Shangri-La

心ごと全部乗っ取るくらいの 誰かのウイルスになる

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レポーター活動 一周年記念投稿

帝です。

第一回遊戯王やろうぜ全国決勝大会から数えて、
5月31日をもって帝のレポーター活動が一年目を迎える事となりました。

それは、自分が好きな事をやり続けて丸一年が経過した事を意味します。
誰かを真似するでもなく指図されるわけでもなく、興味があったが故に自ら大会内容を記録し続けて早365日。
全国各地を駆け回って本当に充実した一年であったように思えます。
記念に何か新しい事をするわけでもありませんが、この節目を機に、これまで行ってきた活動やその中で感じてきた事などを振り返りつつ、今後の展望を述べていきたいと思い今回このようにして筆を取りました。
暇潰し程度に、最後までご静観頂ければ幸いです。

[1]動機
遊戯王OCGのプレイ歴が一番長いのは間違いありませんが、自身はこれまでに様々なカードゲームをプレイしてきて、その中で高い競技性やトーナメントが幅広く認知されている、あるゲームでは大きなイベントが行われるとカバレッジと題した大会レポートを公開しており、それに感銘を受けた事が背景としてあります。
その大会レポートにおいても、各所の強豪同士が相見えて見ている者を夢中にさせるほど熾烈な戦いを繰り広げているその様子も勿論素晴らしいものでありますし、まず第一に多くの人が注目するのは試合内容であると思われます。
自分自身もそうでした。
しかしそれ以上に自分にとって印象的であったのは、その白熱した試合内容をより多くの人に向けて伝えるために書かれたレポートそれ自体だったのです。
そのイベントの参加者にとっては理解しやすいものであるのは勿論の事、イベントに参加できなかった人たちも、そのレポートを見ればさながらその場に居合わせたかのように、詳細に試合内容を把握する事ができる。
また、淡々と作業のように行われる試合であっても、対戦者の仕草や盤面そして会場の様子などの詳細を書き添える事で、その試合にさらに華やかさであったり臨場感を持たせる事が可能となる。
そしてそれは「記録」や「歴史」となって残り続け、どんなに環境が変わっても後世の人たちにとっていつでも閲覧可能なものであり続ける。
イベントが開催されるたびに書き起こされるカバレッジの数々に、私は強く感動し、いつか自分もそのような執筆活動を行ってみたい、そう考えてきた自分には遊戯王という一つの長く携わってきたTCGがあり、非公認の全国大会を機にその実現に着手させて頂いた次第であります。

それまでにも一個人として小説などの執筆を行ってきた事、web上の日記やブログ等を通じて長い期間情報を発信する立場で居続けた事など、それまでの経験を活かし、きっかけも相まってノウハウ自体は持ち合わせていたつもりでしたが、なにぶん活動は自己満足の延長。ノウハウはあれどそれが「文才」と呼ぶには程遠い能力であったがために、執筆を言い出した身とはいえ最初は公に向けての文章作成をする事に多大なる不安を感じていたのを覚えています。

自分が書いた大会記録がどれだけの数の人に閲覧されているのかは一年目をもってしてもなお分かり兼ねますが、自分がやりたいと思っていた「夢」、大会レポートという形で実現した「内容」、それらを日本各地にいらっしゃる境遇の異なる多くの方々に受け入れて頂けた事に、私は感謝の気持ちが絶えません。
日本人はこれを「誉れ」と称するのではないでしょうか。
好き勝手書き続けてきたため大変恐縮に思うのは今も変わらず。
でも一方で、本当に光栄な事に感じながら、大会を記録する空間や機会を与えて下さっているイベント運営陣の方々そして読者の皆様には、大会レポートを作成する事でもって感謝の意を表し続けていきたいと思います。

[2]活動履歴
具体的にこれまで大会のレポートを書かせて頂いたイベントについて振り返っていきます。

2009.5.31 第一回「遊戯王やろうぜ!!」全国決勝大会
2009.7.19 第二回Tetsu vs YDR Champion Ship 他者封印・決闘神殿(TYCS2)長崎本選
2009.8.16 Tetsu vs Six mobile divisions Champion Ship ~Tetsu/stay saga~(TSCS)(*)
2009.9.6  第二回「遊戯王やろうぜ!!」中国・四国地区予選
2009.10.11 第二回「遊戯王やろうぜ!!」九州予選
2009.11.23 第二回「遊戯王やろうぜ!!」全国決勝大会(*)
2009.12.27 第三回Tetsu Champion Ship
Nine Wish Revolver

2010.2.11 福岡県カードショップ「ちとせや」非公認大会
2010.4.17、18 福岡県博多トイコレクター天神四丁目最強決定戦T4GP
(直接レポーターを担当していないものには*を記しています。)

華々しくそして地味にデビューを飾ったのは第一回やろうぜ決勝であります。
各地区の予選を勝ち抜いた強豪が東京に集い行われた激戦の舞台。
本選に参加していたわけではありませんが、別の形で参加者と同じ舞台に立って大会を記録させて頂いておりましたが、ぶっつけ本番だった事もあり、目まぐるしく展開されていく場の状況や対戦者の様子を目で追いながらキーボードを叩いていくのは本当に大変な作業でありました。
今でも覚えていますが、はじめて行った試みであったにも関わらず準決勝の際は二つの対戦卓の間に座り、両テーブルの盤面を交互に見て記録。
同じ時間で一気に二つの試合を記録する荒業で、本当に苦労しました。

しかし、自分にとっては今でも鮮明に記憶に残っている良い大会でありました。
大勢の強豪たちの戦いを直接目の当たりにし、それを大勢の人のために記録する。
全身が滾るように熱くなり、脳みその裏側が痺れるような感覚に陥ったのを今でも覚えています。
それは本当に、「血」が燃えた瞬間でした。

その時、同じく引率者として会場にお越しになられていた九州予選担当のTetsuさんと顔見知りとなり、自分が行った試みは初めて目にするものであったとの事で非常に興味を持って頂けただけでなく、そのときに見事大会を優勝されたソバットさんからの依頼もあり、以降、九州と深く関わっていく事になります。

長崎、佐賀…と様々な場所で新たな人たちとの縁を深め、二回目のやろうぜ予選の際には九州からTetsuさんたちが応援に駆けつけて下さっただけでなく、翌月には恩返しのために自分が九州予選へ赴きました。
佐賀TSCSでは大会参加者という観点からレポートじみたものを書きましたが、それ以外は参加者の隣でひたすらキーボードを叩いています。
第二回やろうぜ決勝は自身が大病を患い参加できませんでしたが、一方で現地の協力者から情報を頂いてそれを参考資料としてレポートを執筆させて頂きました。それまでは「見たものを書く」のが当たり前であった自身の活動の基本でありましたが、後のちとせや非公認の時も同じく、「見ていないものも(その場にいたかのように)書く」という応用もまた、自分にとっては良い経験となりました。

現在はTetsuさん率いる、福岡大規模非公認大会開催組織「TCS運営委員会」に所属。大会記録を担当させて頂いており、それまでフリーだった自分の活動に箔がついた事になり、大変名誉な事に思いながら、現在はブログ「━━━━体は札で出来ている。」に隔週で筆者後記を執筆。
しっかりと活動を続けております。

[3]仕事内容
大会記録担当、とよく記す事がありますが、ではその具体的な作業内容はどのようなものなのか。帝は運営サイドについて普段何をしているのか、について書いていきます。

主な準備物は以下の通りです。
・デジタルカメラ
・ノートパソコン
・メモ帳
・デッキレシピ
・延長コード
・眠気覚まし

あらかじめ、共に大会を運営する方々からの許可を得ます。
許可を得た上で、対戦テーブルのうち、一つだけ特別席を確保して頂きます。
これを「フィーチャーマッチテーブル」と称すのですが、二人の対戦者と、その横に自分とノートパソコンを余裕をもって常備できるだけのスペースを用意します。この時、コンセントがある箇所から近い場所である事が望ましいためフィーチャーマッチテーブルは、どうしても会場の隅になりがちです。
延長コードはほぼ必須と言えるでしょう。

続いて、対戦の前にはテーブルに着席する予定の参加者にも許可を得ます。
最近では活動の甲斐あってかすんなり受け入れて下さる方も多くいらっしゃって喜ばしい限りです。また、大会開始前に全員へ向けて通達する事で承諾とする場合もあるので手間が省ける事も時々あります。

記録内容は、その時点では簡単な対戦内容のメモのみに留めます。
最初はメモ帳で記録する事もありましたが、どう考えても間に合わない事からパソコンを利用する事にしましたが、自分の向かい側にいるプレイヤーの手札などを把握したい場合は第三者に内容を記録を依頼する時があるため、メモ帳は持っていて損はありません。
また、対戦の際にはどうしても考える場面が出てきます。
その時は動きを待つのではなく、プレイヤーの表情や仕草をメモし、場の状況を整理したりと、休憩なしに記録を続けます。
特にプレイヤーに関する記述は、やはりその場にいなければ書けず、大会結果よりも価値があるかもしれない一種の人間観察でありますので、記録をしていて楽しいです。

デジタルカメラは主にテーブルの様子を撮影します。
それは、例えば特定のデッキタイプがどのような動きをして結果的にどういった場が展開されるのか、という事が具体的に把握できる一つの資料になりより臨場感を与えるものとなるため重要です。今はまだ試験段階で実行していませんが、将来的には
レポートに取り入れてより臨場感を高める材料にしたいと考えています。

他には、プレイヤーの隣に常駐している事から、ジャッジよりも早く質問に対応する事が可能となります。何かあればすぐにジャッジを呼べるよう場を取り仕切る権限が記録担当にはあり、例えば海外言語のカードのテキストの日本語訳を知りたいという質問があった場合には、搭載している検索ソフトを利用し即座に対応した実例もあります。

全日程終了後、自分が書いたメモを「文章」にすべく執筆活動が始まります。
まず「自分が一番伝えたい事」を念頭に置いて、自問自答を繰り返しながら内容を肉付けしていきます。一つの参考資料に仕上げる事もそうですが、「読み物」としてより価値あるものにするために叙情的な記述を施す事もあります。
いわゆる「帝節」として御好評頂いているのはその点であるかと思われます。
ありがたい限りです。

記録担当にとっては、当日だけではなく、「終わってからが本番」と言えるでしょう。
一日かけてイベントを行い、その後、レポートを作成する。
帰るまでが遠足、という事ですね。

[4]今後の展望
「記録を取られる両者は、その場において等しく平等である。」
これが今後掲げていきたい自分のレポーター活動におけるコンセプトです。
人それぞれ練習量や境遇は違えど、今この瞬間は、同じ場所にいる。
フィーチャーマッチテーブルに座る時、背景はどうあれ、対峙する両者は平等に扱われる。それが、この特等席が目指す在り方であると考えています。

その上で考えるのは、まずは「資料的価値」の向上。
記録、それは資料として多くの人に参考そして引用されていきます。
それに足る内容である事がレポートの目標です。
具体的には、カードの使い方などのプレイング指南、分かりにくいルールの解説、デッキを構築する際に一般的に用いられる方法論について論じる事もあれば、プレイヤーの心理に関わる人間についての具体的な記述などがあてはまります。
写真などを用いていけばよりよいものとなるのではないかと検討中です。

また、大会レポートとなると、それはやはり「トーナメントカードゲーム」の最たるものであると思われ、内容はどうしても専門的なものとなってしまいます。
それはそれで意味がありますが、次に目指すべきは、その専門性からの脱却であると私は考えています。と言いますのは、大会レポートとは試合内容だけに限らず、そのイベント全体の事についても書いているわけですから、イベントやそのゲームのコミュニティをより多くの人に理解してもらうためにも、ゲームを知らない人たちにも知って貰えるレポートを作っていく事が理想であります。
ゲームを”知っている”人には、より専門的に。
ゲームを”知らない”人には、より一般・普遍的に。
それを目標として、「知らない事を知る楽しさ」をこれからも伝えていきたい。

会場に拠る所も大きいのですが、もう一つ、将来的にはイベントを行っているまさにその時間、リアルタイムでのレポート投稿などできればより業界への貢献を目指せるのではないかとも考えています。

[5]最後に
小説でもなければ演劇でもない。
しかしそれは実際現実に起こっている事。ノンフィクション。
それが大会レポートではないかと、一年の活動を経て、自分は考えました。
参加者の皆さんには参加費を払って頂いた上で参加して頂く以上、我々イベント運営者は、楽しんでもらう事を第一に考え、行動していきます。
そこで見聞きし経験する全ては、決してファンタジーではない、リアル。
イベントを、そしてそれを記録した大会レポートを、一つの、新たなノンフィクション・エンターテイメントとして捉えてもらいたいです。

最近自分がよく考える事に、「格好良さ」というものがあります。
人それぞれ”カッコイイ”と感じるものがあるかと思われますが、自分は「格好良さ」に二つの定義を見出しました。
一つは、人と同じ事をする事。
例えば祭事における踊りであるとか、マーチングバンド、兵隊の行進など整っているものを人間は美しいと感じるため、それは「格好良い」事と捉えられます。
二つ目は、人と違う事をする事。
自分に出来ない事、一般的にされていない事というのはそれだけで人は自然と「格好良さ」を感じます。
遊戯王にとってほぼ未開拓であると言えたレポート活動。
一心不乱にそれを一年間続けてきた自分自身に、「レポーターである自分はかっこいい」と私は今胸を張って言えます。

何が言いたいかと言うと、たとえ前人未踏の事であったとしても自分がそれをやりたいと思ったなら、勇気をもって取り組む事には大きな意味があるという事です。自分自身、まだまだ人間として学ばないといけない事は多くあり偉そうに言えた立場ではありませんが、もし自分のレポートを見て、何かを感じ取って行動しようと考えている人がいるなら、是非とも実行すべき、と背中を押してあげたいと思います。
夢を応援されたからこそ、今度は自分がレポートを通じて、誰かの夢を応援していきたい。

同時に、それは自分にとってのさらなる理想追求でもあります。
感動、興奮、思考…
一人でも多くの読み手の方に何かを感じ取ってもらえる文章を書く事。
今後レポーターを続けていく上での自分の課題です。
試合結果の記録だけに留まらず、そこから考える、プレイヤーとしての在り方。
人間性について主張する以上、読者の感受性がさらに豊かになるような読み物を書いていけるよう頑張ります。よりよい人間であれ。

Tetsuさんが遊戯界の「担い手」と称するなら、自分は「紡ぎ手」であると言えます。
人と人との思いを紡ぐ。
それが紡ぎ手の刻む『戦場のヒエログリフ -monarch the record-』。
この碑文を見ているあなたに伝えたい。
そして誰かに伝えて欲しい。
カードゲームでもそうでなくても…、形はどんなものであっても構わない。
それを通じて知り合った人と、きっかけを、未来永劫大切にしていって欲しい。
友達恋人そして家族を、大切にして欲しい。
そうして出来た縁はやがて愛となり、人を必ず豊かに育て上げる。
人と人との『縁』を大切にする事で、多くの人が幸せになれればいいと思いますしそれを実現できるレポート作りを目指していきます。
これからもより多くの人たちの想いを紡いでいきたい。

一年間という長期に及ぶ大会記録を執筆させて頂くきっかけを与えて下さったイベント関係者各位ならびに大会参加者、そして自身の大会レポートの読者の皆様にこの場を借りて厚くお礼を申し上げたい。
今後も何卒宜しくお願い致します。


ご静観ありがとうございました。


「これからも、遊戯王」





2010.5.31 
福岡大規模非公認大会開催組織「TCS運営委員会」 大会記録担当


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テーマ:日記投稿日時:2010/06/02 01:08
TCGカテゴリ: 遊戯王OCG  
表示範囲:全体
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