわ焼き払いなさい」
「了解」
 ハーピィが火砲を竜に向け、引き金を
「ほんげらっ!?」
 引く前に機械竜から放たれた閃光を伴う衝撃がハーピィを打ち据える
「に、任務失敗・・・」
 崩れ落ちる彼女。ほんげら?


『ジャッジメント』
 遂に復活した破壊神を前に私たちの誰もが死を覚悟した。・・・しかし、その歩みを進めようとした破壊神は突如として崩壊を始める
「どうやらまだパーツが足りなかったようね。瞳とか眼とか眼鏡属性とか」
「早すぎたんだ。腐って・・・はないな」
 つっこみは置いておいて、今はただこの幸運に感謝
  
 
『死の女神アスタロト』
「能力使うのにいちいち儀式が必要な輩が、あたしの土ラちゃんに勝てるわけないでしょ」
 六皇子を前に先輩がそう得意気に言い放つ
 女神は大鎌を一閃。招じた旋風が竜の首をあっさり切り落とす
「それ、どれくらい前の話です?」
「…大昔かな」 
 次いで降り注ぐ呪文をかいくぐり、必死で逃げ出す私たち 
 
 
『陽だまりの踊り娘』
 変わったエルフの剣士がいるという森に立ち入った私達は、
陽だまりで一人踊るエルフの少女に出会った。その可憐な舞にしばし見蕩れていると
「駄目駄目駄目!そんなんじゃちっとも○れないわ!」
 先輩が 少女に卑猥な踊りの指導を始めた…服を剥取りにかかったので流石に止めに入る 
 

『緑の風の王』
 来訪者と思われるエルフの剣士を捜して森を行く私達
 果たして彼の種族の一団と遭遇は出来たものの、明らかに友好的とは言えない雰囲気で…
「我が娘に不埒をはたらいた人間というのは、貴様達で間違いないな?」
 せ~ん~ぱ~い~、これどーすんのっ!? 

 
『樹海霊ダイダラ』
 草冠を頭上に頂くエルフの周囲の木々がざわめき、歪み、絡み合いながら立ち昇る。
それは段々と巨大な人に近い形状を為していった
「何これ?プラント・ジャイアント?ううん、違う」
 体が畏怖に震える。しかし、それ以上に未知なるものへの好奇心が沸いてくるのを押さえられない


『欲深き皇帝』
「あ、先輩。今月のアカデミア報に、『ハイ(古代種)オークの存在完全否定』って記事載ってますよ。証明できたんですね」 
「あれねー、歴代の王様が勝手に名乗ってただけだしねー。まぁ、どうせオーク連中はぶーぶー言って認めないんだろうけど」
「「豚だけに」」
 と、けらけら笑う私たち
 
 
『牛頭鬼イッカク』
「あ、後ろの方に『ミノタウロスに古代種が存在!』って記事が…」
「なんで『ハイ』とか名乗りたがるかな、良いことなんて何も無いのに」
「『アカデミアでも実在を肯定』ってありますね」
「なぁんで認めちゃうかなぁ」




『オーガ・パワーブラザーズ』
「腹(直)筋! (広)背筋! ムキムキ過ぎて、(大)胸筋なんてピックピク♪」
 一部の人々に大人気の歌劇、『OPB!ふたりはマッチョメン!』を見た先輩が機嫌良く主題歌を口ずさむ。う、うっとうしぃ




『ヒドラ』
「養殖ものだろうけど、なかなか」
 屋台で買ったヒドラの串焼きを食べた先輩の感想
「近くの山で野生のも獲れるらしいわよ。行ってみようか」
 よっぽど美味しかったのかそんな冗談まで
「そうですね。機会があれば」
と、笑う私…いあ、まさか本気だとは思わないじゃない? 




『雲ひとつない空』
 見渡す限り真っ青な空をヒポグリフに乗って飛ぶ私達の横を、輝く天馬が走り去る
「はやっ、ものすっごくはやっ!」
「あれは聖晶の森の生物かしら。あいつら高速飛行できるけど脆すぎて、雲にぶつかっただけで死んじゃうんだって」
「まじっすか」
 そういえば見渡す限り真っ青な空模様




『オーク砂漠強行隊』
「一部のオークは砂漠に暮らす内に熱さにめっぽう強くなって、遂には火そのものさえ克服する術を得たそうよ」
「今更そんなこと言われてもっ!?」
 私の放った火球を、砂鰐の皮の外套で巧みにいなして迫るオークの集団

 


『大砂蟲』
「いっそ砂漠の王で逃げ帰れば良し、駄目なら薙ぎ払います!」
 私は召還可能な存在の内、最も強靱な怪物でオークへ対抗しようとするが、…何故か召喚の門が開かない
「あ、最近の砂蟲は整地された地形にしか来ないわよ?根性無いから」
「ぅえぇえ!?」 


『ウォーター・ドラゴン』
「役立たずに変わって私が何とかしましょう!わらわらした連中にはこの方。かまぁん!水ドラちゃん!」
 先輩の微妙に腹の立つ召喚の声に応えて、空中に水球に包まれた竜が現れる。そしてそのままオークたちに襲いかか

 …れず、砂に水をあっという間に吸われた竜はびったんびったんと激しく熱砂に身を打ち付ける



『アーヴァンク』
「ッ大丈夫、怖くない」
 指先を噛まれた痛みを我慢して水ネズミ の子の頭を撫でる
 私の気持ちが通じたのだろう、その子は噛みつくのを止めると小さな下で傷口を舐めてくれた
「たいしたもんだわ」
「へへ」
「アーヴァンクって寄生虫持ちで運が悪いと死んじゃうのに」
「ふぉぁちゅっ」
 奇声を上げ、思わずはたき落としてしまった



  
『シェイプ・チェンジャー』
「彼女はね。昔ものまねの女王だったの」
 先輩が遠い目をして語る
「自分が表舞台から降りた後も、後輩を輝かせる為に頑張っているのよ。素敵よね」
「ですね~」
 年寄りの思い出話は長いので適当に相づちを打っておいた




『クラッヴ・ヒポポタマス』 
「かつてのカバちゃんは鳥よりも速く駆けることができたの」
「でもある日知恵の水を飲んで知性を手に入れたんだけど、代償に走ることを忘れてしまったの」
 メルヘンなお話ですが、隅で蹲りブツブツと訳の解らない事を呟く「実物」を前にするとこっちまで鬱になりそう。ていうかきもい 




『アイアン・ゴーレム』
 行く手を遮る鋼鉄の巨像は、私の召喚した火竜のブレスに耐えきった
「何という根性無し!気合いで大砂虫さえ焼き尽くすのが火の竜ってもんで」 
 先輩の野次を遮り、攻撃された巨象が侵入者を排除すべく動き出す 


『ファイア・ドラゴン(新)』
 襲いかかってきた鋼鉄の巨像に、火竜から放たれた魔力消去の輝きが絡みつく
 振り下ろされた巨象の拳は火竜に届く前に塵と化し、直ぐに全身が崩れ落ちた
「あ、案外器用じゃないの」
 呟く先輩を馬鹿にするように彼はちょろりと鼻から炎を漏らす



『ファイア・エレメンタル』
「呼ばれて飛び出て即(時で)参上ッ!」
 そんな決め台詞とポーズを付けて火の精霊が現れる
「ダウト」そう宣告して私は召喚を解除した。妙に召喚時の手応えが軽いと思ったけど、何あれ
「イトウバン。今の絶対イトウバン」
 先輩が訳の解らない事を言って笑い転げる




『ファイア・スモーカー』
 先輩が捌いたばかりのトカゲの肉を手渡してくれた
「生肉で柔らかいのに燻されてて美味しいですね」
「ファンタジーってこういうとこ便利よねぇ」
 先輩の言うことは時々理解できません




『イノセント・エレメンタル』
「ハッハッハッ!」
 高らかに笑い、はち切れそうな筋肉でサイドチェストを決め、輝く汗を撒き散らせた輝きの精霊が現れる
「ダウトぉッ!」叫ぶように宣告して私は召喚を解除した
「輝くとか真名に織り込むから変なのが出てくるのよ。純潔とか無垢でしょ」
 だってそう書いてあったし…
 



『クロネコ封竜隊』
「我らが竜滅の奥義受けてみよ!」
 私はファイア・ドラゴンに彼らを軽く炙るように命じた
「お、おぼえてろ~!」
 クロネコが黒こげパーマになって逃げていく。なんて愛らしい
「ネコって抜けてるくらいが可愛いですよね」
「君、ほんとはネコ嫌いでしょ」
 ええ!?何故に?




『封印の札』
 街で露天を覗いた時の事
「この御札は掘り出し物よー。紙を漉く時に『滅びの粉塵』を特殊な製法で混ぜ込んでるから、なんと武器や鎧を壊せるのよぅ」
「それは凄い!」
「いやいや、もともと装備品に効果あるし」
 そういえばそうだった



 
『黄金のオクスタン』
「いやいやお客さんそれは古いよー。最近の製品は、御札の効果受けないのよー?」
「えー、ほんとにぃ?」
 疑う先輩
「そいではこの槍で証明するよー、古い御札をぺたぺたり」
 槍は確かに輝きを失わず、試し切りの野菜も容易くスライス
「おまけにひっつかないときたものよ」
 おおー



 
『夢見る人形エリザベス』
 私たちは小金稼ぎにと呪われた人形の除霊を請け負った
「お札を貼るだけの簡単なお仕事です」
 先輩がおどけて件の人形にいつぞやの露店で購入した封印の札を貼り付ける
「はい、終わりっ」
 こちらに振り向いた先輩の背後で人形の閉じた瞳が見開かれた! 


 

『アングリー・アングラー』
「別名を神殺しの怪魚」
「はいはい」
「ほんとだって、世界の神様の大半はこいつに丸呑みにされちゃうんだって」
 そんな大層な魚がどうしてお鍋の具などになるものか
「あー、でも神様食べてるからこんなに美味しいんですかねぇ」
 ちょっと生臭いけど
 
 
『ソムナ・パンプキン』
「でっきた♪」
 先輩の手から可愛らしくも恐ろしいカボチャの邪精霊が浮遊する
「先輩ってその手の制作上手いですよね」
「そ、そうかな」
「何故照れますか…」
「だって女らしくて家庭的だって事でしょ?」
 やな家庭だな



 
『キューピッド』
「ほーれほれ、狙い撃ってみろ~」
 アーススピリットを挑発的に踊らせて、先輩が弓を忘れたうっかりさんの愛天使をからかう
「てい」
 天使は小さな拳の一撃で妖精をノックダウン
「なっ!、キューピッドが格闘戦を!?」
 驚愕する先輩に向けて拳を突き出し、天使が一言
「もう、非力だなんて言わせない」
 やだ、この子かっこいい



 
『クローヴィスの風使い』
 くだらない諍いから、ケンタウロスの娘さんと速さで勝負することになった私たち
 私の開始の声で先輩と娘さんが走り出します
「人間相手でも手加減はしないよっ。神風っ!!」
 一息で呪文を唱えきり、まさに神速を得て駆ける彼女…実は先輩も同じ事する筈だったんですが、負けたなこれは



 
『スタンディング・ストーン』 
 勝てないと諦めたのかその場に棒立ちになる先輩。そして聞こえる笑い声…笑い?
「ふふ、あははは、甘い甘いねぇ!モンスターの召喚は禁止でも」
 先輩の後方に召喚の門が展開し、
「地形は禁止とは言われてないよねっ!!」
 隆起する、簡素な環状列石群
 

『アルティミット・ハート』 
 召喚した場に力を借りて、先輩が大規模魔法を完成させ、叫ぶ
「ああアルティミットぉ・はぁあとぉっ!」
 先輩の体が矢の様に翔ける。というか、途中で躓き地面に叩きつけられるが、
魔力による推進力は目的地まで失われる事がなく、
 
…先輩は何度も大地へ体を叩きつけつつ、ゴールテープを切った…うわぁ 




『ワルキュリア採魂隊』
 戦乙女が大鎌を先輩の大モグラへと振るった
「は、採魂隊の鎌は死者魂を狩るもの、ましてや非力な君らじゃその子は傷つけられないさ」
 しかし大モグラはあっさりと両断されてしまう
「だからそれいつの話です?」
「…大昔だよ!悪かったよ!」
 何時かの様に必死で逃げだす私たち
 

『災いの魔女スカディ』
 魔女姉妹の連携に翻弄される私たち
「君も私のこと、お姉さまとか呼んだらどうかな!」
「はぁ?何でそんな奇行を求めますか」
「お姉さまっ。何だか遠まわしに馬鹿にされてるような気がします!」
 渦巻いていた魔力の風が途切れる
「ヘイズ、集中して集中」




『イビル・ホーント』
「いじめるの?」
 問いながらも少女は、血塗れの鉈を引きずり近付いてくる
「そう聞かれると嗜虐心を刺激されるよね!最近は「助けておまわりさ~ん」とか泣かれる方が怖いよね?」
「やましいところがある人はそうなんでしょう」
 私は罪悪感無く先輩を盾にするようにその背に隠れた 

 
『ファイア・ジャイアント』
 何故か巨人たちの酒宴に招かれてしまった
「最近の若いもんは、がたいも頭も良いが、根性が足らん。わし等なんぞは火波の呪文に自ら飛び込む気概があった」
 老巨人の愚痴に愛想よく応えるが、いつ、酒肴と間違われるかと気が気ではない。そんな中で自然に騒げる先輩が羨ましい
 

『ホムンクルス・アプリコット』
 巨人のおばさまから、娘さんにはこちらの方がよかろうと甘い香りのするお酒を盥ほどもある小ぶりの杯で頂いた
「おいしいっ。杏のお酒ですね」
「あれ?グリキャロも食べられないのにそれは平気なんだ」
 先輩が不穏な事を言う。え?え?




『太陽を睨む天使』
 依頼を受け向かった墓地で、想定以上の屍の群れに囲まれ窮地に陥る私たち
「こういう時こそ筋肉天使の出番よ!」
「はいっ!召喚まで時間を稼いでください」
 呼びかけに入る私
「まだなのっ?」
「…あ、あの…雨が降ってないと駄目だって…断られました」
「なんじゃそりゃぁ!?」


『ツインヘッド・グリフォン』
「あの怪鳥は頭が多い分、視界が広く索敵も攻撃範囲も広いわ。だから私が黒霧の魔法で目くらましを仕掛けるから、そこで突撃ね」
「解りました」
 …数分後。私たちは怪鳥の羽ばたきひとつで霧ごと吹き飛ばされるのだった
 
 
『ワルキュリア騎兵隊』
 空を埋め尽くすさんばかりの戦乙女たちの戦列。友軍である彼女たちの猛々しさに私は頼もしさではなく、怖れと不安を覚える
「これだけの大規模召喚をどうやって…」
「ほら、こないだ教団の依頼で護送した女の子。彼女がたぶん、聖輪の女神だったんじゃないかなぁ」
「…うそ」

 
『クローヴィスの獣使い』
 私が放った電撃の呪文から、巧みな指示で狼を護るケンタウロスの青年
 しかし自身は電を浴び、膝をつく。その様子に狼もまた、主人を護る為に猛々しさを増した
 そんな主従の在り様に敵対しているとはいえ、私は感銘を覚える
「獣使いっていうより、むしろ獣使われよね」
 と水を注す先輩




『マーブル・ビートル』
 次の目的地まで蟲馬車を利用する事に
「へぇ、昔は驚かせると変態したものだけれど」
「今でもそうですよ。ただ昔ほど急激な変化はありませんけど」
「凄いのだと3倍くらいに膨らんで面白かったのに。ちょっと残念」
「扱う方としては気性に波がなくて楽なんですけどね」
 笑い合う先輩と店員さん。さて、そろそろお値段交渉の始まり
 



『ヒポグリフ』
「なんかさー、この子も随分逞しくなったわよね」
「飛び方が堂に入ってきたというか、'逃げ方’に精通してきたといいますか」
 荷物を3人も乗せているといるのに、私の召喚したヒポグリフは追手の戦乙女たちからどんどん距離を開けて行く
「逃げてばっかりだものね私たち」
「ですよねぇ」
 私、逃げ延びたら、人生について考えてみるんだ… 
 



『戦天使サンダルフォン』
 先輩が何やら薄い本を読みながら、歌劇の主題歌を口ずさんでいた
「それ、面白いんですか?」
「ああ、えっとねこないだ太陽の天使の人が来れなかった理由が描いてある。これじゃしゃあないね!」
 へぇ、と横から覗いくとそこには雨の降る中激しく絡み合うマッチョな天使達が…


『ファイア・イレイザー』
 塵も残さず燃え尽きた薄い本
「な、なにも存在抹消レベルで焼き祓わなくても…いいと思うんですよ?」
 先輩が涙目で言う
「ですね。フラッシュ・ブラスターの代償にするのが適切でした」
「死因がアレな本で火炙りとかマジ勘弁してください…」
 
  
『フラッシュ・ブラスター』 
「Σしかし、ブラスターは火属性には珍しい‘閃光’効果。閃光と言えばサンダルフォン(旧)」
「火属のガチムチといえば、ファイア・ジャイアント。つまり、火の巨人×サンダ(旧)が至高という抗議!」
 私は再び呪文の詠唱に入る
「え?違うの?もしかしてサンダ×巨人!?ごめ」
「何が違うのか解りません」
 閃光が先輩を包み込む
 
 
『ケルブ』
 追手の戦乙女の一人に先輩がブラック・フォトンを放った
 しかし、随従していたケルブの声無き咆哮が輝きを伴って乙女を包み込み、黒光子の球は弾かれ霧散する
「何あの便利な動物。欲しいんだけど」
「先輩は逆に噛まれるんじゃないですか?」
 

『アンデッド・バット』
 襲い来る不死の獣達に辟易し先輩がぼやく
「獣まで禁呪を使ってくる。禁じられてる割にはやっすい魔法よね」
「被害や汚染速度が昔のフォビアとかに匹敵するから禁封されたんじゃないですか?」
「…その辺誰かが弄って遊んでんじゃないの?」
 遊びと表現する処が先輩らしいというか 




『オーガの女呪術師』
 アカデミアの初等部で呪術を教えていらした恩師と偶然の再会。この街で再び教鞭をとっておられるのだとか
「今じゃ自慢のゲンコも振るえない、と」
「保護者連中が五月蠅くて。まったく過保護も過ぎると毒だわ」
「やぁ先生は唯居るだけでかなり怖いですし」
 何せ文字通りのオーガ教師
 

『灼熱のウィップ』
「そこであたいも考えた。拳が駄目なら道具を使えばいいと」
 え?
「言う事聞かない悪餓鬼にはこいつでピシリ」
 懐から取り出した鞭を床に打ち鳴らす。うっすら付く焦げ目。先輩は拍手喝采
「まさに教鞭。炎の教育。熱い!熱いわ!」
 いやいやいや、色々おかしいから…しかし以外にもいい先生なんだよね。先輩よりははるかに
「何か言いたそうね?」
 先輩が睨む。するどいな




『スカル・サーペント』
「前に見た個体より大きいような?」
「んー、強そうだけどその分実体化に時間掛かりそうだから先に手を打ちますか. トン」
 先輩の台詞を遮り言う
「森の結界で先輩お得意の地形召還は出来ないじゃないですか」
「…そんな時の必勝戦法!」
「ああ」
 つまり三十六計逃ぐるに如かず




『告解の泉』
「この泉は『輝く雨の天使』の掌から沸き出した水が溜まって出来たらしいですよ」
「確かに心身が洗われるような、清々しさがありますよね」
「いや、私としてはマッチョな天使たちが組んず解れつした汗が泉になったという説を押し…ぐふっ」
 浄化出来ない汚れに、後ろ回し蹴りを叩きこむ

 
『スペクター』
 私の唱えた風刃が亡霊を切り裂く
「油断しないで、この手の存在は何度でも甦ってくるわ」
「はいっ」
 私と先輩は背中合わせに周囲を警戒する
「…出ませんね」
「虚弱体質だったとか」
「何ですかそれ…もう少し待ちますか」
「そうね…」
 結局、2時間たっても彼が復活することはなかった
 

『戦天使エゼキエル』
 戦乙女たちが点と見える程に距離を開き、逃げ切れると期待した私たち。その前に槍と大盾を携えた天使が現れて言った
「女神を返してもらおう」
 到底抗えない威圧感を放つ彼に先輩が応える
「どかないとこの娘の命はないので」
 …おかしい。今回私たち、悪漢から乙女を救う正義の味方っぽかった筈。あれぇ?
  
  
『荒天神ミキストリ』
 浮かび上がる巨神の姿と共に、風が吹き荒れる
「嵐の中でも戦えるのは!」
 私は暴風の魔竜を召喚する。しかし…
「えええっ!?」
 嵐に棲むという魔竜は、まるで布切れか何かの様に弄ばれ、何処かへと飛ばされてしまったのだった
 
  
『パンチパンチ』
「可愛ぃっ~」
 愛らしい子猿を抱き上げる。先輩を見るとどうも落ち着かない様子
「昔それにぼっこぼこにされた事があって…」
「こんな子にもエロい事したんですか!?」
「その帰結はおかしいよね!?」 
 感覚、視覚共有を利用したのかと
「そういう意味…その手があったか!」
 よし、殴ろう




『ドラゴンヘッド』
 先輩が『邪悪を打ち払う鎧』と『邪悪を憎む心臓』のどちらを採用するかで悩んでいる
「防御重視でアーマーか、応用力でコアか、むむむ」
「いっそどちらも使える召喚獣に変更すればどうですか」
「多脚型以外有り得ないから。馬鹿なの?」
 真顔で言われた。何その拘り
 
 
『エウロス』
 魔女の森に入る前の事、先輩が露店でエウロスの雛を買ってきた
「これであらゆる災厄から身を守れるわね。ちょっと高価かったけど」
「あれ、何か紙がくっついてますよ。えっと、加護を得るには種族単位の祈祷を成鳥まで捧げてください…」
「…なん、だと?」
 かなりお高価い夕飯に
 



『ダークネス・オブ・ダークネス』
「野生のDoDゲットだぜ!」
「ちょ、そんな危険な生物拾ってこないで下さい」
「大丈夫、首輪付けてるし、人に慣れてるっぽい」
 野生じゃないじゃん
「今日はこれを素材に合成実験を行ってみたいと思いま~す」  危機を察知したのか先輩に首をつまれていたそれが暴れ出す


『ホラー・ドローン』
「アンデッドと魔法生物って他に比べると合わせやすいのよね」
 そう言って硝子の筒状の器具の中にそれを放り込み、ホラー・ドローンの召喚を開始する
「特にドローンやこの子みたいな存在が希薄なものは条件さえ整えてやれば簡単に」
「どこでそんなの覚えたんですか」
 
 
『コモン・ドローン』
「シェイプチェンジャーを異なる種族に変化させるって研究の副産物…あれ?」
 筒の中に沢山のコモン・ドローンが増殖していく
「ホラーにくっついて来ちゃった、かな?」
「不味くないです?」
「こいつらの場合霊体って名前の物体だしねぇ、増えすぎれば当然」
 硝子が弾ける様に割れた


『炎の魔神スルト』
 とある炎の神が祭られてる神殿でのこと
「ここのスルトは重装備ですね」
「鎧を着てるのは珍しい」
「あれ?でも持ってる剣はレーヴァテインじゃないみたい」
「わかった、それ質に入れて鎧買ったんだ」 
「裸じゃまずい事に気付いたんですね」
 笑ってたら神官の人に怒られた

 
『マーブル・クローバー』
 先輩が愛らしい四つ葉の精霊数体を転がして遊んでいる
 精霊の方も笑いながら先輩へ何度も向かっていくので楽しんでいるようだ
「今年の精霊は元気ねぇ」
「晴れた日が多かったからでしょうか」
 抱きつこうとした1体が勢い余って頭から先輩の鳩尾へ飛び込む。悶絶する先輩



『ソムナ・キマイラ』
 獅子の体に複数生えた獣の首、その一つ一つが呪文を唱え電撃や吹雪を撒き散らす
 僅かな詠唱の隙を見出し攻撃すれば、残った首が呪いを感染させるブレスを吐く
 そんな恐るべき獣に追い立てられ魔女の森を駆ける私達
「何あの可愛げのないキマイラ!」
 可愛いキマイラなんていないと思う




『ライカの大鷲使い』
 スナイパーと大鷲の使い手、どちらが優秀な狩人か競い合う
「では相手への直接的な妨害は無しということで。じゃ、スタート~」
 飛び出す二人、赤いハーピィが先に獲物を捕捉し、火砲を向け引き金を引いた
「レジスト」
 鷲使いが砲撃の対象に防御呪文
「「なるほど」」
 感心する私と先輩
 

『巨霊神アトラス』
「おっ大っきいぃですねぇ。話半分っていいますけど、これは話2倍って感じですねっ。先輩!!」
 蟲が牽く車の窓から初めてその巨人が山間に見えた時の衝撃に私はしばし言葉を忘れ、
それから驚嘆に子供のようにはしゃいだのだった




『嵐の魔神パズス』
 今日は嵐の魔神を祀る神殿に訪れた
「ここのパズスは凄いわね、不死者を吸収して通常の3倍の出力を出すんだって」
 またそんな意訳を…うっわ、ほんとにそう書いてある
「信仰は幼い内から育てる事が肝心です」
 いつの間にか背後にいた神官の人が言った。子供受けを狙ってるってこと?




『灼熱のクレイモア』
 とある魔法剣についた売り文句
「燃える心の貴女にお勧め
 体力に自身が無くても大丈夫!毎日持ち歩くだけで、
 いつの間にかオーガ女王の様な超絶バディに!!」
 うわ、絶対いらないんだけど
 …って、女性向けなの?この鉄塊



『アンデッド・インプ』
 アカデミアの寮で起った忌まわしき「インプで下着ドロ事件」事件を解決した先輩、
…驚くべき事に犯人ではない…、はこう言い放った
「下着とは脱がす瞬間にその価値が最も高まる物!脱がした後の布切れなど一片の価値も無し!!」
 そこから喧々諤々と始まった馬鹿どもの下着談義


『フィジカル・ブースト』
「オーガのぶん殴りにさえ耐えられないような呪文使えないわよねぇ。消費魔力は大きいし」
「何言ってるんですか、大砂蟲の体当たりだって余裕で止めれるじゃないですか」 
「え」 
「え」 
 何だろう、この認識の違い 




『黄金熊のモンブラン』
 何時の頃からか、ゴールデン・ベアのぬいぐるみを買う時、
 また、贈る時にはディスペル・マジックを掛けてからがよいとされるようになりました
 今ではぬいぐるみ全般に対して行われるおまじないです
「祝福には消去魔法って向いてないと思うんですけど、どうしてなんでしょうね」
「自衛、かな」
 

『イフリート』
「あれほどっ!あれほど薬物に頼るのは駄目だと言ったのに!ナチュラル・ボディビルこそ真の筋肉を得るたった一つの道だと!!」
 先輩が私の召喚した炎の魔神を見て涙する。以前より力強くなっているのに何が不満なのか。気合いでどうこうするより、バーン・アウ

トを使用する方が断然効率的じゃない?


『ティンカーベル』
「あ、蟲だ虫」
「虫いうなっ!」 
 先輩が道端を飛ぶ妖精をからかう。近年の学説ではスピリット類でもインセクト類の特徴が顕著な場合、インセクトとしても扱うようになってきたのだが
「違和感ありますねぇ」
「えー、虫でいいじゃんこんなの、あだっ!?」
 妖精のドロップキックが先輩の顔面へ。今年の精霊系は皆元気だなぁ
 
 
『スカル・スパイダー』
 切りつければ黒い霧を吐き出して身をかわし、雷撃を浴びせれば抵抗呪文で身を護り、
ハーピィの必殺の砲撃も糸で絡め取られて放てず。散々苦労してようやっとその首を切り落とし、先輩がぼやいた
「この森の生き物、器用すぎでしょ…」
「生き物じゃなさそうなんですけど」
 落とした蜘蛛の首が体の方へと這いずっていく
 



『白蛇姫アンドロメダ』
 絶世の美貌を持つという白蛇姫の伝承
「その美しさに男であれば惑わずにおられず、蛇の毒に陶然としたまま餌食となるだろう、ですって。これ先輩も危ないですね」
「私は毒に耐性あるから大丈夫だった」
「つくづく人間じゃありませんね」
 冗談での返答に笑うが…あれ?妙な違和感が




『黒死王オシリス』
「アヌビスの王は浪費家で、国庫が減ると敵国へ攻め込んだり、金持ちを死刑台送りにして領地を広げていたそうよ」
「異名の割に、普通の王様だったんですね」
「…言われてみるとその通りね。おっかしいなぁ、何だか酷い逸話や能力持ちだった気がするんだけど」
 世の王様と同じ事しかしてないですよ?
 



『バーン・アウト』 
「わ、私のキリンが寝ちゃったんですけど!」
「炎に強い存在にぽかぽか気分をプレゼント。それが改良版バーン・アウト」
 それ単に先輩が火属性の呪文苦手だってだけじゃないのかと思わないでもなかったり
「レジストして自分に使う事で血行促進、美容効果も!」
「うわ、珍しく役にたちそうな」



『カフェノア』
 妖精の棲む黒い花の香りには特別な効果があるという
「いい匂い。何だか元気になりますね」
「ほんと。うん、なんだかこう、むしりたくなるような、捲りたくなるような」
「何を」
「スカート的な何か、かな。ホラ、スピリットの服って何で出来てるのか気になるじゃん。中身も」
「自重してくださいね」
 中には妙な衝動を刺激される人もいるので注意が必要だ


『ゼピュロス』
「聖魔の表裏を司る鳥が、天魔の守護鳥と呼ばれるようになって、その内天魔が伝馬と掛けられて、ケンタウロスの幸運の象徴となったとかなんとか」
「その流れだとペガサス辺りが入らないのはおかしくないですか」
「ほんとは天馬だったけど、ちょっとした勘違いでそうなったって寓話もあるわね」
 へぇ
 
 
『無心王ヴァジュラ』
 戦乙女に天馬を助けるように命じられたゼピュロスは、途中で出会った象の僧に天馬が何処にいるかを訊ねた
 ところがその僧はまだ修行中の無心王で、座禅中に天馬と訊かれた王は反射的に、通りがかった人馬の伝令を指さしてしまう
「みたいな」
「それ無心っていうんですかね」

 
『シー・ジャイアント』
「『強殻装甲シー・ジャイアント』とか『七海奇皇』とか、なんか無性に四文字熟語的な二つ名付けたくなるわね」
「…」
 召喚した海の巨人の斬新な装束を見て、先輩が言う
 その気持ちが解らないでもない辺り、私も何かに染まりつつあるという事だろうか。
 気を付けねば。…ほんっっと、気を付けないと
 



『炎に映える天使』
「なんてーか、ケツに火を点けて煽ってるイメージ」
「そんな想像しちゃうのは先輩だけですから」
「…映えるくん×火の巨人ってのも新しいよね。普段の私の好みとは逆なんだけど」
 うーん、今日はいつにも増して話の飛び方が酷いなぁ 




『ホーリー・ブレイズ』
 久々に先輩と模擬戦
「聖焔刀!」
 湾曲刀の形状をした閃光が先輩へと疾る
 先輩の得意な防御呪文では完全には防げない筈だ…しかし、聖焔の刃に切りつけられた先輩の体が水飛沫となって消え、
本物の先輩は涼しい顔で言った
「…残像だ」
 それほんとの意味で禁呪!使ったら駄目だから!
 

『眺めのいい丘』
 汗を流して長い丘を昇りきると、白浜とよせて返す波の輝きが瞳を焼いた。あがった息とは違う鼓動の高鳴りを感じる
「今夜は蟹鍋にしましょうか」
 連れの台無しな台詞に抗議しようと隣を見れば、彼女は指さし私を促した。その示す先には巨大な甲殻類に追われる少女の姿があった 

  
 
『シー・スコーピオン』 
「あんなに大きくて堅そうなもの食べられますかね」
 溜息が出る
「良い返しだわ!君も性徴したものね!」
 何を言ってるんだと訝しく思うが、直に思い当たった
「何時でも何処でも変態ですよね先輩は!」
 理不尽な照れを頬に覚えながら人馬族を召喚し、その背に跨る
「先に行きます!」
 

『ディーヴァ』 
 召喚したケンタウロスの少女に可能な限り急ぐよう願い、丘の上から駆け降りる
 地形の特徴も助けになってかなりの速度がでているが、それでも海蠍が少女へ鋏を振り上げる方が早い
 惨劇を確信し、瞳を閉じた私の脳裏に歌声が響く。見れば歌う少女と寸前で動きを止めた海蠍という不思議な光景があった
 
 
『旋風姫シャイヤー』
 どうやら少女は人ではないようだったが、ともあれ生まれた隙にケンタウロスと自身を滑り込ませ、壁とする
 そのまま速さを活かし一撃を叩きこもうとするが、その速度を殺しきれず、砂に足を取られ体勢を崩してしまった
 海蠍が突然の邪魔者に鋏を横払いに振るう 

 
『サンド・カーテン』
 蠅を払うような動作で、さほどの力を込めているようには見えなかったが、
海蠍と2倍近い体長差のある私たちには充分な脅威だった。損害を抑えるべく身を堅くする
 一撃が此方に届く間際、足元の砂が盛り上がり、蠍の鋏受け止めた
 それは到着した先輩と召喚獣からの防御魔法だった
 

『女郎蜘蛛アラクネ』
 先輩は女の上半身に蜘蛛の下半身という怪物の腰に手を回してしがみついていた。落ちそうな姿勢のまま指示を出す
「絡め取りなさい!」
 怪物から蜘蛛の糸が吐きだされ、海蠍に絡みつき締め上げる
 活力奪取の効果がある特殊なものだが、目に見えて弱りながらも蠍はまだ動く
 

『ウィーク・ポイント』
「シャイヤー!」
 私は止めを刺す様命じる。旋風が彼女の持つ槍から巻き起こった。風は渦巻き海蠍の甲殻を削る。けれどそれでも蠍は倒れない
「駄目押しっ、いくよ!」
 先輩が女郎蜘蛛に呪文を唱えさせる。蠍の殻にその証が刻まれた時、風音の中でもはっきりと亀裂の奔る音が響いた
 

『巨人使いアレックス』
「いや、これ凄くおいしいですね」
海蠍を浜で煮たり焼いたりしたものを皆で食べた
「昔、巨人使いの召喚術師が『取りあえず食べてみる』という偉大な言葉を残したけどその通りね」
「ほんとですかそれ?」
「偉人は何故か食に関する言が多いからたぶんあってる」
 適当やん

 


『ジン』
「ジン精~、色々♪見た目も~、色々♪」
 またぞろ妙な歌を口ずさむ先輩
「何ですそれ?」
「スピリットの多種多様な様を歌った名曲じゃない。マッチョな風の精の美声がウけて、ちょっと前に流行ったでしょ?」
「知らないなぁ」
「AR~~年ごろよ?」
「ああ、生まれてませんね」
 先輩は何故か凍りついた
 

『アバドン』
「秋陰り/雲姿と見ゆる/蟲の群れ」
「実り奪うも/蛙一匹」
 何やら呟いて先輩は満足そうに頷く
「盛者必衰を秋の華やかさと寂寥感で現したいい出来だわ。それとなく入ってるバイオレンスとコミカルもポイントね」
 理解出来ない私がたぶん正常…後、今は春です
 

『アヌビスの烙印魔導師』
「殴りつけて、なんていうの?『闘魂注入』?してるイメージ」
「またてきとうな事を…」
「でもあれって、付けた痣が発動の条件なんでしょ?」
「ちが…うんじゃないですかねぇ」
「君がッ大きくッなるまで、殴るのを止めないッ!…SM的な意味で」
 私が殴っておいた
 
 
『癒しの女神メングラッド』
「土着の信仰を知る事は大切。召喚術師は知識に寄り過ぎて、感じるべき畏れに鈍感になるしね」
 という先輩の方針があり、拠る処々で神殿巡りをしているわけだが
「今の女神の癒しってお布施いらないんだ。信者獲得の為かしら」
 信仰も経営なんだなぁ、とか、結局しばしば知識が邪魔をする
 
 
『癒しの女神メングラッド(新)』
 現在の女神には信仰の希薄化によりかつて程の力が無く、病そのものを完治する事が出来ない
 よって、女神の癒しには表向き代金等はとらない。が、継続的に治療を受けねばならずその順番は神殿への貢献度を考慮する
「…って、うわぁ」
「調べればもちっと裏がありそな気もするわね」
 
 

 

 完成は次のセットが発売する前までにはなんとか?

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テーマ:モンスター・コレクション投稿日時:2012/04/01 11:59
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現在“4件”のコメントがあります。
無題 TASUKU さん [2012/04/01 23:17]
寝ようと思ったら面白いものを見つけてうっかり最後まで読んでしまいましたw
ゲーム化すごく楽しみです。全力で応援させてもらいます。応援くらいしかできませんけど・・。
パムディアナ(SD TEA さん [2012/04/02 19:02]
すいませんほんとーにすいません
エイプリルフールのネタでした(陳謝
 
また、
長い文章を読んで頂けたことに感謝を
ありがとうございます
無題 TASUKU さん [2012/04/02 19:19]
わかってますよw エイプリルフール返しということで。
文章自体毎度楽しく読ませてもらってますので、応援してるのはホントですが。
パムディアナ(SD TEA さん [2012/04/02 22:48]
だ・ま・さ・れ・た(笑 
 
 
ありがとうございます
ネタが続く限りは三大噺的に今日のカードを利用?していこうと思います