カードゲームのプレイングとは難しいものです。
勝ちたい、上手くなりたいと思っても、何をどうしたらいいのか分からない、という事はよくあります。
そこで自分の経験などから、考え方やノウハウなどを叩き台として言語化してみようという試みです。
カードゲームを構成するのは、大きく分けて2つになります。
デッキをどう作るかという「デッキ構築」とデッキをどう使うかという「プレイング」です。
個別の事例に関しては、おいおいとデッキ紹介などで進めていくとして今回はその根本的な基礎部分について考察してみようかと。
カードゲームが勝利を目指すものである以上、一番重要になってくるのが勝つための方法です。
いや、俺は勝つよりも派手なコンボを決める方が大事だ! というプレイヤーもいるでしょうし、そうした考えは否定しませんが、特殊な事例を混ぜてしまうとややこしくなるので、あくまでも勝利を目指すというのが大前提になります。
さて、バディファイトでのプレイヤーの勝利条件は「相手のライフを0にする」「相手の山札が0枚になる」のいずれかです。
そのうち「相手の山札が0枚になる」は現時点では、狙っていても滅多に起こりえないケースなので考慮する必要はありません。
話は非常にシンプルです。「どうやれば自分のライフが0になるよりも先に、相手のライフを0にするか」というのが勝つための方法となります。
これだけでは、当たり前の抽象論です。長生きするためには、死ななければいいという理屈と同じです。
ここから具体的な話をするためのモノサシとして、「アドバンテージ」という概念を使います。
・「アドバンテージ」とは?
元は英語で、日本語に直すと「優位性」といった意味合いの単語ですが、TCGに置いては勝負に置いて優劣を決める、様々な要素を指します。
詳しく知りたい人はTCG用語wikiなどを各自参照してください。
ゲームの勝敗を決めるのは、どれだけアドバンテージを沢山得る事ができるか、と言っても過言ではありません。
ではバディファイトでは、何がアドバンテージ足りえるのか。一般的なデッキの場合、4種類のアドバンテージが考えられます。
「ライフアドバンテージ」と「ハンドアドバンテージ」、「ゲージアドバンテージ」に「アタックアドバンテージ」です。
一つずつ詳しく解説をしていきたいと思います。全部理解する必要はないので、何となくで覚えてもらっても大丈夫です。
・「ライフアドバンテージ」
その名の通り、お互いのライフの事です。
ゲームの勝利条件が「相手のライフを0にする」である以上、最も気をつけなくてはいけないのが自分と相手のライフです。
ゲーム開始時に、お互いに10ずつ持っています。
最終的に、他で手に入れたアドバンテージをいかにしてライフアドバンテージへと変換させて、「自分のライフが0にならないようにしながら、相手のライフを0にするか」というのがゲームの勝利する流れです。
最も大事なアドバンテージ。
ただし、相手のライフが0になった時点で、自分のライフが1以上あればいいので、ただ大事にすればいいというものでもないのが奥の深い所です。
・「ハンドアドバンテージ」
自分と相手の手札の枚数です。
ゲームが始まった時点では、お互いのライフは一切変動する要素はありません。
全ては、手札からモンスターを出したり、魔法を使ったりする事によって、他のアドバンテージを変動させます。
手札を増やすのにも、手札を使うと考えると、ライフの次に重要だという事が分かるでしょう。
なお、ライフと違い、お互いに6枚ずつから始まり、自分のターンごとに何もしなくても1枚ずつ増えていきます。
なくなってしまうと何もできなくなるために、ライフの次に大事なアドバンテージだと言ってもいいでしょう。
・「ゲージアドバンテージ」
ゲージに置かれているカードの枚数です。
カードによっては、使うのにゲージと呼ばれるコストを支払う必要があります。
基本的には、ゲージを使うほど効果が強くなるために、ゲームが終わった時点でゲージを使わなければ損をしているといえます。
ゲージはゲーム開始時に2枚あり、自分のターンごとに手札から1枚選んで、ゲージとして1枚置く事ができます。
ゲージがなくても出来る行動は多々ありますが、あるものを有効に活用しなければ、アドバンテージの差で負けるのがゲームというものです。
・「アタックアドバンテージ」
アタックする権利の事です。
このゲームは1ターンにつき、アタックフェイズは1回しかありません。基本的には場に出ているモンスター+武器が1回ずつしかアタックできません。
アタック回数も有限である以上、相手より多くアタックした方が有利になります。
自分の場には合計サイズ3以下までしかモンスターを出せないため、出来る限り大きいサイズで攻撃をした方がアタックアドバンテージを手に入れる事ができます。
また、武器はモンスターのサイズとは関係なく攻撃ができるため、合計サイズ3+武器で攻撃するとさらにアタックアドバンテージが取れます。
相手のライフを減らす、一番お手軽で有効な手段なので、積極的に活用していきましょう。
なお、アタック権に関しては目に見えないものなので、意識しないと分かりにくいかもしれません。
今回の解説では、アタックアドバンテージは積み上げ式で解説しますが、好みの問題で分かりやすいほうを採用するといいかもしれません。
以上、長々と説明してきましたが理屈だけだらだらと書かれても、さっぱり頭に入らないと思います。
そこで具体的な、ケーススタディを上げていきます。
ケース1.あなたは魔法カード「ドラゴニック・ヒール」を手札からプレイした。
・あなたは「ライフアドバンテージ」を2得て、「ハンドアドバンテージ」を1失っています。
テキストに書かれている通りの効果です。魔法カードは使い捨てなので、手札を1枚失いました。
ケース2.あなたは魔法カード「デストラクション」を手札からプレイして、相手のアイテム「激槍死狂い」を破壊した。
・あなたは「ハンドアドバンテージ」を2失い、相手は「ハンドアドバンテージ」を1失い、「ゲージアドバンテージ」を2失っています。
「デストラクション」はコストとして、手札を1枚捨てるので、あなたは手札を2枚失っています。
相手は「激槍死狂い」を出すのに、手札を1枚とゲージを2支払っているので、それらを全てうしなった形になります。
さらに仮定の話になりますが、相手が次のターン武器を出せずに攻撃できなかった場合、「激槍死狂い」が攻撃して得るはずだった「アタックアドバンテージ」をも失う可能性があります。
ケース3.あなたが「サウザンド・レイピアドラゴン」で相手を攻撃した時、相手が魔法「ドラゴンシールド緑竜の盾」をプレイした。
・あなたは「アタックアドバンテージ」をサイズ1失い、相手は「ハンドアドバンテージ」を1失い、「ライフアドバンテージ」を1得ています。
「サウザンド・レイピアドラゴン」はサイズ1のモンスターなので、1回分の攻撃がサイズ1の「アタックアドバンテージ」になります。それを魔法で無効化されたため、その分のアタック権を失い、相手は手札を1枚失い、効果でライフを1得ています。
ケース4.あなたのアタックフェイズで「サウザンド・レイピアドラゴン」で相手の「サウザンド・レイピアドラゴン」を攻撃して破壊した。
続けて「竜剣ドラゴブレイブ」で相手プレイヤーを攻撃して、アタックフェイズを終了した。
・あなたは「アタックアドバンテージ」をサイズ2失い、相手は「ライフアドバンテージ」を3失い、「ハンドアドバンテージ」を1失っています。
「アタックアドバンテージ」については、ターン毎にサイズ3+武器分を得る事ができます。しかし、このターン攻撃したのはサイズ1の「サウザンド・レイピアドラゴン」と武器の「竜剣ドラゴブレイブ」だけなので、サイズ2分の「アタックアドバンテージ」を失ったという計算になります。
なお、「アタックアドバンテージ」は積み上げ式で、攻撃に成功した場合に得るものと表記した方が分かりやすいかもしれないので、そこはお好みで。
相手に関しては、手札から置いて破壊されたモンスター1枚と、プレイヤーへの攻撃でライフを失いました。
以上「アドバンテージ」について何となくつかめてきたでしょうか?
実際にいちいち計算しながら戦う必要はないのですが、なんとなくでやっている行動が、具体的にどのぐらいの影響を与えているのかを数値化することで分かるものになります。
それでは今回はこの辺りで。何かの参考になれば幸いです。
デッキ構築&プレイング&その他まとめ
http://tocage.jp/blog/4260/1401790330.html
テーマ:プレイング論 | 投稿日時:2014/02/03 22:50 | |
TCGカテゴリ: フューチャーカード バディファイト | ||
表示範囲:全体 | ||
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あき さん | [2014/02/04 00:10] |
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記事を読ませていただきました。とても基本的でありながらあまり明確に意識せずにいることに対しそれをわかりやすく啓蒙する、とてもいい文だったと思い感銘を受けました。 私も、このゲームでアドバンテージを意識することはとても大事だと常々考えています。それはリェロンさんが仰るとおりアドバンテージを稼ぐこと、そしてある種のアドバンテージを捨てることで別の形でアドバンテージを得て、それをゲームでの勝利という形に結実させることが非常に大事だと思うからです。 「ひたすらにアドバンテージを稼ぐ競争をして、結果として相手が持つリソースを削りきって勝つ」 これはTCGにおいて一言で表すなら「ビートダウン」、 「アドバンテージを意識して過剰なコストとして捨てたとしても、機会を掴んでその機会に一気に勝利をもぎ取る」 これは一言で表すなら「シュート」だと思います。 そしてこのバディファイトでは他のTCGに比べてシュートによる勝ち方を目指し、相手のシュートを防ぐ、この2つの重要性が高いのではないでしょうか。 手札もまだ潤沢でゲージもまだまだ貯金がある、しかしライフだけは削りきられたというシュートによる負けがこのTCGでは多いです。 シュート阻止の重要性が高いからこそ現在どのワールドのどのタイプでも「盾」に相当するドラゴンシールドやマジカルグッバイなどの採用率がとても高いのだと思います。 どのアドバンテージを重要視して勝ちに結びつけるかを考え、どのアドバンテージを軽視したデッキだったがゆえに負けたのか?それを考えることはシュート重視のこのゲームにおいて最も大事なことの一つじゃあないでしょうか。 |
リェロン さん | [2014/02/04 07:11] |
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コメントありがとうございます。 次に書こうかなー、と思っていた事とほぼ同じ意見ですね。 このゲームでは、1ターン、2ターンあればライフはあっという間に0になるために、ライフアドバンテージに直結する、打撃力の高いカードだったり、攻撃を無効化するカードの重要性はとても高いと思います。 最低でも、初手に1枚は無効化だったり、ライフ回復だったり、自分のライフを守るカードは必要だと思うのですが、色々試してみたいと思います。 |