ドレッドノート・ステップアップV3:10
早いものでドレッドノートステップアップV3第十回。
クラスタ分析編第四回は、単色最後となった黄単デッキ。
大会で勝てない器用貧乏と言われているが、Chapter3で果たしてどこまで環境が変わるのかは見もの。
◆【黄単】
アビリティダメージの扱いに長けるのが最大の特徴だが、実はエンチャントの扱いもそれなりに得意。
構築条件が【黄】のカードは比較的汎用的だが、【黄黄】には他のクラスタにない効果を持ったカードが複数あるのも特徴のひとつ。
だが、コストと手札のどちらかが確実に重い負担となってくるのが悩みの種、器用貧乏と言われても否定できない。
▼黄単トリシューラ
黄の主要タイプのひとつ「トリシューラ」を主軸にしたデッキ。なお同じトリシューラデッキでも3つほど系統がある。
ひとつ目は《カルティケーヤ》や《カーリー》といった、先攻で強くなるユニットを多数採用した先行型ビートダウン。
先攻を取りやすくするために必須の《岳田 リツコ》の他、ユニットでは《スカンダ》《マハーセーナ》《バイラヴァ》《ガネーシャ》などが採用候補。
重いコードは《インドラの矢》と《ヴィシュヌの天眼》だけに絞って、先攻の手札の少なさをゴッドドローか《華岡 ヒトミ》で補うのが無難。
相手の態勢が整う前に、先攻SSアタック→Mサイズアタック→Mサイズアタックの三連打を繰り返して相手の防御を力で突破する。
Chapter2で《ウシャスの夜明けの光》を得たことで《アテナの煌めく盾》や《ベリトの闇の鎧》など、強力なコスト①コードの防御を踏み潰せるようになったのは大きな収穫。トリシューラ覚醒の《ニーラカンタ》もいる。
Chapter3では「トリシューラ」に統一せずに、『神速』持ちと相性のいい《オンコット》を採用するのも手。加えて、手札を消費せずにバーストを増やせる《シータ》と、容易にドローができる《小林 マラティ》の登場により、コスト事情が少し楽になった。
ふたつめの「トリシューラ」デッキは、《シヴァ》を主軸にした中~低速のコントロール寄りのデッキ。
前に解説した内容と重複するが、《シヴァ》の『第三の眼』の160アビリティダメージ、および《シヴァの第三の眼》の160~240ダメージで、敵軍Mサイズを片っ端から焼き尽くすことを狙うデッキだ。
Mサイズは《シヴァ》《ナンディン》がほぼ固定で入り、《シータ》や《サラスヴァティの琴の音》でバーストを増やして『第三の眼』発射体制を速やかに整える。
敵軍Mサイズを始末した後は《パールヴァティ》が強い。《シヴァ》をノーマル状態に戻して二発目の準備をしたり、《カーリー》をノーマル状態に戻して無人のバトルエリアにもう一回アタックしたりと、そのまま勝てるくらいの活躍。その分除去されやすいのに注意。
問題はコストの重さ。《シヴァ》+『第三の眼』=⑥。《シヴァ》+《ナンディン》+『第三の眼』=⑥。《シヴァ》+《ナンディン》ターンエンド後、『第三の眼』+《ヴィシュヌの天眼》=⑥。
どうやってもこの悪魔の数字から逃れることができない《シヴァ》型トリシューラデッキは、構築もプレイングも苦難が付きまとう。
みっつめの「トリシューラ」デッキは、《ドゥルガー》をフィニッシャーに据えた変則的なもの。
《ドゥルガー》は黄色い《アテナ》みたいなもので、デッキ構築条件は【黄】だが黄単デッキの方が都合がいい。
《アテナ》がコードカードをBPに変えていたのに対し、《ドゥルガー》は「トリシューラ」カードをBPにする。このときログコスト①が必要だが、上昇幅はBP+30と少し高め。
この《ドゥルガー》の瞬間的に高まるBPを《ラクシュミの蓮の花》《ラートリの夜の闇》《ウシャスの夜明けの光》で援護したり、面倒な相手を《アプサラスの誘惑》で封じ込めたりしながら戦う。
手札に「トリシューラ」を確保するために、どちらかといえば後攻寄りの戦い方をしたいので《カルティケーヤ》などの先攻軍団は使わず、《ウマー》や《バイラヴァ》、《ガネーシャ》などを使って地味に着実に攻めていく。
どの「トリシューラ」デッキにも共通する弱点は、《ラクシュミの蓮の花》《ヴィシュヌの天眼》への依存。もっと言えば、中核となるMサイズが出るまでの展開と、始末された後の立て直しの弱さ。
主力ユニットが強い状態を維持し続けなければならないので、特に《ヴィシュヌの天眼》は常時構えておきたいくらいのもの。しかし現実にはそううまくいくものでもない。その辺りをどうフォローするかが腕の見せ所となるだろう。
▼黄単ヴェーダバーン
Chapter2の《ヴァーユ》《カーマ》が初出、Chapter3でコストなしユニットを手に入れ大幅強化された「ヴェーダ」を筆頭に、アビリティダメージを与えるユニットを揃えたデッキ。
主力となるコストなしユニットは《サヴィトリ》系。Chapter3になって「衰弱」付与手段が増えた中、こいつは自分のBP関係なしに80/110アビリティダメージを発生させる。そのコストはログコスト②と若干重いが、手札を消費しないのは強力。
たかが80ダメージといえど、手札を消費せず、自軍Sユニットを1体チェックするだけで敵軍Sサイズをブレイクできれば、それだけで強力だ。《ガンガーダラ》の『波紋』や《スーリヤの太陽の輝き》を利用すれば、敵軍ユニットをブレイクできる可能性は大きく高まる。
《アテナの煌めく盾》も効かず《アポロンの降り注ぐ矢》も受けない攻め手に加え、《神通力 金剛》も《ベリトの闇の鎧》もキャンセルする《ウシャスの夜明けの光》も合わされば、攻撃面においては全く文句のない性能。
Mサイズを見ていくと、手札のユニットカードを捨ててBP分ダメージを与える《ヴァーユ》の『乱風』は、敵軍ユニットを仕留められれば1ドローできるというBP火力で唯一の利点を持つ。
手札こそ減るものの、Lサイズの『大暴れ』と同性能の火力で敵軍ユニットを狙える《カーマ》も悪くない。
そしてChapter3で得た期待の新戦力《ウシャス》は、黄で初めての『反響【+20】』持ちかつ『波紋【+20】』持ち。
《アグニの浄火》がコスト③の150点、《ヴァーユの乱風》がコスト③でRe火力120点と、微妙だった火力コードが一気に信頼できる値になり、《サヴィトリ》系のダメージも100/130ダメージという重要なラインに到達する。
加えて『暁ノ女神』により、今までは相手の自滅待ちだった「山札を使い切らせてHPに手を出させて勝つ」という新しい戦い方を実現可能になった。
最大の敵はLサイズ、およびBP150軍団と《ヘラクレス》以下大覚醒持ち。
これらをアビリティダメージでどうにかするのが非常に難しく、《インドラの矢》を合わせられなければ一気に不利になり、もしキャンセルでもされればその時点で投了もの。
▼黄単ダミー
Chapter2で登場した黄のダミー担当「アプサラス」を主軸にしたデッキ。
黒系ダミーとは大きく異なるテクニカルな立ち回りが要求されるデッキであり、二種類の戦い方をその場に合わせて使い分ける。
メインとなる戦い方は、ダミーを《シャクンタラー》や《プンジカスターラー》でアタック可能にし、《アンジャナ II》と《ティロッタマー》の120打点を頼りに攻めていくビートダウン。
ダミーがいないとアビリティが使えないものが多い「アプサラス」デッキにとって、BP70のノーマル状態ダミーになってくれる《プンジカスターラー》は非常に優秀。《シャクンタラー》は次善の策だ。
態勢が整うまでの時間稼ぎと手札リソース確保に《メーナカー》を使うのも有用。ダミーの配置が必要になるが、実は《プンジカスターラー》を『霞隠れ』でダミー化させても『団結』可能だ。
それを陰で支えるのが《アドリカー》系。わずかログコスト①でBP火力を叩き込める、黄系ダミーの密かなパワーカード。
《マーリシャー》や《ウルヴァシー》でBPを上げれば撃破率は大きく上がるし、そこに《スーリヤの太陽の輝き》を合わせればSサイズ単騎でMサイズをブレイクすることさえ可能となる。
ダミーをキャストすることで減るはずの手数を《アドリカー》系で補い《ティロッタマー》で増やす。これが理想の動きだ。
コードはこの動きを補助するためのものが多くなる。定番の《ヴィシュヌの天眼》の他にも、《アプサラスの誘惑》で相手の手数を減らしたり、《プロテクション》で主力を守ったり、相手の対策を潜り抜けるような戦い方を選ぶのだ。
弱点はダミーデッキ特有の手札消費。どうしてもダミーデッキは毎ターンのキャストで手札が減り続け、その速度は他のデッキよりずっと速い。
それを補うために後攻を取れば、ダミーをブレイクされ「アプサラス」全体が弱体化。ゴッドドローすれば《ヴィシュヌの天眼》他、重要なコードが使えずMサイズを守れない。
自分以上の速度で相手のリソースを枯渇されるのが、ダミーデッキの生きる道だ。
◆アームズ
黄単のアームズは《暁紅衣 サンジュニャー》。ぎょうこうい、と読む。サンジュニャーは神話上はスーリヤの妻。神格じゃないのが不思議だが、サンジュニャーではなくウシャスこそスーリヤの妻とする説もあるらしく、アビリティからもその辺がなんとなく感じられる。
アビリティ2はプチ《ウシャス》といった具合の『反響&波紋【+10】』。これだけでは若干物足りないが、他の『波紋』と違ってユニットスロットを《ガンガーダラ》で埋めなくて済む辺りが大きい。
また《ウシャス》と共に並んだ時の『反響【+30】』と『波紋【+30】』の影響力は絶大。《アグニの浄火》がコスト③の《神通力 烈風》となり、《ヴァーユの乱風》は《ポセイドンの怒涛》を上回るコスト③130ダメージ。《アドリカー》がSサイズながら100アビリティダメージ、《サヴィトリ》が110アビリティダメージを叩き出す。
見ての通りバーンデッキ向きのアームズであり、今まで《ラクシュミの蓮の花》を入れていた場所に入り込みそうな性能。ブロック面を気にするなら、いっそ《プロテクション》でも入れておこう。
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テーマ:ドレッドノート | 投稿日時:2015/12/03 22:32 | |
TCGカテゴリ: ドレッドノート | ||
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