Shangri-La

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シャッフルについて

帝です。
今日はシャッフルについてお話をします。

まず最初にそれぞれの定義を述べさせて頂きます。
シャッフルには、「TCG向けのものであれば」基本的に二種類のものがあります。
一つは、ヒンズーシャッフル。
これは、カードの束(デッキ)を片手で持ったら、もう片方の手で、山札の下のほうのカードの束を上へ持っていくような感じで切り混ぜていく一般的な方法。

もう一つは、ディールシャッフル。
ここで言うディールとは英単語のdealで、つまり分割を意味します。
一枚ずつカードをテーブルに並べていく、上述のヒンズーよりも若干時間はかかるものの確実に無作為にカードを切り混ぜられるシャッフル方法です。日本語の場合、このときテーブルに置いたカードの枚数で「~枚切り」と称されます。
(たとえば8枚並べたなら8枚切り、など)
本日は、このディールシャッフルを中心に論述していきます。

カードゲームは、やはり"ゲーム"と名を冠する以上、それを支配するある一定の確率や法則というものは存在するのですが、どこまでいっても、究極的に「運」というものが絡んできます。結局どれだけ理論武装しようとも、「運」を度外視する事はできません。それがカードゲーム(これはトレーディングカードゲームのみならず、世間一般のカードゲームにも通ずる)の難しさであり、そして楽しさであります。
では、遊び手である自分たちはどのようにすればいいか。
そこで自分の考えとしては、我々が運に立ち向かうには、確率により導き出される「期待値」、そしてこちらは不確定要素ではありますが、自身がそれまでに培ってきた「経験」をもって臨むしかありません。

まずは運という要素が必ずしも存在する、という事を念頭に置いて頂いた上でシャッフルの改善例について話を進めます。

ディールシャッフルには、世間一般で通じているマナーというものがあります。

1:ディールシャッフルを二回行うこと。
2:3枚切りをしてはいけない。

何故このような考え方が「マナー」として通じているのか。
それには「順番が変わっているだけで、ランダム要素は
加わっていないから」という理由があるからです。
詳しく説明します。
まず、上から数えて以下のように数字が割り振られたカードの束が
存在すると仮定します。
ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ1234
この30枚あるカードの束を、3枚切りで行った場合、山は3つ出来るわけですが、その山の内訳はこのようになります。
左の山  ADGJMPSVY2
真ん中  BEHKNQTWZ3
右の山 CFILORUX14
このようにして出来上がった三つの山を、下から、左の山・真ん中・右の山と積み戻すと、それによって戻った一つの山札は以下のような順番になります。
(下から)ADGJMPSVY2BEHKNQTWZ3CFILORUX14

この状態で、「二度目のディールシャッフル」として上から10枚切りを行ったとします。そうすると、左側から順に、

432
1ZY
XWV
UTS
RQP
ONM
LKJ
IHG
FED
CBA

このような並び方になります。
これによって出来た10個の山を一番下にして右隣の山を積み重ねていきます。
するとどうでしょう。右から読んでみて下さい。
(下から)4321ZYXWVUTSRQPONMLKJIHGFEDCBA
そう、元の並び方に戻ってしまうのです。

図に加え、数式でも表わすと、
デッキ枚数がX枚で割り切れる数のY枚切りをして、山がZ個出来上がる時、先述のように、順番にZ枚切りをすると、その並び方は元に戻るわけです。

そのため、山札を3枚切りする人がいれば、すぐに注意しましょう。
それは「シャッフル」(無作為の変換)ではなく、「並び替え」だからです。本人の意図にかかわらず「詰み込み」(内容を操作するイカサマ)とみなされます。審判がいるのであれば、より一層厳重な判断を仰いで下さい。また、自分自身の山札を切る場合にも、内容が変わっていないためこの枚数での切り方は不向きとされます。

しっかりカードが混ざっていないと、しっかりと自分のカードが場に置けなかったりと「事故」を招いてしまったり、とゲームの内容にも支障が出てしまいます。

ではどのようにこれを回避すればいいのか。方法としては幾つかあります。

一番簡単な方法としては、ディールシャッフルとは以上のように、
カードを単に規則的に並び替えたとみなされる部分も大きい事から、ディールの後でヒンズーシャッフル(簡易的に切り混ぜる)を加えるという事も、不確定要素が混ざって効果的です。

他には、ディールを二回行う際、枚数を変化させる事。
例えば8枚のカードを置いて8枚切りのディールを行った後、
二度目のディールでは7枚のカードを置く7枚切りを行う、などです。このとき、最初が偶数であれば次は奇数、と、入念に変化を加えましょう。
また、カードの置き方を不規則にするのも大切です。
(→→と並列的に置いた後、↑↓と置いていくなど。)
加えて、分割する枚数は初手(そのゲームにおいて、開始時に手に持つカード)の枚数以上にする事をおすすめします。
たとえば遊戯王であれば5枚、ガンダムウォーであれば6枚、MTGであれば7枚よりも多い枚数。
つまり、「ディールする数N≧初手」という事を覚えておきましょう。そうする事で、意識的に3枚切りをしなくなるのです。

マナーとしては、自分が山札を切る際、ディールシャッフルによって山札の枚数が正しいか相手にも判断を仰ぐと良いでしょう。
時間制限があり急かされる状況であっても、公平さを追求する必要があるため、これは最低限のマナーです。

そして相手にカットを求めましょう。
自分の手でのシャッフルのみで終わっては、不正を疑われますが、
第二者の手が加わる事でそれが防止されている事が誰の目から見ても判断する事ができます。
とにかく重要なのは、「最後が自分の手で終わらないこと」。
相手にカットを求めた後、自分の手で操作をする事も相手にカットを求めた意味がないため、してはいけません。


まとめます。
1:ディールシャッフルは二回行う事。
2:切る枚数は初手以上で、さらに何かしらの変化を加える事。
 (奇数→偶数や、置く場所を変える、など)
3:最後は相手にカットを求める事。(≒自分の手で終わらせない)


長く書きましたが、たとえば「フリープレイ」と呼ばれる自由な対戦の際にも、この点を意識して行えば時間の節約に加え、自身のプレイスタイルの質を向上させる事ができ、「よりよいカードゲーマー」を目指す事ができるのではないでしょうか。

全ては、「お互いが気持ちよく対戦できるために」。
読者の方々の参考になれば幸いです。

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あなたはこのブログの 3235 番目の読者です。


テーマ:日記投稿日時:2010/02/12 13:04
TCGカテゴリ:
表示範囲:全体
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現在“2件”のコメントがあります。
アルド♀ ロード さん [2010/02/12 16:36]
参考になりました。ディール二回というのはかなり無作為化できそうなので試してみます。
お互いが気持ち良くっていうのは大切ですよね~
アルド希少種 帝 さん [2010/02/18 16:13]
>>ロードさん
はじめまして、書き込みありがとうございます。
そして返信の遅れ誠に申し訳ありません。

一見無作為に見える行為であっても行える、人間の錯覚を利用した不正というのは現実に起こり得ています。
お互いが気持ちよくプレイするには、何よりも一人一人の心がけが大事だと思います。精神論に頼ってしまい、若干主張に勢いが感じられないかもしれませんが…。
また、シャッフルというのは実行する上で様々な要因が関わってきます。(たとえばテーブルの広さであるとか)
まだまだ研究の余地があり、今回は現段階で私自身が「正しい」と思っている事を紹介するに留めました。まだまだ論述として不足している部分あるかとは思い、そこは今後改善に努めていきますが、参考にして頂けたなら幸いです。

電源系ゲームにはない、生の人間と接する事ができるのがカードゲームの魅力。
だからこそより一層、お互い気持ちの良いプレイを目指していきたいものですね。