Shangri-La

九州遊戯界が今ほどの盛り上がりを見せているのは、何も古くからではない。それこそ遊戯王が盛んな地域と言えば東海地方が挙げられていたし、ついこの前まで、公認大会開催店舗さえ九州全体で数えるほどしかなく選考会出場など県ではなく"九州全体"にとって、夢のまた夢であった。しかし、そんな九州の環境を変えるべく、一人の男、いや、
"漢"が立ちあがった。

体は　札で出来ている
血潮は紙で　心はインク
幾たびの決闘を越えて不敗
ただ一度の敗走もなく、ただ一度の勝利もなし
担い手はここに独り。
札の丘で紙を刷る
ならば、我が生涯に意味は不要ず

―――この体は、無限の札で出来ていた


そう、自他共に認める九州遊戯界の担い手・Tetsuその人である。
九州地方、とりわけ福岡～佐賀～長崎といった上半島の地域の活性化に着手した彼は、Tetsu Championshipと題された九州最大規模の非公認大会を主催。その規模は、日本の数ある非公認大会の中でも指折りの規模の大きさを誇り、その名は全国に知れ渡る事となった。
彼の偉業はそれだけではない。
大規模非公認大会の開催を成功させただけでなく九州地方の公認大会開催店舗を増やす事で、代表選考会における本州のプレイヤー達との格差是正を図ったのである。その甲斐あってか、九州地方からも選考会プレイヤーを出場させる事ができるようになった。
Tetsuもまた、その一人である。

Tetsuの飽くなき挑戦に終わりはない。
チーム「Avalon」を結成し、九州の強豪を集結させ、イベンターとしてだけでなく一人のプレイヤーとしても「遊戯王」というゲームに関わっていける体制を整えた。また、九州地方で自身の思想に共感するプレイヤー達と協力し、数多くの非公認大会を実施。さらにはホームページなど、インターネットを通じて外部への情報発信も入念に行っていった結果、これまで表舞台に立つ事ができなかった地方のプレイヤーにも均等に機会を与え、地方の立役者としても活躍している。他にも、Tetsuの地方活性化運動、何よりも「遊戯王に賭けるその想い」は現存する日本語では表現するのは難しい。しかしその熱き想いは、確実に九州の決闘者たちの心を掴んで離さない。

そして、このような地方環境活性化活動は、何もTetsu一人の手で全て行われたわけではない。Tetsuは、きっかけをもたらしたのである。以降九州地方の至るところから、Tetsuの思想に共感するプレイヤーが現在進行形で彼を訪ねてきている。
最初は"一人"だったかもしれない。
しかし、想いを同じくする人間"一人一人"の手によって、九州という地方は今のように全国に誇れる遊戯王が盛んな地域へと変化を遂げる事ができたのである。

絶対は絶対に存在しない。
可能性を無限に追求していった、その英雄の名はTetsu。
忘れてはならない。
一人の担い手が、きっかけであった事を。
忘れてはならない。
全ての九州人が
全ての九州男児が遊戯王を盛り上げている事を。
忘れてはならない。
一人一人の協力がなければ、コミュニティは成立しない事を。
忘れてはならない。

体は　札で出来ている
血潮は紙で　心はインク
幾たびの決闘を越えて不敗
ただ一度の敗走もなく、ただ一度の勝利もなし
担い手はここに独り。
札の丘で紙を刷る
ならば、我が生涯に意味は不要ず

―――この体は、無限の札で出来ていた


願わくば、九州遊戯界が益々繁栄せん事を。


九州に、栄光あれ！