Shangri-La

早朝、朝日がのぼり始める時間から始まった第二回「遊戯王やろうぜ!!」九州予選大会午前の部も、ついに代表を決定する最終戦となった。

その席につく両名は、どちらも鹿児島と熊本の新鋭。
福岡TCS運営委員会の活性化活動に感化された両地域は昨今、独自の
遊戯王コミュニティを築きプレイヤー同士が切磋琢磨しあって地域の
レベルを高め合っている。

この福岡の地にて、九州地方を代表するいわばスーパールーキー同士
が全国の舞台を賭けて対峙する事となった。

しかしこの二人はどちらも気さくなプレイヤー。
対戦前に和気藹々とした会話をして、最終戦のフィーチャーマッチ
テーブルは和やかな雰囲気に包まれた。

Game:1
先手はクマ。
《黒い旋風》から《BF-蒼炎のシュラ》と王道の動きを見せる第1ターン。

《大嵐》で早速《黒い旋風》を取り去ると、《ライオウ》でBFを踏み
潰していく。それに対してクマは《BF-疾風のゲイル》を、VAVAは
《霞の谷の戦士》と試合は開始早々、殴り合いにもつれこんだ。

《奈落の落とし穴》《強制脱出装置》《激流葬》と、今度はお互いが
除去の連打。一枚一枚のモンスターのカードパワーが鍵となる場と
なったが、相手よりもカードが少なくなってしまったVAVAは《阿修羅》
によって巻き返しを図る。
《BF-大旆のヴァーユ》や《閃光の追放者》が軒並み潰され、
《BF-黒槍のブラスト》をプレイし、カルートを持っているかのような
ブラフを見せて相手を牽制するクマ。

それに対し《スキルドレイン》を構えていたVAVAは、ようやく
《神獣王バルバロス》にたどりつく。ブラフを恐れる事なく相手の場を
侵略していき、クマは投了を余儀なくされた。

　　　　　　　クマ 0-1 VAVA

Game:2
クマの先手により始まる第２ゲーム。
《黒い旋風》から《BF-黒槍のブラスト》、《BF-月影のカルート》を
獲得する好調な立ち上がりのクマ。ハンドには《月の書》《次元幽閉》
と相手への対抗手段も多い。

対するVAVAは裏守備を用意してからの《強制転移》。
相手のブラストを奪い攻撃をしかけるがそこは《次元幽閉》。
クマの手に渡った《シャインエンジェル》は《BF-暁のシロッコ》の
生贄となり「転移リクル」のコンボは失敗に終わる。

《激流葬》によっていったん場を浄化した後、「タケシ召喚！」
と勢いよく《魂を削る死霊》をキャスト。
なお、タケシとは「タましいをケずるシりょう」の略称との事である。
このタケシによって相手のリソースを奪いに行こうと攻め立てるが
そこは《次元幽閉》。

1ターンでも《黒い旋風》が生き残ると、「旋風BF」の手札は減らない。
今度は《BF-疾風のゲイル》を手に入れると、《BF-月影のカルート》
で攻撃。
ライフを確実に削っていく。
お互いが激しい攻防を繰り返していくが、《オネスト》の守備力1900
で相手の攻撃が止まる。

しかし、《死霊騎士デスカリバー・ナイト》がいる状態で《オネスト》
のテキスト宣言を行ってしまい、壁を失ったVAVAはそのまま相手の
総攻撃を受ける事となった。
痛恨のプレイミスである。


　　　　　　クマ 1-1 VAVA


Game:3
このゲームで初めてVAVAが先手を取る。
一枚の伏せカードに加え、《異次元の女戦士》を壁として用意する。

《闇の誘惑》で山札を掘り進めてからノータイムで《BF-暁のシロッコ》
を戦場に送り出すクマだが、それは《異次元の女戦士》によって次元の
彼方に飛ばされる。

VAVAは無人の荒野に「タケシ」こと《魂を削る死霊》を召喚するも、《月の書》を放たれる。

序盤から激しい攻防が繰り広げられるが、７ターン目、VAVAが《霞の
谷の戦士》をプレイ。
これが勝負の分かれ目となった。
返すターン、クマが《洗脳-ブレインコントロール》によりチューナー
を得てシンクロ。
さらにはお得意の《ダーク・アームド・ドラゴン》までプレイする。

巨大な相手モンスターの大群を前にVAVAはスタッフに向けて一言告げる。
「代表は、彼に。」


　　　　　　　クマ　2-1 VAVA
　　　　　　　Result:クマ　Win！

一戦目の勢いのまま、新鋭・VAVAが突き抜けるかと思われた決勝戦で
あったがTetsu vs Six divisions mobile championship王者が再び
貫録を見せつける事となった決勝戦。
《ダーク・アームド・ドラゴン》をかざすその姿は、
まさに九州チャンプに相応しい。

おめでとう！クマ！


日が昇り切らない早朝からの激戦を繰り広げ、九州予選代表権を
勝ち取ったクマだが今回は一身上の都合により代表を辞退、準優勝の
VAVA選手へ代表権を譲渡する事となった。
しかしその実績は、優勝という形で讃えられる事に変わりはない。
今後ともクマは、熊本を代表する有力プレイヤーとして、九州遊戯界
を先導していくに違いないだろう。
そして、代表権を譲渡されたVAVAは決勝戦で惜しくも敗れてしまったが
その実力とパフォーマンスは九州を代表するプレイヤーに相応しいもの
であると言える。
鹿児島のスーパールーキーの力を、全国と言う舞台でいかんなく発揮して欲しい。

最後に、この決勝戦で戦った両名を讃える事にしよう。
おめでとう！クマ！そしてVAVA！