禁止カードの歴史について
どうも、プレデターです。
MTGのスタンダードにおける禁止の乱発について、何かしら書きたいと思っていたところに、
バトスピでも禁止カードが出ました。かつその理由が特殊裁定の周知が難しいという、
あまり見かけない理由だったため、書きどきと思い、TCGにおける禁止カードについて叫んでいこうと思います。
そもそも禁止カードとは、ゲームを成り立たせるために存在が許されないものであり、
商品として不良品となります。
(昔MTGのパックから禁止カードが出たら交換できたとか、また魔法少女ザ・デュエルでは交換対応をしていました。)
乱発はユーザーとしてメーカーに批判的になって当然です。
なぜ禁止カードが生まれるか、禁止となった理由を分類して考察してみます。
(なお、
(0-1)なんらかの法に触れる危険性がある(MTG:アンティ関連カードなど)
(0-2)戦略ゲームから異質に外れる(MTG:《Chaos Orb》など)
この2点については異質であり、少なくとも今考えたいこととは無関係でしょう。除外します。
(1)本来想定されているゲームスピードから逸脱するリソースの追加(MTG:Moxシリーズ、アンジュヴィエルジュ:《愛ある技師 エルセア=エコルダ》など)
メーカーはターンの進行を想定しているでしょう。MTGであれば土地は1ターンに1度置かれ、リソースを用いることで自身を加速・相手を減速し、ターンが進んでいく。しかし、例えばMoxであればその存在が土地加速であり、ほかにリソースを要求しません。リソース加速は自身の存在が連続して加速を生むため、たいていのゲームで問題を起こします。インフレを考えるとリソース当たりのパフォーマンスも上がり、加速行為そのものの危険性が増していきます。
(2)1枚での選択肢が多い(MTG:《王冠泥棒、オーコ》、デュエルマスターズ:《蒼狼の始祖アマテラス》など)
カードには専門があるべきです。少なくとも「全てできる」はそれだけで評価点であり、相応のコストが求められます。ここで例を挙げたものは特に選択性とそれに似合わないコストを持っています。また選択肢そのものだけではなく、MTG:《自然の怒りのタイタン、ウーロ》のような効果そのものが広いカードであったり、バトルスピリッツ:《烈の覇王セイリュービ》のような使えない場面が少ないという意味での万能カードもここに分類します。
(3)基本的なルールを変える(遊戯王:旧《処刑人ーマキュラ》、バトルスピリッツ《大天使ミカファール》など)
基本的にはコストを踏み倒すカードになりますが、ほかにもデュエルマスターズ《呪紋の化身》・《聖鎧亜キング・アルカディアス》なども含めて、ルールブックにある行動を否定するカードのことです。MTG:《全知》などの例を考えると問題がないときもあるようですが、少なくともゲームの終盤までは許されないようです。(1)と組み合わさると問題となるカードも多いです。
(4)ゲームのランダム性を取り除くカード(MTG:《むかしむかし》、遊戯王《ラヴァルバル・チェイン》など)
いざ例を挙げようとすると難しいものですが、軽量で大量のドロー・サーチを行うカードです。最初にデッキをシャッフルして始めるゲームなのに常に同じ行動ではつまらないため規制対象になりやすいです。アンジュやウィクロスなどはゲームシステムからランダム性にたいして対抗しています。ランダム性を取り除くことはカードゲームの目標ではあります、がそれでも規制はされやすいです。禁止ではなく1枚制限などが多い印象です。(遊戯王に関してはこの項目がどれほど問題視されているか疑問ですが。)
(5)相手のリソースを大きく削る(デュエルマスターズ:《ヘル・スラッシュ》・《スケルトン・バイス》など)
いま調べると少ないのですが、それはもう新規カードとして登場していないからでしょうか。強力なハンデスカードは規制対象です。1番の理由は対策カードとしてドローカードなどを入れてもそれ自身が落とされてしまうからというのもありそうです。《ヘル・スラッシュ》はデッキからなのでさらに対策が効きづらいでしょう。アンジュヴィエルジュでは、通常ドローが2枚でフィールドアドバンテージが奪われにくいゲーム性もあって全ハンデスからも十分まくれるものでした。周りによっては規制にならないこともあるようですが、たいていのゲームでハンデスは控えめです。ランデスについてはそもそも印刷しないのが今の業界の流れなどですが、MTG:《露天鉱床》などがあります。
(6)ゲームの終了条件を早める(アンジュヴィエルジュ:3章覚醒サイクル、バトルスピリッツ:《インビジブルクローク》など)
規制が1番早い印象のあるものです。(1)(3)を規制して済ますこともあります。有名なデュエルマスターズ:《無双竜機ボルバルザーク》(これは勝利より敗北のほうが問題ですが)などはここに分類することにします。遊戯王の規制はたいていここでしょう。(多すぎてよくわからなかった。)相手の防御手段を封じるデュエルマスターズ:《呪紋の化身》・《音精 ラフルル》はここでもあるでしょう。拡大解釈すれば(1)・(3)を含んでいます。
(7)ゲームの終了条件を遅らせる(ウィクロス:《修復》、魔法少女ザ・デュエル:《優しくしてね》など)
ゲームは手軽に終わらせましょう。他のカードゲームにはない印象ですが、ウィクロスはほとんど《音階の右律 トオン》を埋めるループへ規制がされています。魔法少女ザ・デュエルはほとんどやらなかったのですが、唯一しっかり組んだデッキが《優しくしてね》を回収し続けるループでした。どちらもゲームが理論上終わらないです。また店舗によっては遊戯王で《レインボー・ライフ》などを独自に規制していますね。
リスト見ながら改めて書いたら長くなりました。
もっと手軽に更新するつもりだったのに。
だいたいの理由は書けたと思います。
遊戯王のリストを見ると「強いから」だけなところもありますが、たいてい「強い」以外にも理由があるはずです。
MTGの禁止の基準にトーナメントのベスト8に32枚使われているか、があると思いますが、強いだけではそこまではならないはずです。
「俺は黒使いだからオムナス使わない!」など、普通は使わない理由が出来たりします。
遊戯王はいわゆる色の概念がなく、環境が1アーキタイプになりがちなのも禁止の理由かもしれません。
同じことがMTGアリーナでも起きているようです。
どんな「カスレア」でも使うワイルドカードは同じ1枚、ならば最強デッキを作ろう。
誰もが最強デッキとされるデッキを使う環境になっています。
最近の禁止乱発にはデジタルという環境が要因となっているでしょう。
言いたいことまでが長くなってしまった。
なぜ禁止カードが生まれるのかです。
それはズバリ禁止カードが好きだからなんです。
誰しもが自分だけカードを引きたいし、相手より先にデカいの出したいし、勝ちたいし、負けたくないんです。運に左右されずに。
禁止カードの理由を箇条書きで挙げましたがぴったり合うと思います。
禁止カードとはカードゲーマーの欲の塊なんです。
仕方ないとは言えないけれども、禁止カードの存在はそれだけユーザーの欲に合ったゲームである証拠だと思います。
実際、禁止カードが出ているときのほうがアクティブユーザー数多かったりしませんか?メーカー側の人間ではないためわかりませんが。
長く書いていたせいでよく分からなくなってしまった。
正直な気持ちを書いて終わろうと思います。
「ウーロ返して。クローバー禁止にして。」
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テーマ:衝動的叫び | 投稿日時:2020/10/10 17:36 | |
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