先日、『「遊戯王やろうぜ!!」全国大会』という非公認大会が東京都内にて開催された。そこでのTetsu氏・優勝者のソバット氏達との交流がきっかけで、筆者は今回、この第二回TYCSにレポーターとして招待される事となった。今回の運営に携わっていた両名には感謝の念が尽きないが、自身の謝意は後述するとして、次に対戦する両名を紹介したい。
まずは、「遊戯王やろうぜ!!」全国大会で見事優勝を果たし、一躍時の人となった初代やろうぜチャンプ・ソバット。やろうぜ公式ブログも大会終了からかなりヒットしており、また優勝をもたらした「植物シンクロ」は、以降、「ソバットさんの植物シンクロ」といった感じで、とても幅広く認知され始めた。今回本戦に持ち込んだ構築は、いわゆる「ディーヴァアンデ」に分類されるもの。「守りから攻めに転じていけるデッキの動きが、自分のスタイルに合っていたのでこのデッキタイプを選択した」と言うソバット。新たな構築を手に、やろうぜ初代チャンプとしての周囲からの期待を一身に背負い、TYCSでもタイトル獲得となるか。
対するは、チーム「チャットオールスターズ!」メンバーとして知られているDoLL-MasTer。各地で開かれている非公認大会でも安定した成績を残す、九州の強豪である。耳もとからのぞく十字架のピアスが印象的な彼は、「魔法先生ネギま!」に登場する「エヴァンジェリン」というキャラクターが好きなようで、そのデュエリストネームは、エヴァンジェリンの通り名の一つである「人形使い(ドール・マスター)」に由来する事が窺い知れる。本人が纏うその妖艶さは、まさに「九州の"闇の福音"」と呼べるに相応しいであろう。
今回のTYCS本戦では、彼もまた環境最多の「猫シンクロ」を駆る。《死霊騎士デスカリバー・ナイト》のプレイマットを広げ、やろうぜ初代チャンプを倒し、次の戦いに駒を進めたい所。
「実はドルマス君(DoLL-MasTer氏のこと)に勝った事ないんですよね。」
と、筆者に語るソバット氏。長崎メンバーと佐賀メンバーは、定期的に「調整会」と題して近場に集まって賑やかに遊戯王を楽しんでいるそうなのだが、実はこの二人、所属するチームこそ違えど実に仲の良い調整メンバーで古くからの友人だったのである。やろうぜ決勝に向けての調整から、今回のTYCS本戦に向けての調整も彼らは共同で行っており、調整をはじめ今までの対戦ではソバット氏はDoLL-MasTer氏に勝った経験が一度もないとの事。
「彼は本当にプレイングが上手い。それに翻弄される事のないよう、しっかり勝ちを狙いたい」
そう意気込みを語りながら、やろうぜ初代チャンプは、"闇の福音"に立ち向かう。
Game:1
ソバットの先攻。1体の守備モンスターを置いてターンを終える。
DoLL-MasTerも、1枚の守備モンスターとその後ろに伏せカードを1枚置いて、お互いに相手の動きの探り合いからゲームが始まる。
最初に動いたのはソバット。
2ターン目に《ゴブリンゾンビ》リリースから《邪帝ガイウス》をプレイ。それに対応してDoLL-MasTerは《奈落の落とし穴》をプレイするが、《コアラッコ》が闇の彼方へ飛ばされてしまう。
相手が場に置いたモンスターから、ハンドはそこまで良いものではないと推測したソバットは、《ゴブリンゾンビ》の能力で《ゾンビキャリア》を手札に加え、《死者蘇生》プレイから《ゴブリンゾンビ》を場に戻し、壁として立ててターンを渡す。
相手のモンスターを眺めつつ、手札の《洗脳-ブレインコントロール》《大寒波》を見つめ、次のアクションを検討していくDoLL-MasTer。そのハンドには、チューナーである《X-セイバー エアベルン》が控えている。開始早々、選択肢が多い自身のハンドから最良の回答を検討しにいきたいDoLL-MasTerは《大寒波》をプレイするのみでターンを終える。
返しのターン、ソバットは《ゴブリンゾンビ》で直接攻撃、その能力により相手のデッキトップから《サイクロン》が落ちた。攻撃後、裏守備モンスターを1体追加してターンを終える。
3ターン目、DoLL-MasTerのドローは《墓守の偵察者》。二枚目の《大寒波》を抱えながら、裏守備モンスター1体と1枚の伏せカードを置いてエンド宣言。
ターンが渡ってきたソバットは即座に《精神操作》をプレイ、相手の裏守備モンスターを奪い、《ゴブリンゾンビ》をリリースして2体目の《邪帝ガイウス》を召喚。そして山札から《馬頭鬼》を呼び込み、相手から奪った《墓守の偵察者》の能力により自身の偵察者を展開、さらに《ゾンビキャリア》を反転召喚し、アドバンテージを稼ぎに稼いで一気に相手を引き離していくソバット。
《氷結界の龍ブリューナク》が配備され、伏せカードを置いてから《馬頭鬼》をコストにして、その能力で伏せカードを再び戻す。《馬頭鬼》の能力により《ゾンビキャリア》を再び出して、《ゴヨウ・ガーディアン》を配備。モンスター全員の総攻撃により一気に勝負を終わらせた。
ソバット 1-0 DoLL-MasTer
一瞬にして勝負を決められたDoLL-MasTer、焦りを隠せない様子だがここで冷静さを欠いてはいけない。慎重にサイドカードを選定していく。
DoLL-MasTerのサイドボーディング
in:《王宮の鉄壁》×3、《死霊騎士デスカリバー・ナイト》
《強制脱出装置》など。
out:
《奈落の落とし穴》×2
《大寒波》×3
《墓守の偵察者》×3
《封印の黄金櫃》×2
《ダーク・アームド・ドラゴン》
など。
墓守を使用するミラーマッチでは、《墓守の偵察者》が《精神操作》によって一戦目のようなアドバンテージ差をつけられてしまうため全抜きする、というのが最近よく見受けられるサイドボーディングである。実際、ソバットもこのときに《墓守の偵察者》を全抜きしている。あとはガイウス、馬頭鬼を見せられたため《王宮の鉄壁》がどこまで刺さるか。丁寧にシャッフルとカットを済ませ、二戦目に突入する。
Game:2
先手のDoLL-MasTerは《死霊騎士デスカリバー・ナイト》を守備表示で置いて、伏せカードを1枚置いてターン終了。本来なら攻撃表示で置かれる事が多いモンスターだが、相手の《奈落の落とし穴》を誘いながら、展開力が阻害されないプレイングである。
対するソバットの初動は《撲滅の使徒》。これには苦い顔をしてDoLL-MasTerが長考。《強制脱出装置》を使い、自身の守備モンスターを戻す。1体の守備モンスター、そして2枚の伏せカードを置いてソバットはターンを終える。
しばらく考えてから、DoLL-MasTerは再び《死霊騎士デスカリバー・ナイト》を守備表示で置いて、手札から罠を二枚場に置いてターン終了。
それに対し、ソバットはドローするのみでターンを終えた。
相手のハンドの内容が薄いと予想したDoLL-MasTerは《死霊騎士デスカリバー・ナイト》を反転召喚、攻撃すると表返った《氷弾使いレイス》が決して溶ける事のない氷雪の壁を張り、敵の侵攻を阻害する。
しかし、ここから3ターン連続でソバットはドローゴー。
相手の様子を窺うべく、あらかじめ展開しておいた《X-セイバー エアベルン》を起こし攻撃宣言に入ろうとしたところで《威嚇する咆哮》を撃たれる。
攻撃を凌いだソバットはモンスターを1体裏守備で追加し、伏せカードを1枚追加してターンを終了。エンド宣言に対応して《強制脱出装置》を使い裏守備を弾いてから始まるDoLL-MasTerの6ターン目。ダイレクトアタックを行うと、《トラゴエディア》が現れるがそこはデスカリの能力で妨害される。裏守備モンスターを1体追加してエンド。
完全にDoLL-MasTerにペースを握られているソバットは、《死者蘇生》をプレイし《トラゴエディア》を回収。その起動型能力で《シー・アーチャー》をコストに《X-セイバー エアベルン》を奪う。その後、《トラゴエディア》が攻撃すると表返る《ライトロード・ハンター ライコウ》が《X-セイバー エアベルン》に噛みついた。その後、モンスター1体を裏守備で置いて終了。
エンドフェイズに《砂塵の大竜巻》が撃たれ、伏せカードの《貪欲な壺》が持って行かれる。
返しのターンで《レスキュー・キャット》をプレイ、能力使用に対応して《激流葬》をプレイして場を流してから獣を展開するも、ソバットの《呪言の鏡》で消されてしまう。相手の伏せカードを使わせてから《死者蘇生》で《レスキュー・キャット》を戻し、再び獣を展開してベルンのダイレクトから相手の《冥府の使者ゴーズ》を搾り出す事に成功したが、ソバットの墓地には《ゾンビキャリア》が落ちてしまう。攻撃後にシンクロして《ナチュル・ビースト》をシンクロ召喚、二枚の伏せカードを置いてターン終了。
ソバットも、同様に二枚の伏せカードを置くのみでターンを返した。
迎える8ターン目、DoLL-MasTerは《洗脳-ブレインコントロール》でゴーズを対象に選ぶもチェーン《魔のデッキ破壊ウイルス》を撃たれる。しかし、DoLL-MasTerのハンドにウイルスの影響を受ける獣はいなかった。
返しのターン、ソバットは一枚の伏せカードを追加する。
ドローフェイズの確認でめくれる《王宮の鉄壁》、ナチュビのダイレクトアタックの後、伏せカードを置いて終了。
残り少ないハンドに思わず苦笑いを浮かべてしまうソバット、何とか状況を打破しようと《サイバー・ドラゴン》を特殊召喚、その後、墓地からキャリアを戻して《ブラック・ローズ・ドラゴン》をシンクロ召喚し場を流す。その後、手札から《死霊騎士デスカリバー・ナイト》を召喚し、ダイレクトアタック。
10ターン目はドローゴーで返すも、そのとき《D.D.クロウ》を引いて来られたために場のデスカリのクロックは阻止できたものの、その後の《貪欲な壺》のリカバーが止められず、ウイルスの手札確認で両方のカードを確認していたソバットはとても辛い様子。
ウイルスの効果も切れ、最後に《クリッター》をDoLL-MasTerがキャストしたところでゲームは終了した。
ソバット 1-1 DoLL-MasTer
Game:3
悩みながらも、《王宮の鉄壁》のサイドインを続ける事にしたDoLL-MasTer。
二枚の伏せカード、そして守備モンスター1体を置いた返しのターンで、DoLL-MasTerは伏せカードを4枚置くのみでターンを終える。そこでソバットはエンドフェイズに《クリッター》をリリースして《死のデッキ破壊ウイルス》をプレイ、相手の薄いハンドを確認してから《ゴブリンゾンビ》を呼び込む。そしてトップドローがまさかの《大嵐》。一戦目同様、一気に流れを自分のもとへ呼び寄せるソバット。
これがチャンプの意地、そして実力。
《ゴブリンゾンビ》の直接攻撃によりうまい具合にモンスターが落ちていき、DoLL-MasTerは相変わらずモンスター不足のハンドに頭を抱える。
ついに現れた守備モンスターに対して、《大寒波》チェーン《強制脱出装置》を使うと《メタモルポット》を反転させ相手とのアドバンテージ差を一気につけてからシンクロ→馬頭鬼→キャリアによる再展開、と一戦目でも見せたアンデットの「勝ちパターン」をありありと見せつけて、勝負を収束させた。
調整仲間・DoLL-MasTerへの初勝利、そしてフィーチャーマッチでの勝利を収める事が出来た事に、ソバットの勝利の感激も一入の様子だった。
「正直勝てるとは思っていなかった。対戦中はプレイが乱れる所もあったし(実際、二戦目でソバット氏は《威嚇する咆哮》をプレイしようとして《呪言の鏡》をめくってしまっていた)この後も試合も集中して勝ち進んでいきたい。」
初代やろうぜチャンプの快進撃は、止まらない。
その瞳は、地元・長崎でのタイトル獲得への闘志で燃えていた。
ソバット 2-1 DoLL-MasTer
Result:ソバット Win!
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テーマ:日記 | 投稿日時:2009/07/29 17:25 | |
TCGカテゴリ: 遊戯王OCG | ||
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