アヴァロン-Avalon-。
それは西洋の伝説にて語られる、美しい永久の楽園。九州遊戯界の担い手・Tetsu率いるチーム「Avalon」の名は、アーサー王伝説と強い結びつきがある事で有名なこの幻の島に由来している。
とある作品の影響を受けて名付けたというのが一般的な解釈かもしれないが、そうではなく、九州という本州から離れ独立した島国こそがアヴァロン、まさに楽園そして理想郷となって欲しい、というTetsuの願いから名付けられたのではないかと筆者は考えている。
遊戯界の活性化を目指す熱いプレイヤーたちが集い日々弛まぬ発展に尽力しているこの九州こそが、我々遊戯プレイヤーにとっての"Avalon"、楽園なのかもしれない。
一戦目にお送りする試合は、その「Avalon」のチームメンバーである福岡の遊戯プレイヤー・元春。彼は2009年度、中国地方より選考会出場を決めた事でも有名な山口県のプレイヤー・紀柳とも交流がある事で有名である。また、周囲に刺激を与えるだけでなく、様々な非公認大会でも結果を残す、九州の強豪。本戦に持ち込んだデッキは、「遊戯王やろうぜ!!」決勝大会以降、急速に台頭してきたアーキタイプ・植物シンクロ。
対するプレイヤーは、長崎の"邪神"・Kardis。
長崎予選を一位通過した事でも有名な彼は、「邪神」という異名で九州のプレイヤーたちの間で知られている。他県からやってきた筆者としては、どれほど恐ろしいプレイヤーなのかと思っていたが、とても穏やかな雰囲気を纏った、初対面の人間に対しても親切丁寧な選手であったので、読者の方々は決して誤解なきようお願いしたい。
環境最多の「猫シンクロ」を操り、本戦に挑む。
Game:1
先手はKardis。場に一体の守備モンスターを置き、その後ろにリバースカードを1枚セットし、相手の様子を窺う動きでゲームを開始する。それに対して元春は、《おろかな埋葬》による《ダンディライオン》という王道プレイから綿毛トークンを並べ、《ローンファイア・ブロッサム》をプレイ。綿毛トークンを生贄に、山札から2体目の《ローンファイア・ブロッサム》を、呼び出した2体目の能力により更に綿毛を生贄にして3体目の《ローンファイア・ブロッサム》を場に配備。3体目の能力で一番最初にプレイした《ローンファイア・ブロッサム》をリリースして《椿姫ティタニアル》をプレイするという好調な滑り出し。攻撃によって表になった《墓守の偵察者》が、同名モンスターを呼び出したのを確認してから《鳳翼の爆風》を伏せてターンを返す。
相手の早速の大量展開を前に、しばらく考えるKardis。まずは《X-セイバー エアベルン》をフィールドに送り込むが、その召喚が通った所で元春が《鳳翼の爆風》をプレイし、《墓守の偵察者》を相手の山札の上に戻す。このターンのシンクロが阻害されたKardisは姫の横に並んでいる種を一体だけ戦闘破壊すると、《封印の黄金櫃》をプレイ。山札を眺めしばらく考えてから、《貪欲な壺》を配備してターンを終える。
相手の動きが鈍いと察してから元春は攻めの姿勢を変えない。早速引き込んだ《死者蘇生》で《ダンディライオン》を蘇生、特殊召喚成功時に《ローンファイア・ブロッサム》のテキストでライオンをリリース、綿毛を生成してから2体目の《椿姫ティタニアル》を呼び出す。1体目でエアベルンを、2体目で直接攻撃を受けるKardisは、相当厳しい様子。
早速ライフポイントが半分になってしまったKardisは、《大寒波》をプレイ。《召喚僧サモンプリースト》を召喚し、《封印の黄金櫃》をコストに、《レスキュー・キャット》をプレイして山札から《X-セイバー エアベルン》《ライトロード・ハンター ライコウ》を並べ、早速《ブラックローズ・ドラゴン》にアクセスし場を一掃する。
対する元春は、《大寒波》によりモンスターを出す以外の行動が出来ないので守備モンスターを1体置くのみでターンを終える。
厄介な植物を一気に消し去ったKardisの手元に、《封印の黄金櫃》に閉じ込めておいた《貪欲な壺》が供給される。これを早速プレイし、リソースの補填に取りかかる。しかし元春の《D.D.クロウ》がそれを許さない。このタイミングでこのカードが握れている時点でも、試合の流れは完全に元春に傾いていた。
本当に対抗策がないKardisは、そのままターンを終了する。
勝利を確信した元春は《ナチュル・ローズウィップ》を場に出して、先のターンで伏せておいた《メタモルポット》を反転召喚。ハンドを一気に補充してから《おろかな埋葬》で《ゾンビキャリア》を墓地へ落とす。手札を一枚デッキのトップに戻して能力起動、ローズウィップとメタポで《A・O・Jカタストル》へシンクロ、さらにカタストルとキャリアで《ダーク・ダイブ・ボンバー》へアクセスし、ダイレクトアタックと自身の能力により、一気に試合を終結させた。
元春 1-0 Kardis
「猫は相変わらず多いんだろうなぁ、って思ってサイドは猫対策ばっかり用意したんすよね。BFだらけだったらキツかったです。」
そう言いながら、メインのコンボパーツを削ぎ落としてサイドから《サモンリミッター》など、猫対策を大量投入して二戦目に備える。
Game:2
再びKardisの先手、一枚の守備と一枚の伏せカード、そして元春も《おろかな埋葬》から《ダンディライオン》と、両者一戦目と同じ立ち上がりでゲームが始まった。
そして《メタモルポット》を守備表示、カードを二枚伏せて元春はターンを終える。Kardisはカードを引くのみで何もせず終了。
それを不思議に思った元春は、メインフェイズで《ナチュル・ローズウィップ》をプレイすると《メタモルポット》を反転召喚。一気にリソースを稼ぎ、一枚の伏せカードを用意してから引きこんだ《サイクロン》で相手の伏せカードを対象にする。それに対してKardisは《月の書》を発動させ、元春のチューナーを裏返し、このターンでのシンクロを阻害。そのままターンを終了した。3ターン目、Kardisの初動は《大嵐》。それに対して《強制脱出装置》をプレイし、Kardisの壁を弾き飛ばす元春。残りのカードを吹き飛ばす事に成功したが、一体の守備モンスターを場に置くのみでKardisはターンを渡した。
攻撃を受けなかった《ナチュル・ローズウィップ》を反転させ、綿毛2体を生贄に《椿姫ティタニアル》をアドバンス召喚。ローズウィップとメタポで《ナチュル・ビースト》をシンクロ召喚し、《メタモルポット》を警戒して二枚の伏せカードを置いて椿姫と《ナチュル・ビースト》の攻撃により2体の《墓守の偵察者》が墓地送りとなり、Kardisの場は空となる。
新たなドローに期待をかけるが、それでも自分のハンドを見て苦笑いを浮かべるKardis。場に守備モンスター1体、そして伏せカードを1枚置いてターン終了。
元春は自分のターンが始まるとすぐにバトルフェイズに移行、攻撃してめくれるライコウにより《ナチュル・ビースト》が破壊される。そして椿姫で直接攻撃を行い、ターン終了。
ライフを詰めにかかる。
墓地や手札枚数など、全ての公開情報を集めて場を見つめながら解決策を模索するKardis。一枚の守備モンスターを置いて《封印の黄金櫃》をプレイ、《貪欲な壺》を配備する。対して元春は《死霊騎士デスカリバー・ナイト》を戦線に送り込み、裏守備の《墓守の番兵》を除去する。《椿姫ティタニアル》の直接攻撃がさらに通り、三枚目の伏せカードを置いて着々と場を構築していく。
防戦一方のKardisはまたしても一枚の守備モンスター、さらに伏せカードを追加するのみ。元春は再び攻撃宣言を行うが、そこは《聖なるバリア-ミラーフォース》。そのままターンを終了した。
《貪欲な壺》を手札に加えて始まるKardisの7ターン目。伏せカードから《ハリケーン》をプレイし、場のカードが全て消える。相手のライフは確実に詰めていってはいるものの、いまいち攻められない元春だが《貪欲な壺》を相手がプレイすると、再び力強く《D.D.クロウ》を降らせた。《クリッター》を反転召喚、《X-セイバー エアベルン》を場に置き、エアベルンから直接攻撃。能力の誘発に対応で《冥府の使者ゴーズ》が現れ、手札から《貪欲な壺》が落ちる。戦闘終了後、2体がシンクロし《ゴヨウ・ガーディアン》が登場。《クリッター》のテキストで山札から《レスキュー・キャット》を呼び込み、伏せカードを一枚置いてターンを返す。
このターン、元春のデックテクが炸裂する。まずは《冥府の使者ゴーズ》で相手の《ゴヨウ・ガーディアン》を攻撃、攻撃宣言でのカードのプレイを確認して相手が何もないのを確認するとダメージステップで《禁じられた聖杯》をプレイ。
これには面食らった様子のKardis、対峙するAvalonの刺客にはブラフも通じなければ場に置いた対抗策も突破されてしまい、動揺が隠せない模様。
第2メインフェイズで一枚の伏せカードを置いてターン終了、その際、Kardisの《砂塵の大竜巻》により《月の書》が撃ち抜かれる。
相手の「見えるけど見えないカード」を消してから、《レスキュー・キャット》をプレイし《X-セイバー エアベルン》と《コアラッコ》を場に追加。ラッコのテキストによりゴーズの攻撃力を0にして、エアベルンのパンチでゴーズを戦闘破壊。第2メインで《ナチュル・ビースト》をシンクロ召喚してターンを終える。
それに対しても元春は攻める姿勢を崩さない。
カイエントークンを攻撃表示に変更し、《N・グラン・モール》を召喚する。再び表情をゆがめるKardis。植物シンクロというアーキタイプも、他の構築同様、《貪欲な壺》によるブーストに頼る部分がある事からメインデッキでの魔法カードの採用率は割と高い、そのためロンファ→椿姫という王道の動きが出来ない限り《ナチュル・ビースト》の存在は癌でしかない。そこで採用された《N・グラン・モール》はトップデッキから場に降り注いでくる、まさにナチュビ対策。またもや元春のデックテクが炸裂し、Kardisは残りライフ500にまで追い詰められる。
さらに二枚のカードを伏せ、完全にチェックメイトの状態である。
Kardisは自分のターンが訪れると再び壁を追加するが、相手の《N・グラン・モール》をどうにかしなければその行為はまったくもって無意味。
逃げる事さえ許されない。
チーム「Avalon」にて"ランサー"の称号を持つ元春、そのゲイボルグは、邪神をも貫くのであった
元春 2-0 Kardis
Result:元春 Win!
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テーマ:日記 | 投稿日時:2009/07/29 17:29 | |
TCGカテゴリ: 遊戯王OCG | ||
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