KBTITさんのブログ

あちこちで騒がれているみたいなので、個人の見解を少し。



まず公式ツイッターにもあるように、カードそのものの制限ではなくプレイ時間という場所に要点が向けられてるということ。今更説明するまでもないけど、オサキループデッキは対戦相手よりもまず時間との戦いが重要。ループデッキである以上、一定の手順を繰り返すためどうしてもプレイに時間がかかってしまうことは仕方がない。少し違うのは、ループとは言いつつも全ての作業が同じものではなく、そのつど手順を間違えずに正しく繰り返す必要があるということ。

通常、こういったループのあるデッキはある手順を何度でも好きな回数だけ繰り返すことができ、その手順を省略できる場合がほとんどだ。が、このオサキループについてはそれが当てはまらない。ループそのものは始まるが、その手順を省略することができない。全ての行動を正しく行う必要があり、場合によっては手順を間違えてループが終了してしまうこともある。これが試合時間が長引く最大の理由であり、オサキループが環境で多くの引き分けを発生させる理由でもある。

付け加えておくと、私は別にオサキループというアーキタイプそのものを否定するつもりはない。確かにまだカードプールの狭い段階でこのようなループコンボが突出してしまったことは健康的であるとは言えないが、ルールそのものに抵触してしまったわけでもない。多くの人が使い使われているこのデッキの一番のガンとなる部分は、やはりその時間の使い方の一点に尽きると思う。

ループの性質上仕方ないとはいえ、とにかく長い。1ターンがとてつもなく長い。回しているほうもあれこれ考えて手順を模索しているのは当たり前だが、それを目の前にしている側としては退屈の一言に尽きる。かといって、完璧なループコンボでない以上はそこで投了するのも間違っているし、相手のライフがどれだけ増えたところでそれはこちらの敗北には直結しないのでやはりじっと見ているしかない。そうこうしているうちに時間だけが過ぎて、多くの場合は時間切れで引き分け扱いとなる。主宰店舗などによってはその後ジャンケンなどで勝敗を決めるケースもあるようだが、それはゲームとしての決着とは言いがたいものだ。

前置きが長くなったが、恐らく8/8に発表されるテコ入れというのは禁止や制限も十分に可能性はあるが、時間切れの際の判定に関わることではないかと思う。要するに、時間切れは便宜上引き分けとなるが扱いとしては両者共に敗北扱い、ということになるのではないだろうか。カードに禁止や制限を与えることは非常に簡単だが、いくらなんでもこのタイミングでは早すぎるだろう。禁止や制限を容易にしてしまえばユーザーはどんどんそのゲームから離れていく。時間とお金をかけて集めたカードが、ある日突然ただの紙くずになるのは非常に悲しいことだ。個人的にも今回の告知で禁止や制限などは出来る限り出ないことを願っている。

それらを踏まえた上で、やはりプレイヤーそれぞれがしっかりと時間を管理して、スムーズなゲームの進行を心がけることが一番大事なことだろう。もちろん考えるときは考える。

手札の枚数を確認する。
エナの枚数は？
トラッシュには何が落ちている？
ライフクロスの中には何が残っている？
相手のアーツでまだ見てないのは何だ？

私達はその状況で得ることが出来るありとあらゆる情報を得ようとして、そして行動を決定する。それはとても時間を消費することだ。私だけではなく、もちろんあなたも。だからこそ、時間を大事に使おう。そして無駄な時間を使うことは極力少なくできるように努力すべきだ。もしも私やあなたが、本来なら何も考える必要がない状況でそれでも考えている、あるいは考えているフリをしてしまっているのだとしたら、それは遅延行為に該当する。ウィクロスのフロアルールで遅延という行為がどの程度の罰則に該当するか私は知らないが、多くのカードゲームにおいてムダに時間を費やして延々と考える行為は褒められたことではない。

そこまで考えてもまだ考えたりないのであれば、それはきっと「考えて」いるのではない。ただ「悩んで」いるだけだ。悩んでいたって答えは出ない。悩むな。考えろ。考えて結果が出たのなら、あとはそれを実行しよう。正解かもしれない。不正解かもしれない。自分の読みは正しかったか？間違っていたか？その先に勝ち負けがあるから、カードゲームは面白いんだ。誰だって負けるよりは勝ちたい。だけどそうならないことだって同じくらいある。

じゃあ、引き分けは？

負けてないけど勝ててない。勝ててないけど負けてない。勝ち負けのない勝負なんて、そんなのは最初から何もしていなかったのと同じだ。私はこのウィクロスというゲームを、そんなつまらないゲームにだけはして欲しくない。