ドレッドノート・ステップアップV3:9
第三弾環境での大会もちょくちょく行われ、環境模索も始まっている中でドレッドノート・ステップアップV3第九回。
今回も引き続きクラスタ分析編、第三回は黒単。外れって言うな、《アバドン》はともかく。
◆【黒単】
何より「衰弱」のエキスパートという印象が強いが、実はコードダメージ、アビリティダメージもそれなりに扱える。
ユニットの性能面も、状況次第でパワーダウンするものの決して悪いものではない。
最大の敵は手札の消耗の激しさ。「衰弱」のために手札を消費することが多く、常に慎重なバースト管理を強いられる。
▼黒単衰弱
「衰弱」を扱うのに秀でたタイプ「フリーゲ」を主軸に、敵軍ユニットのBPを「衰弱」で下げて機能不全に陥らせることを狙うデッキ。
上手く決まれば「Mサイズ2体でアタックされても、自軍Mサイズが覚醒1枚で生き残る」なんてことさえ可能。
「衰弱」を扱うユニットの中では最も使い勝手の良い《バーレー》、コストこそ重いもののバーストさえ確保すれば驚異の制圧力を発揮する《ベルゼブブ》、BPも上がって攻防一体の《ベルフェゴール》が主軸となる。
「衰弱」を用意した後は、BP90/120のコストなしユニット《ザルク》系や《シルト》系の高いBPを活かしたり、絨毯爆撃機《ベルゼブブ》や《ビフロン》で敵軍Mサイズを葬り去ることで戦う。ただし《ベルゼブブ》はログコストがネック。動き始めれば強い。
またコスト①でBP+40の超強力コード《ベリトの闇の鎧》や、どんな強力なユニットのアタックでも封じ込める《アスモデウスの眼光》と《ウコバチの炎の匙》で防御を固めて戦うことができる。
先行を取るなら、黒単の特権《ウコバチ》《バルバトスの魔弾》で大量の「衰弱」を追加し、相手のユニットの軒並みダミー以下にすることも可能。
制圧し始めれば強いのだが、ログコストも手札もゴリゴリ消費していくため、序盤~中盤のプレイングは常時綱渡り。
「衰弱」なんのそので攻めてくる打点バカこと「トリシューラ」や「牛頭」「ビースト」、BP下がっても火力下がらずの《タケミナカタ》《サヴィトリ》、衰弱と書いて火力の弾と読む《ヤマトタケル》にも滅法分が悪い。
挙句に「衰弱」なんて効きませんという《ターラー》系がChapter3で参入したことで、ただでさえ《ラートリの夜の闇》が辛い黄デッキ相手のレシオが一気に悪くなった。
黒単である強みの《バルバトスの魔弾》が「奔流」で若干使いやすくなったものの、逆風のほうがもっと強い。主力コードの《ベルゼブブの魔風》が禁止カードになったこともあり、これからは環境の隙を見出す必要があるデッキだ。
▼黒単後攻グッドスタッフ
Chapter1で猛威を振るった青黒甲殻、その原動力となった黒の「ケーファー」を主軸にしたデッキ。
黒単だが「衰弱」要素はあまり使わず、《シルト》《ゴモリー》《ペイモン》の『甲殻』、《ゲフェングニス》《フォラス》の『逆襲』といった後攻で真価を発揮するユニットを主力に使う。《ゲフェングニス》は「ケーファー」ではないが、Sサイズで100打点を出すことを高く評価するなら採用圏内。
後は後攻の2ドローによる手札補充でゴッドドローを減らしつつ、敵軍の先行でのアクションを潰す《ベルゼブブの冥風》や《ディスペル》《アスモデウスの眼光》といったカードでテンポアドバンテージを取る。
先攻は3回アタックしてくるのが利点だと言うなら、そのアタックを2回以下にしてやれば、ドローの枚数分後攻が有利になる、という理屈だ。
特に強力なのが《ゴモリー》。『魂の絆』と『甲殻』でBP150に到達し、後攻の2ドローで引いた中に余計なユニットカードがあれば『かちあげ』で150アビリティダメージを叩き込むことができる。
攻防に渡って役立つと言えば《ヴアル》もその一体。『団結』があるためにSサイズを「ケーファー」で統一したい分、《バーレー》《ゲフェングニス》との相性は良くないが、BP130に加えて《アスタロトの魂の契約》をコスト③の《神通力 烈風》に変えてしまえる。
《アスタロトの魂の契約》は相手の想定外のところからMサイズを仕留め勝利をもぎとるコードとして優秀なので、黒単ではできるだけ採用したい。自軍ユニットをブレイクするデメリットは、後攻で手札を補充することである程度軽減できる。
弱点としては同型対決。つまり相手も後攻を取ろうとする場合にどうするか、これをデッキ構築時点で考えておく必要がある。
また、高いBPが無意味になる攻め手にどう対処するかも課題のひとつ。例えば先攻のLサイズユニット、『追撃』持ちユニット、『反響』つき《神通力 迦具土》や《シヴァ》の『第三の眼』、《インドラの矢》、そして「衰弱」などだ。
これら全てに対処することはどうやっても不可能なので、最悪その場のプレイングで切り抜けなければならない。ギアチェンジも頻繁に行うことになるため、プレイングは難しい。
▼黒単ダミー
どんな相手にも4:6不利で戦える、ドレッドノート随一のコントロールデッキ……だったのは昔の話。
Chapter3現在では大きく二つの戦い方を選べるようになった黒単ダミーは「キャストフェイズに、どんなカードでも手札かスピードカードから裏向きでキャストできる」というルール、ダミーを主軸にしたデッキ。
タイプとしては「ホイシュレッケ」が担当している。
まず旧来型のダミーデッキは《ドゥンケルハイト》系と《ネビロス》《フルーレティ》などが持つ『潜影』でダミーのBPを上げることで「全ユニットがBP100以上」という常識破りの態勢を整えつつ、デッキの約6割を占める30枚前後のコードカードであらゆる相手に満遍なく対処する防御の強さ、どんなカードでもダミーにできるという事故率の低さを武器に戦うデッキだった。
現在は《プルソン》というBP130の『潜影【+20】』持ちを得て打点の低さを解消することに成功し、さらに《ベリトの闇の鎧 Version2》が上方修正を受けたことで安定性が増した。
ALLコードを8枚ほど採用する余裕もあり、環境に合わせずとも多くの相手に対応できる。
Chapter3で新たに成立したのは、《ゲシュペンスト》系と《サルガタナス》という黒単ダミーのみに許された打点お化けと、BP190さえ到達可能な上に『魂の音叉』対応のコスト②ネームド《バティン》を利用し、驚異的突破力で速攻を決める「ホイシュレッケ」デッキ。
《ゲシュペンスト》系はSサイズが打点110、Mサイズが打点140、しかもアタック終了後にダミーになるという、黒単ダミーの救世主。しかもコスト0。
通常、ダミーになることは「次のターンまで生き残れない」というデメリットになるのだが「ホイシュレッケ」デッキにおいては「高い打点を出す上に《プルソン》《サルガタナス》を強くしてくれるし、《アスタロトの魂の契約》で投げつければ《バティン》が大きくなる」というメリットの方がずっと大きい。
しかもアタック中は表向きのまま、つまり「ホイシュレッケ」のままなので、ホイシュレッケ覚醒の《シャッテン》に対応している。
《サルガタナス》はダミーさえいれば先攻打点160、しかもコードダメージとアビリティダメージを軽減するアビリティ『魔蝗の雲』まで持っている。《神通力 烈風》や『第三の眼』の160ダメージだってダミーモードの《ベリトの闇の鎧》一発で耐え抜く。
全デッキでもトップクラスの打点、その代償は全デッキ最高速の手札消費。
《ゲシュペンスト》とダミーは次ターンまで生き残れない儚い命。《アスタロトの魂の契約》で投げつけられない時もある。
手札が尽きる前に、早急に勝負を終わらせなければ、後はジリ貧。黒単衰弱や後攻グッドスタッフとは逆に、長期戦になるほど不利なのが「ホイシュレッケ」だ。
一応、旧来型の黒単ダミーでは長期戦でもぎりぎり何とかなる。ドロー手段を持って帰ってきた《レオナ・メリタ》の存在も大きい。
どちらにせよ、他のデッキとは大きく異なる立ち回りが必要になる。相手にした時の参考にもなるので、一度ダミーデッキに触れてみることをおすすめしたい。
◆アームズ
黒単のアームズは《魔杖 栄光の手》。恐らく元ネタは死刑になった罪人の手を材料にして作る魔術道具「ハンド・オブ・グローリー」。
その恐ろしい出自に反して、アビリティはかなり地味。
単色アームズで唯一のチェックコスト持ちのアビリティ2は『呪解』。自軍敵軍を問わず、ユニット1体から「強化」か「衰弱」1枚を捨て札にして連続行動。
使いどころがかなり狭いアビリティであり、有効活用の方法といえば《ゴモリー》や《シルト》系の『甲殻』や《デメテル》《酒呑童子》の『霊威』でついた「強化」を剥がすとか、《ヤマトタケル》についた「衰弱」を剥がすとか、そんな程度。いずれも先攻を取らないと強みが半減以下。
チェックコストがあることも黒単には地味に厳しく、《レオナ・メリタ》の『嵐の予感』、《エイリッヒ・ダルマイヤ》の『暗黒の呪縛』、《星雄 ゲルダ》の『闇傀儡』と、キャスターが本来持つアビリティの邪魔になることが珍しくない。
黒の防御力の高さも考えると、珍しく『加護』を当てにして使うアームズではなかろうか。
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テーマ:ドレッドノート | 投稿日時:2015/12/02 21:41 | |
TCGカテゴリ: ドレッドノート | ||
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