Shangri-La

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【運営】審判観 -ジャッジを務めるにあたって-

帝です。

大会運営において欠かせないのは、当日のルール質問等を請け負う審判の存在。

今までは大会記録担当として審判をサポートする立場でいた僕ですが、実際に現場で審判としての業務をこなす上で、思った事を書き連ねていこうと思います。


【審判】
僕が今まで見てきたジャッジと呼ばれる審判の方々は、総じてプライドが高い人ばかりでした。
大勢が参加する大会で責任を持って裁定を下す仕事、確実な決断を引き出すためには自信を持つ必要がありますから、当然です。
かと言って帝自身、プライドが高いかと言われれば微妙な所…。

審判には三つの事項が必要であると僕は考えています。
それは、決断を下すための実行力、
マニュアルにあてはまらない柔軟な対応力、
そして速度です。

知識は正直必要最小限で良いと思っています。
ルールなんて、ジャッジを務める人間でなくとも誰でも調べられるわけですから。
では何故わざわざジャッジを設けるのか。
そして、そのジャッジが一般人と区別される要素は何か。
それは「実行力」に他なりません。
実際に行動に移せる能力、頭の中に知識を蓄えるだけでなくそれを参加者に伝わるように伝達する能力。
ジャッジが持っているそれらの能力こそが、一般人との差別化を図る事ができるのです。

その実行力は単純に行動に移せば良いわけではありません。
裁定を下す現場には大勢の人間がいます。人間というのは総じて、何をするか予想するのが難しい生物です。
だからこそ、こちらとしては「何が起きても対応できるようにしておく」必要があります。
例えば、同じ質問をされていても、人によってその伝え方が異なる場合があります。
端的な質問をしてくる参加者もいれば、質問をしている本人が要点を掴み切れていない質問をされる事も。そうした相手の置かれている状況を汲み取りながら、どんな状況が起ころうとも確かな裁定を下せるようにする必要があります。

ではそうした柔軟性はどうやって身につけられるか。
これはもう、実際に「自分が、裁定を下す立場」になったほうが分かりやすい。
習うより慣れろ、という表現はまさに字義通りだと僕自身は実体験の中で感じました。
経験こそが柔軟性を培います。

そして、速度。
これについては別項で言及します。

【他との違い】
僕が審判を務めるにあたりそのジャッジング、裁定の下し方というのは、やはり僕が見てきた審判の方々(特に、九州の方々があてはまります)に影響を受けている部分はあります。
ただし、その中で一点だけ大きな違いがあります。
それは、非紳士的な行為に対してだけは特別に厳しい、という事です。

非紳士的行為。
要するに、「相手に親切でない行為すべて」です。
よく頻出な場面として、二つの例を挙げようと思います。
一つは、表向きだったカードが裏向きになった時、その情報を伝えないという事。
例えば「《月の書/Book of Moon》で裏返した《死霊騎士デスカリバー・ナイト/Doomcaliber Knight》の守備力いくつでしたっけ?」って相手が聞いたとします。
それは「プレイヤーが記憶すべき情報」を記憶していなかったわけですから、裏にしてから長い時間が経過していれば再確認は難しいですが、裏にしてからまだ時間が経っていない時に行ってきた相手の確認をもう片方のプレイヤーが拒否した場合、帝の場合は場の状況に関係なく、相手の確認を拒否したプレイヤーに罰則を与える事があります。

もう一つあるのは、違反見逃しを棚に上げた言動です。
一番分かりやすい例は《封印の黄金櫃/Gold Sarcophagus》発動後二回目のスタンバイフェイズでのカードの戻し忘れです。
これは特に物議を醸し出す問題ですが、この事態が発生した場合、自分は両者に警告のように、比較的重い罰則を与えて注意を喚起するようにします。
戻し忘れた側には「カードの不適切な使い方/処理の誤解」としての注意を、
もう片方には「対戦相手の違反行為を見逃した」という事で注意を、
両方に与えます。
というのも、こうした相手の処理を見逃すという行為は故意に行っている可能性も否定できず、また、忘れた側だけが注意を受けた場合、もう片方のプレイヤーは今後何か起きた時に「口実として」自分が注意を受けなかった過去の経緯を利用してくるからです。
このやりとりの際の発言次第で、帝の場合は違反を見逃した人間に罰則に近い注意を与えます。
そうでもしなければ、こうしたいわゆる「揚げ足取り」は断絶できない、と考えているからです。

大会に慣れている人間は、総じてルールの細かい部分を利用してゲーム以外の部分で自分にとって有利な状況を作ろうと画策します。
僕としては、それを絶対に許すような真似はしたくないと思っています。
理由は簡単。「遊戯王が楽しめないから。」です。

せっかく遠路遥々会場にお越し頂いて、お金を払って一日遊戯王を楽しみたいと思って
参加者は大会にエントリーしているのです。
その気分を害するような事だけは、僕は絶対に許しません。

遊戯王を楽しくやろうとしない人間にはマッチロス、酷い時には退場してもらうのも辞さない構えです。
そんな人間に、遊戯王をやる資格はありません。
「出て行け」以外に言葉が思い浮かばない。


【速度】
九州と東日本の大会を比較した際、明確に各地を特徴付ける行為があります。
それは、「事務局への電話確認」。
「事務局に対して、責任を転嫁する」という風習が東では根付いているとの話を耳にしましたし、自分も実際に目にしてきました。
審判を行う上でスタッフが持つ携帯端末には当然、事務局への電話番号は登録されています。

しかし、断言します。
帝はこれを行いません。
理由としては幾つかあります。
一つは、速度です。
ジャッジコールが行われ審判に対して質問を行う状況というのは、往々にして
急な解決を要するものばかりです。そのため、聞かれた際に即時に応答ができてはじめて
大会にジャッジを用意する事の意味が見出されると思っています。
もう一つは、審判の尊重です。
単刀直入に言えば、事務局への電話というのは参加者にも出来る事です。
それを審判が行うという事は、参加者が実行したくても出来ない行為を「審判が代理で行っている」というだけになってしまいます。
誰でも出来る事をするために、ジャッジは存在しているのではありません。
もしそれを容認してしまった場合、それこそ対戦中に参加者が携帯電話を取り出し事務局に電話をするようになってしまいますから、審判を設ける意味がなくなってしまいます。
何故そもそもジャッジが必要なのか?それは、ジャッジにしか出来ない事が、大会中で頻発するからです。
そうした基本理念を覆すような事態が起きてしまえば、その大会の運営には必ず支障が出る事でしょう。
そのような事態を防ぐためにジャッジがいる事を、決して忘れてはならない。
だからこそ帝は、そして帝が尊敬する審判の方々は、このような電話問い合わせを行いません。

補足すれば、最近では事務局への問い合わせが多すぎて確実に繋がらない事態や電話代も結構馬鹿に出来ない、など付随して起こる問題も多くあります。
そのような事態にならないようにするためにも、帝は事務局への問い合わせを行いません。


【展望】
今後、自分のスキルアップとして審判を行っていく上での展望を最後に述べようと思います。

現状はっきりしているのは、他の人のジャッジングを見たいという気持ちが強い事です。

自分が実際に審判の仕事をこなしていく上で、本当に多くの事を現在進行形で学んでいます。
これだけ長く遊戯王に携わっていても知らない事が本当に多くある。
だからこそ、単純に知らないことを知りたい、という気持ちが強いです。
他の人がどのようなジャッジングを行っているのか、
どのような伝達方法をすれば、参加者に適切に案件を伝えることができるか、
ルールだけでなく、応対の方法など、実際の現場でなければ学べない事が本当に多く存在します。
そのため、審判経験が豊富な方と意見交換をしたいです。
自分自身の意見を述べたいですし、相手の方の意見も聞きたい。
それでいて、疑問に思う点や実際に直面した難しい場面、今後遭遇するであろう事態に対する予防法などいろんな意見交換をしてみたいと思っています。

そういう意味では、活動の拠点としている福岡県等では
審判経験が豊富な方が多くいらっしゃるので比較的恵まれた環境に自分はいるのかもしれません。


参加者の方により遊戯王を楽しんでもらい、
そして自分自身がより遊戯王を楽しむためにも、
今後とも、より学びを深めていく所存であります。




登録タグ: 遊戯王  大会運営  イベント運営  意識改革  相手への配慮  審判  ジャッジ 

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テーマ:日記投稿日時:2011/10/27 07:16
TCGカテゴリ:
表示範囲:全体
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