Shangri-La

　2008年における遊戯王人気の再興には、世界大会の日本人優勝という久々の快挙も大きく関わっていると考えて間違いない。昨年の世界大会の覇者・グリフィスこと六岡一輝選手の試合をお届けする。全国各地にメンバーが存在する事で有名なチームBREAKER'Sのリーダーとしても有名なグリフィスさんは今回の決勝大会では、特別招待枠として参加して頂いた。九州代表アルトさんとの試合において、エキストラターンでの《レスキュー・キャット》トップデッキによる大逆転劇を披露した世界チャンプ。今大会でも、エンターテイメントな決闘を我々に見せてくれる事を期待したい。

対するは、関東予選通過者のタム。
北海道代表の100100さんを下しての準決勝、激戦区と言われた関東予選を勝ち抜いてきた彼のプレイスタイルは、的確かつ勢いあるもので、数多くの強豪を倒してきたその実力が確かなものである事が試合を観戦している周囲にも伝わってくる。今回使用しているデッキは、カテゴリーとしては猫に間違いないが、繊細な細部調整が施されており、しっかり作り込まれたシンクロ構築である事がうかがえる。同じく関東を拠点に活動する者同士、最強対最強の戦いが、今、始まる。

Game:1
お互いに壁と一枚の伏せカードを置き合う１ターン目。
先に動いたのはグリフィス。《大寒波》をプレイし、相手のアクションがない事を確認してから《ダスト・シュート》をチェーン。相手のハンドを確認してから、《ライトロード・ハンター　ライコウ》で相手のトマトを除去。《X-セイバー　エアベルン》を戦線に追加し、相手のハンドから《サイコ・コマンダー》を奪い取る。シンクロで《A・O・J　カタストル》をプレイし、ターン終了。何もしないままターンを返してきたタムさんに対し、カタストルパンチから《奈落の落とし穴》を設置し、守備モンスターを置いてターンを返すグリフィス。雪どけと同時に、タムのプランが実行される。まずは《死者蘇生》で相手の墓地の《キラー・トマト》を呼び出し、《緊急テレポート》で《サイコ・コマンダー》をキャスト。これらが全て通り《ブラック・ローズ・ドラゴン》へシンクロ。これに対しては《奈落の落とし穴》が撃たれ、場が流れる。
その後で《X-セイバー　エアベルン》がプレイされ、手札を壊されるグリフィス。数ターンが経過し、《BF-疾風のゲイル》《キラー・トマト》、守備が《コアラッコ》という相手の場を見てからタムは《サイバー・ドラゴン》をアドバンス召喚し、墓地の数を確認してから《貪欲な壺》をプレイ。《BF-疾風のゲイル》を戦闘破壊し、そのままターン終了。
再び数ターンが経過し、グリフィスの《BF-疾風のゲイル》を《洗脳-ブレインコントロール》してから、《サイバー・ドラゴン》とシンクロし、《メンタルスフィア・デーモン》をシンクロ召喚。これに対してグリフィスは、山札の獣を全て引ききってしまった様子で、ハンドの《レスキュー・キャット》が使えない、最悪の状況に陥っている。防戦一方になりながらも《貪欲な壺》による逆転を狙うグリフィス。その間に、
《メンタルスフィア・デーモン》はタムに多大なライフを供与していた。伏せカードの《月の書》も、サイキック族の悪魔には通用しない。そこから《貪欲な壺》をトップデッキし、真っ茶色のハンドを握るも《レスキュー・キャット》からの再展開を図るグリフィス。《N・ブラックパンサー》《X-セイバー　エアベルン》を並べ、黒豹のテキスト宣言に対応で使われた《奈落の落とし穴》が、《X-セイバー　エアベルン》に牙を剥く。
動物園に迷い込んでしまったチャンプは、早々に投了を宣言した。

　タム1-0六岡一輝(グリフィス)

Game:2
「誰か！ミラーでタムを倒せる者はおらんのか！」と叫びたくなるほど、関東予選覇者の勢いは留まる事を知らない。
悪い流れを何とか断ち切りたい思いで、グリフィスが相手にデッキカットを促し、５枚の初手をめくって静かにゲームは始まった。
一本目と同じく、一体の壁と一枚の伏せカードを置いてターンを返すグリフィス。それに対し、タムのトップデッキ《サイクロン》が見事にカードを撃ち抜く。そこから《精神操作》をプレイし、《X-セイバー　エアベルン》をプレイ、ハンデスにより《キラー・トマト》を奪い、相手のリソースを一気に潰してから《ダーク・ダイブ・ボンバー》を置いてターンを渡すタムさん。負けじと《BF-疾風のゲイル》をプレイし、DDBを潰してグリフィスのターンは終了。それに対し、一体の壁と一枚の伏せカードを置いてタムはターンを渡す。ゲイルのパンチによりめくれる《墓守の偵察者》。戦線が増強され、《月の書》を伏せるも突き刺さる《砂塵の大竜巻》。返しのターンで《レスキュー・キャット》から《X-セイバー　エアベルン》２体を展開するという完璧な動きを見せつけて、タムさんがチャンプを下した。

　タム2-0六岡一輝(グリフィス)
　Result:タム　Win！

隣で決勝進出を賭けたダット、ソバットの両名の対決が行われる中、
タムが決勝進出を決める。