米原伊吹のオーガスト専用TCGサイト

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千莉ちゃん大好き!
マジ天使で俺のヨメ!
てか、オーガストキャラは、みんな最高だ~!!

なお、
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大図書館の羊飼い 多岐川葵 SS 夜桜の誓い

こんにちは。米原です。

本編ブログには昨晩載せたけれど、ついでにこちらにも転載。
続きが気になったそこのキミ、まずは大図書館の羊飼いをプレイしよう。
そして、オーガスト様からファンディスクが出るのを、毎晩祈るのだ~~~!

てなわけで開始。
※3月5日の記事の続きです。



大図書館の羊飼い 多岐川葵 SS 夜桜の誓い


3月も中頃になると、決算で忙しい。
それだけなら半期決算月の9月も同様なのだが、来月から新学期と言う事もあり、新年度の準備もあわせてやらなくてはならない。
そこに9月とは違う大変さがある。
今日も今日とて、生徒会は大忙しだった。
「そろそろメドが立ってきたわね。今日はこれで終わりにしましょう」
影の生徒会長、多岐川さんの一声で皆が天を仰ぐ。
「皆さんお疲れ様でした。今晩はゆっくり休んでくださいね」
「は~い」
元気な多岐川さんに対して、なんとも力の無い俺たち新生徒会役員。
やはり経験の差は絶大というところか。

みな、重たい足を引きずりながら、廊下へと出て行く。
「筧君、戸締りの確認、お願いできないかしら?」
「へーい」
多岐川さんは女子関係、俺は男子関係のスペースのチェックをする。
特に不審な点は無かった。
「多岐川さん、オーケーでーす」
「分かりました、それでは閉めましょう」
生徒会室のすべての電気を消し、鍵を閉める。
「お疲れ様でした」
「……お疲れ様でした」
まだまだ元気な多岐川さんと、セミの抜け殻のような俺。
なんだか力の差を感じてしまった。
「ねぇ、これから用事ある?」
「いえ、特には。帰って寝るだけです」
「そう……じゃぁちょっと付き合ってもらえないかしら?」
「え?」
多岐川さんからの誘いとは珍しい。
「生徒会の関連のことだから、本当は疲れているときに悪いのだけれど、どうしても今しか時間が取れなくて……」
俺は仕方なしに着いていくことにした。
もう来週の事なんか、野となれ山となれだ!

歩くこと十数分。
さすがに俺もどこへ向かっているのか分かった。
「多岐川さん」
「何かしら?」
「もしかして、お花見の件?」
多岐川さんがくるりと廻る。
「ご名答」
「桜のチェックですか?」
「えぇ、急に暖かくなったので」
「そういえば、花壇のそばか、お花見スポットか、まだ決めてませんでしたね」
「現状は、どちらでも開催できるようになっています」
「多岐川さんはどちらが良いと思っています?」
「普通ならばお花見ですが、花壇のそばというのも新鮮で良いかもしれません」
「つまり、まだ決められていないと」
「平たく言えばその通りです。それを決めに今から行くわけで」
気のせいかもしれないが、月夜に照らされた多岐川さんの顔が笑っているように見えた。

目的地に着く。
「都心での桜の開花が発表されていましたけど、ここはまだまだのようですね」
「そうね。木々が生い茂っていて、あまり陽が当たらないのかしら?」
確かに、ここは自然が多く残っているため、昼間でも薄暗くすら感じる。
「ま、だからこその避暑スポットなわけですがね」
俺はそういいながら、つぼみの大きさを調べる。
「おおむね、半分ぐらいでしょうか。もう2週間は掛かると思いますよ」
「そうね。私もいくつか見ているけれど、小ぶりなつぼみもあれば、大ぶりなつぼみもあるわ」
「さすがに3月末には咲くとは思いますけどね」
「でも29日だけは避けないとね。白崎会長の誕生日だから」
「望月会長の都合によっても変わってくるわけですから、なかなか調整が大変ですね」
「日付の決定に関しては我々の努力次第だけど、こっちのほうは自然が相手だから、決めるのは春分の日の後しかないわね。もう少し待たないと、何とも言えないわ」
幾つか目のつぼみをチェックした多岐川さんはそう言いながら、次のつぼみのチェックへと移った。

結局、木々を確認していった中で、咲いていたのは一つだけだった。
まだ三分咲と言ったどころか。
咲いている花もあるが、まだまだ全体的にふっくらとしたつぼみが多い。
「コイツだけ気が早いですね」
「そうね」
「疲れましたし、何か飲みますか?」
「ならば、一緒に買いに行きましょう」
近くの自動販売機へと向かう。
「筧君、ちょっと」
自動販売機へ向かってばかりいると思ったら、多岐川さんは別の方角へ向かっていた。
「疲れたでしょうし、少し休みません?」
「?」
「あの気の早い桜の下で、ちょっと気の早いお花見をしながら、ね」
俺は始めて、多岐川さんの笑顔をきちんと見る事が出来た。
「……はい!」

近くのコンビニで、焼き鳥と缶ジュースを買った。
「それでは……」
「乾杯!」
ふたを開ける『シュコッ』という音と、アルミ缶が当たる『カコン』という音だけが響く。
まだ鳴く虫も、春を告げる鳥もいない静寂な夜。
この広場の中で一番日の当たる木の下で、二人だけの、かなり気の早いお花見。
その相手が多岐川さんであるという事実が、なんだか初々しい気分にさせる。
「……月が、綺麗ね」
「お月見は秋ですよ、多岐川さん」
「あら、満月は15日にいっぺん、来るのだけれど?」
「そんな事言ったら、月見はいつでも出来ちゃいますよ。お団子用意してススキを見ながらである必要が無くなっちゃいます」
「9月から10月の涼しい夜に見るのも良いけれど、こういう穏やかな気候の中で、桜の花の先にある月を見るのも良いものね」
「花より団子ならぬ、『花より月』ですか?」
「フフッ、そういうつもりではないけれど、月と桜ってのもアンマッチで面白いんじゃない?」
「芸術家ですね、多岐川さんは」
「あら、専攻は社会科学よ。でもこれは、一般的な常識でなくて?」
多岐川さんがにこっと笑う。
「多岐川さん」
「何かしら?」
「今日は……いえ、何でもありません」
「何よ、気になるじゃない」
「……忘れてください」
「何よぅ。ヘンな人ねぇ」
『笑顔が素敵ですね』なんて言ったら、どういう反応をされるだろうか。
いい関係なだけに、この空気を壊したくって口を閉ざしてしまった。

いつの日か……いや、この桜の花が満開になった時。
俺は彼女の顔も笑顔で一杯にしたくなった。
生徒会のみんなと一緒に。
誰よりも美しい笑顔を、みんなで見たい。
そう強く感じた。
「多岐川さん」
「はい?」
「……お花見、ここにしましょう。日にちは3月29日です」
「それは白崎会長の誕生日じゃ――」
「合同でやるんです」
「え?」
「望月会長から白崎会長への引継ぎ式をここでやるんです。誕生日プレゼントは、我々が協力した『彼女の夢』です」
「???」
多岐川さんの頭の上にクエスチョンマークの花が咲く。
「もともと、白崎会長は『自分を変えたい』という小さな願いからスタートしたんです。それが今この学園の会長。前会長の望月さんから白崎会長へ。ここで引継ぎ式を行い、変わったのを認識してもらうんです」
「……そうね。彼女のかなえた夢。そのプレゼントを試すのが、3月29日からって事ね」
「えぇ」
「良いアイディアね」
「もともと白崎会長の誕生日案は桜庭が考えていたので、彼女に合同でやる旨を伝えます」
「お願いするわ」
多岐川さんはそう言うと、食べ終わった串を袋に入れた。
そして、俺に向かって手を差し出す。
「私を、貴方たちの仲間に入れてください……新しい生徒会、いや、図書部の一員にしてください!」
俺は彼女の手をそっと取った。
「ようこそ、図書部へ」
彼女の眼と俺の眼。
それぞれの眼が合わさった時、距離がゼロになったような気がした。
言葉など、もはや要らない。
『頑張る』という宣言が、彼女の眼を通じて、俺の体の中に流れ込んできたのだから。

「さて、又明日の朝から忙しくなるわよ~」
「お手柔らかに、お願い致します」
俺たちはそのまま帰路についた。
途中まで多岐川さんと一緒だったのは覚えている。
途中で、彼女と別れたのも覚えている。
だが、手をつないで歩いていたかまでは覚えていなかった。
でも、今手のひらに感じているぬくもりは、あの時一緒に歩いて帰ったときのものだと、俺は信じている。


End



とまぁこんな感じで連載をしていく予定です。
とりあえずドリパまではこのネタで続けられそうだ。
あぁ、いったいいつファンディスクは出るのだろう。
米原の妄想力が切れる前に発表してほしいものです。
あとアニメ化のお話も、ね。

米原

登録タグ: オーガスト  大図書館の羊飼い  tocageにSSシリーズ  多岐川 葵  なぜ攻略不可?  ChaosTCG  ファンタズマゴリア  たぶんLyceeも  新弾期待  ファンディスクはよ! 

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テーマ:投稿日時:2013/03/18 09:48
TCGカテゴリ: ChaosTCG   ファンタズマゴリア  
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