先日から方々で話題となっているこの件について、色々読ませてもらった結果、自分なりの解釈というか結論を纏めてみようと思う。
(あくまで個人の意見レベルの内容ではあるが、部分部分において、解釈や考えが事実と異なる点があるかもしれない。全ては筆者の能力不足によるものであるので、平にご容赦願いたい。というか先に謝っとく。ゴメン)
1 言葉の定義
本来の「ジャッジキル」は、ルール違反(フロアルール違反も含む)のあったプレーヤーに対して、デュエルロスという罰則が与えられる事象そのものを指していた模様。
その必要性は、勝つためにはイカサマでも反則でも何でもやる、という無法状態を抑制するという一定の思惑があった様である。
しかし、そこから意味が派生し、「相手の反則行為に対してジャッジに(過剰に)デュエルロスを与えるように促す行為」を指すようになり、引いては、「相手のプレイミスを誘引、放置し、反則状態を作り出し、結果、意図的にデュエルロスが与えられるように仕向ける行為」を包含するようになった。
結果、「ジャッジキルを仕掛ける」なんて言葉が出るようになった模様。
こうして生まれた派生語の「ジャッジキル」には、当然上記の2つの意味がある。
改めて言い換えれば、1つは、善意のプレーヤーが悪意のプレーヤーの反則行為に対抗して申し立てた結果発生したジャッジキル。
もう1つは、悪意のプレーヤーが、デュエルでの勝利を目的として相手プレーヤー(相手の善意悪意は問わず)を落としいれるために仕掛けた結果のジャッジキル。
この2つを混同してしまうと、本来の意味も失ってしまうので注意が必要と感じた。
2 個人的な感想・意見など
思うに、現在のジャッジキルという言葉は、既に原義の意味を成していない気がするので、原義の意味でこの言葉を使うのは止めたら良いと思う。
普通に「ルールによる反則負け」とかにしておけば良い。
そうすれば、「ジャッジキル」という言葉の響きだけで派生用語が生まれているとすれば(おそらくカッコ良いって思って使ってるとするなら)、少なくともそこは防げると思う。
次に、ジャッジキルなる「文化」(はたして文化と呼べるレベルのものか些か怪しく感じるが)があるTCGとそうでないTCGがあり、ジャッジキルという概念を撲滅すべしという考えの方とジャッジキルがあるTCGから無いTCGへの流入が防げればよい、という2つの考え方がある模様。
別に例えて言うなら、社会ではルール違反をすれば、罰金なりの刑罰が与えられ、酷いモノについては刑務所行きとなる。これが抑止力となるわけだが、その裏、人を罠に落としいれ冤罪で逮捕されるように仕向ける事だって不可能では無いのだ。
これは、「ジャッジキルを仕掛ける」のと何が違うのだろう?
自分の身の回りでは犯罪者がいないからと言って、犯罪者は来るな!と言っていたらそれで本当に身が守れるの?
然るに、TCGのフロアルールで、冤罪によるジャッジキルを本当に防げるのか、ということ。
答えは、
もしそうするなら、フロアルール違反者は、片っ端から追放するしかないんじゃないかな?
人間の作るルールに穴が無いなんてありえないので、ルールでの撲滅は不可能。
かといって個人のモラルに訴えかける手段も難しいので、排除したければ、フロアルールでそういう行為をする人間自体を追い出さないと無理。
つまり、正々堂々の勝負の結果ではなく、他人を落としいれて勝利を得ようとするような非紳士的行為をした人はどんどん大会から排除していく以外、ゼッタイ確実に守る手段なんて無いと思う。
その結果、大会に人がいなくなったら笑ってしまうがwこれこそ本末転倒、という奴である。メーカーもショップも、人がいなくなったら困るのでそんなルールや運用はしないだろう。
そうなれば。
つまりは何処のラインで我慢するか、ということかもしれない。
何かあったらすぐにジャッジ、というのではなく、多少のマナー違反は許容しつつも、限度を超えるようなものは相手をたしなめることで済ませる事が出来ないというのは、TCGという対人ゲームを遊んでいるにもかかわらず、対戦相手との人間関係を構成できていないということの証明でもあると思うと、なんだか嘆かわしくも寂しい話だなあと思う。
あと、店舗レベル、大会レベルでこうした事情は異なる、なんて意見も良く見受けられたが、基本はどんな大会だって一緒でしょう。
大会レベルが違ったらなんでもありなの?何やっても良いの?そういうもん?
本来、ここで事情が異なると言う意味は、上位の大会であればあるほどこうした行為の発生確率は極端に下がるものの、決してゼロではないため、仮に発生した場合には下位の大会よりも厳格に裁定しますよ、だから、下位の大会では逆にこうした行為は頻発しているけど、大会を楽しむ方を優先しているからそこまで厳密にデュエルロスを与える裁定はしませんよ、と言う意味だと思うのだが、どうも都合の良いように解釈している人も散見された。
そもそも上位の大会ほど「ジャッジキルを仕掛ける」非紳士的行為が発生する頻度が高いTCGなんて、あまりにも情け無くて、もうそんなTCGは止めた方が良いと思うね。
3 まとめ
ここまで書いてみて、「でゅえるめいと」の「TCGは誰と遊ぶかが大事」という言葉が妙に輝いて見えた。
これは、裏を返せば「誰とでも楽しくデュエルなんてとても出来ない」とも取れる。
確かに「ジャッジキル」問題に例示されるような状況を見たら、どんなショップでも誰とでも安心して対戦できるなんて環境ができる日はまだまだ遠い未来のことのようにも思うけど、TCGに関わる一人ひとりが心がけていれば何時かはかなう夢なんじゃなかろうか。
そんな風に感じつつ、本稿の締めとする。
3/4 追記:
上記の文章だけでは何となくわかりにくい気もしたので、蛇足ながら補足を。
個人的には、「ジャッジキルを仕掛ける」行為を容認するのでも否定するのでも無く、社会に犯罪者がいるのと同様に、こうした考えを持ち行動する人がいる事は必然と考えています。
ただし、こうした状況を見て、TCGの世界の外にいる人たちが、この世界に入ってこようと思うかどうか、そういう視点で考えたらどうしたら良いのか、自ずから答えは出ている問題だと思っています。
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テーマ:日記 | 投稿日時:2012/03/03 21:06 | |
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MURA さん | [2012/03/03 23:53] |
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はじめまして。
個人意見にどうこう言えるほどの、熟練してプレイヤーでもジャッジでも無いのですが、この問題について記事を何度か書いたので、コメントを書きたいと思います。 まず、私はニットさんの定義した「ジャッジキル」の「ジャッジキルを仕掛ける」の仕掛けたプレイヤーもジャッジも悪いと言うスタンスです。(店舗レベルのトーナメントでもそうですし、大きなイベントでも同じだと思います) >大会レベルが違ったらなんでもありなの?何やっても良いの?そういうもん? トーナメントレベル(競技性の度合い)が設定されていると思います。 より競技性で下位にあるトーナメントでは基本的にプレイミス等に関しては、ペナルティレベルを落として裁定するのです。 初心者の人や、カジュアル向けのプレイヤーに慣れて貰うために行われている事を目的として開かれているところが多いですから、競技性は低いのです。 ニットさんの言う「大会を楽しむ方を優先している」と言う側面と、カジュアル向きなイベントなので厳正にしない、その大会でプレイミスを少なくしてもらう意味合いもあると思います。 しかし、度重なる警告からのゲームロス、明らかなイカサマ行為、買収等の非紳士的行為による失格は仕方の無い物だと思います。 (これは、ルール違反をしないのではなく、悪意のある行動をしない事を心がける。対戦相手の悪意のある行為を事前に注意する行為だと思います) しかし、悪意を見ぬく事はかなり難しいので、私個人の意見としては「ゲームロス」は店舗レベルの判断で与えることは、厳しいと思います。 競技性の違いは、問題行動の発生率の違いから決められたものではなく、参加しているジャッジのレベルや、授与される物の重さ等から決めていると思います。 どちらにしろ、競技を開く側としては、常に「失格」は出さないで如何に裁くかが重要になると思います。 そうでなければ、ジャッジは大会の発生率によってペナルティを適用すると言う事になってしまうと思います。 そして、問題は大きな大会であれ、店舗大会であれ同じ様に発生します。 寧ろ、大きい大会の方がトーナメントレベルが高いので多く発生しますから、ジャッジを呼んで適正に審査してもらうべきなのです。 ここで、厳格にする理由は、その大会が初心者も参加出来る大会ではなく、ある程度の熟練者による対戦だからです。 そこで、初歩的なミスは「注意」では無く「警告」になりますが、それでも初歩的なミスを見たらジャッジに相談すべきで、問題が減ったから「適正なレベルの高い大会」であったとは思えません。 >フロアルール違反者は、片っ端から追放するしかないんじゃないかな? の提案にある、該当の行為のプレイヤーの排除は必要だと思います。 そうすれば、両プレイヤーは状況しか言えませんし、ジャッジはインタビューでより詳しい状況を聞き出す事ができます。 と言うより、そう言う事をしているTCGの方が多いと思います。 他人を落としいれて勝利を得ようとする行為自体が「結果の不正」ですからね。 大きなイベントでは、「授与資格」を失うと思います。 また、私個人の考えですが、限度を超えるマナー違反ははジャッジというよりは、店舗に伝えるべきだと思いますが、それは個人間でやりとり出来れば良い事だと思います。 (私なら、限度を超えたマナー違反→台を叩く、挑発行為、カードを握りつぶす等は、第三者として見ていても店舗に言います) >そもそも上位の大会ほど「ジャッジキルを仕掛ける」非紳士的行為が発生する頻度が高いTCGなんて、あまりにも情け無くて、もうそんなTCGは止めた方が良いと思うね。 最もだと思います。 私はニットさんの言うことも、最もだと思いますし、この議論に参加している全ての人が、ゲームを良くしようと考えているので悪くない傾向ですし、こう言う議論は重要だと思います。 長々と失礼致しました。 |
ニット さん | [2012/03/04 23:23] |
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>MURAさん
こんな場末のブログをご覧いただいた上、わざわざコメントまで頂き恐悦至極に存じます。 さて、ご指摘いただいた件につきまして、おっしゃるとおりかと思います。 ただ1点 >大会レベルが違ったらなんでもありなの?何やっても良いの?そういうもん? につきましては、なんでもあり、の意味が上手く伝わらなかったのかなと思い、文章力のなさを痛感しております。 ここで言いたかったのは、店舗レベルでは「ジャッジキルを仕掛ける」ことはしないが、タイトルの掛かった大きい大会などではする、的な意見を見たため、それはなにかおかしくないか?という意味でのことでした。 あえて問題としている事象を特定しないためにぼかして書いた意図もありましたが、結果伝わらないのでは意味が無いのでコメント欄にて補足させていただきます。 |
MURA さん | [2012/03/05 02:40] |
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ニットさん>
こちらこそ、理解せずにコメントして申し訳ないです。 補足を理解すると、後の文の意味合いも変わってきますね。(私は逆に理解をしていました・・・申し訳ない) ルール適用度が高いこそ狙い、低い時は普通に対戦するとは、何の為に店舗大会に出てるのかも解りませんし、上位の大会に出る意味も無いですからね。 折角店舗大会何かで調整してタイトル戦やプレミアイベントに参加しているのに、そこでジャッジキルを狙うと言うのはもったいない様な気がしますね・・ 誤解してコメントを書いてしまいましたが、面白い記事でした。 失礼致します。 |