*立体シャドーアートを見て
きっかけはKanjuさんがニコニコに投稿していたこの動画。
⇒ http://www.nicovideo.jp/watch/sm2497215
DMの《フェアリー・ライフ》数枚を切り貼りして自作された立体カードの紹介動画です。シャドーアート/シャドーボックスと呼ぶそうです。
Kanjuさんはこんな感じで色んなTCGの立体カードを製作しており、最近はMtGのニコニコ公式チャンネルでも紹介されました。
⇒ http://www.nicovideo.jp/watch/1314992489
見て分かると思いますが、視覚的強度がすごいです。
カードゲームって「平面のゲーム」なので、立体であることで絵面のインパクトって特に引き立ちます。
それでもう1つ、kanjuさんの紹介動画を続けて見ました。
⇒【デュエルマスターズ】マティーニ/マティーナを紙で立体化してみた ‐ ニコニコ動画(原宿) http://www.nicovideo.jp/watch/sm15652742
デュエルマスターズのサイキック・クリーチャーを立体加工した特製カードの紹介動画。
なんかスゲェ、もうカードを超えた領域に入ってる……なんて感動しながらも、思ったこと。
これって実際のゲームプレイで使えてもいいじゃん。
*シャッフルいらずの超次元ゾーン
超次元ゾーンは「シャッフルを行わない」かつ「公開領域」なので、カードごとに判別性があってもプレイに一切の支障をきたしません。
カードごとに異なる厚みがあろうがおかまいなし。
立体カードをゲームプレイで使うことにシステム上の問題は一切ないということです。
動画で出たド派手なマティーニを、プレイエリアにボン! と出すのだってその気になればOKなわけですよ。
立体カードは見ての通りビジュアルに圧倒的なインパクトがありますから、特に構築済みデッキの看板に置くのには最高といえます。
平面カードが並ぶ陳列棚の中で看板に立体がデーンと飛び出た商品があれば、当然目を惹きます。
*統率者がライフカウンターなら
話は変わって、今年2011年の6月に、MtGの特別構築セット『統率者』が発売されました。
⇒ 複数で戦う『MTG』の魅力を味わおう! 『統率者』の試遊レポートをお届け! - 電撃オンライン http://news.dengeki.com/elem/000/000/378/378078/
で、パッケージを見たら分かると思うのですが、これには大判カード(通常の3-4倍ぐらいあるジャンボサイズカード)3枚がついてくるんです。
デッキに混ぜることは当然できないんですが、統率者戦ルールでゲームの開始時に1枚だけ選ぶ統率者カードとしてならば、実際に使用することができます。
統率者も「シャッフルせず」「公開領域」にあるカードなので、このような仕掛けができるわけなんです、が。
これ、見た目のインパクトは確かにあるけど無駄にデカいから持ち運びには邪魔だし統率者戦で統率者に選んだカードにしか使えないしで、総じて使い勝手ビミョーで使用率ビミョーな感じでした。
それでこの流れがあって、ふと思ったんです。この大判カードが
カード画像&テキストそのまま付いたライフカウンター
だったらよかったんじゃないかなあと。
実カードにライフカウンターダイヤルが付いてると言い換えてもよい。
裏にダイヤルが見えてても、大判カードと同じでデッキに加えることはないので判別性があっても全然問題ナシ。
統率者戦では統率者ダメージを別個に記憶するので、通常よりたくさんのライフカウンターが必要になります。
統率者がライフカウンターになればそのコンポーネント(ゲームの備品)を1個減らせますし、
「リーダー自身がライフ数値を保持する」という仕掛けによって、統率者はプレイヤーの代行者であることのフレイバー的な強化にもなります。
もちろん、統率者を選択しないときは普通にライフカウンターとして使うこともできます。
コストの面で問題があるかも知れませんが、実用性で言えば
統率者として使えるライフカウンター >>> 統率者としてしか使えない大判フォイルカード
だと思ったわけなのです。
そんなわけで、この仕組みって結構色んなのに使えるんじゃないかと思うのです。
「公開領域で」「デッキに入らない」類のカードは、カードの枠を超えた物理的な拡張ができるということ。
立体カードにしたり、ダイヤルをつけたり……。
World of Warcraft TCGとかなら本当に上のまんまライフカウンターダイヤル採用できます。
最近発売されたファンタズマゴリアもリーダーを別個に選んでプレイしますね。プロモや構築積みの看板にMHP表示ダイヤルつけたり立体にしたり……目を引く工夫には困らないですよね(コストさえ考えなければ)。
*遊戯王のモンスターフィギュアコレクション
最後はさらにもう一歩進んで。
遊戯王は「モンスターフィギュアコレクション」という商品を出していました。
⇒ http://www.yugioh-card.com/japan/mfc/index.php?vol...
ちっちゃいモンスターフィギュアにそのモンスターの元になったカードが付属してきます。
スターダスト・ドラゴンのフィギュアだけでなくゲームプレイに使えるカードの方の《スターダスト・ドラゴン》も付いてくると。
でも上の流れで言えば、このフィギュア自体をゲームプレイに使えても別にいいわけですよ。
「シャッフルしない」「公開領域」のカードのプロキシーとしてならば。
究極的にはカードを付ける必要さえない。
カードテキストは台座に書くなどすればよいのです。
シンクロ召喚したら、おもむろにフィギュアをとってドン! とボードに出せばよいのです。
攻撃するときはフィギュアをつまんでクイクイ動かす。
この盤上のインパクトはさすがの立体カードにも勝ります。
まあ遊戯王はこの点スゲー問題があって、EXデッキが非公開領域なのとカードテキストが密すぎて台座なんてモンには入り切らないのでダメなんですが。
たとえば、DMならどうでしょう? 昔クリーチャーのフィギュアを出してました。
⇒ Amazon.co.jp: デュエル・マスターズ フィギュアコレクション BOX (食玩) http://www.amazon.co.jp/%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%A...
領域固定のサイキック・クリーチャーなら、フィギュアをゲームに使えてもシステム上なんの問題もないわけです。
カチャカチャ変形する《ランブル/ランブル・レクター》のフィギュアとか、そんでそれがゲームで使えるとか、なんかスゲー未来がある気がします。
「《リビング・ホール》で出しまーす(ゴソゴソ…ドン!)」
「あ、カード名当てたんで変形させまーす!(カチャカチャ……)」
などという「コレ本当にカードゲームか?」的なキャッチーでド派手な絵面になるわけです。
まあさすがにフィギュアはコスト面でリスキーすぎるのでしょうが、
こんな風に「固定領域のカードの表現」にはまだまだ未発見の金脈が埋まってると思うのです。
ライフカウンターもダイヤルもフィギュアも、その金脈の一角が見えてるだけで、掘り下げてけばもっともっと大胆な発見がありそうな気がします。
*ストロング・メタル・デッキに期待
それでなんですが、DMではストロング・メタル・デッキというのが今度発売されるそうです。
事前情報によるとTCG史上初の「メタルカード」が付属するとのことですが、多分これってこの発想の線上にあるんじゃないかなあと思います。領域固定カードの物質拡張。
メタルカードって言われても銀ピカしか想像できんのですが、どうなってるのか、実物が早くみたいです。
立体加工だと面白いけどなあ。
*3つのまとめ
最後に3つ、記事内容をまとめて終わります。
- 固定領域のカードは、カードにこだわらない物質表現ができる。
- 記録補助のダイヤルや、平面を飛び越えたド派手なプレイシーンのフィギュア。TCGデザインの金脈がありそう。
- DMのストロング・メタル・デッキに期待。
ありがとうございました。
**2011-10/14-12:05追記
>⇒ DMD-03、04ストロング・メタル・デッキ情報 10/14版 - 西日暮里駅東口 http://johnlenoso.blog115.fc2.com/blog-entry-1155....
>
>うおおおお。情報もう出てました。
>俺が遅い……。俺が…スロウリィ……。
>
>
>ただ、縁に凹凸がついて覚醒リンクが外れにくくなってる工夫は盲点でした。すごく自然でよく考えられたデザイン。単なる目惹きに使うんじゃなくて、ちゃんとインターフェイスにつながってます。私なんかより一歩も二歩も踏み込んでますね。二重のダメージ!
>
>でもこれも多分、発想の始点は絶対kanjuさんの立体カードだと思うんですよー。本当に衝撃的でした、あのビジュアル。
>もっと面白いこと、できそうだなー。
登録タグ: TCGデザイン論 コンポーネントデザイン
テーマ:日記 | 投稿日時:2011/10/14 01:50 | |
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