Shangri-La

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マリガンハンド

帝です。

何か話題になっているらしいので普段考えてる事を踏まえつつ記事を書きます。


[1].用語

そもそもマリガンとは何か。



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マリガン


マリガン/Mulliganとは、最初に引いた手札が気に入らない場合、新たに手札を引き直せるルール。
ゲームを始めるときに各プレイヤーが手札を引いた後、先攻プレイヤーはマリガンを行うかを決める(まだマリガンは実行しない)。その後、ターン順に各プレイヤーがマリガンを行うかを決める。
全プレイヤーが選択を終えた後、マリガンすることを選んだプレイヤーは同時にマリガンを行う。
これ以上マリガンしないと決めたら、そのカードがそのプレイヤーの初期手札となり、それ以上マリガンすることはできない。
この手順は、すべてのプレイヤーがマリガンしなくなるまで繰り返される。

マリガンを行うプレイヤーは、手札を山札の中に混ぜ入れ、そして最後に引いた枚数より1枚少ない枚数の新しい手札を引く。マリガンは手札が1枚以上あれば何回でも実行できるが、1回につき引ける手札は1枚ずつ減少するということである。

(参考:『MTG Wiki』http://mtgwiki.com/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A...

追記。
以上が、マリガンの基本概念であるがその内容についてはゲームの"ルーリング"によって異なる。
中にはゲームを開始するのに必要なカードが無い場合はそれを相手に公開して同じ枚数を引き直すもの、回数が制限されているゲームや、戻し方が決められているものなどもあり、条件が異なる。
そのため、必ずゲームごとのルーリングを把握し、混同を避ける事。

語源。
本来はゴルフ用語で、ティーショットをペナルティー無しで打ち直す事。この名称は、David Mulliganという人名に由来し、ゴルフ好きのマリガンさんはホテルを多く所有する著名なビジネスマンでいつも多忙しており、いつも練習なしでゲームをスタートするため、ゴルフ仲間が彼に限り、スタートのティーショットが不満であれば一回のみ打ち直しを許可するという温情ルールを設けた事が語源とされている。


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[2].理論

実体験と理論値等を考慮して、大雑把な事を書くと次のような基準が存在すると思われる。

1:色を要求するハンドはマリガン。

Gや土地の場合。
まず初手をキープハンドであるかどうか把握する判断基準は、ゲームを始めるために必要なカードの枚数(ガンダムウォーであればG、MtGなどであれば土地、である)が明確な基準になり得ると思われる。この時、混色やタッチなど基盤となる色(A)以外の色(B)が存在する場合、「枚数」以外の判断材料が思考の中に出現するため、じっくり吟味する必要が出てくる。

結論から言えば、それが「色」を要求するものである場合はマリガン、引き直すべきである。

一方で、必ずしも上記に該当する場合はマリガンであるかといわれれば一概に言えない場合も存在する。
その際、基準となるのは自分と相手のターン数であるかと思われる。
必要な必要札(Gや土地)の枚数(W)に辿り着くターン数(a)が相手のターン数(a')より小さい、もしくは同じ程度の量でなければ、結果として対戦相手の展開速度に間に合わなくなってしまう。
よって、X枚の初手に必要なカード(Gや土地)を投入したY枚のデッキで初手の必要札の数がZとすると、

a'≧{(W-Z)×(Y-初手規定枚数)+X-Z}/(X+Z)

という数式にならなければならない、という事が言える。
例を挙げて考える。

先攻を取り、3ターン目までに《ガンダムラジエル》(必要G:3以上、必要色:2色)が必要となる、18枚のGを採用した50枚のデッキにおいて初手にあるGが2枚だとすると、

a'=3
W=3
X=18
Y=50
Z=2
初手規定枚数=6

3≧{(3-2)×(50-6)+18-2}/(18+2)
→3≧{1×44+16}/20
→3≧{44+16}/20
→3≧3

色を無視した場合はこのようになる。

参考までに、これが、50枚デッキの先攻3ターン目までに、9枚投入した黒ヴァリアブルのうち1枚を引きたい場合、
必要なカードのデッキ内投入枚数=9
引く枚数=8
(初手6枚+2ターン目のドローフェイズ規定効果による1枚+3ターン目のドローフェイズ規定効果による1枚)
デッキ枚数=50
とする場合、欲しいカードを引く枚数の期待値は1.44となる。


このとき、初手が紫Gのみで未だに1枚も引いていないa枚投入のカードを引くためにかかる平均ターンを検討します。
50枚のデッキにおいて、それまでに引いたカードの合計枚数をbとすると、今後cターンでa枚投入のカードを引ける枚数の期待値を検討するとして、
a=9
b=2
c=2

a×c/(50-b)

という式が出来、9×2/50-2=0.375となる。
平均的に1枚は引けるターンであるため期待値を1とすると、

1=a×c/(50-b)
これを変形して
50-b=a×c
→c=(50-b)/a
となり、要するに残るデッキ枚数を投入枚数で割った値であるため公式を導かずとも理解できる事が分かる。

総じて、上述の内容が満たされない場合は、マリガンする事を考える「必要がある」と言える。

以下、上述の理論計算から発展した記述を行う。

2:必要なカードが揃っている場合はあえてマリガンをしない
事故には二種類の事故が存在する。
それは不足と過多。
前者は、ゲームをスタートするのに必要な"必要札"が不足している状況。 そもそもゲームが始められない、という事が理由して挙げられる手札内容を指す。
後者は、前者と同義に感じられるかもしれないが、毎ターン必要札を場に置く事は出来るがそれ以降の展開が出来ない手札内容を指す。
必要札にカードパワーは存在しない事から、いわゆる「逆事故」という言葉があてはまるか。

これらの事故から転じて、「必要条件の寸前」が存在すると思われる。
いわゆる「○○を引ければ勝つ」手札内容の事で、内容が充実しており特定のカードを引けばそれら全てを展開し、有利に試合を運ぶ事ができるほどに富んだ内容の手札である場合はマリガン後の手札よりもカードが一枚多いためカードアドバンテージという観点から、その手札を優先する動機付けが可能となり、結果として期待値と互いのターン数を考慮すれば、マリガンしてからよりも効率の良い展開が期待できる事が理解できる。


3:デッキコンセプトを最大限に活かす最高効率を追求できるハンドを目指してマリガンする
意味合いとしては項目2の派生。ほぼ同義でありながら意図が異なる。

例えばウイニーであったり、限定構築(ドラフトやシールドにおけるリミテッド環境)など、「限られたターン数(内)での勝利が要求される」というコンセプトのデックである場合、その条件を可能な限り実現できる手札内容でなければ、対戦相手の勝ちが近づく訳ではないが少なくとも自分の勝ちはかなり遠のいてしまう。(ここでもまた、自分と相手のターン数の計算が必要となってくる)

具体例を挙げると青赤00における陸ジムや、親和やストンピィにおける1ターン目アタッカーのキャストがあてはまると言える。


[3].結び

マリガンを行うにあたっての判断基準について、またそれを培うには以下のものが必要であると考える。
①「確立された期待値・確率の計算式を把握する」
 →数式・正確な理論による後ろ盾。
②「相手と自分とのターン数を計算する」
 →キーカードへ到達するまでの所要時間。
③「カードアドバンテージを検討する」
 →内容に富んだ物量差による勝率追求。
ただし、上述の内容がどの程度まで許容されるのかは実際に卓上でゲームをプレイしてはじめて把握できるもので、また様々な要因(ドローソースなどのデッキ圧縮による数値変化、混色からの理論混合など…)によって変化する事から、まず実際にカードゲームをプレイした上で、理論の実践を行う事を推奨する。


数は決して人を裏切らない。

ただし、運は時に人を裏切る。

その駆け引きが、カードゲームの楽しさではないだろうか。




参考にして頂ければ幸いです。





2010.7.9
福岡遊戯王大規模非公認大会開催組織「TCS運営委員会」大会記録担当


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テーマ:日記投稿日時:2010/07/11 16:24
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