その部屋に入って見えたのは…大きなカプセルが6つと、それを動かすためのコンピューター。
6つのカプセルのうち、5つの中には自分と同じ姿をしていて、でも寝ているように目を開けなくて…残る1つには、何も入ってなかったけど…なぜだか見覚えがあった。まるで…自分がこの中にいたかのように感じて…。
近くにあったコンピューターが気になり、操作をしてみると…プロジェクトSと書いたフォルダがあり、開いてみると、そこには経過記録や、研究結果と書いたファイルが見つかった。
研究結果には、プロジェクトFの派生として、人造魔道士による大量殺戮兵器の開発、思想が書かれていた。
経過記録の中には、自分がまだ造られてから5年しかたっていない事、どんな風に接するとどんな反応をするか、リンカーコアの代わりに埋め込んだインテリジェントデバイスのAIが人格を作ったといった、信じられない…いや、信じたくない事が書かれていた。
今まで愛してもらっていると思っていたことは、研究でしかなかった。
自分がデバイスのAIでしかないのだと知った。
ここにいるのは、自分と同じ実験で生み出された人造魔道士だとわかった。
そして…自分が殺戮兵器なのだと知った。
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テーマ:小説 | 投稿日時:2010/04/23 05:16 | |
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