ドレッドノート・ステップアップV3:6
長らくお待たせしましたドレッドノート・ステップアップV3第六回。
今回はデッキ構築実践編。デッキを組む時には具体的に何をどう考えてやればいいのかを、実例を交えて解説する。
構築するデッキは、リクエストに応えて《シヴァ》を主軸にしたデッキ。
それでは早速始めてみよう。
●デッキ構築の手順
デッキを組む時は、人により色々とやり方がある。
今回は、以下の順番でデッキを組んでいく。
1:デッキのコンセプトを決める
2:デッキに入りそうなカードを集める
3:枚数を調整する
4:実戦を交えて調整する
●デッキのコンセプトを決める
デッキを組むために最初に必要なのはコンセプトだ。
単に手持ちのカードをかき集めただけでは足りない。使いたいカードを入れただけでも足りない。足りないカードは買おう、そんなに高くないし(プレインズウォーカー特有の金銭感覚)
どのカードを使って、どんな風に戦い、勝ちたいか。それを考える必要がある。
今回のコンセプトは《シヴァ》を主軸にしたデッキ。この時点で【黄単】になるのが確定したが、これだけではコンセプトとして曖昧すぎる。その利点を追求しデッキコンセプトとして確かなものにしなければならない。
《シヴァ》を主軸にするなら、選択肢は概ね以下の3つに絞られる。
A:アビリティ『第三の眼』やコード《シヴァの第三の眼》の火力で敵軍Mサイズをひたすら沈めていくバーン
B:タイプ「トリシューラ」を多数採用しタイプ覚醒の《ニーラカンタ》の汎用性を高めつつ、優秀なユニットを集めるグッドスタッフ
C:アビリティ『神威』で安定して「強化」や高いBPを調達できることを利用したビートダウン
これらの内、まず除外される選択肢がCだ。「強化」が使いたければ、《カーリー》《マハーセーナ》といった『神速』持ちや、《ガネーシャ》の『激情』など、手札消費なしに「強化」を用意できるユニットを使う方がいい。手札は貴重だ。
加えて、高いBPを背景にゴリ押ししていく場合は《シヴァ》の『第三の眼』が完全に腐る。と言うか《シヴァ》を入れる理由がなくなる。
とどめに「強化」をうまく扱えるカードが《パールヴァティ》くらいのもので、他に「強化」でBPを上げる理由が弱い。
残る選択肢はAかB。まだ絞り込めないので、このどちらかにするということで次の手順に進もう。
●デッキに入りそうなカードを集める
コンセプトを大体決めたら、そのコンセプトに沿って、デッキに入りそうなカードを集める。
ここで言う「入りそう」とは、主に「デッキのコンセプトに合致したカード」や「デッキのコンセプトと衝突せずに使えるカード」、更には「実戦において活躍が見込めるカード」を含めた考え方だ。
まずはAのバーンプランの場合。主軸である《シヴァ》は入る。
先攻でキャスト即ビームという理想の流れを作るために最低限必要なログコスト⑥をひねり出すために《サラスヴァティの琴の音》と《ナンディン》は入れておきたい。キャスターの一方は《岳田 リツコ》でいいだろう。
Chapter3で新たに増えたバースト確保手段《シータ》も採用圏内に入る。ビームぶっぱし続けるなら必要なユニットだろう。
アビリティダメージの発生源として優秀なユニットもひとまず集めておく。手札の減らない《アドリカー》系統、《サヴィトリ》系統、手札枚数を維持できる《ヴァーユ》は採用圏内。
そのまま使うと自爆する『猿暴れ』も手札が減らないから《ナラ》系統と《ハヌマーン》も使えそうだ。これらを採用する場合は、どうにか自爆対策を準備する必要がある。黄単なので《サティ》系統が手軽かつ汎用的だが、BP火力かつ先攻狙いなので《ウルヴァシー》も使える。
《ウパナンダ》系統や《カーマ》などは、《岳田 リツコ》で先攻を取る都合上、手札の補充が辛いところなので入らない。
『第三の眼』が160ダメージという超火力なこともあり、わざわざ『波紋』で10点や20点ダメージを増やしてやる必要があるかどうかは疑問が残る。
だがアームズの《暁紅衣 サンジュニャー》は『加護』のためにも入れておきたい。これを入れるなら《ガンガーダラ》や《サヴィトリ》はセットで採用したいところ。『波紋』持ちには《ウシャス》もいる。
アビリティダメージで着実に敵軍ユニットを排除する方向性で行くなら、100点越えの火力は1ターン2発確実に撃ちたい。そうしないと、普通にアタックしたのと効率が変わらなくなるからだ。よって弾数が減るLサイズは『大暴れ』持ちでもOUT。
加えて、アビリティダメージ主体のデッキなら迷わず入れておきたい《スーリヤの太陽の輝き》も用意する。
あとはアビリティダメージで対処が難しい《スサノヲ》《アテナ》《ヘラクレス》他、各種Lサイズ対策に《インドラの矢》も入れておきたい。そして今まで集めたカードに「トリシューラ」が少ないので、《シヴァの第三の眼》をOUT。
手札補充手段としては《小林 マラティ》が使える。その除外コストを支払うために、ある程度コードカードが多めになるだろう。《華岡 ヒトミ》はコストが重くて《シヴァ》との両立が困難なのでOUT。
プランBのトリシューラデッキの場合、かなり簡単に事は進む。単に「トリシューラ」をかき集めて取捨選択するだけだ。
まず最強クラスの0コストユニット《カルティケーヤ II》か、期待の新顔《マハーセーナ II》、この時点でほぼ自動的に《岳田 リツコ》。
《シヴァ》を名指しで援護する《ナンディン》、トリシューラデッキならあまり無理せず運用できる《シヴァの第三の眼》。
コストの割に強力極まりない《カーリー》も入れておこう。これでMサイズが既に4種類16枚。
Sサイズは《カルティケーヤ》に《マハーセーナ》、あと《サティ》が便利そうだ。それとタイプ覚醒持ちの《ニーラカンタ》は何も考えずにフル投入。
Mサイズにネームドが多いのを考慮して、バースト確保手段の《シータ》も採用圏内。タイプこそ違うが、こいつは使える。
あとはコードは殴り合いのための《ラクシュミの蓮の花》に《ウシャスの夜明けの光》、定番の《ヴィシュヌの天眼》も入る。
《アグニの浄火》《ヴァーユの乱風》《インドラの矢》からはどれを採用するかかなり悩む。先攻を取って『第三の眼』という理想の展開を考えて、その状況で強い《ヴァーユの乱風》と、『第三の眼』で対処できない敵軍ユニットを落とす《インドラの矢》を散らして(両方ともフル投入するのではなく、合計で5枚程度にすること)採用することになるか。
●枚数を調整する
デッキに入りそうなカードを集めると、大抵は50枚どころじゃない枚数になる。
そこで、カードを集めた後は削る作業だ。必要なカードとそうでないカードを分別して、必要なカードを必要な枚数だけデッキに入れる。
まずはプランAのアビリティバーンの場合。集め過ぎだ。
Mサイズユニットから見て行くと、まず入れたいのが《シヴァ》。これは4枚。
手札の減らない除去アビリティ持ちの中では、まずダミーが必要になるためアタックの機会が減る《アドリカー II》がOUT。
続いてただでさえ《シヴァ》のコストが重いのに、本体②+《ヴァーユの乱風》で③とより一層バースト事情を圧迫する《ヴァーユ》もOUT。
その代わりに《ナラ II》か《サヴィトリ II》が入ってくる。前者は介護役が必要で、後者はネームドや『応援』の高BPに弱い。そしてどちらも『波紋』が欲しい。
ここは『波紋』持ちの採用数を考えるために、Sサイズと並行して考えることにしよう。
まず最もオーソドックスな『波紋』持ちの《ガンガーダラ》、これは4枚入れていい。
もし《ナラ II》採用なら、《サティ》《ウルヴァシー》がセット採用。『猿暴れ』の自爆を阻止するのにちょうどいい。Mサイズには《ハヌマーン》を入れてもいいだろうが、《シヴァ》の存在がMサイズのネームド採用に際して壁となる。
逆に《サヴィトリ II》採用なら、《パールヴァティ》がSサイズに、《ウシャス》《プランローチャ》がMサイズに採用候補となる。特に《パールヴァティ》は《シヴァ》とも相性良好。今回はこちらに舵を切る。
プランAのMサイズは《サヴィトリ II》4《シヴァ》3《ウシャス》3《プランローチャ》4の4種14枚、Sサイズは《ガンガーダラ》4《カルティケーヤ》4《パールヴァティ》4《シータ》4の4種類16枚に決定できた。
《シヴァ》3枚《ウシャス》3枚なのは、一回着地したら長く守る運用をすることを前提とした調整だ。ログコストの問題もあり、第一ターンの安定を目指すと、高コストのユニットを削るのが最も無難だろう。
コードは《スーリヤの太陽の輝き》4、《サラスヴァティの琴の音》2、《アグニの浄火》2、《ヴァーユの乱風》2、《プロテクション》2、《ヴィシュヌの天眼》3、《インドラの矢》1。これにアームズ《暁紅衣 サンジュニャー》が4枚入って合計20枚。
アビリティ焼きに特化するなら《スーリヤの太陽の輝き》はフル投入。《シヴァ》を使うためにも《サラスヴァティの琴の音》はフル投入、と言いたいところだが、《シータ》がいるのでその分数を減らして2枚に抑える。
《ヴァーユの乱風》《プロテクション》はMサイズを守る手段として散らして採用。加えて《アグニの浄火》で、アビリティで焼き尽くせなかった残りを狙う布陣とする。
後はコード主体の相手でなくても大体刺さる《ヴィシュヌの天眼》は、構える暇が少ないことを考慮して3枚。最後に主に《アテナ》《ヘラクレス》《ゴモリー》といったBPお化け連中を一手目で始末するための《インドラの矢》をお守り代わりに1枚。《暁紅衣 サンジュニャー》は『反響&波紋』がひたすら強い。こういう配分だ。
キャスターは《岳田 リツコ》で先攻を取り、《小林 マラティ》で手札を補充する。
プランBのトリシューラデッキは、集めたカードが少ない分調整も楽。
Sサイズが《カルティケーヤ》《サティ》《シータ》《ニーラカンタ》を各4枚の16枚。《ニーラカンタ》はBP上昇コード扱い。
Mサイズは《カルティケーヤ II》《シヴァ》《ナンディン》《カーリー》を各4枚の16枚。雑。
コードに使える枚数が18枚、きっちり厳選する必要がある。
まず《ラクシュミの蓮の花》《シヴァの第三の眼》は4枚。殴り合いの補助として《ウシャスの夜明けの光》と《ラートリの夜の闇》を散らして3・2で採用。
焼きコードの補助として、かつ雑な防御面のフォローとして《ヴァーユの乱風》も2枚投入。
あとは雑に《ヴィシュヌの天眼》を3枚突っ込んで、これで50枚になったので完成。
キャスターは《岳田 リツコ》と、高BPは正義ということで《パドマ・アステラス》。
●実戦を交えて調整する
うっかりとデッキが2個もできてしまったが、そんなもんだ。
デッキが組みあがったら、後は対戦を通じて、何が必要で何が不要かを改めて見極め、調整を繰り返す。
一人回しでは分からない欠点が色々とあるので、感想戦をできる相手と対戦を繰り返すのが望ましいところだ。
最後に、今回完成したデッキリストを出しておこう。
▼プランA:シヴァアビリティバーン
キャスター
《岳田 リツコ》
《小林 マラティ》
S
《ガンガーダラ》4
《カルティケーヤ》4
《パールヴァティ》4
《シータ》4
M
《サヴィトリ II》4
《シヴァ》3
《ウシャス》3
《プランローチャ》4
コード
《スーリヤの太陽の輝き》4
《サラスヴァティの琴の音》2
《アグニの浄火》2
《ヴァーユの乱風》2
《プロテクション》2
《ヴィシュヌの天眼》3
《インドラの矢》1
アームズ
《暁紅衣 サンジュニャー》4
▼プランB:シヴァ軸トリシューラ
キャスター
《岳田 リツコ》
《パドマ・アステラス》
S
《カルティケーヤ》4
《サティ》4
《シータ》4
《ニーラカンタ》4
M
《カルティケーヤ II》4
《シヴァ》4
《ナンディン》4
《カーリー》4
コード
《ラクシュミの蓮の花》4
《ラートリの夜の闇》2
《ウシャスの夜明けの光》3
《ヴァーユの乱風》2
《シヴァの第三の眼》4
《ヴィシュヌの天眼》3
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テーマ:ドレッドノート | 投稿日時:2015/11/24 22:43 | |
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