ドレッドノート・ステップアップ:1
これからドレッドノートを始める人向けのあれこれを書いていた「これからドレノ」に続いての新シリーズ第二弾。
名付けて「ドレッドノート・ステップアップ」。
ドレッドノートは、対戦を繰り返し、それを振り返ることでぐんぐん上達していくゲームだ。
だが、あまり対戦を繰り返せない、あるいは壁にぶつかってしまったプレイヤーにとって「いいから対戦してみろ」は少々厳しいものがある。
そこで、今まで対戦を繰り返すことで得られた技術やノウハウを紹介する。
これを足掛かりに、ドレッドノートの楽しさをより満喫してほしい……という狙いだ。
第一回はゲーム中最も思い悩むであろうアクションフェイズ、特にアタックとブロックを巡る攻防について。
その中でも、知っているかどうかで大きく差が出る「アタック・ブロック中に使用するコード類」、俗に言うコンバットトリックをクローズアップする。
なお、以降は「アタックとブロック」をまとめて「戦闘」と呼ぶ。
●ドレッドノートのコンバットトリック
コンバットトリックとは、Combat(戦闘)におけるTrick(仕掛け)のこと。
つまり、自分の行ったアタックやブロックを優位にするために使うもの全般を指す言葉だ。
ドレッドノートにおいては、アタックが行われた後にリアクション連鎖を形成する「Re」タイミングのコードやアビリティ、そしてサブエフェクト「覚醒」のことである。
1ターンに行えるアタックは最大で4回、そしてアタックされれば必ずブロックしなければならない。
この避けて通れぬアタックとブロック――戦闘を優位に進められれば、戦局を自分に有利な方向へ傾けられる。
そのため、ドレッドノートにおいてコンバットトリックの重要性は極めて高い。
●コード、サブエフェクト、アビリティの違い
コンバットトリックに使用できるのは、タイミングが「Re」のコードかアビリティかサブエフェクトだけ。
まずは、これらみっつにはどのような違いがあるのか見てみよう。
▼コード
◎手札から使えるので、スピードカードとして公開されていなければ、プレイするその時まで相手には分からない
○使い所がない、あるいはログコストが支払えなくても、サブエフェクト「増強」に使える
×プレイするのにログコストが必要で、場合によりさらに制限がかかる
×《ディスペル》《ヴィシュヌの天眼》のようなコードをキャンセルするコードは採用率が高い
▼サブエフェクト「覚醒」
◎手札から使えるので、スピードカードとして公開されていなければ、プレイするその時まで相手には分からない
◎BPが上昇する効果は攻防の両方に使え、汎用性が高い
○「覚醒」をログコスト①でキャンセルする《神通力 破魔》を要する【赤】系統のデッキ相手以外なら確実性が高い
×戦闘しているユニットが手札にあるユニットカードと同名でないと使えない、その制限がない「覚醒」はBP+10ないし+20と効果が小さい
▼アビリティ
◎アビリティによってはコードや「覚醒」よりも強力、あるいは状況を選ばない
○アビリティをキャンセルする《フリーズ》《リリスの夢の宴》の採用率は《ディスペル》《ヴィシュヌの天眼》ほど高くない
○相手に見えている情報なので、コストを支払える状態を維持しているだけでプレッシャーになる
×コンバットトリックになるアビリティを持つユニットが少ない
×コストが支払えないのがばれていると全く意味がない
基本的に、コンバットトリックとして活用されるのは、相手に見えていないコードと「覚醒」だ。
相手の予想していない、あるいは想定を上回る効果をもって、戦闘で相手の目論見を潰すのがコンバットトリックである。
そのために、事前に相手に分からない、予想するしかできないことが重要となる。
●コンバットトリックの種類
具体的にコンバットトリックとして使用できる効果には、主に以下のものがある。
他にも戦闘に関わるコードはあるのだが、今回は省略。
()内に書いてあるのは使用用途で、アタック時に使うものを(攻)、ブロック時に使うものを(守)としている。
▼BP上昇(攻守)
「Re」でBPを上昇させるコード《神通力 金剛》や、《アテナ》のアビリティ『常勝不敗』、サブエフェクト「覚醒」。
これらはアタック時にアタックダメージを増加させるためにも、逆にダメージに耐えるためにも使えるのが特長だ。
特に「覚醒」はログコストを必要としないので、ゴッドドローで引いてきたカードが「覚醒」に使えるならそのまま使用できるのが強み。
これといった弱点のない効果だが、強いて言えばこの効果自体が「覚醒」以外では希少な点に注意。
▼アタックダメージ増加(攻)
BPを超えるアタックダメージを与えるための効果。【青】が得意で、代表格は《アレスの猛き槍》。
多くのユニットが《Auto》アビリティとして持っている効果でもある。
BPが上がらないためにダメージを受ける状況だと弱いが、BPを上げるよりも安上がりで効果が高いのが特徴。
しかし、アタックするユニットを増やしたり、Sサイズの代わりにMサイズでアタックすることである程度フォローが効くので、あえてデッキに投入しないこともある。
▼アタックダメージ軽減(守)
アタックダメージ増加の逆に、アタックダメージを軽減し、BP以上のダメージにも耐えられるようにする効果。
これも【青】が得意としており、《アテナの煌めく盾》は【青】系デッキなら大抵採用されるほど。
基本的に、ユニットだけでなくキャスターも対象にすることができるので、キャスターのHPを守ることもできる。
キャスターの場合はユニットとは違い、「HP価値の倍数-10」点のダメージがある種のボーダーラインだ。
つまりHP価値50なら、「ダメージ40までは無傷、ダメージ90ならHP1枚で耐える、140まではHP2枚で耐える。150以上はHP全損」という考え方をする。覚えておこう。
▼Reダメージコード(守)
アタックしてきている敵軍ユニットにダメージを与えてアタックダメージ発生前にブレイクすることで、自軍が受けるダメージを大幅に減らそうというコード効果。
これまた【青】が得意としており、《アポロンの降り注ぐ矢》が80ダメージ、《ポセイドンの怒涛》が120ダメージ。
つまり前者がSサイズ狙い、後者がMサイズ狙いで使われる。
強みとしては、Sサイズユニットをブレイクできれば70~100、Mサイズユニットならそれ以上のアタックダメージを減らせる点と、アクションフェイズでの自分の手番を消費せずに敵軍ユニットを減らせること。
弱点は「覚醒」などでBPを上げて耐えられてしまった場合、アタックダメージは増えてるし敵軍ユニットは生き残っているし、自分のバーストは使ってしまうしでかなり痛い目を見ることだ。
▼「衰弱」(守)
敵軍ユニットに「衰弱」をエンチャントすることでBPを下げる。
【黒】の専売特許であり、具体的には《ベルゼブブの魔風》のことだ。
「衰弱」は1枚でBP-20。《ベルゼブブの魔風》なら2枚で-40。
アタックダメージ軽減と違って「アタックを防げなくても、その後ターンが終了するまでは効果が続く」のが最大の特徴。
弱点としては、Chapter2で登場した「衰弱」対策、《ラートリの夜の闇》に弱いこと。《ヘパイトスの鍛えし鎧》や《ヤマトタケル》も辛い。
●覚えておこう警戒対象
コンバットトリックとして警戒すべきは、何よりコード。
なぜなら、効果が強力である代わりに、ログコストを必要とするために予想が立てやすいからだ。
「ログコストを支払えないから、警戒すべきあのコードは来ない」とか「あのコードがあるならひとつ前の戦闘で使っていたはず、つまりあのノーマル状態のバーストはブラフだ」とか考えられるようになれば、ドレッドノートの読み合いの楽しみは一気に増える。
さて、具体的に相手のキャスターの色ごとに、警戒すべきコードを見て行こう。
▼【赤】
何はともあれ《神通力 金剛》。ログコスト①で、「覚醒」と同じくBP+30のコード。
攻防に渡って、ログコストが1点支払えるなら、常にこれを警戒する必要がある。
警戒しなくていいのは、相手の捨札に4枚金剛が見えている時くらいのもの。
【赤単】の《オオヤマツミ》や《サルタヒコ》なら、『霊力吸収』と合わせてBP+50となる。
また『霊力吸収』持ちは、《神通力 雷火》のように対象の制限がないコードをBP+20のコードとして扱えるというちょっとした小技がある。
加えて【赤単】の場合は《神通力 水鏡》が存在する。これはログコスト②でHP価値を+50してくる。
キャスターでブロックしたと思ったら、HP3枚ブレイクできなかった……ということがよくある。
一発で300ダメージを叩き出すのは困難なので、《ディスペル》できなかったら諦めよう。無理にダメージを伸ばして《プロテクション》でもされれば、相手の思う壺だ。
これらの他には《プロテクション》《ストライキング》くらいしか警戒対象はない。防御の雑さが【赤】の弱みだ。
ただし「覚醒」で対抗する時には注意。ログコスト①で「覚醒」をひとつキャンセルしてくる《神通力 破魔》がある。
▼【青】
コンバットトリック最強クラスのカードを大量保有する、殴り合いの達人【青】&【青青】。
ログコスト①でアタックダメージ50追加の《アレスの猛き槍》、ログコスト①でアタックダメージ50軽減の《アテナの煌めく盾》が筆頭。
加えて、ログコスト②でReダメージ80点の《アポロンの降り注ぐ矢》、ログコスト④で【青青】だがReダメージ120の《ポセイドンの怒涛》もあり、ログコストと手札に余裕がある【青】系デッキは安心して殴れない。
デッキに同じカードは4枚までしか入っていないので、捨札の中にどれだけ使い終わったカードがあるかチェックするのが大事だ。
後はBP上昇の「覚醒」などで頑張ろう。殴り合いの達人が相手なので、時には諦めも必要だ。
あるいはアタック以外の攻め手を持っておこう。【青】系はアビリティダメージが弱点なことは覚えておこう。
ただし《ヘラクレス》は除く。お前なんで覚醒+50なんだよ。
【黒】
【青】が殴り合いの達人なら、【黒】は防御と反撃の達人。
ログコスト①でBP-40分の「衰弱」をエンチャントしてくる《ベルゼブブの魔風》、ログコスト①で、「衰弱」があればBP+40の《ベリトの闇の鎧》。
加えて、後攻ならBP120の《シルト II》《ペイモン》、BP130ないし150の《ゴモリー》と、守ってから殴り返すその姿勢には隙がない。
極めつけは、ログコスト④でユニット1体をアタックしていない状態にしてしまう《アスモデウスの眼光》。
《ポセイドンの怒涛》以上に確実にアタックダメージを大幅カットしてくるので、時にはユニット3体以上でのアタックも必要だ。
また、ダミーデッキを相手にする場合は《フルーレティの影悪魔》も警戒対象に加わる。アタックダメージを70追加または減少する、ダミー専用のコンバットトリック。これがログコスト②なんだから驚異的。
一応《マルファスの鳴動》というアタックダメージ追加専用のコードもあるが、構築条件が【黒黒】なこともあって今のところ採用率低め。そんなのあったね、程度でいい。
【黄】
器用貧乏なだけではない、意外と汎用性のある【黄】は戦闘もそれなりに得意だ。
ログコスト①でアタックダメージを40追加または軽減する《ラクシュミの蓮の花》は、かなりの確率で4枚投入されている。
ここにアタックダメージ100や130でアタックしてくる《カルティケーヤ》&《カルティケーヤ II》コンビが加わる。
また、コードによるコンバットトリックを《ヴィシュヌの天眼》や《ウシャスの夜明けの光》でキャンセルしてくる。
実はコンバットトリックにおいては【黄】は【青】に次いで優れているのだ。
【黄単】になると、「Ac」でも使えるReダメージコード《ヴァーユの乱風》がログコスト③で100ダメージ。
さらに《インドラの矢》や《アプサラスの誘惑》、《アナンタ》《シヴァ》が戦闘前に出鼻を挫いてくることも多い。
ログコストの消費が激しく、また戦闘で《ラクシュミの蓮の花》に強く依存していることを考慮して、粘り強く戦い相手が息切れしたところに反撃していこう。
かなり散らかった内容になってしまったが、慣れてくれば自然とこれらの情報を意識しながら戦闘を進められるようになる。
ドレッドノートの面白さの核である、深い読み合いの世界へ踏み出す助けになれば幸い。
次回もアクションフェイズにおける攻防について、の予定。
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テーマ:ドレッドノート | 投稿日時:2015/09/09 23:46 | |
TCGカテゴリ: ドレッドノート | ||
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