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[2015/07/28 17:05]

様々な業種・視点からアナログゲーム業界を見る「ブシロードTCG内覧会」セミナー(後編) ( 1 / 3 )

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様々な業種・視点からアナログゲーム業界を見る
「ブシロードTCG内覧会」セミナー(後編)

7月9日(木)に開催された「ブシロード内覧会」。
第3回となる今回の記事では、前回に率い続きTCG業界関係者の他、他業種の方も招いて行われたセミナーから、コロコロコミック 古川氏、カードキングダム サンダー氏、238SV氏、そしてブシロード木谷氏の講演内容をご紹介します。

目次


バディファイトスマッシュヒットの要因とコロコロイズム
コロコロコミック編集部 古川純平 様

セミナーも折り返し。四番目の講演に登場したのは、フューチャーカード バディファイト立ち上げ当初からかかわっているというコロコロコミック編集部の古川氏。
フューチャーカード バディファイトの立ち上げの経緯から現在のヒットの要因、そして長年子供向けコンテンツを取り扱うコロコロコミック編集部さんの考える子供向けコンテンツに対する考え方などを話しました。
▲バディファイトスマッシュヒットの要因とコロコロイズム▲コロコロコミック編集部 古川純平 様

今日の発表会でもありました通り、バディファイトはコロコロの中でも非常に好調でございます。
特にギガ・フューチャーの発売した4月頃からアンケート順位もググッと上昇していまして、妖怪ウォッチやでんぢゃらすじーさんなどがあるなかで全体の2位になるなど、本当に人気がでてきたなと感じております。
本日はどういう経緯でバディファイトが立ち上がったのかということを話していきたいと思います。


フューチャーカード バディファイト立ち上げの経緯

▲ラストチャンス!
木谷社長の覚悟!!
▲っこまでやるか!やりすぎ!?
超絶プロモーション!

まず一番にあげられるのは、木谷社長の覚悟、熱意というのがコロコロ編集部に伝わったというのがあります。
ご存じのとおり、デュエル・マスターズというコロコロコミックでもう10年以上やっているカードゲームの次ということで、なかなか新規カードゲームの参戦はしづらかったのですが、木谷社長が「ラストチャンス」という言葉を使われて、我々にプレゼンに来ていただきました。

スマートフォンなどバーチャルなやりとりが子供にも普及しているなかで、元々マジック:ザ・ギャザリングや遊戯王、デュエル・マスターズなど息の長いものはありますが、新規のカードゲームはなかなか育っておらず、特に小学生向けとして新しいものがありませんでした。
このままいくと、だんだん平均年齢が上がっていって、カードゲームで遊ぶ子供がいなくなるんじゃないかという危惧が社長の中であったという風に伺っています。

折角成長してきたカードゲーム文化というものを、もう一度しっかり1からやりたいというのがきっかけで、(バディファイトは)始まりました。

また、現状アニメ制作を担当しているOLMさんが、非常に大きな役割を担っていると思っています。OLMさんというと、妖怪ウォッチやポケットモンスターなど子供向けの超ハイクオリティなアニメを次々に世に送り出していっているアニメーション会社なんですが、木谷社長がバディファイトのアニメを打診した際、もろもろの事情が重なり断らざるを得なかったそうなんです。

それでも木谷社長はめげずにもう一度打診したそうで、OLMの奥野社長によりますと、二度と一緒に仕事できない覚悟でお断りしたので非常にびっくりしたとおっしゃっておりました。
「2度も誘われて断ってしまっては漢じゃないぞ!」と奥野社長は木谷社長の要望をついに受け入れたのです。このようにして、この業界の漢気ある2人の社長の新しいコンテンツを売り出そうということになり、バディファイトはコロコロコミックで連載含めて展開する事になりました。

そういった経緯ではじまったバディファイト。スライド(※上記画像参照)にも超絶プロモーションと書きましたが、自身もコロコロミックにもう10年位在籍しておりますが、ここまでプロモーションを「本気でやる」会社は見たことがありませんでした。
ご存じだとは思いますが、大量のCMや空港、駅、新幹線の座席、名古屋の一部の地域では子供のランドセルカバーの一部にもバディファイトの広告が載っているといった、本当にありとあらゆる手を使っていて、その効果は絶大だったと思います。


なぜ龍炎寺タスクは主人公ではなかったのか

▲あっさり流出!?コロコロの極秘流儀 なぜ龍炎寺タスクは主人公ではなかったのか

最初は龍炎寺タスク君、彼が主人公で、バディポリスとして活躍する話としてコロコロ編集部でプレゼンしていただきました。

ご存知だと思いますが、彼は容姿端麗でバディファイトの腕も超一流で、中学生ながらバディポリスも務めているいわゆる天才型なんです。
エリート中のエリートだとは思うんですけど、コロコロはそういうときに、主人公に置きづらいなとまず感じるんですね。
普通に考えてタスク君が先生の目を盗んで早弁しないなとか、誰かをいたずらして笑わせようとか、そういう要素が抜け落ちていて、憧れではあるんですけど、ちょっと近寄りがたい。コロコロでは主人公として考える時に、このキャラと友だちになりたいだろうかというところを、凄く重要視しています。

このイラスト(※上記右側のイラストを参照)を見てもわかるとおり、タスクが腑抜けていると大変なことになりますし、それはタスク先輩じゃなくなってしまう。でも牙王君ならこういうこともできる。
タスク君はやっぱりカッコ良すぎるのでドラマが生まれない。仲間との喧嘩もしないし、事件も起こらない。ただ単純に強い敵を倒すストレートなドラマしかかけなくなてしまうのが不安に感じました。

皆さんの経験でもあると思うんですが、やっぱりちょっと人間くささがあって、そういう奴がダメだけど頑張っているところに人は共感して応援したくなる。もちろんタスク君も重要な役割は担っていて、ダブル主人公くらいに考えてはいるんですけれども、中心に据えるのは欠点もある器の大きいキャラということで牙王となりました。


違いがわかりますか!? 子供向けと子供だまし

▲違いがわかりますか!? 子供向けと子供だまし

これが本日私が最も言いたいことなんですけども、「子供向けと子供だまし」という言葉があるんですけども、いったいどう違うのかというのを説明したいと思っています。

コロコロ編集部にはいろいろな企画が持ち込まれることがあるのですが、なんとなくコロコロっぽいという作品を持ち込まれる方もいます。
そういうのを見て、子供向けと子供だましというのは全然違うものだなというのを感じます。

子供向けのコンテンツとは、「大人の自分が本当にかっこいいと思っている(こと)を、分かりやすく伝えているコンテンツ」です。

「これは絶対に子供だってかっこいいと思うはず!でもちょっと難しい(分かりづらい)かもだから、分かりやすくしよう!」これが子供向け。

当然、自分がおもしろいと思わないものは、子供にだっておもしろくありません。
熱も伝わりません。


逆に子供だましとは、「大人の自分はあんまり好みじゃないけど、たぶん子供はこういうのがたぶん好きなんだろうと思って作られているコンテンツ」です。

子供っぽいノリをざっくり想像して、なんとなく子供の好みに合わせて作るのではなく、「子供よ、こういうものがかっこいいのだ!!おじさんが教えてやる!!」という気概くらいが丁度良いのです。

子供にとっても、大人にとってもおもしろいさ、かっこよさは平等です。
だから名作と呼ばれる子供向けの作品は、大人にとっても、かっこいいし、おもしろいのです。


今後バディファイトはどうなっていく?

▲アニメ第3期はコロコロコミックと田村光久先生が原案!

先ほど発表会でもありましたとおり、今までもブシロードさんと相談しながらやってきたのですが、いよいよアニメ3期(2016年4月)からはアニメの原案を田村先生とコロコロコミックでやっていくということになります。
面白い原作になるように頑張っていきたいと思っておりますので、宜しくお願いいたします。

私(古川氏)と田村先生で話しているテーマというのがありまして、井上ひさし先生の有名な言葉を読ませていただきます。


子供向けの王道かなと思っています。小難しいことはできるだけ優しくしたいけれど、伝える内容を浅くはしたくない。
深いことを難しく伝えたくなくて面白く伝えたい。
それを真面目にやりたいし、真面目なことは面白くしたいし、笑いのギャグのところは思いっきりやりたい。
こういうテーマで田村先生と作っております。

先ほど3期のアニメについて「ドラゴン」というキーワードも出ましたが、おそらく新ライバルも出ますし、新バディも出ますし、いろんなアイデアが出て絶賛制作中ですのでご期待いただけると幸いです

3期を含めて、田村先生とコロコロコミックで10年以上は絶対やるんだと思っております。ブシロードさん協力のもとで付録も漫画もイベントも今年の夏以降全力でやっていきます。

発売から1年以上経って、アニメ、イベント、マンガ、カードが噛みあってきたなと感じます。現場もいろいろ慣れてチャレンジできるようになってきて、創っているものの質も上がっているなというのを肌で実感しています。
恐らく今後もっと上り調子でいけるんじゃないかと、手ごたえを感じています。

バディファイトは本当にまだこれからなので引き続き皆様のご支援、宜しくお願いいたします。


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