『コラム:ダイスを振るだけの簡単なゲームです。』 -第9回- 〝現環境におけるメタについて〟 新米召喚術師の皆さん、昔やっていたよという召喚術師の皆さんこんにちは。(ついでに、現役だという無法・・・召喚術師の皆さんもこんにちは)『aka』です。 今回は「現環境におけるメタについて」をお送りします。 今... |
第9回目にして、遂にこのテーマですか。
本人さんには直接言いましたが、良い記事ではあるんですが、ちょいと説明不足?な感じですよね。
知っているベテランには良いでしょうが、初心者向けには理解し辛いと思いましたので、補足的な意味もこめて、私なりに「メタゲームについて」書いてみることにします。
はじめに
「メタゲーム」の「メタ」とは、「高次の~」とか「超~」とかと訳されるギリシャ語の接頭語です。
つまり、メタゲームとは、「高次のゲーム」「超ゲーム」ということなんですが、これではさっぱりですよねw
分かりやすくするために具体例で行きましょう。
メタゲームの正体
例とするために、改めて過去のコラムをざっと読み返して見ると、実は第6回以降は概ね「メタゲーム」の話をしているんですよね。
じゃあ、それまでのコラムはというと、いわば“対戦”というモンコレのゲーム(=ダイスを振るだけの簡単なゲーム)そのものについてのお話でした。
つまり、ゲームそのもののテクニック(パーティの組み方など)や、デックの組み方についても“自分の手元だけを見た”(ここ、重要です)説明だったはずです。
では、それ以降には何が書いてあったかと言えば、大きな大会などでどんなデックが使われるか(予想)、使われたか(結果)について触れているのです。
つまり、ゲームそのものではなく対戦相手、それも大会参加者全体の傾向といったゲームの上にある“環境”について、どうなっているかを分析し、どうしたら良いかを考えるためのお話でした。
これこそが、ゲームの上のゲーム、高次のゲームといわれる「メタゲーム」の正体です。
メタゲームの成立要件
しかし、なんでこんなものが存在するんでしょう?
普通皆さんが子供の頃から馴染みのあるゲームでは、メタゲームなんて聞いた事無いですよね。
例えば、すごろくなどに代表される昔ながらのボードゲームやトランプゲームなどにはメタゲームは基本的にはありません。
つまり、ゲーム環境は原則固定されていて、ゲーム内でのプレイのみが勝敗に影響するからです。
ところが、近年は、TCGを初め、色々なゲームでメタゲームが生じています。
これは、TCGが流行する以前からアメリカやヨーロッパのボードゲームには取り入れられていた要素なのですが、例を挙げると、コンポーネントの中からランダムで選んだカードでゲームを行うことで、環境を変化させる事ができると言うものなどです。
つまり、メタゲームが成立するゲームとは、同じルールのゲームの内容を変化させる事ができるゲームということです。
そういう意味では、新しいパックのリリースによって次々と環境が変化し続けるTCGは、アナログゲームにおけるメタゲームの究極の姿と言えるでしょう。
TCGとメタゲーム
さらに考えてみますと、TCGにはメタゲームに関連するもう一つの大きな特徴があります。
それは、個々のプレーヤーがそれぞれ、一定のカードプールから規定枚数のカードを選んでデックとすることです。
ここで重要な事は、“選ばなかったカードは決してデックに入っていない”ということです。
対戦中に「ああ、あのカードさえあれば」と天を仰いだ経験のある方も少なく無いでしょう。
しかし、突然そのカードがデックの中に飛び込んでくる事はありえず、貴方が次にドローするカードは間違い無く貴方が選んだカードのどれかでしかないのです。
まさにこの点が、TCGにおけるメタゲームの重要性を象徴していると言えるでしょう。
好きなカード?強いカード?
それでは、ここで一つ問題です。
お互いが好きなカードだけ選んで作ったデックで対戦したら一体どうなるでしょうか?
確かに、毎ターン引いてくるカードはお気に入りのカードばかりですから、眺めているだけで楽しい気分になれるでしょう。
しかし、必ずしもそれらのカードは貴方をゲームの勝利へと導いてくれるとは限りません。
まして、対戦相手のデックに入っていたカードによっては全く対処できないものが出てくることだってありえるでしょう。
一体何故こんなことになるのでしょう?
それはカードを選ぶ際に、メタゲームで勝つための思考をしていないからです。
勝つための思考法
それでは、TCGにおいてどうやったらメタゲームに勝てるのでしょうか?
それは、相手のカードの邪魔をする事が出来るカードを可能な限りたくさん入れることです。
TCGは、ある目的を達成するためにお互いがターンとカードを消費してその目的に近づきあっていくゲームです。(モンコレで言えば、相手の本陣を陥落させる事ですね。)
その過程で、モンコレなら当然強力なユニットカードを召喚し、相手の本陣を目指すこととなるでしょう。
だからといって、デックに強力なユニットカードをたくさん入れればそれで勝てるかと言うと、決してそういうものではありません。
グレード3ばっかりデッキに入れる、そんな何処かのマケミみたいなことをしてはダメなのですw(※モンコレでは時にそれでも何とかなってしまう事もありますがw)
大切な事は、相手の出した強力なカードと自分の出した強力なカードのどちらが強いか、ではないのです。
勿論それも大事なことではありますが、それはメタゲームではなく、あくまでゲームの範疇なのです。
メタゲームで行うべきことは、相手の出す(であろう)強力なカードを予想し、それを出来るだけ簡単に排除または無力化できるカードを選択し、デックに組み込むことなのです。
その結果、相手の出した強力なカードに活躍の場を与えず、結果、自分の出した強力なカードに活躍をさせる、ということが可能になるのです。
環境を読む力
え、そんな相手が使うカードが前もって分かっていれば苦労は無い、ですって?
そこで大切になるのが、環境を読み取る、つまり、メタを読む、と言われている作業になります。
強力なカード、といっても、ゲームのレベルでよくよく見てみれば、レベルの噛み合いが悪いとか、サポートカードが充実していないとか、色々な理由で使い勝手が悪いと感じることがあるでしょう。
また、特定のカードにどうしても勝てないといった、ゲームのレベルで処理しきれない問題を抱えたものもあるでしょう。
そうしたカードは、やはり皆も同様に考えて使わないのではないか?と考えるのが普通の思考です。
つまり、「メタ読み」とは、強くて使いやすいカードがたくさんいる、という事を前提として考えて、それに対して有効なカードを選択する、という作業の事を指しているのです。
机上の空論としないために、環境に何が多いかは、前もって幾つかの小さな大会に出るとか、ネットでトレンド情報を拾うとか、いくつかの情報収集の手段があるでしょう。
また、それらに有効なカードが何かを探るのは、色々なカードを採用したデックで対戦を繰り返すことで明らかになるでしょう。(慣れてくれば頭の中でできるようになります。)
こうして、しっかりと準備をしたデックを用意する事が、メタゲームを制するという事であり、メタゲームを制する事で、ゲームを有利に導く事ができるようになるのです。
まとめ
「メタゲーム」について、如何でしたでしょうか?
おそらく、長年TCGをやっている人はこうした考えを理屈ではなく感覚で身に付けている人が多いと思います。
それは、TCGがメタゲームのゲームである所以でしょう。
しかし、真のメタゲームは、この先にあるのです。
つまり、メタゲーム終えた者にはメタゲームのメタゲーム「メタ・メタゲーム」が始まるのです。
これについては、またの機会があれば触れることとして、今回のメタゲーム論を終えたいと思います。
ではではー。
登録タグ: 株式会社ブシロード モンスター・コレクションTCG
テーマ:日記 | 投稿日時:2012/01/16 00:36 | |
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aka さん | [2012/01/16 08:21] |
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補足ありがとうございます。
(私のコラムは皆様の補足で成り立っていますw) それにしても、万人向けに書くとやっぱり長くなっちゃうのですよねー。 |
ニット さん | [2012/01/18 07:47] |
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>akaさん
コラム連載お疲れ様です。 確かにここまで長々と書くわけにはいかないでしょうが、他の人の感想等からも、TCGにおけるメタゲームの重要性についてはもう少し詳しい説明があった方が良いように感じたための補足、という事です。 ぶっちゃけ、2回に分けても良かったんじゃね?って話かもw 1回にまとめるには中身が濃い話だったとも言えますね。 |