レイという名前をもらってからずっと、両親に愛されていると思っていた。自分の眼がオッドアイ(右眼が薄紫、左眼が赤)だからという理由で虐められた時は、お父さんは「強くなれ、力だけじゃなく心も強くなれ」と、お母さんは「不幸があって、幸せがあって…人生ってそう繰り返すもの。次は貴方に幸せが来るわ」と言って、いつも励ましてくれた。出かけるときは皆一緒で、毎日が楽しくて…ずっとそんな日々が続くって思っていた…。
いつもの朝。いつものように起きて、お父さんとお母さんにおはようって言って…お母さんの手伝いをしていた。
「もうすぐレイの誕生日ね。」
「もうすぐ10歳か…早いもんだなぁ。」
お父さんもお母さんも研究員で…だけど、いつも一緒にいてくれる自慢で大好きな両親。
「明後日が楽しみだよ。もっともっと勉強して…お父さんやお母さんを手伝うんだ。」
「ふふふ、楽しみにしてるわ。」
なんて、皆明るくて…幸せな毎日だった。何も特別な事はないけど、平凡だけど…レイにとってはそんな毎日が最高の幸せだった。
10歳の誕生日の日、両親が仕事で帰ってくるのが遅くなるからって電話があった。1人で寂しくて…気を紛らわせるために、何かをしようと思った。そんな時にあるドアが見えた。いつもお父さんから開けちゃ駄目だって言われていたドア…。
興味が大きすぎて、つい開けちゃって…でもそこには部屋はなく、地下へと続く階段だけがあった。
「なんだろう、ここ…。」
これ以上行ってはいけないと思った…だけど、行きたいと思う好奇心には勝てなかった。そのまま階段を下りていって、1つの部屋にたどり着いた。
開けちゃいけない…開けたら戻れない。そんな直感みたいなものがあったけど、ドアの隙間から見えた光りが気になって…開けてしまった。
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テーマ:小説 | 投稿日時:2010/04/22 08:57 | |
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