Shangri-La

心ごと全部乗っ取るくらいの 誰かのウイルスになる

カレンダー
<<2011年
02月
>>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28
最近のブログ
最新のコメント
お気に入りブログ
ユーザー情報
非公開/男性
3日以上
ブログテーマ
日記
TCGカテゴリ
このブログの読者
そうだったのか!帝さんの学べる遊戯王

第一回(?)「今回のルール変更って、何が変わったの?」


帝です。
ブログ等をちょろちょろ巡回していると、今回のルール改訂はあたかも優先権が無くなった、と誤解されていらっしゃる方を多く見かけました。自分のもとにも、具体的にどう変わったのかを尋ねる質問が届いたりもしたので、丁度良い機会と思い、今回は特別に日記を設けて、遊戯王のルール改訂について解説してみたいと思います。
これで春からの新遊戯生活もばっちり!

http://yugioh.faq.konami.jp/EokpControl?&lang=en&e...
公式サイトの説明は、今回はリンクのみに留めました。
では今回のルール変更はどういう事なのか。それが変化すると、今後遊戯王はどうなるのか。それについてお話していきます。

今回の改訂でどうなったかというと、自分から「使いたい!」と思って使う効果は、そのカードが場に出た瞬間にだけは使えなくなったんです。
(オフィシャルの表現で言えば、場に出た瞬間=(通常・反転・特殊)召喚という特定の行動の終了時、ですね)

例を挙げると、《カードガンナー/Card Trooper》や《氷結界の龍 ブリューナク/Brionac, Dragon of the Ice Barrier》みたいなカード。
これらは、プレイそのものを無かった事にするカード(カウンター、と呼ばれていますね)を使われる事なく場に出る事に成功したら、相手に何かされるよりも先に、自分から率先して効果を使いたい、と宣言する事ができていました。
例えば、相手の場にシンクロモンスターと一枚の伏せカードがあったとします。 それが《奈落の落とし穴/Bottomless Trap Hole》と自分には分かっていました。そこで、《氷結界の龍 ブリューナク/Brionac, Dragon of the Ice Barrier》をシンクロ召喚。ブリューナクが《神の宣告/Solemn Judgment》などでプレイ自体を無かった事にされない限りは、場に出た瞬間に効果を起動すれば、たとえ《奈落の落とし穴/Bottomless Trap Hole》を使われようとも相手のモンスターを消す事が出来ていた、というのが従来のルールです。
これが、言ってしまえば、新ルールが適用される3/19以降は《奈落の落とし穴/Bottomless Trap Hole》にひっかかっちゃうようになるんですね。
(他だと、出た瞬間に《月の書/Book of Moon》で裏返されちゃう、とかもよく見かけられそうです。)
起動効果自体は問題なく使えるんですが、要するに、
「起動効果を率先して使う事は禁止しますよ」というのが今回の改訂です。

これを、モンスターの効果が全て扱いにくくなるのかな、という勘違いをされている方が多くいらっしゃるようです。
例えば、氷帝メビウスなど効果が通れば場が有利になる事で人気な帝シリーズ。これらは共通して、「○○した時、××する(orできる)」ってテキストに書いてますよね。このように、何かしら状況が成立して使えるようになる効果を「誘発効果」と言います。
その状況に"誘"われて"発"動してしまう、と考えると簡単にイメージできるかと思います。
だから、メビウスなら、場に出たという状況に"誘"われて、魔法罠を破壊する効果を"発"動できる、というわけですね。
これは、他にも《メタモルポット/Morphing Jar》などの、リバース効果にも同じ事が言えます。リバース効果は、使用者の意図に関わらず裏から表になってしまえば必ず発動するという条件を持った効果の事です。
つまり、裏から表になるという状況に"誘"われて、カードに書かれているテキストが"発"動する、という事。
よって、リバース効果もまた「誘発効果」なのです。

誘発効果は、その状況が成立してしまえば、プレイヤーの意図に関わらず発動される効果を指します。
起動効果は、「使いたい!」と思った時に、決まったコストを支払う事で発動できる効果を指します。
これらの大きな違いは、「意思」が関わっているかどうか、という一点にあります。使いたくない場合にも効果が発生してしまう可能性がある前者に対して、後者は、使用者が「使いたい!」と考える「意思」が無ければ絶対に起動する事はありません。
そして、今回規制が入ったのは、後者。
起動効果を使う事自体は今後も可能ですが、場に出た瞬間に率先して使う事が出来なくなった、という事です。

また、遊戯王だけに限らず、カードゲームのテキストは、常に三つしか存在しません。
自分が「使いたい!」と思って使う或いは効果の使用を宣言する、「起動効果」。
状況が成立してしまえば、本人の意図に関わらず発動してしまう、「誘発効果」。
そして、相手に確認を取る必要がなく常にその場で適用され続けるのが「永続効果」と呼ばれます。

永続、誘発、起動。
カードゲームのテキストは、この三原則に沿って分類されていきます。
ではどう見分けるのか、という事については上述の解説で既に述べましたので、それを参考にして頂ければ、と思います。
今回のルール改訂を機に、自分の手持ちのカードを効果の種類ごとに分けてみるのも、分かり易くて良いかもしれませんね!

では、こうしてルールが変わった事で、どういった変化が起きるのか考えます。まずカードに対する評価は大きく揺れ動いたと思います。
それこそ遡る事遊戯王第2期《ならず者傭兵部隊/Exiled Force》と《落とし穴/Trap Hole》の二枚の時から起こっていた問題が変わった訳ですから、カードに対する評価は一気に様変わりするでしょう。
ここから、何が弱くなって、何が強くなるのか。
厳密に言えば、何が扱いにくくなって、何の扱い方が変わるのか、について見ていきます。

「モンスターを消したいのに、先に効果を使われ、用意していた除去を回避されてしまう」という事態が多かった訳ですから、基本的には「使いたくても使えないカード」の方が圧倒的に多かった事になります。
そうなると、ルール変更によって、相対的に「これまで使えなかったカード」の評価が上がるのは自然な事です。
例えば、《奈落の落とし穴/Bottomless Trap Hole》は倒せるカードの幅が若干広くなりました。《氷結界の龍 ブリューナク/Brionac, Dragon of the Ice Barrier》等のように、シンクロモンスターでありながら起動効果を持ったカードは、《奈落の落とし穴/Bottomless Trap Hole》一枚に持っていかれてしまうので注意したいですね。せっかく二枚のカードを消費してシンクロモンスターを出したのに、一枚のカードに持っていかれてしまうのは、実に割に合わない。

他には、起動効果を持ったモンスターがカウンターをくぐり抜けて場に出た時に、使えるカードの幅はかなり広がりました。使用率の高いカードで言えば、《月の書/Book of Moon》や《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》などが思い浮かぶでしょうか。
今までは、場には出るけど、場を離れ場以外の場所(墓地や手札など)で発動していたカードたちが、一旦場に出たときに《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》で消されたり、《強制脱出装置/Compulsory Evacuation Device》で手札に戻されたりしてしまうようになるのです。
よって、起動効果を持ったモンスター達の扱いには前以上に慎重にならないといけなくなりました。
相手が伏せてあるカードの殆どに引っかかると考えても言い過ぎではないでしょう。

では、今回の改訂はプレイングに影響を与えるのでしょうか。
引っかかるカードが多いからこそ、今までのようなカードの扱い方では駄目なのでしょうか。
答えから言うと、NOです。
基本的に変える必要はありません。
もちろん、あるカードを絶対通したい、っていう時に絶対それが通らない状況(例えば相手が複数のトラップを伏せている)でそのカードを使うのはプレイング以前の問題ですが。
遊戯王の最たる特徴と言えば、何度も確認を行う、「重複確認」です。
プレイ自体は通るか。
発言で言えば、「召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にするカード(や効果)の発動はありますか」という、要するにカウンターの確認ですね。
そして、プレイが通った時に、何かアクションはあるか。
発言で言えば、「召喚・反転召喚・特殊召喚の成功時にカード(や効果)の発動はありますか」という、成功時の確認。これは、モンスターは場に仕掛けられたトラップに引っかかる、という世界観を象徴した遊戯王独自の手法であり、特徴と言えました。
今までやってきたこの確認自体には、何の変化もありません。
これまで通り、丁寧にお互いのカードの使用の確認を行い、互いの了承を得て、ターンを進行する。
カードゲームにおけるこの基本的な行動には、一切変化はありません。
だから、今まで通り、丁寧にフェイズやチェーン(対応行動)の確認を取りながら、ターンを進めていきましょう。

寧ろ、確認する側(起動効果を使用する側)ではなく、確認される側(それに対して罠を仕掛けていた側)のほうが考える場面が増えたと言えるでしょう。何故なら、その瞬間に使えるカードが増えたから、です。
今カードを使うべきかどうか、よりも、「今までこのタイミングでは使えなかったカードが使えるようになった」訳ですから、「あ、そういえばルールが変わってこのカード使えるようになるんだった!」と思い出す場面はきっとあります。今までにこのような場面は無い事でしたから、今までとちょっと考え方を変えてカードを使っていく必要があります。
大きな大会など本番で間違える事のないよう、フリープレイ等の際にしっかりこのルールに慣れるようにしていきたいですね。

プレイングに関しては以上ですが、カードの選定は大きく変わる事が予想されます。今まで使っていたカードが、「起動効果を持ったカードを止める事が可能になった」為に、メインデッキに採用しても良いカードというのは増える事でしょう。
ただし、あくまで選択肢としての話です。起動効果が止められるようになったからといって、《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》のようにアドバンテージの取れないカードを多く入れても、物量で相手に負けてしまうだけです。
選択肢は、少ないよりも多くあったほうが良い。何故なら、考えられる幅が広いからです。広がった選択肢の中でカードを選定するとなると、よりデッキ構築の自由度も増します。
それこそ3月より新しい制限カード・リストも施行されますから、考え方をちょっと変えれば、良いデッキが組めるようになるかもしれません。
デッキ構築には最適の機会と言えるでしょう。

今回の解説を通じて、一人でも多くのプレイヤーの方の誤解や疑問が解決できれば幸いです。
ありがとうございました。

登録タグ: 遊戯王  起動効果  ルール変更  誘発効果  永続効果  カードゲーム  大原則 

あなたはこのブログの 1257 番目の読者です。


テーマ:日記投稿日時:2011/02/25 01:15
TCGカテゴリ:
表示範囲:全体
前のブログへ 2011年02月のブログ一覧へ
ブログ一覧へ
次のブログへ
現在コメントはありません。