Shangri-La

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07 決勝戦 acc vs Exodia

予選大会を経て開催されたTYCSも、ついに最終戦を迎える。
Tetsu vs YDRという福岡と長崎を対峙させる名目で行われたこの非公認大会、Tetsu率いるチーム「Avalon」、ソバット率いるチーム「YDR」両団体から決勝戦にメンバーを送り出す事は叶わなかったが、奇しくも決勝戦は長崎と福岡と、出身が異なるプレイヤー同士が対峙する事となった。

福岡と長崎、九州の上半島の王者の座を賭けて争う決闘者二名を紹介しよう。
まずは先ほどのミラーマッチの激戦を勢いよく勝利で飾った、環境最多「猫シンクロ」を操る、長崎の遊戯プレイヤー・acc。
代表選考会終了後、メタゲームが大きく変化し、各方面に影響を与えたわけだが、九州も決してその例に漏れる事はない。また、新弾「STARDUST OVERDRIVE」が発売された事で予選の時と異なりカードプールもさらに拡張した本戦環境におけるメタゲームを研究したaccは、独自の改良を施し、環境最強とも言えるデッキをさらに強化してこのTYCSに挑み、決勝戦にまで上り詰めた。その実力は未知数、期待のルーキーと言える。

対するは福岡の強豪・Exodia。
遊戯王というゲームは、環境が変化するごとに必ず一つの「1ターンキル」デッキが開発される。「ドグマブレード」というアーキタイプを世に送り出した事でも有名なExodiaは、今環境でもさらなるコンボデッキを調整し、この本戦では「カエル1キル」デッキを選択。新弾「STARDUST OVERDRIVE」により新カードが多くもたらされた事で、確実に強化された新たなアーキタイプである。

このマッチアップでは、両者共に相手を瞬殺できる必殺技を有しているが、前者の「猫シンクロ」は、相手を仕留めるにはビートダウン、つまりは戦闘の部分が色濃い事、同時に自身を爆発させる勢いこそあるが相手の行動を妨害できるカードがメインから少ないため、そもそもターンを渡さないコンボデッキである「カエル1キル」には若干相性が悪いと言える。
しかし、決勝戦にまでのぼりつめてきたプレイヤーは、一筋縄ではいかない。この強力なコンボデッキが台頭してくる事を予想していたaccは、コンボにも対応できるパーツを多く用意している。それがうまく機能するかどうかが、コンボ攻略への鍵となると見て間違いない。

福岡の古豪と長崎の新鋭。
王者の座を賭けた両者が、いよいよ対峙する。

Game:1
ビートダウンとコンボという相性不利なマッチアップにおいて是非とも先に動きたいaccが、先手を勝ち取る。
《死霊騎士デスカリバー・ナイト》を召喚し、その後ろに三枚の伏せカードを置いてターンを終える。
相変わらずの王道の先手の動きを見せるaccに対し、Exodiaは芳しくない初手の模様。《成金ゴブリン》で引きよせた《おろかな埋葬》をプレイし、《ヴォルカニック・バレット》を墓地へ配備。そのテキスト宣言によりデスカリを排除してから裏守備を置くのみでターンを渡した。
1ターンでも早く仕留めたい、そう考えながらaccは《サイバー・ドラゴン》の攻撃により壁として置かれたバレットを、その横に置いた《X-セイバー エアベルン》でハンデスを試みるも、《D-HEROディアボリックガイ》が落ちてしまい相手の動きを助けてしまう事に。
返しのターン、《ワン・フォー・ワン》をプレイして真緑のハンドを眺めながらExodiaは《イレカエル》をキャスト。ディアボリックガイのテキストを宣言し、山札から二枚目を場に出し、それをリリースして《イレカエル》のテキストを起動しようとするが、《禁じられた聖杯》によってそれを阻害される。これにより自身をリリースしての起動さえ行う事ができず、Exodiaはプランを変更。《生還の宝札》をプレイし、《継承の印》によりバレットを戻して、自爆特攻。一枚のカードを伏せてターンを渡した。
4ターン目、accがプレイした《大嵐》によって場が流れた後で現れた、《ダーク・ダイブ・ボンバー》によって、対戦前に優位を囁かれていた相手を一瞬にして撃墜するのであった。

  acc 1-0 Exodia

 「次はもうターン回って来ないよなぁ…」
 溜め息を吐き出しながら、accはサイドチェンジを始めた。

 accのサイドチェンジ
 in:《霊滅術師カイクウ》×2
   《ライオウ》×2
   《D.D.クロウ》
   《砂塵の大竜巻》×2
   《封魔の呪印》
   《抹殺の使徒》
 out:《死のデッキ破壊ウイルス》
   《伝説の柔術家》×2
   《墓守の番兵》×2
   《キラー・トマト》
   《威嚇する咆哮》
   《聖なるバリア-ミラーフォース》
   《冥府の使者ゴーズ》

 Exodia、サイドチェンジなし。

Game:2
トップデッキから《ワン・フォー・ワン》を引きよせたExodiaは
そのまま《イレカエル》→ガンナー→《鬼ガエル》と展開し、
ループに突入して一瞬にして勝負を終わらせた。

  acc 1-1 Exodia


最速のゲームが披露され、決勝戦は三本目に突入する。
二戦目と異なり、サイドカードを見て悩み始めるExodia。


accのサイドチェンジ
 in:《呪言の鏡》×2
 out:《クリッター》《次元幽閉》

 Exodiaはサイドカードを全て投入した。


再びaccが先手となってはじまる決勝戦最終戦。
これで、Tetsu vs YDR championshipは終幕を迎える。

"最強"対"最強"――
新旧、2つのデッキによる"最終戦争"が、今、始まる。


Game:3
運ばれてきた初手を見るや否や、長考を始めるacc。
《ライオウ》を場に置き、二枚のカードを伏せてターンを終える。同様にExodiaも、初手を見てしばらく考え、裏守備を1体置くのみ。相手のハンドには自分を殺すのに十分なコンボパーツが揃っていない。
そう、敵の手は"紙束"なのである。
それを確信した瞬間、accは奮い上がった。
勢いよく《召喚僧サモンプリースト》をプレイし、ベルン2体を呼び出す。ベルン+僧侶により《アーカナイト・マジシャン》をシンクロ召喚、その能力で裏守備の《ライトロード・ハンター ライコウ》を破壊。その後、エアベルン、アカナイ、ライオウの3体を前に押し出し、相手を攻め立てる。猫のテキストによりベルンが墓地送りとなり、ターンを終える。
Exodiaの2ターン目、カードを1枚伏せてから《手札断殺》をプレイ。
新たなカードを山札から探しに行く。手札から《鬼ガエル》をプレイし、誘発能力の使用を宣言。《イレカエル》を墓地に送り、伏せカードから《貪欲な壺》をプレイ。それにより引いたカードは《ワン・フォー・ワン》と《ライトロード・ハンター ライコウ》。そこからかなりの時間、Exodiaは考え込んだ。相手を瞬殺するはずが、コンボパーツが噛み合わなくなった途端、少しずつ敵は盤面を整えつつある。どうにかして勝利に近付くプランを検討しなければならない。
まずは《ワン・フォー・ワン》をプレイ、《イレカエル》を場に配備する。その《イレカエル》をリリースし、《デスガエル》を戦場に出して、《アーカナイト・マジシャン》へ攻撃を仕掛ける。しかし、そこは《月の書》。返しのターン、周囲にも伝わるほどの武者震いをしながら、accは力強く《抹殺の使徒》をプレイ。周囲の観客も歓声をあげた。
これにより《デスガエル》が場から消え、追撃のリバースカードは《サイクロン》。しかしそれはチェーン発動で《サンダー・ブレイク》を使うExodia、《ライオウ》を破壊する。そこから《BF-疾風のゲイル》でExodiaは敵モンスターを倒すも、自分のライフポイントを相手のライフよりも上回らせる道は、果てしなく遠いものであった。


  acc 2-1 Exodia

観客、参加者の多くが拍手を送る中、本戦開催地でもある故郷に錦を飾る事ができたacc。
激戦をくぐり抜けて勝ち得た念願の初タイトル、その感動も一入であるに違いない。「遊戯王やろうぜ!!」全国大会でソバットが数多くの強豪を打ち倒し優勝トロフィーを長崎に持ち帰った事でも、長崎コミュニティの遊戯王熱はさらに上昇した。それに次いで、今回の第二回Tetsu vs YDR championshipでも長崎の遊戯プレイヤーが優勝を勝ち取る事となった。地方は、都市部のプレイヤーと異なり、大会に参加できる回数も少なく、表舞台に出る事はほぼ皆無に等しかった。しかし、そのような地域的な事情が必ずしもプレイヤーの実力と関係しているわけではない。

地方でも戦える。そして、勝てる。
今期、長崎のプレイヤーたちはそれを全国に示し続けてきた。

今年の世界大会、会場は日本国内。この夏はさらに遊戯王OCGは盛り上がるに違いない。それは九州も同じで、毎月非公認大会が開かれるほど、いまの九州は遊戯王が盛んである。これからも、九州は全国に通用する強豪を世に送り出していくに違いない。
九州から、今後も目が離せない。

そして今回、優勝を勝ち得たaccも、九州遊戯プレイヤーの1人として、
さらに遊戯王を盛り上げていく事だろう。
まずは王者の栄光を讃える事としよう!おめでとう、acc!!

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テーマ:日記投稿日時:2009/07/29 17:08
TCGカテゴリ: 遊戯王OCG  
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