多重構造世界 ~TCG~

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モンコレ小噺:『妖貴妃』編

13/01/22
218
『フォクシアの奇襲忍軍』
 戦場にて講和が成されようとしたその時、居並ぶ兵の間から、百選王と鬼巫女へと駆けて寄る獣影が二つ。キルデリクスが真っ先に反応し、影の突進を帯剣で制止するが動きを止めたのは内一つ。それは三本の尾を持つ妖の狐であった

219
『フォクシアの牙印師』
 影のもう一つは、二本の尾の狐で、三尾のそれより二周り程小さな体躯をしていた。しかしその速度と、身の内より放つ鋭利な獰猛さは劣らない。立ちはだかる者も無く、狐は鬼巫女と百戦王へと顎を開き飛びかかっていった。王が巫女の前に出、抜剣し、狐を斬り払う

220
『フォクシアの蠱毒使い』
 胴を半ばまで断ち切られながら、狐は己の体に食い込む刃を更に絡んで抱いた。重心を予想外に変えられてさしもの戦王も意識と上体を僅かに崩す。その隙を、狐の体に隠れる様にして投じられていた球体が襲った。咄嗟に王は顔面を左手で庇うが、手甲に触れた球体は弾けて毒の霧を撒き散らす

13/01/28
221
『ブラックテイル』
 咳込み膝を着く百戦王。その姿に人馬の剣士は目前の敵を無理やり押しのけ駆けようとするが、その彼の足を新たな獣が止めた。二尾を持つ漆黒の狐が鋭い牙を剥く。今迄見留られなかったのは、よもや周囲の影に紛れてでもいたのか

222
『ホクサイ』
 王はそれでも何か呪文を唱えているようだった。彼の体が膨らんで見える。
「フィジカル・ブースト!思い切りがいいわね」
 先輩が横で讃する。毒物によっては身体強化も逆効果になる事があるからだろう。しかし剣士の相手を黒狐に任せた三尾の狐が、怪しく輝る瞳を王へと向ける



223
『ブラインドネス』
 狐の瞳を覗いた彼は剣を落とし、額を鷲掴む
「させっかよ!」
 剣士がサンダー・ディスペルを放ち、狐は電撃に身を打たれて思わず瞳を閉じた。しかし集中を乱された為か強化の呪文が完成しても王は毒に苦しみ地に倒れた。軍列の者共がようやく王や巫女の周囲を囲み、襲撃者達に対するが、王が倒れた瞬間、黒狐から黒い霧が噴出し、剣士を中心に辺りを包み込んでいく

13/01/29
224
『フォクシアの風魔忍軍』
 暗殺者の毒を受け、クローヴィス王は死の淵にあった。戦場に血臓を散らした狐が何時の間にか幼い獣人の骸へと変じていた事と、「雇い主」の証言から風魔縁の賊であると解った。まさか戦中に和睦が成るとは思わず鬼族内でも過激な一派が雇っていたのだそうだ
 風魔、妖弧を崇め、擁し、またそれそのものだとも噂されるフォクシアの隠密集団である

225
『妖貴妃ヴィクセン』
「というわけで解毒薬ください」
 すったもんだの末、風魔の一拠点だという色街で、百戦王暗殺の依頼を受けた組織の責任者に目通りかなった。割と奇跡だったと思う。なんで私達がこんな事をしているのかという疑問は常に脳裏を過るが
「そうでありんすねぇ」
 風魔はその身の内に妖弧を飼っており、個体によっては伝説のナインテイルの顕現さえ可能だと云われる。九尾は国を半分平らげると言うが目の前の人はどうなのだろう



226
『ドリームテイル』
 先輩の要求にすぐには答えず、太夫は煙管をくゆらせる
「おー、もふもふ~。こっちさこいこい」
 沈黙に飽きた阿保な先輩が空気を読まずに、太夫の脇に侍る桃色の毛皮の弧においでおいでをする
「こんコは竜を永遠の眠りに誘う事もありんす。気を付けなんし」
 先輩の動きが止まった



13/01/30
227
『マインド・デストラクション』
 「このイヅナに精製法を持たせて逃走させんすから、ぬしさまらは追って奪いなんし」
 太夫は巻紙を白髪の人狐に手渡す…ところにすかさず先輩が蜘蛛の巣ネットを投げかけた
「キグルイ」
 太夫が甘い声で言うと、先輩は酩酊したていで座り込む
「中々オツな方でありんす」
 彼女はくつくつと笑った

228
『フォーステイル』
 人馬族の剣士とその背に跨った先輩が、忍装束の女性を追う
「いい?身包み剥いででもあれを奪取するわよ!」
「おう!しゃーなしだな!」
 弾む声の二人。何考えてんだか。…距離を縮めて剣士が女性に手を伸ばす。と、まるで彼女の影から飛び出したかの様に、唐突に四尾の狐が出現した。狐は地獄の番犬さながらに牙を剥いてその手へ喰らいつく



229
『フォクシアの呪印師』
「スリープ・デイっ」
 先輩が大顎開く四尾に眠りの呪をかける。勢いを失くした狐の体を剣士が伸ばした腕で払いのけた
「まだまだぁ!」
 木造りの家屋の上から小柄な少女と二尾の狐が先輩目掛けて飛び降りて来た。少女の拳が紅く光って唸る。おそらくヒート・インフレーションだ

13/01/31
230
『ツインテイル』
「子供…」
 腸を晒して死んでいた少女の姿が思い出し、浮かんだ言葉を台詞にしてしまう
「人間さんには不快かもしれんせんなぁ」
 天守の高みから光景を眺める私と太夫。どう返答しようかと窮していると、先輩がオーバー・ドライブで、少女と狐の体躯に見合わぬ猛攻をかわすのを見て太夫が言った
「ほ、やりんす。優しくもありんすねぇ」
 気を使われたのが解った。感謝と共に、安堵もした

331
『風魔の大竜巻』
「友よ、今が駆け抜ける時!」
「応ッ!」
 先輩がアース・コンセントを詠唱。文字通りの地力を得た剣士が斬馬刀を風車の様に回転させると、大気は渦を巻き、
「これぞ我らの!」
「乾坤一擲の一撃なり!」
「「エロ・メンタル・ストーム!!」」
 巨大な竜巻と成った。くの一達の衣服が捲り上がる

332
『フォクシアの唇寄師』
 先輩達は先の少女が自身に目を引かせる事で、他の者が二人を取り囲む様に動いた事に気付かず逃げ場を失っていた。人弧達は、二尾の妖弧を数多呼び出し更に囲みを頑強なものとした。その数の不利を突破力で補う為の地力転写呪文かと思いきや
「ミニスカの女の子が増えたからかー」
 しかし、二人のエロ魂をよそに、くの一達はその姿を次々と狐へと変じる
「「なにぃい!?」」
 そして吹き荒れる風を利用して加速、馬鹿二人に突進していった

13/02/01
333
『シャラク』
「この変態」「くず」「死ね」「ばーか!ばーか!」「くず」
 合体技を破られた先輩と剣士は、無数に分身した妖弧と少女たちに罵られながら、袋叩きにあっていた。その様子を巻紙を掌中で弄びながら満足そうに笑んで眺める白髪の人弧。すっかり油断した彼女の背後から、呪文で音と姿を消し忍び寄った「私」は巻紙を奪い取った

334
『白弧イヅナ』
「あんれまぁ」
 私は太夫の隣に居る私の姿をしたシェイプ・チェンジャーを送還した
 状況に気付いた白狐が激昂する
「ふ、ふざけた真似をっ!」
 彼女が印を結び解呪の言を唱えると、白髪は波打ち、肉体があり得ぬ速度、動きで変形、肥大していく
「七尾の大妖弧を前に畏れ震えるがいい!」

335
『シックステイル』
「ひのふの…しっぽ六本じゃない?」
「六本だな」
「六本ですね」
 ってもう回復したのか二人とも
「こ、これは、その。そうっ!、手加減!手加減したげるわ!」
「あのコはまだ未熟で全力解放が出来ないんでありす」
 何時の間にか遊郭の天守より移動していた太夫が、笑いながら言う
「頭領!?」




100は多すぎって知人に言われたので、20前後で纏めることに

今回は公式が今日のカードをトライアルごとに公開されましたので、
18枚を使って連作に
最初は他のカードも使って23枚くらいだったんですが、
ツイッター投稿前に削ってみたら、18枚でなんとかなりました?
登場人物が何やってるかは解る、といいな…
一、二枚怪しいものがありますが、なるべくステータスやテキストを文章に反映してみました
対抗連鎖とか。毎度意識してることではあるんですが、ストーリーに無理なくって考えるとけっこう難しかったです
面白かったですけど
感想きかせてくれる知人には理解してもらえませんでしたけどね!(ぉ


ご意見、ご感想、ご質問等ございましたらお気軽に
駄目出しとか、ぜひ




追記
肝心のトライアルデックは予約してるつもりでしてなかったので
日曜のブランニュー大会に参加するときにその場で買う予定
なかったらアウトという(苦笑

登録タグ: SS 

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テーマ:モンスター・コレクション投稿日時:2013/02/01 21:50
TCGカテゴリ: モンスター・コレクションTCG  
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